■分裂後のパキスタンとの度重なる戦争も、自国内のイスラム教徒に対する巨大な圧力を生む目的を持っていた事も重要です。つまり、インド国内のイスラム教徒やパキスタン政府の強硬派にとって、インドはイスラム教に「復帰すべき」汚された場所として認識されている事になります。ですから、互いに核弾頭付きのミサイルを並べているのは、汚された悪魔の地を浄化する!とどちらかが言い出したら一切の躊躇などせずに撃ち合いが始まる可能性が高いのです。そんなややこしいところに、単純明快なブッシュ大統領が乗り込んだのですから、インドはとても物騒な場所になってしまいました。
安倍晋三官房長官は8日午前の記者会見で、東シナ海の石油ガス田開発をめぐり中国がわが国固有の領土である尖閣諸島と日韓共同大陸棚の共同開発を提案したことについて「受け入れられない」と述べたうえで、「中国側は東シナ海を『友好の海』にするという認識に立ってよく考えてほしい」と強い不快感を示した。安倍氏は「(中国から)東シナ海の北と南の二地点について共同開発の提案があった」と述べたが、場所の具体的な言及は避けた。また、「われわれの提案をもっとよく吟味して考えてほしい。両国にとって利益のある提案だ」と述べ、「白樺」など4カ所の石油ガス田の共同開発を軸にした日本の案を受け入れるよう中国側に求めた。
産経新聞 - 3月8日
■取れるかも知れないと思ったら、相手が本気で怒るまでは偉そうに屁理屈を並べれるのを「外交」と思っている国と、最初から「落としどころ」だの「根回し」だのと、何の保証にならないものを頼りにして「外交」を展開することしか知らない国が、外交の核心となる「国境線」を奪い合うのですから、勝負は最初から付いているのですが……。そもそも、東シナ海が「友好の海」だった時代などが有ったのでしょうか?少なくとも、明の時代からは常にきな臭い海だったはずですが、安倍官房長官は違う歴史を勉強したのでしょうか?東シナ海が多少なりとも安全になったのは、大日本帝国が台湾を保護領化してから、マリアナ沖海戦に破れる頃までだったのではないでしょうか?
ラムズフェルド米国防長官は7日、記者会見し、イランが精鋭部隊の革命防衛隊をイラクに送り込んでいると非難した。米政府はこれまでも、イランがイラクの内政に干渉していると再三批判していたが、同長官が革命防衛隊のイラク潜入に具体的に言及したのは初めて。ブッシュ政権が核問題をめぐってイランへの圧力を強める中、イラクへの干渉についても具体例を指摘することで、イランを一層孤立させる狙いがあるとみられる。ラムズフェルド長官はイラクに潜入したイラン革命防衛隊について、国外でのテロ活動などを任務とする「コドス部隊」とし、イラン政府の指示に基づいた動きとの見方を示した。同長官は具体的な目的や規模には言及しなかったが、「イラクの将来に害になるようなことをするため」と指摘、かく乱に狙いがあるとの見解を示した。
時事通信 - 3月8日
■同時多発テロで地に落ちた米国の情報機関は、何とか努力して名誉を挽回しているのでしょうか?「コドス部隊」などと具体的な名称まで出して、イランの浸透を糾弾しているのは注目すべきことです。しかし、オスマン・トルコの建国当時でさえ、ペルシア湾岸にはシーア派が広まっていたはずです。そのオスマン・トルコ帝国は宗教に対する寛容な政策を採っていたので、クルドの人達でさせ今のような苦労はせずに済んだし、ユダヤ人もキリスト教徒も自治が認められて仲良く住み分けつつも共存じていたのです。そこに大英帝国とフランスが乗り込んで来て、奇怪な直線を引いて「部族国家」を作ってしまったのが大問題で、その中の一つだったイラクという国が消えたのですから、今更「イラクにイラン人が入り込んでいる!」などと怒って見せても、嘲笑されるだけなのではないでしょうか?
■9・11同時多発テロの効用の一つは、米国の人々に「アフガニスタン」という国の名前と地図上の場所を勉強させた事だ、と言われるくらいに、外国事情を理解する才能に大きく欠けている体質は簡単には変わらないのだそうです。ちょっと年齢が高い米国人と話していると、日本の地名よりもベトナムやフィリピンの地名を沢山覚えているのに驚かされるくらいですから、イランとイラクとの区別など何も分からず「中東の民主化」に邁進しているのではないでしょうか?これはとても危険な事です。
スペイン赤十字委員会によると、サハラ以南のアフリカから欧州の入り口であるスペインのカナリア諸島上陸を目指していたアフリカ人を乗せた小型船2隻が7日、相次いで事故を起こし、計45人が水死した。同委の発表によると、西サハラ沖の大西洋上で43人を乗せた船が救援船と衝突し、23人が水死した。また、モーリタニア沖の大西洋上では46人が乗った船が転覆し、22人が水死した。45人は全員がギニアビサウ人だったという。同委などによると、欧州への不法入国のため、カナリア諸島を目指したアフリカからの船が事故を起こすケースが相次いでいる。毎日新聞 - 3月8日
■移民政策を見直そう!と悲鳴に近い叫び声が欧州に上がると、駆け込み移民が増加するだろう、と思っていたらこの事故が起きました。元々は、嫌がる人々を狩り出して商品として売り買いしていた欧州の国々が、今度は自らの希望で移住して来るアフリカの人達を受け容れられないと言い出す。文明化するという名目で、英語やフランス語を教え込み、聖書を持ち込んで欧州型の生活を前提とするキリスト教を広めた結果、「産めよ増やせよ」の神の命令で人口爆発が起こり、自然環境を破壊から守って来たアニミズムを根絶やしにして好き放題に資源を収奪する思想を根付かせたアフリカ大陸は、あっと言う間に飢餓と砂漠が広がって止めようがありません。
■60年代に独立したアフリカやアジアの国々を褒め称えたのも、厄介払いと責任の放棄を意味していたとは、日本人も当時は気が付かなかったようです。戦後の復興期に安い労働力として呼び込んだアフリカ系とアラブ系の人々の子孫が国籍を得るのは、「属地主義」の法律を持っている欧州では当然の事なのに、欧州諸国は冷戦の緊張感の中で100年後を考える余裕が無かったのでしょうなあ。今の内に大急ぎで義務教育も受けられないような子供達を無くす努力をしないと、無知に付け込んだ悪い奴が対立を利用して騒ぎを起こすでしょうから、自国の「正しい歴史」を学んで少しでも摩擦を減らす努力をするべきでしょう。但し、それは自国内での話ですぞ。
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安倍晋三官房長官は8日午前の記者会見で、東シナ海の石油ガス田開発をめぐり中国がわが国固有の領土である尖閣諸島と日韓共同大陸棚の共同開発を提案したことについて「受け入れられない」と述べたうえで、「中国側は東シナ海を『友好の海』にするという認識に立ってよく考えてほしい」と強い不快感を示した。安倍氏は「(中国から)東シナ海の北と南の二地点について共同開発の提案があった」と述べたが、場所の具体的な言及は避けた。また、「われわれの提案をもっとよく吟味して考えてほしい。両国にとって利益のある提案だ」と述べ、「白樺」など4カ所の石油ガス田の共同開発を軸にした日本の案を受け入れるよう中国側に求めた。
産経新聞 - 3月8日
■取れるかも知れないと思ったら、相手が本気で怒るまでは偉そうに屁理屈を並べれるのを「外交」と思っている国と、最初から「落としどころ」だの「根回し」だのと、何の保証にならないものを頼りにして「外交」を展開することしか知らない国が、外交の核心となる「国境線」を奪い合うのですから、勝負は最初から付いているのですが……。そもそも、東シナ海が「友好の海」だった時代などが有ったのでしょうか?少なくとも、明の時代からは常にきな臭い海だったはずですが、安倍官房長官は違う歴史を勉強したのでしょうか?東シナ海が多少なりとも安全になったのは、大日本帝国が台湾を保護領化してから、マリアナ沖海戦に破れる頃までだったのではないでしょうか?
ラムズフェルド米国防長官は7日、記者会見し、イランが精鋭部隊の革命防衛隊をイラクに送り込んでいると非難した。米政府はこれまでも、イランがイラクの内政に干渉していると再三批判していたが、同長官が革命防衛隊のイラク潜入に具体的に言及したのは初めて。ブッシュ政権が核問題をめぐってイランへの圧力を強める中、イラクへの干渉についても具体例を指摘することで、イランを一層孤立させる狙いがあるとみられる。ラムズフェルド長官はイラクに潜入したイラン革命防衛隊について、国外でのテロ活動などを任務とする「コドス部隊」とし、イラン政府の指示に基づいた動きとの見方を示した。同長官は具体的な目的や規模には言及しなかったが、「イラクの将来に害になるようなことをするため」と指摘、かく乱に狙いがあるとの見解を示した。
時事通信 - 3月8日
■同時多発テロで地に落ちた米国の情報機関は、何とか努力して名誉を挽回しているのでしょうか?「コドス部隊」などと具体的な名称まで出して、イランの浸透を糾弾しているのは注目すべきことです。しかし、オスマン・トルコの建国当時でさえ、ペルシア湾岸にはシーア派が広まっていたはずです。そのオスマン・トルコ帝国は宗教に対する寛容な政策を採っていたので、クルドの人達でさせ今のような苦労はせずに済んだし、ユダヤ人もキリスト教徒も自治が認められて仲良く住み分けつつも共存じていたのです。そこに大英帝国とフランスが乗り込んで来て、奇怪な直線を引いて「部族国家」を作ってしまったのが大問題で、その中の一つだったイラクという国が消えたのですから、今更「イラクにイラン人が入り込んでいる!」などと怒って見せても、嘲笑されるだけなのではないでしょうか?
■9・11同時多発テロの効用の一つは、米国の人々に「アフガニスタン」という国の名前と地図上の場所を勉強させた事だ、と言われるくらいに、外国事情を理解する才能に大きく欠けている体質は簡単には変わらないのだそうです。ちょっと年齢が高い米国人と話していると、日本の地名よりもベトナムやフィリピンの地名を沢山覚えているのに驚かされるくらいですから、イランとイラクとの区別など何も分からず「中東の民主化」に邁進しているのではないでしょうか?これはとても危険な事です。
スペイン赤十字委員会によると、サハラ以南のアフリカから欧州の入り口であるスペインのカナリア諸島上陸を目指していたアフリカ人を乗せた小型船2隻が7日、相次いで事故を起こし、計45人が水死した。同委の発表によると、西サハラ沖の大西洋上で43人を乗せた船が救援船と衝突し、23人が水死した。また、モーリタニア沖の大西洋上では46人が乗った船が転覆し、22人が水死した。45人は全員がギニアビサウ人だったという。同委などによると、欧州への不法入国のため、カナリア諸島を目指したアフリカからの船が事故を起こすケースが相次いでいる。毎日新聞 - 3月8日
■移民政策を見直そう!と悲鳴に近い叫び声が欧州に上がると、駆け込み移民が増加するだろう、と思っていたらこの事故が起きました。元々は、嫌がる人々を狩り出して商品として売り買いしていた欧州の国々が、今度は自らの希望で移住して来るアフリカの人達を受け容れられないと言い出す。文明化するという名目で、英語やフランス語を教え込み、聖書を持ち込んで欧州型の生活を前提とするキリスト教を広めた結果、「産めよ増やせよ」の神の命令で人口爆発が起こり、自然環境を破壊から守って来たアニミズムを根絶やしにして好き放題に資源を収奪する思想を根付かせたアフリカ大陸は、あっと言う間に飢餓と砂漠が広がって止めようがありません。
■60年代に独立したアフリカやアジアの国々を褒め称えたのも、厄介払いと責任の放棄を意味していたとは、日本人も当時は気が付かなかったようです。戦後の復興期に安い労働力として呼び込んだアフリカ系とアラブ系の人々の子孫が国籍を得るのは、「属地主義」の法律を持っている欧州では当然の事なのに、欧州諸国は冷戦の緊張感の中で100年後を考える余裕が無かったのでしょうなあ。今の内に大急ぎで義務教育も受けられないような子供達を無くす努力をしないと、無知に付け込んだ悪い奴が対立を利用して騒ぎを起こすでしょうから、自国の「正しい歴史」を学んで少しでも摩擦を減らす努力をするべきでしょう。但し、それは自国内での話ですぞ。
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