オールドゲーマーの、アーケードゲームとその周辺の記憶

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歴史の語り部たちを追った話(1):ウェブサイト「コインマシンの世界」

2018年06月10日 15時46分58秒 | 歴史
THE WORLD OF COIN MACHINES 2002 コインマシンの世界」というウェブサイトがあります。ワタシがこのウェブサイトに気づいたのはたしか2001年のこと(ページのタイトルから考えれば2002年ではないかとも思われますが、ワタシの記憶では2001年の夏だったように思います)です。ゲームの歴史を調べているときに、偶然辿り着きました。


ウェブサイト「コインマシンの世界」のスクリーンショット画面。この下に、コンテンツへのリンクが続く。

ページの冒頭には「故R.M.ブッシェル氏に捧げる」との献辞と共に、ブッシェル氏の肖像が掲げられています。ブッシェル氏(Richard M Bueschel)は古いコインマシンに関する本をたくさん著しており、実はワタシも、この人の「Lemons, Cherries & Bell-Fruit-Gum」という本を、ラスベガスの「ギャンブラーズ・ジェネラル・ストア」で買っていました。カラー画像をふんだんに使った、好きな人にとっては眺めているだけでも楽しい本です。


「Lemons, Cherries & Bell-Fruit-Gum」の表紙。現在もネット通販で比較的容易に入手できる。

しかし、献辞でわかるとおり、ワタシがこのウェブサイトに辿り着いた時点でブッシェル氏は既に物故されてしまっておりました。もっとずっと後に入手した別の資料によれば、氏は1998年の4月に72歳で亡くなったとのことです。この偉大なコインマシンの歴史の語り部の、少し早すぎるご逝去は、実に残念でなりません。

さて、上記リンクから、実際にこのウェブサイトに飛んでご覧いただければわかる通り、「コインマシンの世界」のトップページには、ワタシのようにゲームのルーツを辿るのが楽しいマニアとって非常に興味深いコンテンツがたくさん記載されています。

しかし、これらのコンテンツのうち、記事本文へのリンクが張られているものは一部だけで、残る部分は待てど暮らせど一向に更新されませんでした。見出しの中には、ワタシの長年の謎への答えになりそうなものもあるのに、それらは一体いつになったら明らかになるのでしょうか。ウェブサイトに設置されている掲示板には外部の人からの書き込みが数件ありますが、オーサーからのお返事はなく、ここでお話を伺う事も期待薄のようです。

業を煮やしたワタシは、追加情報を求めてネット上を検索することにしました。トップページの最後に記載されている「制作・著作:EDITIONS 403vie」を手掛かりに検索を始め、少しでも関係がありそうなウェブサイトから新たなキーワードを得てさらに探るという作業を繰り返していったところ、どうやら「コインマシンの世界」のオーサーは、パチンコ業界を主とする遊技業界の記者をされている渡邊靖之氏とおっしゃる方で、著書もあるらしいことがわかりました。しかし、検索を続けていくうちに、渡邊氏もまた、「コインマシンの世界」のウェブサイトを立ち上げてからほどなくして、まるでブッシェル氏の後を追うかのように鬼籍に入ってしまわれたらしいことが判明しました。

もはやこれ以上のサイトの更新は望めないことがわかり大いに落胆しましたが、一連の調査でいくらかの情報を得ることもできました。その中でも大きなものの一つは、ブッシェル氏がその運営に深くかかわっていたというコインマシンの骨董市「シカゴランドショウ」の存在を知ったことです。そしてもう一つ挙げるならば、「月刊Amusement Japan」というパチンコ業界の業界誌の別冊に、「コインマシンの世界」のコンテンツの一部が記載されているらしいことを知ったことでした。

というわけで、次回は「シカゴランドショウ」の記憶を、次々回は「月刊Amusement Japan別冊 PACHISLOT2001」を、順次記録していこうと思います。

(つづく)

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