(1)北朝鮮が国際社会の反対を押し切って核実験を強行したのが2月6日(日本時間)で、これに対して国連安保理が追加制裁決議を全会一致で採択したのが3月8日(同)と北朝鮮核実験の余韻も消えた1か月以上もたってのことだった。
制裁決議(resolution of sanction)というのは時を経ずして核実験に対する脅威、抗議が現実のもの、問題意識として国際社会にまん延している内に発動することが有効な手段だ。
国連安保理による制裁が言われながら、表立った動きもなく1か月以上を要して、この間に北朝鮮はさらなる核実験、ミサイル発射実験強行を「強い言葉(米国を火の海にする)」で発信続けて、まるで相手にされない子どもが強い関心を受けたいがために大騒ぎするような奔放な始末であった。
(2)効果的な制裁措置のための国際社会の連携、協力強化、調整の時間も必要であったのかとも思われたが、出てきたのは①核ミサイル開発につながる資金、資産の移動を禁止、②船舶の貨物検査の義務化、③外交官の不正行為の監視を骨子としたもので、「追加」制裁と言いながら「いつも通り」の制裁内容領域内のものだった。
核実験強行当時の国際社会の強い脅威、抗議など感じられない形式的な制裁内容だ。こうした経済制裁中心の北朝鮮制裁が有効な手段でないことは、北朝鮮が先軍政治に偏向して国民を省(かえり)みない、あるいは犠牲にした国内状況からあきらかなことだ。
(3)国連安保理が「追加制裁」と大上段に構えながらのありきたりの形式的な制裁内容では、ますます北朝鮮に余裕を持たせた思うツボ〔増長した米国、国際社会刺激(瀬戸際外交)〕になるだけだ。
中国は今回は今までと違って国連憲章(7章)に基づく制裁措置に同意しての制裁決議だった。パラドックス(paradox)に見れば北朝鮮の東アジア唯一の友好国の中国もなんとか同意できる程度の制裁内容だったとも言える。
(4)今回の北朝鮮の3回目の核実験強行は中国も事前に反対を表明しながらの強行だっただけに、中国としても今までのような北朝鮮擁護の立場など取りようもなかったが、結果として東アジアでの米国対峙策としての北朝鮮カードを放棄することなどしなかったのが、この1か月以上の空白と「追加制裁」と言いながらのいつもと変わらないありきたりの北朝鮮に対する国連制裁措置ということだ。
(5)国連安保理主要メンバー国(米・ロ・中)はすでに核保有大国が名を連ねての既得権益保護の姿勢が北朝鮮にその足元を見られての国連安保理の優柔不断(irresolution)でもあったのだ。
そこを見透かされての核実験強行直後には一時期北朝鮮も中国国境を閉鎖しての、友好国中国に対しても奔放な反発姿勢を強めているとの報道情報もある。
(6)脛(すね)に傷もつ核保有大国が、それを見透かすかのように増長する北朝鮮に対してどう対応すべきなのか暗中模索の状態だ。
核のない世界の実践のために核保有大国が核廃絶の平和世界実現に向けて一致率先することが先決ではないのか。
制裁決議(resolution of sanction)というのは時を経ずして核実験に対する脅威、抗議が現実のもの、問題意識として国際社会にまん延している内に発動することが有効な手段だ。
国連安保理による制裁が言われながら、表立った動きもなく1か月以上を要して、この間に北朝鮮はさらなる核実験、ミサイル発射実験強行を「強い言葉(米国を火の海にする)」で発信続けて、まるで相手にされない子どもが強い関心を受けたいがために大騒ぎするような奔放な始末であった。
(2)効果的な制裁措置のための国際社会の連携、協力強化、調整の時間も必要であったのかとも思われたが、出てきたのは①核ミサイル開発につながる資金、資産の移動を禁止、②船舶の貨物検査の義務化、③外交官の不正行為の監視を骨子としたもので、「追加」制裁と言いながら「いつも通り」の制裁内容領域内のものだった。
核実験強行当時の国際社会の強い脅威、抗議など感じられない形式的な制裁内容だ。こうした経済制裁中心の北朝鮮制裁が有効な手段でないことは、北朝鮮が先軍政治に偏向して国民を省(かえり)みない、あるいは犠牲にした国内状況からあきらかなことだ。
(3)国連安保理が「追加制裁」と大上段に構えながらのありきたりの形式的な制裁内容では、ますます北朝鮮に余裕を持たせた思うツボ〔増長した米国、国際社会刺激(瀬戸際外交)〕になるだけだ。
中国は今回は今までと違って国連憲章(7章)に基づく制裁措置に同意しての制裁決議だった。パラドックス(paradox)に見れば北朝鮮の東アジア唯一の友好国の中国もなんとか同意できる程度の制裁内容だったとも言える。
(4)今回の北朝鮮の3回目の核実験強行は中国も事前に反対を表明しながらの強行だっただけに、中国としても今までのような北朝鮮擁護の立場など取りようもなかったが、結果として東アジアでの米国対峙策としての北朝鮮カードを放棄することなどしなかったのが、この1か月以上の空白と「追加制裁」と言いながらのいつもと変わらないありきたりの北朝鮮に対する国連制裁措置ということだ。
(5)国連安保理主要メンバー国(米・ロ・中)はすでに核保有大国が名を連ねての既得権益保護の姿勢が北朝鮮にその足元を見られての国連安保理の優柔不断(irresolution)でもあったのだ。
そこを見透かされての核実験強行直後には一時期北朝鮮も中国国境を閉鎖しての、友好国中国に対しても奔放な反発姿勢を強めているとの報道情報もある。
(6)脛(すね)に傷もつ核保有大国が、それを見透かすかのように増長する北朝鮮に対してどう対応すべきなのか暗中模索の状態だ。
核のない世界の実践のために核保有大国が核廃絶の平和世界実現に向けて一致率先することが先決ではないのか。