水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

古今集(2)

2014-09-16 09:37:45 | 古今和歌集
420 このたびは幣(ヌサ)もとりあへず たむけ山もみじの錦 神のまにまに

朱雀院の奈良におはしましたりける時に、たむけ山にてよみける

すがはらの朝臣


朱雀院の奈良お出ましに際しては、(旅の安全を祈願するための)御幣も用意できずに手向け山(神社?)まできてしまいました。(でも)神様のおぼしめしのとおりの(素晴らしい)山の紅葉でございます。

朱雀院(宇多上皇)が奈良にお出かけの際、たむけ山で読む

すがはらの朝臣=菅原道真


右大臣にまで上り詰めた菅原道真は、宇多上皇の腹心で、醍醐天皇/藤原基経/時平派との、壮絶な権力争いの中心にいた。結局、901年、負けて大宰府に流されたのだが、死後、「怨霊になった」、と恐れられた。

このような政治状況を踏まえて、上の歌をみると、なにかただならぬ気配を感じるのだが、どうだろうか。
御幣も忘れてしまうほど、大慌てに奈良に向かい、たむけ山にやっとたどりついて、ほっとした、というような。

道真の絶頂期は895年ごろから数年間(道真の建議によって、遣唐使が廃止されたのが、894年)であろうから、この歌は、895~900年ごろの秋、読まれたと想像しちゃう。一体なにがあったのだろうか?

知らないのは、ワタシだけだったりして。

まあとにかく、古今和歌集編纂決定直前期の政権ナンバーツーの歌として、二番目に取り上げました。




 

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