水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

古文書講座(2)年貢割付状(1)訂正

2011-02-21 11:04:55 | 三鷹・歴史/地史
 昨日の記事(下の****~~****ではさまれた部分)は間違い。訂正する。

石盛(コクモリ:検地によって耕地・屋敷の反あたりの標準収穫量を定めること)についての考察が欠落していた。

さて、大沢村での実際の石盛をまだ把握していないので、100%確信を持っているわけではない。が、試行錯誤を加えた結果、次のような石盛を仮定し、下のように訂正する。

石盛の仮定
上田/12斗、中田/10斗、下田/8斗、下下田/6斗、上畑/6斗、中畑/4斗、下畑/2斗、下下畑/1斗。


訂正

米作付け面積 14町5反5畝8歩(1439.5アール)
予定農産物収穫量  323石3斗3升2合(48445kg)
予定米収穫量  134石8斗3升(20224kg)
米としての年貢     52石7斗7升5合(7916kg)

上の数字から、次の3点がわかった。

① 単位面積当たりの収量:現在、日本全体での、それは、だいたい500kg/10アールと言われている。このことから、江戸時代、大沢での米の反収は、現在の3割程度であった、と理解できる(140kg/10アール)。

② 大沢村では、収穫される米の約40%(52.774/134.83)が年貢に取られていた。

③ 現在、普通の玄米、60kgあたりの価格は15000円程度だ。これを基準にすると、大沢村での当時の農産物収穫量を、現在の貨幣価値になおすと、約1200万円となる。そのうちの約200万円(17%)を米の年貢として上納せねばならなかった。さらに、現金で納めねばならぬ年貢が37.288貫文もあった(これについては稿を改めて書く)。
今、米作農家の納税額はどれくらいなのだろうか?


昨日の、間違い記事
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米作付け面積 14町5反5畝8歩(1439.5アール)
予定収穫量  323石3石3升2合(48445kg)
年貢     52石7斗7升5合(7916kg)

上の数字から、次の2点がわかった。

① 単位面積当たりの収量:現在、日本全体での、それは、だいたい500kg/10アールと言われている。このことから、上の時代、大沢では、現在の7割程度の米収量があった、と理解できる(337kg/10アール)。立派なものだ。

② 現在、普通の玄米、60kgあたりの価格は15000円程度だろう。これを基準にすると、大沢村での当時の米収穫量を、現在の貨幣価値になおすと、約1200万円となる。そのうちの約200万円(17%)を年貢として上納せねばならなかった。
今、米作農家の納税額はどれくらいなのだろうか?
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