いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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フィギュアスケートの転倒。 turn upside down in figure skate

2013-03-17 19:54:59 | 日記
 (1)カナダで開催のフィギュアスケート(figure skate)世界選手権、ソチ・オリンピックの出場枠を懸けた世界チャンピオンを争う大会だが、男子種目では世界を代表するトップスケーターがよくもまあ次から次と転倒(turn upside down)するものだと感心して観ていた。

 いきなりジャンプして「ふわり」と半回転(まったく回転のタイミングが合わずに回転不足)して、時間がその時だけ止まったかのような異和感を感じることもしばしばだ。
 世界のフィギュアトップスケーターがいくら難度の高い演技水準とはいえ、転ばないで滑り終えれば「見事」というのでは寂しい限りだ。

 (2)フィギュアスケートは、鋭く尖(とが)った刃の装着したスケート靴で氷上を滑るという不安定な原理構造スポーツで、しかも限られたリンクエリア内でトップスピードに乗ってジャンプ、スピンを披露するという優れた技術操作力(ability of technical control)が要求されるスポーツだ。

 世界を代表するトップスケーターは、幼い頃からそれ一筋に訓練、挑戦し続けてきたプロフェッショナル(professional)だ。世界チャンピオンを争う選手権出場者がせめて転ばないで滑り終えたらすばらしいでは、何かが足りないとしか考えれない。

 (3)フィギュアスケートも他のスポーツ同様に、3回転ジャンプが3回転半に、さらに4回転の高難度技に進化して、男子種目では4回転を成功させなければ勝負にならないというところまで技術要求度が高まっている。しかも1演技中に4回転ジャンプを2度、3度取り入れる水準まできている。

 限られた演技環境の中で、限界、進化に挑戦するプロフェッショナルの「すごさ」でもあるが、それを実現するのがまたプロフェッショナルの存在理由(identity)でもある。

 (4)世界のトップスケーターは、かってのトップスケーターのコーチのもとにありとあらゆる可能性追求チーム編成で切磋琢磨するアーティスト産業化の中のプロフェッショナルなのだ。
 通常なら「要求」に当たり前のように応えて当然のプロフェッショナルのはずだ。ところがこうも簡単に次から次へと見事に転倒の連続、回転不足を、まるで平然と人間だからそうでもあるかのように披露されると、競技レベルそのものの精度に疑問を感じてしまうところだ。

 (5)今回のカナダ世界選手権会場リンクは一目でわかるリンクの狭さで、スケーターの何人かは直接リンクフェンスに激突する場面も見られたが、与えられたゲーム環境の中で実力を発揮するのもプロスキルだろう。

 フィギュアスケートは、かっては欧米が中心の主力構成ではあったが近年は日本を中心にアジア勢力が台頭して、特に日本は男女種目とも層の厚さ、レベルの高さが特徴だ。
 
 (6)フィギュアスケートは不安定な原理構造スポーツで、誰もが気安く挑戦できるスポーツ要素ではなく、世界の競技人口の推移はよくわからないがレベル劣化相関図には「欧米勢力の退潮」と「競技人口」と「スキルの不安定性(instability)」の比較関係はあるのではないのか。

 今日は、しばらく公式競技から遠ざかっていたオリンピック金メダリストのキム・ヨナの余裕の首位に、バリバリの日本勢力が挑戦する同女子フギュアだ。

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