水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

多摩のあゆみ137号(1)

2010-03-18 08:58:16 | 三鷹・歴史/地史
 3/13の解説員連絡会で配布された、標記雑誌の中にいくつか興味惹かれるポイントがあった。

今日は、「乗瀦駅」。始めて接する字。

 これは、江口桂氏論文(七世紀における多摩川中流域左岸の古墳と集落)中の図3(p18)に示されている。

① 「瀦」の読み方。大字典によると、音読みで「チョ」、訓読みで「ミズタマリ」だそうだ。サンズイをとれば、猪八戒の「猪」と同字。
②「乗瀦」をどう読むか?現在、「ノリヌマ」もしくは「アマヌマ」とあて読みしているらしい。


さて、なぜこれが気になったか?

  図のタイトルは「東国の7世紀代主要古墳と国府・駅路」となっていて、「乗瀦駅」は第5駅(武蔵国府(今の府中))と「豊島駅」とを結ぶ道の中間に位置している。

直感的に人見街道そのものではないか、と思い、地図で確認した。間違いない、と思う。

 この道は平安時代の延喜式よりも前に存在していたそうで、豊島駅の先は、下総国府、さらに常陸国府に繋がっていた。千数百年前の国道一号といってもよいだろう。

 水車は、こんな街道の際に立地しているのだ。
 
 人見街道については随分前に書いた(調べたら、07年6月だった)が、自己の知見について補強材料ができ、うれしい。


 ちなみに、「乗瀦駅」は、現在の杉並区天沼であろう、と考えられているらしい。