オールドゲーマーの、アーケードゲームとその周辺の記憶

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ラスベガス半生中継・2018年10月 (8) G2E2018メモ

2018年11月18日 18時21分44秒 | 半生中継
今回のG2Eで印象に残ったものは以下の5つ。この中に革新的新技術と言えるものはない。

(1)4Kモニターの普及:
画面の大型化が進んだ現在においては必然だとは思う。これまでビデオスロットの液晶モニターは、高輝度化、大型化、湾曲などの発達を遂げてきており、初期のビデオスロットが貧弱に見えてしまうように、今は不自由ないように見えているマシンも、4Kの普及により古臭く見える時が来るのかもしれない。ただ、4K(将来には8Kも?)の導入により、過去にできなかった何をどのように実現するかが今後の課題ではある。

(2)筐体の島(バンク)自体の豪華化傾向:
マシンのアピールを、マシン単体ではなくバンク全体でアピールするものが目に付くようになってきている。このような手法自体は以前からある事だが、最近はマシン以外の部分をハイテク化してきている点が異なる。Incredible Technology社の「WINNING WALL」やAruze社の「RAY VISION」はその典型例。


Incredible Technology社の「WINNING WALL」。筐体間のスペーサーにも液晶モニターを配して、開いた屏風のような形のバンクになっている。


Aruze社の「RAY VISION」。従来のマシンのトッパーモニターに当たる部分を一つのプロジェクションマッピングで表示している。

(3)3Dから4Dを謳うマシンの出現:
これも従来から存在するものの延長に過ぎないが、裸眼3Dの更なる発達と浸透に加えて、椅子が震える筐体が増えている。この種の演出を売り物とする機械は、出始めは高い客付きを見せるがすぐに失速し製品寿命が短いことが多く、いつの間にか無くなってしまうかもしれないので、できるうちにやっておかなくてはならない。


現在、裸眼3DのスロットマシンはIGTの独擅場となっている。「4D」を謳う「AMERICAN GODDS」(左)はアメリカのテレビシリーズ。3D効果が従来よりもよくなっているように見える。 やはり4Dを謳う「GHOST BUSTERS」(右)。


こちらは「3D」を謳っているが、「Red, White, And Blue」などと言う古典的な機種(左)や、「Anything But Six」(右)のようにいつの間にか姿を消した機種を3Dにしてリメイクしたもの。確かに、無理に3Dを活かした新タイトルを考えるよりも、過去のタイトルを復活させるという考え方はアリだと思える。

(4)Aristocratの「LIGHTNING」の類似品の氾濫:
2015年に豪州のスロットマシンメーカー、Aristocrat社が開発した「LIGHTNING」というビデオスロットシリーズが大ヒットしており、Aristocrat自身もその発展形を出展しているが、そのボーナスゲームのシステムを模倣するゲームが各社から山ほど出ていた。スロットマシン業界は、古来よりパクりパクられが繰り返されて今日の発展に至っているのでそれ自体は驚かないが、Aristocratは10年前に発表した「BUFFALO」も多数の模倣を生み出してすっかりトレンドメーカーになっているというのに、他社にも頑張ってほしいものだ。

(5)スキルベースド・ゲーミングに方向性は見えてきたか? VRは絶滅くさい。:
2015年に業界の大きな期待を背負って登場したスキルベースド・ゲーミングは、未だに市場は確立していない。Aruzeのように一度は手を染めてはみたものの今ではそんな過去などなかったかのような顔をしているメーカーもある。そのような状況の中、昨年に引き続いてGamblit社が「PACMAN」を中心に大々的にアピールを続けていた。


Gamblit社。(1)ブースの外観。パックマンの着ぐるみがうろついている。 (2)対戦パックマン。 (3)ビデオピンボール機など一人用のゲームもある。 (4)反射神経を要する対戦ビンゴ。

同じく昨年も出展していたNEXT GAMING社は、ATARIとTAITOのビデオゲームをリメイクしたものを、今年はより完成度を高めて再び出展してきた。ATARIからは「ASTEROIDS」、「TEMPEST」、「MISSILE COMMAND」の3機種、TAITOからは「ARKANOID」、「BUST A MOVE(バブルボブル)」、「ZForce」の3機種が採用されており、ワタシのようなオールドゲームファンには懐かしく、つい手を出したくなる。ただ、払い出しを得るシステムはよくわからない。


NEXT GAMING社。この会社の創設者で社長でもあるテリー・カウディル氏は、ラスベガスのダウンタウンの「フォークイーンズ」と「ビニオンズ」の二つのカジノのオーナーとのこと。そう聞くと、この分野もカジノに広まる可能性があるのではないかと思いたいけれども・・・。

その他のメーカーとしては、Steelman Partners社、GameCo社、Synergy社などが、小さいブースながらも意欲的なゲームを出展しており、まだスキルベースドゲーミングの息の根は完全には止まっていないようには見える。しかし、ゲーム時間が非常に長いビデオゲームをギャンブルゲームとして稼働しても、スロットマシンと同等の稼ぎを期待できないはずだが、これに期待しているのは一体誰なのだろうか。ゲームアーケードのオーナーがビデオゲームを活性化するオマケフィーチャーになることを期待しているという話ならば分からないこともないのだが・・・


Steelman Partners社。ドライブゲームが中心。



GameCo社。「ソウルキャリバー」に「CASINO EDITION」とある。


Synergy社。上海もどき、ガンゲーム、ツムツムもどきなど、純粋なアーケードビデオで払い出しをしようとしている。現在カリフォルニアでロケテストをしている最中だと言っていた。

その他:
・KONAMI: 大画面のビデオスロットの出展が増えた。昨年までもないわけではなかったが、20インチ台のモニター2台使いが主流だった。スキルベースドの分野では、音ゲー「ユビート」をモディファイした「Beat Square」を今年も出展してきたが、昨年のように大々的な展示ではなく、ブースの隅に4台のみ、ひっそりと置かれていた。やはり難しいとのこと。グロリア・ゲイナーの「I Will Survive」が入っていたのでやってみたら面白かったが、あくまでも音ゲーとしてであって、ギャンブルのネタとしては疑問を感じる。マルチプレイヤー機は、競馬ゲームの「フォーチュンカップ」のみ。sigmaの「ザ・ダービーMKⅢ」の代替需要で、ラスベガスだけで20台以上設置されているとのこと。メダルゲーム「アニマロッタ」の抽選器を使用したビデオスロットは、今年は出展していなかった。

・IGT: ETGの「DYNASTY」を大々的にアピール。他に、スポーツブックの全国的な解禁に合わせたのか、スポーツブック専用のサテライト「Crystal Bet Terminal」。スキルベースドは一応4台展示したが、一昨年までの熱は感じない。

・SG(Bally、WMS、Shuffle Masterなど): 昨年に引き続き「007シリーズ」押し。でも市場では見かけた覚えがないのはどういうことだろう。WMSはその看板「MONOPOLY」を使って、ヘンなビデオルーレットを出してきた。まだ商品化の具体的な計画はなく、チャレンジとして作ってみたものとのこと。


SGの出展機。007シリーズは昨年出展したものとはずいぶん変わっている。


モノポリーを使ったルーレット。画面上段のモノポリーおじさんがピンパネルにボールを落とし、画面最下段で回っているルーレット風のポケットに入れる。ピンパネルの帽子に玉が入るとボーナスゲームになる。

・TCSJOHNHUXLEY: 昨年出展していた「GAME BALL BACCARAT」(関連記事:ラスベガス半生中継・2017年9~10月 (6) G2Eショウ・気になった機械その2)は、やはり今年の出展は無く、一昨年以前通りの平常運転に戻っていた。このままマシンゲームから完全に手を引いてしまうのだろうか。
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