旅限無(りょげむ)

歴史・外交・政治・書評・日記・映画

飛び散るチャイナ 其の弐

2006-03-15 20:53:02 | 外交・情勢(アジア)
■世界からエネルギー資源と食糧を買い集める一方で、余剰人口を外に吐き出すのは問題ですなあ。書類を偽造して偽親類になることぐらいは何でもないでしょうし、39000人というのは正規の手続きをして却下された人達ですから、密入国して不法滞在している人は含まれて居ないところが怖いですなあ。

中国側が身柄の引き取りに応じたのは、昨年わずか800人。過去5年間でも、2580人にとどまっているという。米国ではメキシコ、中国などからの不法移民の増加を受け、国境管理の強化や移民法改正の議論が高まっている。今年十月一日からは、不法移民らの施設収容を徹底する方針であるだけに、米当局は経費負担や収容能力の面から、収容者の滞留が長引くことにいらだちを強めていた。今回指摘された約39000人は、密航から滞在資格の失効まで違法性はさまざまなようだが、最終的に米国への移民申請を却下され、米国に滞在できなくなった点では一致していた。中国人不法移民の収容長期化で、相手国・地域の経費負担が増大するケースは1990年代から主に東アジアで頻発しており、各国・地域当局とも中国政府の対応の鈍さを非難していた。ワシントンの中国大使館では、AP通信の報道に対して、コメントしていない。産経新聞 - 3月15日

■米国には「嫁不足」の問題は無いようで、「お見合いツアー」が組まれたという話も聞きませんが、こちらから招かなくても押し寄せるのですから、日本も考えた方が良いでしょうなあ。その内、お嫁さんの「押し売りツアー」が出現するかも知れませんぞ。これまでのチャイナの歴史的サイクルでは、王朝末期の戦乱期には大量の流民が発生して外国に人口が流出し、新王朝に変わると税収を上げる為に厳しい鎖国政策を採って出国は厳禁で、帰国は歓迎する、その繰り返しだったそうですが、「経済発展」だの「世界最大の市場」だのと囃し立てる一方で、「一人っ子政策」に続く棄民政策が採られているようですなあ。無駄飯喰いは外国に逃げ出しても知らん振り、金の卵を産みそうな在外同胞は「海亀」とか呼んで好待遇で呼び戻す。単純労働の職を見つけた者も、外貨を稼いで仕送りしてくれれば大助かり……。そんな虫の良い事がいつまでも続くはずは有りません。

■京都議定書の問題でも、国連安保理の常任理事国なのに発展途上国枠に平然と名乗りを上げられる神経がスゴイですなあ。平和憲法被爆国の日本からODAという「施(ほどこ)し」を受けながら、米国と勝負出来る核武装した軍隊をせっせと作っているのですから見上げたものです。


北京で5日から開かれていた中国の第十期全国人民代表大会(全人代=国会)第4回会議は14日閉幕した。閉幕後に記者会見した温家宝首相は、小泉純一郎首相の靖国神社参拝について、「靖国問題の解決なくして両国関係の順調な発展は極めて困難だ」と述べ、同問題が日中関係改善の障害であると指摘する一方、「政府間の戦略対話の推進」など関係発展への三条件を挙げ、「首脳以外」で関係強化を図る姿勢を強調した。温首相は、日中関係悪化の原因は「中国にも日本国民にもなく、日本の指導者にある」と述べた。実質的な小泉首相への非難だが、名指しを避けたのは次の指導者を牽制(けんせい)するとともに、対中感情が悪化する日本国民に配慮する姿勢も示したものだ。

■これが「内政干渉」ではない、という感覚もユニークです。日本側が北京政府の人事に注文を付けた事など一度も有りませんが、北京からも注文はいろいろと厳しいようですなあ。大使館に「御用聞き」を常駐させていると、こういう事になるのでしょうなあ。それは外交官とは呼びません。


昨年3月の会見で温首相が対日関係に前向きな発言をし、これに反発するように大規模な反日デモが発生した。今年は、こうした事態が再燃しないようにするためにも靖国神社問題への対応が一層硬化したといえる。李肇星外相は7日の会見で、ヒトラーの名を挙げつつ日本の指導者は「愚かで不道徳」と言い放った。その一週間後の会見で温首相は、靖国神社参拝反対の立場を明確にしたうえで、「ポスト小泉」を念頭に、対日関係改善にも触れた。

■中国共産党内の派閥争いのトバッチリを喰うのは中曾根さんの時代で終わりにして欲しかったのですが、日本の政府にはその時の思い出がしっかり刻み込まれているようで、引退した中曾根さんはいろいろと小泉総理に注文を付けています。あの時、胡耀邦さんを庇うという理由で靖国参拝を止めたのですが、その胡耀邦さんはしっかりと失脚してしまって靖国カードだけが残ったのでした。


全人代は14日、貧富の格差是正などを盛り込んだ政府活動報告などを採択。最高人民法院(最高裁)と最高人民検察院(最高検)の活動報告の採決では、批判票(反対・棄権)がそれぞれ約22%と約18%に上った。産経新聞 - 3月15日

■司法部門に対する反対票には、「やり過ぎだ!」という変な票も含まれているのではないでしょうか?本気で格差是正を推し進めたら、党の幹部のほとんどが刑務所送りになってしまいそうな状況のようですから、この批判票は胡錦涛体制に対する誰かさんの牽制だと考えた方が良さそうですなあ。人民解放軍まで巻き込んで国内が混乱するような事になると、「政治亡命者」が大量発生して、亡命希望先に選ばれた国では受け容れにてんてこ舞いさせられそうですなあ。大阪市が税金を投入して広大な埋立地を作っていますが、そこにバラックでも建てて収容施設を準備するのでしょうか?

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飛び散るチャイナ 其の壱

2006-03-15 20:51:34 | 外交・情勢(アジア)
■フランスの学生暴動は、大学生に高校生まで加わって激しさを増しているそうです。海外メディアは物騒な映像を刻々と配信しているようですが、全国人民代表者会議を何とかシャンシャンと終わらせた中国共産党幹部は固唾を飲んで衛星放送を見詰めているのではないでしょうか?就職先が無くて暴れる学生はフランスよりもひと足早くチャイナの各地に出現していますし、フランスの暴動は企業側の人件費削減を理由にしているので、一応の説明は付きますから政府と学生との話し合いも可能でしょう。しかし、チャイナの怒りは体制の腐敗そのものに起因しているので、話し合いなどに応じたら第三次天安門事件が勃発してしまいます。今度は学生の大群に混じって「訴訟村」からもどっと人々が繰り出して来るでしょうから、広場から長安路に溢れた人々が市街戦を始めるでしょうなあ。

■かつてのルーマニア騒動でチャウシェスク夫妻が死刑に処せられた映像を観て、父親が心底怯えたと伝えられる北朝鮮の将軍様も、御同様にフランスの暴動を熱心に注視していることでしょう。その日は近いと誰もが思っているのですからなあ。今頃、偽札や偽煙草の恒常は閉鎖されてしまったのでしょうか?隣の中国では知的財産を守ろう!と共産党が声を嗄らして叫んでおりますぞ。


韓国各地で13日、大変珍しい気象現象である黄色い雪が観測された。中国北部の砂漠地帯から舞いあがった黄砂が混じったもので、汚染物質も含まれており、人体に悪影響を及ぼす恐れがあるため、気象庁では黄砂警報を出して注意を呼びかけている。韓国では砂嵐に見舞われることはよくあるものの、黄色い雪が観測されるのは非常にまれで、気象庁関係者も「今まで黄色い雪を見たことがない」と話している。ロイター - 3月14日

■風と雲の動きから考えれば、春の黄砂が流れて来るルート上で起こった現象です。近々、西日本にも飛来するでしょうなあ。春の雪が長引きそうですから、日本でも黄色い雪見を楽しめそうですなあ。お礼に中国大使館を取り囲む人も現れるかも知れませんが、早めに気象庁から情報を仕入れて、中国大使を招いて黄色い雪見の宴を開いてあげたらどうでしょう?「その内赤い雪も降りそうですなあ」ぐらいの事を言ってお酌をしてあげると日中関係にも良い影響が期待でします。簡単に「北中国」などと言っても、甘粛・青海・ウイグルと辿れば、何が埋まっているか分からない原爆実験場や核廃棄物の廃棄場が並んでいるのですぞ!韓国と共同で汚染物質を細かく調査してしっかり損害賠償を請求しましょう。


甘粛省・蘭州市にあるアスベスト工場の研磨用施設で、13日16時(日本時間17時)ごろ、爆発事故が起き、落ちてきた鉄管の下敷きになるなどして、女性作業員1人が死亡、3人が重傷を負った。14日付で蘭州晨報などが伝えた。この事故で、同工場にある面積が約70平方メートルある研磨用施設は屋根が落ち、窓ガラスが割れるなど大破した。警察などが原因を調べている。中国では有害性が少ない種類のアスベストは製造が認められている。
サーチナ・中国情報局 - 3月15日

■法律を守る人がどれくらい居るのかが問題で、「有害性が少ないアスベスト」などと言ったら、「全てのアスベスト」と同じだと解釈する人が多いような気がしますなあ。元々、「公害訴訟」などという文化の無い所ですから、情報がだんだん入ると、「ああ、これが○○病か!」と気が付く人が増えて行くでしょうなあ。寒冷地が多いのですから、値崩れを起こしているアスベストを吹き付けた断熱材が大量生産されていると考えた方が良いでしょう。雪や黄砂に紛れて毎年日本に降り注ぐのでしょうか?


国際的な原油価格の高止まりを受けて、広東省が2006年2月に輸入した液化石油ガス(LPG)の平均価格が1トン当たり639.2ドルとなり、過去最高を記録した。前月比で42.9ドルの上昇。南方日報が伝えた。広東省が06年2月に輸入したLPGは前月比26.4%増の32.3万トン、輸入額は35.5%増の2.1億ドルだった。06年1月及び2月に輸入したLPGは計57.8万トンで、中国全体に占める割合は77.1%、輸入額は計3.6億ドルで、中国全体に占める割合は78.3%だった。……税関の関係者は、「原油価格の高騰が続いており、しばらくはLPGの価格も高値で推移するのではないか」と述べている。サーチナ・中国情報局 - 3月15日

■広東省は暖房不要の温かい場所ですから、このLPGは内陸部への転売も多いのでしょうが、現地で煮炊きに使ったり化学製品の原材料にしているのでしょうか?原油の次にはガスが値上がりして、中級の鉄鋼製品は作り過ぎて値崩れを起こす。いつ世界の食糧相場が高騰するのか、家畜飼料に使う穀物相場が急騰したら、世界中に飢餓が広まるかも知れないというのに、熱効率の良い美味しい炒め物やら揚げ物料理を楽しんでいる場合では有りませんぞ。その油を搾る作物もだんだんと不足して大量に輸入しなければならないでしょう。


米国土安全保障省のチャートフ長官は14日、中国政府が米国内で移民申請を却下された中国人約39000人の身柄引き取りを拒んでいることを明らかにした。AP通信とのインタビューで同長官は「自国民の引き取りですら米国と協力しない国のために、われわれはもはや現状通りに支出を続けることはできない」と述べ、納税者の負担する収容経費が「膨大な支出」となっている状況を訴えた。

この紋所が目に入らぬか! 其の参

2006-03-15 15:26:46 | 政治
■ただでさえ、技術革新の連続でビデオの VHSとベータの戦いのように敗れた機種も企画も消滅するような騒ぎが起こったり、最高の評価を得ていた機械なのに、一定の期間が過ぎると部品交換が不可能になったりして、結局は修理が利かずに泣く泣く使えるはずの名機を捨てねばならないという理不尽で、「勿体無い」を国際語にしようという時代に逆行するような事態がちょくちょく起こるというのに!IT技術が進歩して何でもかんでもブラック・ボックスの中に仕舞いこまれてしまう時代ですが、修理が利く真空管を使った機械など無くしては行けない名品が数多く存在しているのですから、こういう法律を考える時には、よくよく文化や歴史を勉強しなければなりませんぞ。リサイクルを進めるのか止めるのか、はっきりして貰いたいですなあ。

■「ビンテージ」物には特例を認めると言っても、高級酒じゃあるまいし、どれをビンテージと呼ぶのか?それを誰が決めるのか?誰にも分からない尺度など出されたら、ますます混乱してしまいますなあ。お役人にはこういう理屈が分からない。絶対に間違いを認めないし、恥ずかしいとは思わない。本当に、あのシールは誰が作ったんだろう?役人の失敗や犯罪をあれこれと穿(ほじく)り出すような下々の者は目障りで仕方が無い!これがお役人の本音でしょう。トドメのニュースはこれでしょうなあ。


米国の健康食品会社が米国政府に損害賠償を求めた訴訟の嘱託尋問で、読売新聞記者が、同社の課税処分に関する取材源の証言を拒んだことの是非をめぐる裁判の決定が14日、東京地裁であった。藤下健裁判官は「記者が得た情報が、国家公務員の守秘義務に反して得られた可能性がある場合、取材源の開示を求めるのはやむを得ない」と述べ、取材源を明かすよう命じた。記者側は、東京高裁に即時抗告する。

■「守秘義務」をどうのこうのと言うのなら、今のウィニーによる情報流出問題をもっと深刻に受け取るべきでしょうなあ。自分の領分では情報管理など端(はな)から注意を払わず、不祥事に関して仲間内から密告者が出るのを気にしているのなら、「守秘」がひっくり返っていますぞ!この裁判官は実に変な、そして時代遅れの石頭のようですなあ。一体、どんな勉強をして来たのでしょう?こういう案件にこそ「裁判員制度」を導入すべきでしょうなあ。数々のスキャンダルが週刊誌の記事から発覚して裁判所で有罪になった事犯が沢山有ったはずですが、この裁判官は六法全書しか読まないのかも知れませんなあ。それなら世間常識とは程遠いアホな判決が出るのも理解でしますが…。


……記者側は「情報源の秘匿はジャーナリズムの鉄則」として証言を拒絶。同社側がこの当否を判断するよう求めていた。決定は、情報源が仮に国税庁職員など政府職員の場合、課税情報を記者に伝えることが国家公務員法の秘密漏洩(ろうえい)罪に当たると指摘。「このような場合に証言拒絶を適法として認めると、犯罪行為の隠ぺいに加担することになる」とした。さらに決定は、記者が取材源を明かすことで政府職員らからの取材が難しくなったとしても、「法秩序の観点からはむしろ歓迎すべき事柄」と述べた。

■「法秩序」とは何なのでしょう?自衛隊は違憲で即刻廃止?各省庁の「設置法」を無限に拡大解釈して税金の無駄使いし放題?個人情報保護法遵守で人の名前も聞けない?何とも窮屈で危険な世界像をこの裁判官は「歓迎」している事になりそうです。それに「守秘義務」がいつの間にか「秘密漏洩」に話が移っているのも変ですなあ。社会保険庁のチンピラ役人が、有名人の年金情報を娯楽代わりに覗いて楽しんでいた事件が有りましたが、あれで懲戒免職になった者は居なかったと記憶します。役所が情報を握って一切外に出さず、中では国民の情報を玩具にして遊んでいても良い?何と恐ろしい国でしょう?勿論、エライ裁判官様の悪口なんかを言っては行けないのでしょうなあ。


そのうえで決定は、読売新聞記者が証言拒絶した21項目の質問のうち14項目について「理由がない」とした。民事訴訟では、職業上の秘密に当たる事柄について証言を求められた場合、証言拒絶が許される。記者側は、「情報源の開示を強制されれば、取材に協力してくれる人がいなくなる」と主張していた。証言拒絶を認めない判断が確定した後も、記者が拒絶を続けると、罰金や拘留などが科される。

■「問答無用」という事ですな?新聞を開いても週刊誌を買っても、「官報」の丸写し記事しか読めなくなるなら、それはオーウェルの『1984』の世界が現出します。この裁判官にとっては理想的な「歓迎すべき」世界なのでしょうが、多くの人間にとっては命懸けで「脱北」したくなる世界ですぞ!


問題となったのは、同社に対する日米両税務当局の所得隠しに関する課税処分について報じた1997年10月10日の読売新聞記事。同社は「米政府が情報を日本の国税当局に流したことから、誤った課税処分が報道される結果となり、信用が失墜した」として、米政府を相手取りアリゾナ連邦地裁に提訴した。この訴訟では読売新聞のほか、NHK、共同通信の各記者が嘱託尋問を受け、同様に取材源に関する証言を拒絶をした。このうち、NHKの記者については昨年10月、新潟地裁が証言拒絶をすべて妥当とする判断を示している。読売新聞東京本社広報部の話「取材源が公務員の場合、記者に証言拒絶権はないとする特異な判断で、報道を制約し、国民の知る権利を損なう。ただちに即時抗告し争う」読売新聞 - 3月15日

■昔のロッキード裁判のように、捜査資料が米国から一方的に押し付けられたら誤審の元ですし、グローバル化が進めば犯罪も国境を跨いでどんどん巧妙化して複雑になりますから、一流のジャーナリストは世界中に情報源を確保しなければならなくなります。米国を揺るがしたウォーター・ゲート事件なども、報道した新聞記者にピューリッツァー賞でなく逮捕状が届く事にもなりそうですなあ。「お上には常に正しいのだから、下々の者が胡散臭そうの嗅ぎ回るんじゃない」と言いたいのでしょうが、権力は絶対的に腐敗する!という言葉をこの裁判官は知らないのでしょうなあ。「小さな政府」も結構ですが、「まともな司法」を早急に立て直さないとエライことになりそうです。ガンバレ!読売新聞!

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この紋所が目に入らぬか! 其の弐

2006-03-15 15:25:54 | 政治
■防衛施設庁が代々取り仕切っていた天下り算定方法で、一体、どれ程の税金の無駄遣いが行なわれたのか?天下ってから掠(かす)め取る高額な給料だって、公共工事から上がる不当な利益から支払われるわけですから、その分も談合落札価格に上乗せされている勘定です。保釈金の400万円にしても、出所は税金に間違いないわけです。これなら談合・天下りは「やり得」ですなあ。お役人がよってたかって田原元審議官の身の振り方は責任を持つに違い有りませんから、集団の利益には何の傷も付きませんなあ。

自民党国防部会の「防衛施設庁入札談合等の再発防止に関するプロジェクトチーム」(浜田靖一座長)は14日午前、防衛庁の信頼回復に向け、監察官制度の新設など組織改編に関する提言をまとめた。防衛庁長官を直接補佐する「監察官」(仮称)1人と「監察官補」(同)数人を配置し、庁全体の内部チェック機能を強化するよう求めた。このほか、防衛施設庁の解体と防衛庁への統合を前提に、地方組織も含む具体的な組織改編案を提示。施設庁建設部の工事計画、設計、積算などの業務については独立行政法人など別機関への移行を打ち出している。共同通信 - 3月14日

■「官」を見張る「官」を新設しても、泥棒に牢屋の番人をさせるようなもので、同じ穴の狢(むじな)同士、仲良くやってしまうのではないでしょうか?また一つポストが増えたなあ、とお役人は大喜び!


長崎県は14日までに、県職員と教職員の眼鏡購入のため県職員互助会と県教職員互助組合に支出してきた補助金を、2006年度から廃止する方針を決めた。県職員厚生課などによると、県は眼鏡の購入や修理のため1人当たり2年に1回、限度額1万5000円のうち半額を補助。残り半額は互助組織の掛け金から助成してきた。04年度に県が県職員互助会に支出した眼鏡購入費の補助金は約900万円で、05年度も約740万円を支出予定。

■喧嘩を売るわけではありませんが、「伊達メガネ」やサングラスなども対象だったのでしょうか?眼科の医師から診断書は貰っていたのでしょうか?そもそも眼鏡不要の職員に支給した事は無かったのでしょうか?大阪市のスーツ支給と同じで、2年ごとに眼鏡を新調していたら10年で5個、20年で10個ですぞ!目玉は2個でしょうからコレクションを楽しむのでしょうか?眼鏡が必要なほど本でも読んだ方が良いでしょうなあ。世の中に溢れている悲惨な話を書いた良書を読んで少しは世間の厳しさを勉強した方が良いでしょうなあ。


昨年1月に京都府が同様の眼鏡補助を打ち切ったことを契機に、事業を見直し。06年度からは掛け金だけで助成する。県職員厚生課は「民間の意見を取り入れ、県民の理解も得にくいことから見直した」としている。同様の眼鏡補助金は、全国の自治体で廃止が続いており、山梨県も06年度から廃止予定。共同通信 - 3月14日

■冗談としか思えないような「補助金」や「手当て」が地方自治体には山のように有るらしいですから、一つずつ笑いながら潰して行くしかないのでしょうなあ。長崎、京都、山梨の役所に行くと、眼鏡を掛けている人についつい目が行ってしまいそうですなあ。目が合ったら噴き出してしまいそうですが、失礼ですから我慢しましょうね。


電気用品安全法(電安法)によって4月からPSEマークのない古い家電製品などの販売が禁止される問題で、経済産業省は14日、リサイクル業者らが古い製品に絶縁試験を簡単に実施してPSEマークを取得できるよう、全国約500カ所に検査態勢を整備するなどの対策を発表した。古い電子楽器などはPSEマークなしで販売できる制度を設ける。同省は六月までに十分な態勢を整えるとしている。経産省によると、全国の都道府県や市町村、電気保安協会を通じ、中小事業者を対象に絶縁試験の受託検査の実施や検査機器の貸し出しを行っていく。電気保安協会は6カ月間、無料の出張検査サービスも行う。経産省は、独立行政法人の製品評価技術基盤機構や産業技術研究所を通じて検査機器を数100台購入し、人的支援も行う方針だ。

■典型的なお役所仕事で、独りよがりの代表的な行政ですなあ。既にあちこちから非難の声が轟々と上がっているので、この馬鹿馬鹿しい制度に関しては省略しますが、あの「PSEマーク」というシール自体に注目しますと、あのダサさと安直さ、ど素人の小学生にも書ける人をバカにしたようなセンスの悪いデザインは、まさかプロのデザイナーを雇って作ったのでは有りますまいな?!あんなフザケタものに税金を使っていたとしたら許されませんぞ!新聞やテレビに晒される度に、経済産業省のお役人は恥ずかしくないのでしょうか?


一方、ビンテージものと呼ばれる古い電子楽器やオーディオ機器、映写機などは希少価値や文化的価値が高いうえ、検査の負荷で損傷する恐れもある。このため同法の例外規定を適用し、旧電気用品取締法に基づく表示があれば、簡単な手続きでPSEマークなしで販売できる「特別承認制度」を設ける。音楽愛好家などからの「音楽文化が破壊される」との声に配慮した。産経新聞 - 3月14日

■松下電器が莫大な広告費を使って死亡事故を防ごうと必死になっているのは有名ですが、問題なのは製品が新しいか古いかではなく、不良品かどうかなのではないでしょうか?危険な食品や機械は排除されねばなりませんが、そちらの摘発に力を入れないで、製造年度で安易に線を引いてリサイクルの可否を決めるなどという馬鹿馬鹿しい制度を考え出した奴の顔が見たいものです。1000ボルトとかの高圧電流で付加を掛けて壊れない事が判定基準なのだそうですが、強烈な電磁波や異常電流が発生する核戦争でも想定しているのでしょうか?それなら日本は早く核武装して報復能力を持つ方が先決ですぞ。

この紋所が目に入らぬか! 其の壱

2006-03-15 15:24:55 | 政治
■世の中にリストラの嵐が吹いて気が付いたら正社員という、昔は何でもなかった身分が、一種の特権階級のような響きを持ってしまう時代になったようです。労働組合の組織率も壊滅的に低下したし、労働者を代表する政党も無くなって、財界はどんどん団結力を強めるのに、毎日、「サービス残業」で過労が解消できない労働者はその日を暮らすので精一杯のばらばら状態のようです。そんな世相を反映してか、お役人を一律5%減らそう!と政府が言い出しましたが、即座にお役所からは様々な理由を付けて「無理!」「不合理!」「不可能」などの「拒否」の意思表明が出されました。

■役人は体制の種類に関係なく、常に増え続けるもので、役人の存在理由は「ポスト名」だけですから、「ポスト」が有る限り、そこに配属される役人が絶対に必要だと考えるのがお役人様の理屈です。ただ、椅子に座っている「ポスト」が設置されているのなら、椅子に座っている役人が必要なのです。それはそうと、最近、民主党のスットコドッコイ議員に「腹を切れ!」と古風な事を言った渡辺恒三さんは、テレビの時代劇でお風呂に入って大人気の由美かおるさんから水戸黄門の「印籠」を貰ったとハシャイでいるそうです。マンネリ茶番劇が大好きなのは自由ですが、野党第1党の国対委員長が権力を象徴する「道具」を振り回している図はマヌケに見えますなあ。あれも「問答無用」の象徴ですぞ!

■役人よりも中央も地方も政治家が有り余っている方が大問題なのですが、役人を減らせば経費も少なくなるし行政サービスも向上すると単純に信じている人が多いのか?割とこの小泉改革は評判が良いのだそうです。しかし、無能な役人や悪質な役人の割合が一定のまま役人全体の数が減れば、不親切で無能な面はそっくり保存されてマンパワーが落ちるのですから、行政サービスの質は必ず悪化するという理屈も成り立つのです。問題なのは、碌な仕事もないのに妙な手当てがべたべたとくっ付いている無駄なばかりか、税金の無駄遣いにしかならない待遇を死守している無能な役人と勘違い政治家の群なのですがなあ。


外務省が、海外で飲酒運転して死亡事故を起こした職員2人の処分を、「停職1か月」で済ませていたことが、14日に閣議決定された、鈴木宗男衆院議員(新党大地)の質問主意書に対する政府答弁書で明らかになった。1件は92年9月、モロッコの首都ラバト市で、職員が飲酒運転で帰宅途中、タクシーに追突し、その弾みでスクーターの現地人を死亡させた。もう1件の国は明らかになっていないが、別の職員が99年12月、飲酒運転で清掃車に追突し、乗っていた清掃作業員を死亡させた。2人は現在も外務省に籍を置いている。

■日本に駐留している米軍の兵士が時々不祥事や凶悪犯罪を起こすと、米軍の対処が甘い!と騒ぎになりますし、身近なところでは学校の先生や地方公務員が飲酒運転や危険運転をすれば、ほとんど例外なく懲戒免職になったと報道されるものです。しかし、国家公務員、キャリア、そして外務省となれば特別待遇が保証されているようですなあ。これもムネオ議員のお手柄で出て来た外務省スキャンダルですが、在外公館での不祥事は、マスコミ関係者の資格や保護を任務としている関係からか、日本に伝わらないまま闇から闇に葬られてナアナアの処理が続いているのでしょうか?交通事故でも殺人は殺人です。それも海外での日本の評判が落ちるよう原則禁酒のイスラム国で、飲酒しての不祥事となれば国益に反するトンデもない大事件ですぞ!外務省の国際感覚は歪んでいるようですなあ。


人事院が2002年に改定した国家公務員の「懲戒処分の指針」では、飲酒運転による死亡事故を起こした場合は懲戒処分で最も重い「免職」が妥当としている。事故発生当時はこうした指針がなく、各省が独自に処分を決めていた。外務省人事課は「同じ事故が今起きれば、この基準で処分を決めるだろうが、当時の処分を今の基準で評価するのはフェアではない。当時どうやって処分を決めたかは分からないが、過去の例などをもとに決めたと思う」と話している。答弁書によると、92年9月以降に他省庁の国家公務員が飲酒運転で起こした死亡事故は34件で、このうち13件で免職となっている。
読売新聞 - 3月14日

■「バレなきゃ何をしても良い」「過ぎた事は仕方がない」こんな寝言を言っていたら、北朝鮮とどうやって交渉して拉致事件を解決するのでしょう?始めから足元を見られているでしょうなあ。まさか、北朝鮮の謀略組織と仲間意識などが生まれているのではありますまいな?!まだまだ、密輸疑惑や闇レートでの両替商売など、在外公館に隠されている問題は多いので、ムネオ議員には頑張って欲しいものです!民主党に愛想を尽かした良識有る議員はアホな執行部など放っておいて、ムネオ議員と共闘して外務省問題をぐいぐいと追及したら名誉回復が可能ですぞ!


防衛施設庁が発注した土木建築工事の談合事件で、東京簡裁は14日、競売入札妨害(談合)の罪で略式起訴された同庁の田原敬造元技術審議官(72)や鹿島、大成建設などゼネコン8社の各幹部や担当者ら計9人に対し、それぞれ罰金50万円の略式命令を出した。8社の各幹部らは米軍岩国基地などの工事計7件で、元技術審議官生沢守被告(57)=同罪で追起訴=らと共謀し、自社が筆頭の建設共同企業体(JV)が落札できるように協定したとして、同日略式起訴された。同様に略式起訴された田原元審議官は、同庁側が主導する各工事の官製談合で、ゼネコンとの連絡役を務めたとされる。一方、東京地裁は同日、生沢被告の保釈を認める決定をした。保釈保証金は400万円で、生沢被告は即日納付し、東京拘置所を出た。
共同通信 - 3月14日

■何だか、正体不明の金の延べ棒を隠していた金丸信さんが30万円だかの罰金払って一件落着の時と同じ違和感の有るニュースですぞ。

弁護士が引き籠り?

2006-03-15 01:28:52 | 社会問題・事件
■自分の思い通りにならない現実にぶつかると、自分がコントロールできる機械や玩具や各種ソフトで築き上げた小さな「要塞」に逃げ帰って鍵を掛けて社会との一切の接触を絶つ、これが「引き籠り」の端緒となる事が多いそうですなあ。母親などの生命の源となる者から食糧を奪いながら、自分の欲望と共鳴する情報によって偽造して勝手な桃源郷を偽造して現実との妥協を拒否するようになると、いよいよ生活時間もずれて事態は深刻になるようです。生ぬるい羊水に浮かんでいた子宮時代に戻ろうとする病的な異常心理とも解釈される困った精神の闇の中に沈み込んで自分は正しい、自分は傷ついてはならない、保証のしようも無い絶対の肯定を必死で求める恐ろしい戦いの日々が内面では続いているとも言われます。

■何かと便利になっている環境が恐ろしい物に思えたら、冬は極寒で夏は酷暑、飲み水と食べ物を必死で探し回らねばならない本当の恐ろしさを経験すれば簡単に事態は改善するという説も有るようです。しかし、「引き籠もり」問題と難しさは、そんな現実とぶつかりたくない本人と、そんな可哀想な事は出来ないと頑張る周囲の人々が居る事の方らしいのですなあ。それが肉親だったり、訳知りが顔のカウンセラーだったり、または専門の公務員だったり……。通常は、職業に付いている社会人と「引き籠り」になってしまった人とは別の世界に住んでいると思っておりましたが、何と、それが同一人物である場合が結構多いのかも知れない、と思ってしまうニュースが飛び込んできましたぞ。


山口県光市の本村洋さん(29)宅で1999年、妻(当時23歳)と長女(同11か月)が殺害された事件で殺人罪などに問われ、1、2審で無期懲役の判決を受けた同市内の元会社員(24)(犯行時18歳)について、最高裁第3小法廷は14日、死刑を求める検察側の上告を受けた口頭弁論を開こうとした。だが弁護士が2人とも出廷せず、弁論を開くことができなかった。

■昔の労働運動には「順法闘争」という名の奇妙なサボタージュ戦法が有って、通勤通学の列車が法定の安全基準を厳守してのろのろ運転をして利用者に多大な迷惑を掛けておりましたなあ。しかし、弁護士にもサボタージュが有るとは知りませんでした!これでは弁護士抜きの裁判を認めざるを得なくなる事を、この弁護士先生は承知の上でサボっているのでしょうな?!確かに、柳生新陰流か何かに「負けない極意は戦わぬこと」などという分かったような分からんような極意が有るそうですが、宮本武蔵には通じないでしょうし、全ての格闘技やスポーツにも合致しない屁理屈のように聞こえます。格闘技のゴングが鳴って、この極意を残してリングを降りたら控え室まで無事には帰れないでしょうし、マラソンのスタート時点で同じ事を言ったら全ての走者が消えた後、ぽつんと残ったこのランナーがどんな目に遭うのか心配ですなあ。


改めて4月18日に弁論期日を指定したが、死刑求刑の事件で弁護士の出廷拒否は異例。訴訟遅延行為に当たる可能性もあり、浜田邦夫裁判長は法廷で「極めて遺憾」と、弁護士を強く非難する見解を読み上げた。この事件では、書面審理中心の最高裁が、弁論を開くことを昨年12月に決めたことで、死刑を相当とする判決になる可能性が出ている。死刑廃止運動を進める安田好弘、足立修一両弁護士が、今月6日に辞任した弁護士に代わって就任。「日本弁護士連合会が開催する裁判員制度の模擬裁判のリハーサルで、丸一日拘束される」との理由で、この日の法廷を欠席した。

■「リハーサル」と「本番」を天秤に掛けて「リハーサル」を優先させるとは、一体、どういう了見なのでしょう?練習試合でしか勝てない、などというのは三流選手の代名詞ですぞ!死刑廃止を強く求めるのなら、寝ぼけた弁護士商売などしていないで、それを旗印に政党を立ち上げる運動に邁進していればよろしい!この安田弁護士という人は、一日でも多く麻原尊師を生かしておく事に生涯を掛けておられる人との事ですが、世界的にも遅延が指摘される日本の裁判制度を改善しようとしている時に、手段を選ばずに審理を進めない努力をしているようですなあ。そもそも、この人が「本番」をすっぽかして出かけた「リハーサル」は、裁判を早く進める目的で発案された「裁判員制度」ではないですか!

■更に言えば、この制度のは、世間知らずのトンデモ判決を出す困った裁判官の影響力を削ぐ目的も有るそうですぞ!その前に弁護士の中に紛れ込んでいる勘違い秀才を駆逐しておくべきなのかも知れませんなあ。


これに対し、検察官は法廷で、「審理を空転させ、判決を遅らせる意図なのは明白」と述べ、弁論を開いて結審するよう要請。浜田裁判長は「正当な理由のない不出頭」と述べたが、結審は見送った。安田弁護士らは今月7日付で、弁論を3か月延期するよう求める申請書も最高裁に提出しているが、翌日却下されていた。安田弁護士はこの日、「被告の言い分に最近変化があり、接見や記録の検討を重ねる時間が必要。裁判を長引かせる意図はない」とする声明を出した。読売新聞 - 3月14日

■この安田弁護士という人は、自分の神聖な使命に酔っ払っているのでしょうが、法律に不備が有るのなら、立法府で働くべきですし、そもそも、そんな法律を守る弁護士などという仕事に就く事が変なのではないでしょうか?内部に潜入して破壊工作をする007気取りならば、大きな迷惑ですなあ。少年犯罪としては最高刑に当たる「無期懲役」が連発されている裁判の上告審ですから、死刑か否かだけの問題です。死刑廃止ならば完全なる「終身刑」の創設が必要だとも言われているわけですが、現行の法律では問題の有る死刑囚だけが終身犯と同じ扱いを受けるだけで、長くても10年少々で出所して「更生」を期待する事と暗黙の了解が出来ているようです。

■18歳で他人の家に上がり込み、若い母親を半殺しにして強姦した上殺害、1歳に満たない娘を床に叩きつけて殺してしまったばかりか、安田弁護士のようなナイーブな救世主が現れて、目出度く「無期懲役」となって猫を被って「7年間」と、もう指折り数えて出所後の「楽しみ」を思い描いているとも聞きます。再犯率の高さが問題になる性犯罪に殺人癖まで混ざり込んでしまっている犯人を「更生」させたいと願うのは、一見、崇高な姿と思ってしまう向きも有るでしょうが、何だかヒーロー・アニメを24時間見続けている困った若者と重なってしまいますなあ。

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