水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

多摩のあゆみ137号(2)

2010-03-25 11:14:33 | 三鷹・歴史/地史
 標記雑誌の中で気になったこと。

今日は「羨道」。

かなり前から、ずっと気になっている字だ。

 古墳では、玄室という名の、一番奥の棺を安置する部屋から、手前に前室、羨道と名づけられた空間が存在する。考古学の専門用語だと思う。

 「羨道」は、大辞林によれば、エンドウ、もしくは、センドウと読み、「墳墓の入り口から、棺を納める玄室までの道」だそうだ。

 さて言いたいことは、なぜ「羨」の字を使うかわからない、ということだ。換言すれば、ふさわしくない、と思われる字を、なぜ敢えて使うのか。

 いうまでもなく、「羨」は訓読みで「ウラヤマシイ」。「羨道」は、もしかしたら、「うらやましいみち」であるのかもしれない。
 字の組み立てを見ると、上が羊。下は、サンズイに「欠」、「涎」(ヨダレ)の本字だそうだ。「ヒツジを見て、ヨダレを流す」というのが、この字の本来の意味であろう。

 グーグルの翻訳機能を使っても、「羨道」に当たる中国語を見つけることができなかった。

 ちなみに、ギリシャ語ではDromosが「羨道」に当たるようだが、こっちは、もっとずっと大規模なものだ。
例えば、「墓道」ではどうしていけないのか。

 学者さん方が専門用語としてお使いになっているのだろうが、このような字を使わなければならない必然性をどうしても見つけられない。浅学素人。「ゴマメの歯軋り」。