日々、思うことをサラサラと。

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犯罪・・・事実は小説より奇なり、と言うけれど。

2011年11月12日 | 美術展・本
「犯罪」 フェルディナント・フォン。シーラッハ

弁護士でもある作者が、実際にあった奇異な事件を題材に編んだ短編11篇。
(ドイツでベストセラーとなり、数々の賞を受賞)

”事件”となると個々の事情が背景に色濃く反映し、どの事件を取り上げても
深い関心をもって読める。
人の善意から発生し各人の気持ちが複雑に絡み合い、そして偶然のいたずらに
翻弄されてしまった被告人たちの事情があぶりだされる。
その筆致のごとく、冷静で鋭い観察眼の元で被告人の不利な立場が覆される立
証の過程が人間味があり且つスリリングだ。
鮮やかなノンフィクションの凄みが伝わってくる。
(「チェロ」が殊に印象深い)


世の中、冤罪がどれほど多いことかという思いに囚われゾっとする。
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