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オールドゲーマーの、アーケードゲームとその周辺の記憶

コインマシンやギャンブルゲームやカジノの歴史的エピソードとか、時々カジノ旅行記とか、たまにスポーツやマンガとか。

新ラスベガス半生中継2019年G2Eショウ(5) DAY 2:G2Eショウその3 & ゴールドコースト

2019年11月17日 17時29分14秒 | 海外カジノ
◆◆今回のG2Eのワタクシ的ハイライト (その3) その他印象に残ったもの◆◆

【デジタルサイネージ付きバンク】
・昨年のショウで全盛だった、スロットマシンのバンク自体にデジタルサイネージを組み込んでアピール性を高めようというシステム(関連記事:ラスベガス半生中継・2018年10月 (8) G2E2018メモ)は、今年は若干スケールダウンしているように感じた


ARUZEの場合。昨年発表したもののマイナーチェンジ版か。


Incredible Technologies(it)の場合。これは既出のシステムを小型の円形バンクに応用したものと思われる。


NOVOMATICの場合。派手ではあるが、展示会での演出用に特別に設置されたサイネージのようにも見える。


【デジタルポーカーテーブル】
10年ほど前、ラスベガスでポーカーが大ブームとなり、ストリップエリアの大規模カジノの多くがポーカールームを拡張していたころ、G2Eショウでもいくつもの会社からデジタルポーカーテーブルが出展されていた。しかしその後ポーカーブームは縮小し、デジタルテーブルもいつの間にか見なくなっていたと思っていたら、今年はJackpot Digital社が、久しぶりに出展してきた。


Jackpot Digital社のエレクトロニックポーカーテーブル「Jackpot Blitz」。

Jackpot Digital社は、昨今流行りのETG(Electronic Table Game:電子ゲームテーブル)を開発している会社。今回出展してきた「Jackpot Blitz」は、84インチの大画面で多点タッチスクリーンを備えた4Kモニターという、10年前には想像できなかった新テクノロジーが投入されている。

新技術は、それで何がどのように向上するのかが問われなければならないが、「Jackpot Blitz」で導入されている新技術は、いずれも必然性のある合理的なもので、単なるこけおどしに終わっていないところが良い。ただ、これを導入しようというカジノがどれだけ現れるだろうか。ワタシはネバダしかウォッチしていないが、アジアや豪州、もしくは米国の他の地域では導入したいと考えるところもあるのだろうか。

【ショウ会場から撤収】
今日は閉場する5時まで粘るつもりでいたのだが、10時前から現地入りしてずっと歩き回り続けていたワタシは、3時過ぎには持病の腰痛が痛みだしてきた。T本に連絡してみたところ、T本もかなりグロッギーになっていると言うので、閉場を待たず、4時に会場を引き上げることにした。後でスマホの万歩計を見たら、この日は16.3㎞、2万3千歩を歩いたことになっていた。このうち数㎞分はショウとは無関係なところでの歩数だと思われるが、それを除いたとしても、実はショウというのは気が付かないうちにずいぶん歩いていたりする。そしてまた、カジノ内をうろついているだけでも実は5㎞程度は普通に歩いていたりするのだが、カジノのカクテルウェイトレスは1日どのくらいの距離を歩いているのだろうかと気になった。

【本日の夕ごはん】
T本をダウンタウンに送り届けて、ついでにフレモントのバフェイに行く。今日のバフェイは「ステーキ&スカンピ」の日だと言うので、肉しか食べないことに決める。


今日の夕ごはん。(1)ニューヨークステーキとローストビーフ(プライムリブではない)。 (2)ニューヨークステーキと、三種のハム類(ポーク、ターキー、ビーフ)。 (3)ローストビーフの端っこの部分(カービングステーションでリクエストした)とフライドチキン。

ワタシは20年以上ラスベガスに通い続けているが、これまでバフェイでフライドチキンを取ったことはただの一度もなかった。別にフライドチキンが嫌いというわけではなく、むしろ好物でさえあるのだが、バフェイなら他に食べるべきものはいくらもあるので、どこでも食べられるフライドチキンで腹を膨らませることに抵抗があった。しかし、T本が、「このフライドチキン、うまいっすよ」と言うので、我がラスベガス史上初めて試してみることにした。結論としては、当然ながらKFC(ワタシの好物)とはレシピは異なるが、衣はクリスピーで大変おいしい。ひょっとすると、今後は選択肢に入ってしまうかもしれないと思った。

【ゴールドコースト】
食後、T本をエル・コルテスに送り届けた後、ダウンタウンからゴールドコーストに向かう。今日からここに2泊する。以前よりも遊べるVPが増えており、今後はもっと積極的に使っても良いと思えるようになっている。

ゴールドコーストのカジノをうろついていたら、見慣れないビデオスロットを発見した。よくよく筐体を見ると、「SEGA SAMMY CREATION」の文字がある。1年くらい前にネバダのライセンスを得たとは聞いていたが、製品が市場に出ていたとは聞いていなかった。



セガサミークリエイションのビデオスロット「Fortune Tiles of Dragon」。三元牌がメジャーシンボルだが、花牌3つでフリーゲームとなるらしい。

ゲーム内容は麻雀パイを使った3リールのビデオスロットで、ビデオポーカーのように一度だけ引き直しができる。ゲームルールが中国語で表記されているところを見ると、マカオ市場を狙ったものだろうか。ラスベガスでは、過去にも麻雀パイを使ったビデオゲーミング機の例が僅かにあるが、成功したものない。映画「ドライビング・ミス・デイジー」でも出てきたように、米国では麻雀は主に年寄りのゲームという認識があるようだが、果たしてこのゲームがネバダで受け容れられるかどうか。

ゴールドコーストでのビデオポーカーは、良くもないけど悪くもない。明日のために寝る。

(つづく)

新ラスベガス半生中継2019年G2Eショウ(4) DAY 2:G2Eショウその2

2019年11月10日 17時36分10秒 | 海外カジノ
◆◆今回のG2Eのワタクシ的ハイライト (その2)◆◆

【IGT】
・「4D」を謳うビデオスロットを多く出展していた。液晶画面にタッチパネルを装備して、これに触れて操作する技術はもはや標準的なもので、悪く言えば陳腐化したとも言うべき技術だが、4Dでは、モニターに触れずとも画面に向けて指さすだけで操作ができる。


4Dを謳う筐体。裸眼立体視モニターだけでなく、非接触式タッチパネル(というのか?)を備える。

例えば画面の前で立てた人差し指を動かすと、その指先の位置を追って画面上に光の尾を引かせるなどという事もできる。ただ、画面と指先との距離がどのくらいあるかと横から覗き込もうと顔を近づけると、機械はとたんに指先の位置を失探して機能しなくなる。この仕組みの秘密は、モニター周囲のブラケットの四隅に仕込まれたセンサーにあるようだ。


ブラケットに設置されているセンサー(円内)。このようなものがブラケットの四隅に付いている。

類似の技術は、既にエレクトリックダーツにおいてダーツの着弾位置の検出に使われているが、その機能を指先で体感するこちらの方が驚きは大きい。また、裸眼3Dは一層よくなっているように見える。とは言え、これらの新技術が陳腐化する日もそう遠くはないだろう。その次は一体何をどうすればいいのだろうか。

【EVERI】
元々はキャッシュディスペンサーのメーカーだったはずのEVERIは、今さら誰が興味を示すのかと思うくらいオーソドックスな機械を作りながら、「LIGHTNING ZAP」などという従来のスロットマシンのフォーマットからかけ離れたゲームも作っており、個別のタイトルの面白さは別として、チャレンジと堅実さの両方をバランス良く取ろうとしているように見える。今回は、「ZOLTAR」というオーソドックスな3リールマシンを出展していた。


LIGHTNING ZAP。この画像は昨年のショウでのもの。一時はあちこちのカジノで見かけたが、今回のラスベガス行ではさっぱり見かけなくなっていた。


EVERIのメカリール機「ZOLTAR」。

米国では20世紀初頭からコイン作動式の占い機があり、60年代には「ZOLTAN」という占い機もあった。この「ZOLTAR」は、映画「Big (1988)」の作中に登場させるために作られたものだそうだが、製品化もされているらしく、今回行ったPHoFにも設置されていた。


PHoFにあった「ZOLTAR」。1回75セントだった。

筐体は一見したところアンティークマシンのようにも見えるが、人形の造形に限ればモダンな印象を受ける。

ゲームクリエイターは、とかく「今までにないもの」を作りたがるが、そんなものがおいそれとできるわけはない。今までにないものばかりを追い求めるのは、あるかどうかもわからない黄金郷を探すようなものだ。その点において、EVERIのバランス感覚は正しいと思う。

【KONAMI】
ワタシはこれまでずっと、KONAMIのスロットマシンにはあまり遊ぼうという意欲を持てずにいた。理由をごく大雑把に言えば、ゲーム性やビジュアルにいつもどこか国産メダルゲーム的なものを感じて、ワタシがカジノに求めるアトモスフィアから遠いところにあるように思えていたからだ。

その印象は今も変わらないが、昨年のショウで出展していた「TREASURE BALL」シリーズが、今、結構ヒットしているらしい。


「TREASURE BALL」。この画像は昨年のショウで撮影したもの。

つまるところ、ゲーム中にどうにかすると「ガチャ」が回せて、出てきたボールに何が隠されているかはお楽しみ、というゲームになっている。人気があると聞くので、後日ワタシもこれをシーザーズパレスで打ってみたが、見た目から期待する結果と実際の結果の相違が大きく感じられる。かつて日本国内のソーシャルゲームでガチャが問題視されたという知識が先入観となっているのかもしれないが、極めてインチキ臭く感じられ、ワタシにはやはり面白いとは思えなかった。

他には、多人数競馬ゲーム「FOTUNE CUP」のマイナーチェンジ版である「FOTUNE CUP DERBY DELUX」が出展されていた。


FORTUNE CUP DERBY DELUX。

「DERBY DELUX」では、従来8頭立てだったものを6頭立てとし、賭け方も単純化してあった。ワタシは、競馬ゲームはこれでいいと思う。やたらリアルに、やたら複雑にするのは、「競馬ゲームファン」が望んでいることではない。その証拠が、The Dで今も満席になるsigmaの「The Derby MK III」だ。

今年のコナミは、もうスキル・ベースド・ゲーミングを諦めたのか、ついに出展が無くなっていた。また、日本のマスメダルゲーム機の転用版も、今回は出ていなかった。

【ANGEL】
日本でトランプと言えば、多くの人は任天堂を想起すると思うが、実は「エンゼルトランプ」という会社も頑張っている。G2Eショウではずっと以前から小さいながらも毎回ブースを構えていた。10年以上前、今はなき「リビエラ」のポーカールームで遊んでいたら、日本人の男性マネージャーがワタシに声をかけてきて、「今日、こんな会社が売り込みに来たんだけど知っているか」と言って、エンゼル社のフライヤーを見せてきたこともある。

そのエンゼルトランプのブースが、今年は見えないなと思っていたら、意外なところにそのロゴを発見した。


エンゼルトランプのロゴを掲げたブース。看板にはGPI、ポールソン、バド・ジョーンズ、ブルゴーニュ・エ・グラッセ、ゲマコの文字が見える中、エンゼルのロゴがひときわ大きく掲げられている。

この看板に見られるエンゼル以外の名前は、昨年まで「GPIグループ」として出展していた。ポールソンはチップやプレイングカードのメーカーで、特にクレイ素材のチップはプレイヤーに人気が高い。バド・ジョーンズとブルゴーニュ・エ・グラッセは同様にカジノのチップを作っているメーカーだが、樹脂素材がほとんどだった。ゲマコはトランプメーカーだ。GPIは、15年くらい前にこれらの企業をグループ化して、以来今までやってきた。ここに「ANGEL」の名前が併記されているので、ワタシはてっきりエンゼルもGPIグループに飲み込まれたかと思った。

ところが、ブースにいた日本人女性のアテンダントに話を聞いたら、話は全く逆で、エンゼルがGPIを買収したのだと言う。エンゼルとしては、これによって今後は世界のゲーミング市場に大きく打って出るとのことだった。これが、今年のG2Eショウで最大のサプライズだった。

(つづく)

新ラスベガス半生中継2019年G2Eショウ(3) DAY 2:G2Eショウその1

2019年11月03日 21時24分05秒 | 海外カジノ

【おことわり】年に何度もあるわけではない休日の仕事のために、今週の更新はごく簡単なものになってしまいそうです。なにとぞご了承ください。

昨夜は12時頃に床に就いた。この時点で30時間くらい連続で起きていた寝不足状態だったはずなのに、夜明け前の4時過ぎに覚醒してしまった。こういうことはラスベガスに来るとよくあるのだが、これがいわゆる時差ボケというものなのだろうか。小一時間ほど眠ろうと布団の中で努力したが眠れないので、諦めてカジノに降りてゲームをする。

6時過ぎ頃、念の為エル・コルテスにいるT本にLINEで連絡を入れてみると、T本も既に起きていたというので、メインストリートステーションに来させる。しばらく一緒にビデオポーカーを遊んでから、7時オープンの朝バフェに入って朝食。ラスベガスの朝バフェはどこも大したものは無いが、クック・ツー・オーダーのオムレツは食べる価値がある。ワタシはチーズを大盛りにしてもらった。


チーズ大盛りのオムレツ。下にあるのはカービングステーションで切ってもらったハム。皿の向こうに見えるのはハッシュドコンビーフ。

G2Eショウ会場へは9:45分頃到着。開場は10時だが、レジストレーションで入場バッジを発行してもらう。本来なら一昨日の月曜日には事前登録をして入場バッジを入手していたはずなのに、到着が3日も遅れたため、このタイミングとなった。

◆◆今回のG2Eのワタクシ的ハイライト◆◆

【スキルベースドゲーミングとVR】
・昨年から姿を消したVRは今年も出展なし。

・スキル・ベースド・ゲーミングはまだ結構残っている。実際のカジノでも多少設置されているが、あまり遊ばれてはいない。ボーナスゲームにスキルゲームを取り入れているスロットマシンもあるが、スキルゲームとふつうのチャンスゲームのどちらかを選べるという逃げ道を作っているものもある。ワタシも一度、カジノでためしにやってみようと思いかけたが、熟達する前は確実にペイアウトを受けられる結果には至らないと思いついてしまって、結局はやらなかったという経験がある。業界ももういい加減スキルゲームとギャンブルの相性の悪さには気づいているとは思うのだが、いつまで「鶏肋」を続けるつもりだろう。


スキル・ベースド・ゲーミングを続けているメーカーからいくつか。これ以外にもまだあるにはある。(1)パックマンをゲーミングにして大々的にアピールを続けるGamblit。いくつかのカジノでここの機械が設置されているところを見かけはするが、ムーブメントを起こしているとまでは言い難い。 (2)今年で4回目の出展となるNext Gaming。ATARIやTAITOのビデオゲームでペイアウトのあるゲームにしようとしている。ビデオゲームとして遊ぼうという気にはなるが、お金を賭けて遊ぼうとはなかなか思えない。 (3)Competition inteructiveと(4)Synergyは昨年も出展しているが、少なくともラスベガスのカジノではまだ見かけない。

Scientific Gaming (SG)】
Williams、Bally (Shuffle Masterを含む)、Barcrestを吸収したSGは、昨年に引き続き今年も入場者登録をしないと入れないクローズドなブース展開をしていた。中に入ると、「GOLD FISH FRENZY」というアナログゲーム機を2台出展していた。


SGの「GOLD FISH FRENZY」。「GOLD FISH」自体は、旧WilliamsのヒットしたスロットマシンシリーズのIPで、現在も断続的に新製品が開発されている。

賭け金を決め、筐体上部を左右に移動するボール投入装置の位置を見計らってボタンを押すと、パチンコのようなピンパネルにボールが1個投入される。このボールが、盤上の金魚鉢に入ると、表示されている数字のクレジットが貰えるというゲーム。ピンパネルは全面液晶板になっていて、金魚鉢には様々な魚が泳いでおり、ボールが入ると飛び跳ねたりする。数年前にセガが発表したメダルゲーム「ホルカトルカ」に非常に良く似た印象を得るが、このようなアナログゲームが、メダルゲームならともかく、ギャンブルマシンになるとは非常に意外であった。ペイアウト率はどう調整しているのだろう。また、こんな大きな液晶モニターがあることにも驚く。

SGからはもう一つ、「Mr. MONOPOLY''s BIG SPIN」という、盤ゲームモノポリーをテーマにしたビッグシックスのバリエーションが若干目を惹いた。


Mr. MONOPOLY''s BIG SPIN。

盤ゲーム「MONOPOLY」も旧Williams時代からながらく使い続けられているIP。通常のビッグシックスの回転盤の内側にもう一つ径の小さい回転盤を取り付け、大きい方の回転盤で「CHANCE」や「COMMUNITY CHEST」に停止すると、小さい方の回転盤を回すというもの。ビッグシックスのゲーム性を上げたとは言えるだろうが、ビッグシックスを遊ぶような客層がここまで複雑なゲームを求めるものかどうか、疑問を感じる。また、ゲーム時間が長くなるので、バリエーションを増やす目的以外で設置しようというカジノはあまり無いと思う。

Aristocrat
バッファローシリーズで10年間業界を引っ張ってきたその次は、ライトニング・リンクシリーズで新たなトレンドを作り上げているアリストクラートは、今のスロットマシンメーカーでは随一と言えると思う。そのアリストクラートは、今回非常にクレージーなバンク(スロットマシンの島)を出展していた。


Aristocratが出展していたバンク。なんという名称なのかはわからなかったが、側面には同社のスローガンである「thinkBIGGER」と書かれていた。

バンクを大げさに飾り立てるトレンドは昨年のショウで顕著だったが、今年は各社とも縮小傾向にある中でのことだったので、ひときわ目立ちつつも、なんとなく乗り遅れ感を感じた。アリストクラートは3年ほど前から「thinkBIGGER」というスローガンを立ち上げて、従業員のアイディアをすくい上げて新しい事をやらかそうという運動をしており、この筐体もその一環であったらしい。

ARUZE
SGの「GOLD FISH FRENZY」をビデオにしたようなゲーム「PACHINCOIN」を初出展。たしかに、ゲーミングにするならビデオにする方がずっと現実的ではあろうと思う。


ARUZEの「PACHINCOIN」。

しかし、見かけほどには面白くない。一昨年に登場したEVERI社の変わりダネスロット「LIGHTNING」のように、一時的には多少普及するかもしれないが、定番として定着することは無いと思う。

(つづく)


新ラスベガス半生中継2019年秋(2) DAY 1:成田~現地1日目

2019年10月27日 14時22分03秒 | 海外カジノ
◆スケジュールが変更された10月15日(火)、午後2時に成田空港に到着。出発ロビーでは長い行列ができている航空会社もあり、総じて人は多かった。台風で足止めを食らった人々がそれだけいたという事なのだろうか。しかし、その割にはセキュリティや出国審査は空いていた。ANAラウンジでごはんをいただきながら出発を待つ。はじめのうちはたいそう空いていたが、ワタシが出るころにはかなり混んでいた。

◆午後4時過ぎ、飛行機に搭乗する。出発前の安全ビデオが、スパイダーマンを使ったエンターテインメント性を意識したものになっていたが、あまり面白くない。

機内で映画「ボヘミアン・ラプソディ」を観る。劇場でも観ているがやはり良い。それにしても、特にブライアン、ロジャー、ジョンの3人は実在のモデルにまったく栗卒だ。

眠れないのでもう一本、「ドリームガールズ」を観る。劇中で、ドリームガールズがラスベガスのシーザーズパレスで公演するシーンがあり、僅かな間ラスベガスの町並みが映るが、建物の配置がおかしい。1966年との設定だが、シーザーズパレスの向かいにフラミンゴがあるのは良いとして、そのすぐ(向かって)左隣にサンズがあるのは近すぎる。本来ならこの間には、将来LINQやハラーズが建つ土地があるはずだ。もっとヘンなのは、シーザーズパレスのすぐ北側にデューンズ(現ブラージョウ)のマーキーが見えていることだ。これはシーザーズの南側になければならないものだ。当時、このアングルでデューンズのマーキーがある辺りに見えるものがあるとすれば、それはガソリンスタンドの「SHELL」の看板のはずだ(これは帰国後に調べた)。当時のストリップエリアはまだ現在のように満艦飾のホテルがびっしりと建ち並んでいるわけではなかったので、映画としての絵面を整えるためにありえない夜景を新規に作りだし、そこに役者を合成したのだろう。実際の当時の写真と見比べると、シーザーズパレスやフラミンゴのマーキーの形も、本物とは微妙に異なる。それを悪いと言いたいわけではなく、映画を作るということは気づきにくいところで大きな苦労があるのだろうなあと思った次第。



ドリームガールズのラスベガスのシーン(上)と、1966年当時の実際のシーザーズパレス前の風景(下)。下の画像は「Vintagelasvegas.com」より

◆現地時間の午前10時ころ、サンフランシスコ到着。飛行機では結局一睡もしなかったが眠気は無い。入国審査は以前よりも更に簡略化されていて、機内で受け取って記入していた税関申告書を提出するシーンは無かった。UAのラウンジで約1時間半の乗り継ぎを待つ。

午後2時前、ラスベガス到着。レンタカーセンターで車を借り、ダウンタウンに向かう。レンタカーセンターは珍しくガラ空きだった。これから、昨日到着しているT本を投宿先のエル・コルテスで拾ってバスプロショップに行くことになっているのだが、エル・コルテス周辺の道路が工事のためあちこち封鎖されており、どこから入れば良いのかわからず往生した。

◆T本と共にバスプロショップ。普段使い用のポーチを購入。思ったほど選択肢がなく、結局購入したのは、本来はピストルを入れて運ぶことを想定したものだった。後でよくよく見たら、「For Wemen」とあるがあまり気にならない。税込54.11ドル。T本はキャンプ用品をいくつか買い込んでいた。

バスプロショップの2階をうろついていたら、1階の大水槽に向かって何かを投げ入れている男がいた。近寄ってみたら、タッパーウェアから小魚を掴んでは投げ込んでいた。「餌やりですか」と聞いたらそうだと言う。男は次にペレット状のエサを投げ入れた。これは下に沈むので水槽の下にいる魚がこれを食べるのだと言う。水槽を見下ろすと、ワタシの大好きな魚の一つである大きなチョウザメが見えたので、慌ててスマホでチョウザメの絵を検索して男に見せ、これは英語で何というのかと聞いたら、「ああ、これはスタージョンだね。ここには2匹いるよ」と教えてくれた。後で調べたら「sturgeon」という綴りだった。餌やりは1日1回とのことだったので、ラッキーだった。

◆バスプロショップからダウンタウンに戻る途中でPinball Hall of Fameに立ち寄る。機械がいくらか増え、配置が若干変わっていた。しかし、増えたのは新製品を含むSS機ばかりで、EM機の比率は減っている。これはワタシにとっては嬉しくない。などと言いつつも、EMばかりを1時間半ほど遊ぶ。

◆ダウンタウンに戻り、夕食はハートアタックグリル。ここに最後に来たのはいつだったろうか。とにかく久しぶりだ。パティ1ポンドのダブルバイパスにドクターペッパーで、チップ込み20ドル。


①ダブルバイパス(純ラードで揚げたポテト付)。 ②クラウンを取ったところ。 ③手に持つとずっしりと重い。チーズは4枚 ④瓶入りのドクターペッパーは初めて見た。

◆T本をエル・コルテスに送り届け、ワタシはメインストリートステーションにチェックインする。一睡もしていない状態であるうえ、明日は9時にホテルを発ちT本を拾ってG2Eショウ会場に行くので、12時前にはベッドに入る。

(つづく)

新ラスベガス半生中継・2019年秋(1) 準備~台風によるスケジュール変更まで

2019年10月27日 14時15分56秒 | 海外カジノ
【旅行準備】
10/15(火)~17(木)にラスベガスで開催されるゲーミング業界のトレーディングショウ「Global Gaming Expo(G2E)」見物を目的に、7月ころから準備を始める。

◆航空券はエクスペディアから、NRT-LAS往復を10万8千円で購入。旅程は10/12(土)日本発~10/20(日)日本着の7泊9日。久々に10万円台で済む航空券が買えて喜ぶ。

◆併せてレンタルWIFIとレンタカーを予約。レンタカーは、従来だと2万円台で済んでいたのに、今回は「このシーズンは混んでいて高い」とのアナウンスがあり、3万円を超えてしまった。とは言え、他のレンタカー会社だと5万円くらいかかってしまうところなので許すことにする。

◆ホテルはBOYDゲーミング系列からコンプで取れるところから選んで、
・最初の2泊をサムズタウン
・3~4泊目をメインストリートステーション
・4~6泊目をゴールドコースト
に取る。7泊目はコンプが出なかった(金曜夜だから仕方ないか)が、どうせ最後の夜は一晩中カジノで過ごし、帰りの飛行機を眠って過ごすのが通例となっているので、宿無しとする。荷物は車に積みっぱなしにしておけば良い。

◆この時期にラスベガスに行く知り合いは多いが、そのうちの一人であるT本が、偶然、行き帰り共にワタシと全く同じ便を取っていた。T本はレンタカーを持たないというので、現地では概ね一緒に行動しようと打ち合わせる。また、これとは別にY野という元同僚が、若い衆二人を連れて同じ時期に現地入りすると言うので、G2Eショウ前日の14日一日を割いてローカルカジノツァーの計画を立てる。

【台風の発生と接近】
10月6日ころ、台風19号が発生したというニュースが流れる。この段階では飛行機への影響に一抹の不安を感じるも、まだそれほど心配はしていなかった。日が進んで12日の台風の位置が伊豆半島の南くらいとの予報が流れた時も、これならギリギリ間に合うのではないかと期待していたが、10日になって、いくつかの航空会社が12日の成田発便は全便欠航すると発表した。

ユナイテッドが欠航を発表したのは出発前日の11日(金)。出社前に自宅のパソコンからユナイテッド航空のウェブサイトにアクセスして便の変更をしようとするも、「この航空券は外部から購入されているのでここでは変更ができない」と拒否されてしまった。やむなく、エクスペディアのサポートに電話を掛けるが、「ただいまたいへん混み合っているのでそのまま待て」とのアナウンスが流れるばかりで、オペレーターに繋がらない。小一時間ほど待ったが繋がらないので、諦めて会社に行く。

その日の午前中、T本からLINEで連絡があり、10/14(月)初の便に振り替えることができたという。T本も航空券は外部(エクスペディアではない)から買っていたが、ユナイテッドから変更手続きはここでせよとのメールが直接来て、手続きできたという。ワタシにはそんなメールは来ていない。

出社後も昼休み中ずっとエクスペディアをコールし続けたがやはり繋がらない。帰宅後、今度こそオペレーターに繋がるまで切らない決意でかけ直したところ、40分ほど待ってやっと繋がった。オペレーターに事情を話し、なるべく早く出発できる便に振り替えて欲しいと頼むが、10/15(火)出発の同じ便しかないと言う。ワタシと同じ旅程で取っていた者(T本)は月曜発の便が取れているのだがと食い下がったところ、ユナイテッドに確認して折り返し連絡すると言うので一旦電話を切る。

20分ほどしてエクスペディアからコールバックがあり、やはり月曜発は埋まっているという。あまり粘って取れるものも取れなくなることを懸念して、やむなく火曜発の便で良いとする。こうして、当初7泊9日だった旅行は、4泊6日の弾丸ツァーとなってしまった

【旅程変更の諸手続き】
◆まずはレンタカーをキャンセルして、新たに取り直す。あまりに直前過ぎるのでキャンセル料でもかかるかと思ったが、特に何もなくキャンセルできた。

◆ホテル。最初の2泊のサムズタウンと次の2泊のメインストリートステーションをキャンセルして、新たにメインストリートステーションを火曜日からの1泊で取り直す。この時期、メインストリートステーションは満室の日が多かったので今から取れなかったらどうしようと心配だったが、無事コンプで取れた。

◆レンタルWIFIのリスケジュール。特別のキャンペーンにより全部で980円で済んでいたものをキャンセルして取り直さなければならなかった。ちょっとショック。

◆大崎から成田までのバスもキャンセル。ただ、ここは「予約優先」ではあるが予約必須ではないので、ノーショウでもペナルティは無いようだった。

12日(土)の関東は確かに記録的な暴風雨だった。ワタシの自宅は4階建てのビルの4階だが、風で揺れる。これで飛行機を飛ばすなど自殺行為以外のナニモノでもないことは素人でも理解できるので、まだ若干の未練を残していた心の整理もついた。一度、あまりに強く揺れることがあったが、それは風ではなく地震だった。

(つづく)