いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

南海トラフ巨大被害。 huge damage by N. trough

2013-03-20 19:31:22 | 日記
 (1)静岡県から宮崎県沖一帯の太平洋側地域に延びる南海トラフ(trough 溝)でM9級の巨大連動地震の発生が懸念されており、国の中央防災会議が被害状況全容(最悪想定)を公表した。

 被害総額は経済活動、ライフライン、交通など220兆円という国家予算の2年分相当にものぼる途方もないものだ。被害者は6800万人、避難者950万人という国の形態、機能の「半分」が被害を受ける想定だ。
 早くから警戒されていた同エリア内にある東海沖大地震は30年の間に80%の確率で発生する(研究者説)と言われており、南海トラフとの連動性能が懸念される。

 (2)もちろんこれには耐震対策、減災効果は算定されておらずに、耐震化が仮に100%の場合には被害額は「半額」するとしている。
 最大30m級にも及ぶ巨大津波も想定されており、湾内、沿岸での津波減少(津波ブロック)化対策の研究も大学機関で進んでおり、可能な限りの減災対策の研究開発整備を急がなくてはならない。

 (3)それと今回の南海トラフ巨大地震被害の中に「原発」被害想定は組み込まれていない。「地震発生と同時に運転停止する」とか「緊急的な対応が必要となる」とだけ記載(報道)されているだけで、被害想定を放棄したまったく要領の得ないものだ。

 福島第1原発事故の被害状況、対応の混迷を見れば、もっとも深刻で避けることの出来ない国民の関心の高い究極の(ultimate)災害被害だ。

 (4)海岸地帯に設置された原発は、巨大津波の影響を最も早く受けるロケーションにありながら原発安全神話の虚像の中で安全対策も取られずに福島第1原発事故は起きた。原発は稼動していなくても40年廃炉までは坊波対策、補助電源、冷却システム、オフサイトセンターの完備対策は緊急を要するものだ。

 安倍政権の30年代原発ゼロ政策の「ゼロ」からの見直し(原発再稼働)方針に影響を与えるからと被害想定をあいまいにしたのでは、南海トラフ巨大地震被害想定の「核心(core)」を故意に外したもので意味も意義もない。

 (5)学術的、専門的な立場、見解からの原発安全対策への意見が盛り込まれる「機会」なだけに、少々時間をかけてもそこまで勘案して公表すべきであった。原子力村の影響力が働いていたと見られても仕方のない結果だ。

 (6)南海トラフ巨大地震による原発被害想定があきらかになれば、今回の想定被害総額220兆円も被害状況も「問題外の規模」のものとなるだけに、「核心」の抜けた、重要問題欠落のままの南海トラフ被害試算としかいえないものだ。

 関係自治体からは当然のように「原発永久停止」(廃炉と言うべき)、「原発で問題が起きた場合の想定」を要請(報道)する声が聞かれる。
 

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