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歴史の語り部を追った話(2):シカゴランドショウ(Chicagoland Show)

2018年06月17日 20時52分02秒 | 歴史
未完のウェブサイト「コインマシンの世界」には、「シカゴランドショウ(Chicagoland Show)」についての記事が掲載されています。

シカゴランドショウは、毎年4月と11月の2回、シカゴ近郊で開催されている、コインマシンを中心とした骨董市です。コインマシンの骨董市は数々ありますが、シカゴランドショウはその中でも最も規模が大きいと思われるものなのだそうです。そして、前回言及した故リチャード・ブッシェル氏(関連記事:歴史の語り部たちを追った話(1):ウェブサイト「コインマシンの世界」)も、生前、この運営に深くかかわっていたとのことです。

ワタシはこのシカゴランドショウに、これまでに2005年、2006年、2010年の3回、訪れています。この頃は、ワタシがウォッチを続けているカジノ業界の見本市「G2Eショウ」(関連記事:ラスベガス半生中継・2017年9~10月 (4)10月3日(火)G2E初日 他)の開催日がシカゴランドショウの開催日の翌週となることが多かったため、マイル修行を兼ねてシカゴでストップオーバーしてシカゴランドショウをひやかした翌日にラスベガスに向かうという旅程が組めたのですが、2011年からはG2Eショウの実施時期が10月に変更されたため、シカゴランドショウに行くチャンスを作りにくくなってしまいました。

シカゴランドショウは、シカゴ・オヘア国際空港から西に40㎞ほどのところにある「セントチャールズ」という町の、ホテル「フィーザントラン・リゾート(Pheasant Run Resort)」に併設されるコンベンション施設「メガセンター(Mega Center)」で行われます。この周辺はシカゴのダウンタウンからそれほど離れているわけでもないのに結構な田舎町で、メガセンターはまるで学校の体育館のように見える、装飾性に乏しい平屋建ての建物でした。

田舎町とは言え、メガセンターは何しろコンベンションセンターですから、周囲はそれなりに広い駐車スペースになっており、骨董市の出展業者のものと思しきトラックもたくさんありました。会場に搬入しきれなかったのか、それともこれから搬入しようとしているのか、古いコインマシンをトラックの荷台から降ろしている業者もちらほらおり、中には値札を付けてその場で売っているらしい業者もいました。


(1)メガセンターの入り口。右奥に見える建物はフィーザントラン・リゾートの、18階建ての宿泊棟で、この周辺でのほとんど唯一の高層建築物。 (2)~(3) メガセンターの駐車場にて、商品をトラックから降ろしていた業者。値札を付けてその場で売っていると思しき業者もある。 (4)手の甲に捺された「TILT」のスタンプ。

入り口で5ドルくらいだったか、さして高くない入場料を支払うと、その証拠として手の甲に「TILT」のスタンプを捺されました。コインマシンの市場で「TILT」とはなかなか洒落た言葉を選ぶではないかと感心しましたが、後にこの骨董市を主宰する団体の名称が「TILT PROMOTIONS」であることを知りました。いずれにしても、コインマシンに相応しい、良いネーミングだと思います。

会場の中は、外見から得た印象通り、観客席の無い学校の体育館のような作りです。公称35000平方フィートは、千駄ヶ谷にある東京都体育館のアリーナとほぼ同じくらいの広さですが、そこまで広くないようにも思えます。その中に、全米のあちこちから集まってきた約300の骨董業者とその関連業者が店を開き、商品を陳列していました。


(1)~(4)会場内の様子。たくさんの骨董業者や関連業者が所狭しと出店する。(4)は、フィーザントラン・リゾートのボールルームまで拡張した第二会場の様子なので、他と室内の雰囲気が異なる。


やはりスロットマシンの出品が多い。(1)1950年代以前のスロットマシン専門の業者。リペアパーツなども扱っていた。 (2)こちらも同じく50年代以前のマシンを扱う業者。 (3)60年代のバーリー製品は意外にもあまり多くない。 (4)80年代以降の比較的モダンなマシンも多少はある。


(1)アメリカではちょっと珍しいセガのダルマ筐体を見つけた。$1095。 (2)セガの筐体の裏を開けて見せてくれた。隅々までメンテナンスされており、新品同様に見える。これがプロの技というものか。 (3)パチスロまで売られている。最終日には大幅値下げをしていた。 (4)50年代以前のスロットマシンのリペアパーツ専門店もあった。そういう需要がある事にも驚く。


(1)ピンボール。売り物なのにタダで遊べるようにしているのが多いのは、稼働状況を確認させるためだと思う。 (2)スペースの関係か、組み上げないまま出品する例もある。 (3)戦前のピンボールも多い。 (4)ビンゴ・ピンボールのバックグラスだけを売る業者もあった。


(1)ビデオゲームの出品も多い。しかし、今後CRTの供給が途絶えたとき、これらはどうなるんだろうか。 (2)ドンキーコング(任天堂・1981)の純正テーブル筐体。$495。アメリカではテーブル筐体はあまり一般的ではなかったと聞いていたので少し意外。 (3)テンペスト(アタリ・1980)。$975。モニターは新しいものに交換してあるとのこと。 (4)1960年頃のテレビも出品されていた。$1495。映像は「宇宙家族ロビンソン」だろうか。


昔のカジノのゲーム用品を扱う店もある。(1)「Faro」のカードボックス。$495。 (2)同じく「Faro」のケースキーパー(使用されたカードを記録しておくそろばん)。値段が消されていたのは売約済みだったのかも。 (3)「Keno」の木製のキノ・グース。$750なら無理して買えないこともないので買って帰ろうかと血迷いかけたが、輸送に苦労しそうなので諦めた。 (4)「Chuck-A-Luck」のケージ。年代は不明。大きい方が$375、小さい方が$175。



(1)ポーカーなどで、袖の中に隠して使う、1890年代のイカサマ用器具。$2850。 (2)キャッシュレジスターの出品も結構多い。 (3) 手動のミュートスコープ。機種名と年代は不明。側面を開けて動作原理を見せてくれた。 (4)コインマシンではないが、昔のパンチボードも売られていた。一つ$50程度と、案外高い


次回のシカゴランドショウは11月16(金)~18(日)に行われます。このうち初日は業者設営日ですが、アーリーバードプレビューと称して50ドルの特別入場料で一般人も入場できます。2日目、3日目の入場料は、通し券11ドル、1日券7ドルです。

また、長らくメガ・センターで行われてきたシカゴランドショウは、、今年の秋の開催から、従来のほぼ倍の広さを持つ「レイクカウンティ・フェアグラウンド・イベントセンター(Lake County Fairgrounds Event Center 1060 East Peterson Road Grayslake, IL 60030)に会場を移すそうです。詳細はシカゴランドショウの公式サイトをご参照ください。

この記念すべきショウに、ワタシも久しぶりに行きたいものですが、10月に予定しているラスベガス巡礼の結果次第だろうなあと思っています。

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1 コメント

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york show (caitlyn)
2023-09-26 06:39:05
I am going to a similar show in 2 weeks. I will take many photos for you.
There will be lots of bingo machines there.
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