9月19日(土)、レゲエを求めて西荻窪と小平に行ってまいりましたので記録しておこうと思います。
■(1)HI-SCORE
西荻窪の目的地は、Twitterで偶然見つけた「HI-SCORE」という「バーケイド」です。「バーケイド」とは、ゲーム(主にAM)が楽しめる飲み屋のことです。米国では15年くらい前から見られる業態で、その呼び名は飲み屋の「BAR」とゲーセンの「ARCADE」を合成したものです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/d0/c84654acadc4adcd0e11b35df4ebfa50.jpg)
「HI-SCORE」の外観。(1)店舗正面。 (2)店舗を斜めアングルから。 (3)側面の「ARCADE 25¢」の看板。オールドファッションな米国のゲーセンぽくてカッコいい。 (4)店頭に置かれたメニュー(一部)。
店内には、テーブル筐体が3台、NEOGEOのミニ筐体1台、カプコンのミニ筐体CUTE1台、スペースインベーダーのアップライト筐体(TAITO製)1台がありました。テーブル筐体には「パックマン(Namco, 1980)」、「テラフォース(nichibutsu, 1987)」、「スペースレーザー対戦(Taito, 1979?)」が入っていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/49/be37a22bfea15712d02fb2f71e5d5426.jpg)
(1)パックマン (2)テラフォース (3)スペースレーザー対戦。スペースレーザー対戦は、レジャックから同じ内容のゲームで「カメレオンアーミー」及び「スペースウォー」というタイトルでも出ており、何が何だかよくわからない。なんにしろスペースインベーダーの基板が流用されているとのこと。 (4)アップライト筐体。CUTE筐体は調整中だった。
これらは、一部を除いてフリープレイモードとなっており、自由に遊ぶことができますが、有料の機械もあるため、このお店はゲームセンターとして風俗第5号営業の許可を取っているとのことです。風俗営業ということは深夜営業ができないという事でもありますが、店舗の賃貸契約がそもそも深夜営業をしない条件だったので、その点では特に不都合ではなかったのだそうです。
AM機ばかりでなく、カウンター上には「Replicade Amusement」社製のミニチュアゲーム機がプレイヤブルな状態で置かれており、これも無料で遊ぶことができます。ワタシが訪れた時にはATARIの「Tempest(1981)」と「Centipede(1981)」が動いていました。聞くところでは、このシリーズには「Dragon's Lair (Cinematronics, 1983)」もあるとのことで、いずれお店に置かれることもあるかもしれません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/15/bef4e2ce18cea61cde1b46f069ab93a8.jpg)
Tempest(左)とCentipede(右)のミニチュア筐体。
これら以外にも、店内には店主のアーケード愛をひしひしと感じさせるさまざまなコレクションがあちこちにさりげなく潜んでいますので、お近くの方は実際に来店の上ご確認いただければと思います。個人的には、ATARI筐体のコインシュートを模したキーホルダーが特に羨ましかったです。
HI-SCOREでは、「HI-SCORE アボカドチーズバーガー」、ビール、それにデザートとしてプリンをいただきました。ワタシは乾き物と若干の小料理くらいしか提供されない新宿ゴールデン街のバーみたいなものを想像していた(そしてそれでも全然かまわないと思っていた)のですが、とんでもない、いずれも非常にしっかりとしたもので、この点でも驚きました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/81/f3a46f515bb03d2b34915e69061080b5.jpg)
(1)-(2)HI‐SCORE アボカドチーズバーガー。紙の袋に入れることで食べやすくなる。 (3)プリン(サーブ時)。上に乗っているのはわたあめ。 (4)わたあめに添付のカラメルシロップ(これがまたおいしい)をかけると魔法のようにプリンが現れる。
ご主人は、「日本にも『BARCADE』文化が広まって欲しい」とおっしゃっていましたが、これにはワタシも最大限にヘッドバンキングして共感したいです。AM業界には新たな業態が必要であり、特に「大人が遊べる、従来のゲームセンターとは異なる業態」の出現が待望されますが、現在のコインオペレーションには「風適法」という時代遅れの壁が依然として立ちはだかっており、なかなか思う通りには行かないのが現状です(関連記事:ゲーセンと法律の話(3)新概念「特定遊興飲食店」をゲーム業界に活かせないものか)。
HI-SCOREは、コロナ騒ぎが始まる今年の3月にオープンしたとのことです。さぞご苦労が多いこととは思いますが、今後もぜひ頑張っていただきたいものです。
「HI-SCORE」
東京都杉並区西荻南2-25-10 (JR中央線西荻窪駅南口から徒歩3分)
公式HP:https://hiscore2020.wixsite.com/arcadehi
食べログ:https://tabelog.com/tokyo/A1319/A131907/13245164/
営業時間に関しては、公式HPと食べログで記載内容が一致していないところに若干の不安を感じますが、SNSもありますので、そちらでも確認されることをお勧めします。
Twitter:@ArcadeHi_kari
instagram:@arcadehi_
■(2)PIA21(Retro Pia 22)
HI-SCOREを辞した後、次に目指したのは西武新宿線小平駅近くにある「PIA21」というゲームセンターでした。
ワタシが予め仕入れていた知識では、ここはレゲエスポットでした。しかし、いざ現地に到着してみたら、店頭の看板には「Retro Pia 22」と書かれています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/31/69bfe681843750b9bd5b2182a43fb35f.jpg)
(1)Retro Pia 22の入り口。 (2)店名が異なるが・・・? (3)店頭のロボットのオブジェは確かにPIA21のもののはず。 (4)階段を上った2Fに入り口がある。
入り口を覗くと、休憩用なのか、ソファーといくらかの4号転用機が見えます。このまま入って行っていいのだろうかと不安になりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/a8/715c915a845345bf10e806a92a78f4fb.jpg)
画像:入り口から店内を見た様子。
恐る恐る中に入って右手を見ると、そこにはワタシの情報には無かった、異様にも見える光景がありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/a4/faa2caf309b307781567f6c111644a74.jpg)
店内の様子。パソコンがずらりと並んでおり、少なくとも普通のゲームセンターではないことは明らか。
ワタシが知っている「PIA 21」は、レトロゲームを置いたゲームセンターだったはずです。これはいったいどういうことだろうと訝りながらきょろきょろしていると、カウンターにいた店員さんが「初めてですか?」と声をかけてくれたので、お話を伺うことにしました。
聞けば、「PIA 21」は昨年の9月で廃業したのですが、店の常連だった人が潰すのは惜しいと店を受け継いで、店名も「Retro Pia 22」に変え、その際に対象をPCゲームプレイヤーに移したという事でした。しかし、PIA 21時代にたいへん盛んに行なわれていた「テトリス(カプコン/ARICA版)」のトーナメントは残したいとの思いがあり、また「麻雀ファイトクラブ」の常連もいるとのことでこれも残したとのことでした。ただし、そのため「Retro Pia 22」も風俗第5号営業です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/b0/6440a49ad170e4c75cb887aa3c28441c.jpg)
トーナメント用に残されたテトリス筐体4台。テトリスのトーナメントは現在も行われているとのこと。
PCでは、「Steam」というPCゲームのプラットフォームで提供されているいろいろなゲームで店内で対戦するのだそうです。課金は時間制で、モニターに付属しているコインシュートに50円硬貨を投入すると一定時間(8分間だったか?)モニターの電源が入り、時間が切れるとモニターの電源が落ちるが、PC上でのゲームは継続しているとのことでした。
店員さんは、「実際のところ、ここに来なくても自宅で同じゲームはできるのだが、同好の士が同じ場所に集まって直接のコミュニケーションをとりながら遊ぶことでより楽しくなるということでみなさん集まってくる」と説明してくれました。PCゲームに耽溺する人は他者とのコミュニケーションに難があるという先入観を持ちがちですが、そうではない人もたくさんいるという事でしょう。良いことだと思います。
ワタシはここでも「バーケイド」の可能性はないかと思い、「飲食を提供するような業態は考えられないか」とお尋ねしたのですが、「過去に検討はしたけれど、このビルは古くて衛生状態が保てるかどうかが不安なので今のところそのような計画はない」とのことでした。
この店員さんは、ワタシのつまらない質問にも大変親切に答えてくれて、大変感謝しております。PCゲームはワタシの守備範囲外なので何も語れませんが、バーケードと同様、新たなコンピューターゲームの業態として、今後も発展していただきたいものです。それにしても実情にそぐわない風適法、何とかならないものでしょうか。
「Retro Pia 22」(旧Pia 21)
東京都小平市美園町1-4-10 タカラヤビル2F (西武新宿線小平駅徒歩1分)
年中無休夜12時まで営業
Twitter:@RetroPia22
■(1)HI-SCORE
西荻窪の目的地は、Twitterで偶然見つけた「HI-SCORE」という「バーケイド」です。「バーケイド」とは、ゲーム(主にAM)が楽しめる飲み屋のことです。米国では15年くらい前から見られる業態で、その呼び名は飲み屋の「BAR」とゲーセンの「ARCADE」を合成したものです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/d0/c84654acadc4adcd0e11b35df4ebfa50.jpg)
「HI-SCORE」の外観。(1)店舗正面。 (2)店舗を斜めアングルから。 (3)側面の「ARCADE 25¢」の看板。オールドファッションな米国のゲーセンぽくてカッコいい。 (4)店頭に置かれたメニュー(一部)。
店内には、テーブル筐体が3台、NEOGEOのミニ筐体1台、カプコンのミニ筐体CUTE1台、スペースインベーダーのアップライト筐体(TAITO製)1台がありました。テーブル筐体には「パックマン(Namco, 1980)」、「テラフォース(nichibutsu, 1987)」、「スペースレーザー対戦(Taito, 1979?)」が入っていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/49/be37a22bfea15712d02fb2f71e5d5426.jpg)
(1)パックマン (2)テラフォース (3)スペースレーザー対戦。スペースレーザー対戦は、レジャックから同じ内容のゲームで「カメレオンアーミー」及び「スペースウォー」というタイトルでも出ており、何が何だかよくわからない。なんにしろスペースインベーダーの基板が流用されているとのこと。 (4)アップライト筐体。CUTE筐体は調整中だった。
これらは、一部を除いてフリープレイモードとなっており、自由に遊ぶことができますが、有料の機械もあるため、このお店はゲームセンターとして風俗第5号営業の許可を取っているとのことです。風俗営業ということは深夜営業ができないという事でもありますが、店舗の賃貸契約がそもそも深夜営業をしない条件だったので、その点では特に不都合ではなかったのだそうです。
AM機ばかりでなく、カウンター上には「Replicade Amusement」社製のミニチュアゲーム機がプレイヤブルな状態で置かれており、これも無料で遊ぶことができます。ワタシが訪れた時にはATARIの「Tempest(1981)」と「Centipede(1981)」が動いていました。聞くところでは、このシリーズには「Dragon's Lair (Cinematronics, 1983)」もあるとのことで、いずれお店に置かれることもあるかもしれません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/15/bef4e2ce18cea61cde1b46f069ab93a8.jpg)
Tempest(左)とCentipede(右)のミニチュア筐体。
これら以外にも、店内には店主のアーケード愛をひしひしと感じさせるさまざまなコレクションがあちこちにさりげなく潜んでいますので、お近くの方は実際に来店の上ご確認いただければと思います。個人的には、ATARI筐体のコインシュートを模したキーホルダーが特に羨ましかったです。
HI-SCOREでは、「HI-SCORE アボカドチーズバーガー」、ビール、それにデザートとしてプリンをいただきました。ワタシは乾き物と若干の小料理くらいしか提供されない新宿ゴールデン街のバーみたいなものを想像していた(そしてそれでも全然かまわないと思っていた)のですが、とんでもない、いずれも非常にしっかりとしたもので、この点でも驚きました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/81/f3a46f515bb03d2b34915e69061080b5.jpg)
(1)-(2)HI‐SCORE アボカドチーズバーガー。紙の袋に入れることで食べやすくなる。 (3)プリン(サーブ時)。上に乗っているのはわたあめ。 (4)わたあめに添付のカラメルシロップ(これがまたおいしい)をかけると魔法のようにプリンが現れる。
ご主人は、「日本にも『BARCADE』文化が広まって欲しい」とおっしゃっていましたが、これにはワタシも最大限にヘッドバンキングして共感したいです。AM業界には新たな業態が必要であり、特に「大人が遊べる、従来のゲームセンターとは異なる業態」の出現が待望されますが、現在のコインオペレーションには「風適法」という時代遅れの壁が依然として立ちはだかっており、なかなか思う通りには行かないのが現状です(関連記事:ゲーセンと法律の話(3)新概念「特定遊興飲食店」をゲーム業界に活かせないものか)。
HI-SCOREは、コロナ騒ぎが始まる今年の3月にオープンしたとのことです。さぞご苦労が多いこととは思いますが、今後もぜひ頑張っていただきたいものです。
「HI-SCORE」
東京都杉並区西荻南2-25-10 (JR中央線西荻窪駅南口から徒歩3分)
公式HP:https://hiscore2020.wixsite.com/arcadehi
食べログ:https://tabelog.com/tokyo/A1319/A131907/13245164/
営業時間に関しては、公式HPと食べログで記載内容が一致していないところに若干の不安を感じますが、SNSもありますので、そちらでも確認されることをお勧めします。
Twitter:@ArcadeHi_kari
instagram:@arcadehi_
■(2)PIA21(Retro Pia 22)
HI-SCOREを辞した後、次に目指したのは西武新宿線小平駅近くにある「PIA21」というゲームセンターでした。
ワタシが予め仕入れていた知識では、ここはレゲエスポットでした。しかし、いざ現地に到着してみたら、店頭の看板には「Retro Pia 22」と書かれています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/31/69bfe681843750b9bd5b2182a43fb35f.jpg)
(1)Retro Pia 22の入り口。 (2)店名が異なるが・・・? (3)店頭のロボットのオブジェは確かにPIA21のもののはず。 (4)階段を上った2Fに入り口がある。
入り口を覗くと、休憩用なのか、ソファーといくらかの4号転用機が見えます。このまま入って行っていいのだろうかと不安になりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/a8/715c915a845345bf10e806a92a78f4fb.jpg)
画像:入り口から店内を見た様子。
恐る恐る中に入って右手を見ると、そこにはワタシの情報には無かった、異様にも見える光景がありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/a4/faa2caf309b307781567f6c111644a74.jpg)
店内の様子。パソコンがずらりと並んでおり、少なくとも普通のゲームセンターではないことは明らか。
ワタシが知っている「PIA 21」は、レトロゲームを置いたゲームセンターだったはずです。これはいったいどういうことだろうと訝りながらきょろきょろしていると、カウンターにいた店員さんが「初めてですか?」と声をかけてくれたので、お話を伺うことにしました。
聞けば、「PIA 21」は昨年の9月で廃業したのですが、店の常連だった人が潰すのは惜しいと店を受け継いで、店名も「Retro Pia 22」に変え、その際に対象をPCゲームプレイヤーに移したという事でした。しかし、PIA 21時代にたいへん盛んに行なわれていた「テトリス(カプコン/ARICA版)」のトーナメントは残したいとの思いがあり、また「麻雀ファイトクラブ」の常連もいるとのことでこれも残したとのことでした。ただし、そのため「Retro Pia 22」も風俗第5号営業です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/b0/6440a49ad170e4c75cb887aa3c28441c.jpg)
トーナメント用に残されたテトリス筐体4台。テトリスのトーナメントは現在も行われているとのこと。
PCでは、「Steam」というPCゲームのプラットフォームで提供されているいろいろなゲームで店内で対戦するのだそうです。課金は時間制で、モニターに付属しているコインシュートに50円硬貨を投入すると一定時間(8分間だったか?)モニターの電源が入り、時間が切れるとモニターの電源が落ちるが、PC上でのゲームは継続しているとのことでした。
店員さんは、「実際のところ、ここに来なくても自宅で同じゲームはできるのだが、同好の士が同じ場所に集まって直接のコミュニケーションをとりながら遊ぶことでより楽しくなるということでみなさん集まってくる」と説明してくれました。PCゲームに耽溺する人は他者とのコミュニケーションに難があるという先入観を持ちがちですが、そうではない人もたくさんいるという事でしょう。良いことだと思います。
ワタシはここでも「バーケイド」の可能性はないかと思い、「飲食を提供するような業態は考えられないか」とお尋ねしたのですが、「過去に検討はしたけれど、このビルは古くて衛生状態が保てるかどうかが不安なので今のところそのような計画はない」とのことでした。
この店員さんは、ワタシのつまらない質問にも大変親切に答えてくれて、大変感謝しております。PCゲームはワタシの守備範囲外なので何も語れませんが、バーケードと同様、新たなコンピューターゲームの業態として、今後も発展していただきたいものです。それにしても実情にそぐわない風適法、何とかならないものでしょうか。
「Retro Pia 22」(旧Pia 21)
東京都小平市美園町1-4-10 タカラヤビル2F (西武新宿線小平駅徒歩1分)
年中無休夜12時まで営業
Twitter:@RetroPia22
ワタシとしては、大人が遊べるゲーム場が欲しいです。できればピンボール(さらにできればEMの)があるとなおいいのですが。
HI-SCOREでは、いずれピンボールも設置できる日が来ればということで、既にピンボールを1台入手されているそうです。現状では設置が難しいそうですが、2号店3号店と発展していければいずれ、と期待しています。
「バーケイド」、良い響きです!
pongのロケテ時代は「バーケイド」最先端だったのかもですね。
各オーナー様には是非頑張って貰いたいと強く思いました。(文化を消すのは簡単、伝承するのは大変困難ですからね)