水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

菜虫蝶と化す(9/72)

2010-03-16 07:13:16 | 72候
 今日は、72候の「菜虫蝶と化す」(なむしちょうとかす)だ。

 直感的解釈としては、モンシロチョウがちらちら出てきて「あ~、青虫がチョウチョになる季節になったなあ~、と感慨にふける」構図が目にうかぶ。

 が、よーっく考えると、ちょっとおかしい。モゾモゾ動く青虫が直接蝶になることはない。それらの間に、かなり長い時間のサナギ状態があるはず。
つまり上の解釈では、標題が言いたい現象を正しく理解できていないのではないか、と思えるのだ。

 例によって、辞書をめくった。大辞林によれば、「菜虫」は「大根・蕪・白菜などが葉を広げはじめた時期に、その葉を食い荒らす虫の総称」。
そしてなんと、これは秋の季語なのだそうだ。

 胡蝶にもならで秋経る菜虫かな 芭蕉

 これで、ピンときた。春最初に「蝶と化す」「菜虫」は、サナギで越冬したヤツだ、と。
この解釈でよいか?