■犯人達の生い立ちや、組織の成り立ちなどを詳しく知りたいところですが、新聞の犯罪報道では分からない事が沢山残ります。週刊誌などの媒体で補わねばならないというのも不便な話です。
…出資法違反容疑で指名手配されたリーダー格の川畑将容疑者(25)が主婦らへの脅迫的な取り立てを、部下の元(はじめ)健作容疑者(24)らに指示していたことが新たに判明。捜査本部が元容疑者に主婦が録音していた電話のテープを聞かせたところ、「自分の声です」と認めたという。捜査本部は、元容疑者らが主婦ら3人を自殺に追い込んだ可能性もあるとみて、追及する。
毎日新聞 - 3月8日
■年齢から見て、首謀者はリーダー格の川畑容疑者ではないと思われますなあ。昔の「縄張り」は地図に描かれているものでしたが、こうなると犯罪業種?ごとに新しい「縄張り」が出現していても不思議ではありませんなあ。
大阪府八尾市のヤミ金心中事件で、出資法違反容疑で元従業員らが逮捕された東京の業者(解散)が所属していた全国規模のヤミ金融組織(本拠・那覇市)が、傘下の7業者が稼いだ総額約50億円の収益をいったん上納させ、営業成績に応じて再分配していたことが8日、大阪、和歌山など6府県警の合同捜査本部の調べで分かった。
■日本にも「FBIが必要だ」という意見は以前から有りますが、広域犯罪に対する特別な体制をその都度編成しているのも手続きが面倒ですから、県境に制約されない捜査陣も必要になりそうです。
こうした資金の流れは組織トップの亀井浩次容疑者(39)=別の出資法違反容疑などで指名手配=の直轄部門が掌握していた。全国の債務者リストの管理や貸付金振り込みも集中的に行っており、合同捜査本部は傘下業者は資金・営業面で事実上一本化されていたと判断。八尾事件でも組織中枢が関与していた疑いがあるとみて調べている。…亀井容疑者の直轄部門は「センター」と呼ばれ、その下には「融資部門」と「回収部門」も設置していた。傘下業者の間で勧誘先が重複しないよう客になる債務者を割り振っていたほか、貸し付けの際は各業者から客の口座番号を連絡させ、融資部門から直接送金、客が支払う利息は回収部門で全額吸い上げていた。
■こんなに立派な会社組織?が出来ていては、とても逃げられませんなあ。貸し付けるタネ銭や設備投資に使った資金をどうやって用意していたのかは分かりませんが、接客用の設備は不要なのですから、驚くほど安上がりな設備投資で商売を始められそうです。簡単に起業出来るのなら、こういう犯罪集団はあちこちで商売していそうですなあ。
さらにセンターは傘下業者の営業成績をコンピューターで一括管理し、亀井容疑者が全体を把握。成績に応じて、各業者のリーダー役である「グループ長」に再分配していた。各業者の従業員にはグループ長から「給与」などの形で分配されていたとみられる。センターは、手続きなどについても各業者・部門に細かく指示し、客の口座番号を知らせる連絡は、間違いを避けるためにファクスに限定。融資部門が貸付金を振り込む際は、周囲から不審に思われないようATM(現金自動預払機)1台につき10回までとし、超える場合は他のATMに移っていたという。
■「振り込め詐欺」を未然に防いだ数少ないケースには、お年寄りが慣れない手つきでATMの振込み操作をしている様子を不審に思った職員が声を掛けていた場合が多いそうですから、目を付けられないように作業を小分けする工夫をされたら、利用客の顔などまったく知らない銀行員には見分けが付きませんなあ。
平成15年6月に起きた八尾市の心中事件では、死亡した主婦=当時(69)=が利息を振り込んだ口座から、東京の業者の元店長、川畑将容疑者(25)=出資法違反容疑で指名手配=と元従業員、長野和人容疑者(33)=同容疑で逮捕=が現金を引き出す姿がATMの防犯ビデオに写っており、亀井容疑者はこれ以降システムを強化したとみられる。センターを通じた集金は、1000以上の業者を束ねていた山口組系旧五菱会(現美尾組)の元幹部も採用していたシステム。合同捜査本部は、今回のヤミ金融組織も資金面で別組織と関係がないかどうか調べている。産経新聞 - 3月8日
■こうした「濡れ手に粟」の悪徳犯罪は、刑務所で情報交換されて進化して行くそうですから、捕まっても犯人達は専門学校に入学するような気分になっているかも知れません。有名な詐欺事件には同じ面子が紛れ込んでいるというのも良く聞く話です。要するに、「誰も信じない」心構えで日々の暮らしをしていなければならない事になるわけで、世の中はますます殺伐として行くのでしょう。「渡る世間は詐欺ばかり」となったら、人の親切も疑いの目で見なければなりませんし、行政も救ってくれないと皆が思い込んだら、ますます税金を支払わない人が増えるでしょうなあ。
■「借りたものは返す」という美徳に縛られて、法外な利息の支払いに応じていた人の誠が報われないのは、本当に居た堪れない事です。悪い奴ほど良く眠っていられる世の中になったら、未来は真っ暗です。今回の事件では、警察も役所も最終的な解決には役立たなかったようですから、法律の見直しや行政側の匙加減も変わって貰わねばなりません。騙される奴の「自己責任」ばかりを言い立てると、悪い奴はますます増長してしまいます。詐欺師は常に被害者の弱みと法律の抜け穴を必死で探しているのですから、素人の知識や判断では絶対に対応など出来ませんから、丹念に悪人を逮捕しつつ、再犯が出来ないように厳罰に処するイタチごっこを忍耐強く続けるしかなさそうですなあ。
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…出資法違反容疑で指名手配されたリーダー格の川畑将容疑者(25)が主婦らへの脅迫的な取り立てを、部下の元(はじめ)健作容疑者(24)らに指示していたことが新たに判明。捜査本部が元容疑者に主婦が録音していた電話のテープを聞かせたところ、「自分の声です」と認めたという。捜査本部は、元容疑者らが主婦ら3人を自殺に追い込んだ可能性もあるとみて、追及する。
毎日新聞 - 3月8日
■年齢から見て、首謀者はリーダー格の川畑容疑者ではないと思われますなあ。昔の「縄張り」は地図に描かれているものでしたが、こうなると犯罪業種?ごとに新しい「縄張り」が出現していても不思議ではありませんなあ。
大阪府八尾市のヤミ金心中事件で、出資法違反容疑で元従業員らが逮捕された東京の業者(解散)が所属していた全国規模のヤミ金融組織(本拠・那覇市)が、傘下の7業者が稼いだ総額約50億円の収益をいったん上納させ、営業成績に応じて再分配していたことが8日、大阪、和歌山など6府県警の合同捜査本部の調べで分かった。
■日本にも「FBIが必要だ」という意見は以前から有りますが、広域犯罪に対する特別な体制をその都度編成しているのも手続きが面倒ですから、県境に制約されない捜査陣も必要になりそうです。
こうした資金の流れは組織トップの亀井浩次容疑者(39)=別の出資法違反容疑などで指名手配=の直轄部門が掌握していた。全国の債務者リストの管理や貸付金振り込みも集中的に行っており、合同捜査本部は傘下業者は資金・営業面で事実上一本化されていたと判断。八尾事件でも組織中枢が関与していた疑いがあるとみて調べている。…亀井容疑者の直轄部門は「センター」と呼ばれ、その下には「融資部門」と「回収部門」も設置していた。傘下業者の間で勧誘先が重複しないよう客になる債務者を割り振っていたほか、貸し付けの際は各業者から客の口座番号を連絡させ、融資部門から直接送金、客が支払う利息は回収部門で全額吸い上げていた。
■こんなに立派な会社組織?が出来ていては、とても逃げられませんなあ。貸し付けるタネ銭や設備投資に使った資金をどうやって用意していたのかは分かりませんが、接客用の設備は不要なのですから、驚くほど安上がりな設備投資で商売を始められそうです。簡単に起業出来るのなら、こういう犯罪集団はあちこちで商売していそうですなあ。
さらにセンターは傘下業者の営業成績をコンピューターで一括管理し、亀井容疑者が全体を把握。成績に応じて、各業者のリーダー役である「グループ長」に再分配していた。各業者の従業員にはグループ長から「給与」などの形で分配されていたとみられる。センターは、手続きなどについても各業者・部門に細かく指示し、客の口座番号を知らせる連絡は、間違いを避けるためにファクスに限定。融資部門が貸付金を振り込む際は、周囲から不審に思われないようATM(現金自動預払機)1台につき10回までとし、超える場合は他のATMに移っていたという。
■「振り込め詐欺」を未然に防いだ数少ないケースには、お年寄りが慣れない手つきでATMの振込み操作をしている様子を不審に思った職員が声を掛けていた場合が多いそうですから、目を付けられないように作業を小分けする工夫をされたら、利用客の顔などまったく知らない銀行員には見分けが付きませんなあ。
平成15年6月に起きた八尾市の心中事件では、死亡した主婦=当時(69)=が利息を振り込んだ口座から、東京の業者の元店長、川畑将容疑者(25)=出資法違反容疑で指名手配=と元従業員、長野和人容疑者(33)=同容疑で逮捕=が現金を引き出す姿がATMの防犯ビデオに写っており、亀井容疑者はこれ以降システムを強化したとみられる。センターを通じた集金は、1000以上の業者を束ねていた山口組系旧五菱会(現美尾組)の元幹部も採用していたシステム。合同捜査本部は、今回のヤミ金融組織も資金面で別組織と関係がないかどうか調べている。産経新聞 - 3月8日
■こうした「濡れ手に粟」の悪徳犯罪は、刑務所で情報交換されて進化して行くそうですから、捕まっても犯人達は専門学校に入学するような気分になっているかも知れません。有名な詐欺事件には同じ面子が紛れ込んでいるというのも良く聞く話です。要するに、「誰も信じない」心構えで日々の暮らしをしていなければならない事になるわけで、世の中はますます殺伐として行くのでしょう。「渡る世間は詐欺ばかり」となったら、人の親切も疑いの目で見なければなりませんし、行政も救ってくれないと皆が思い込んだら、ますます税金を支払わない人が増えるでしょうなあ。
■「借りたものは返す」という美徳に縛られて、法外な利息の支払いに応じていた人の誠が報われないのは、本当に居た堪れない事です。悪い奴ほど良く眠っていられる世の中になったら、未来は真っ暗です。今回の事件では、警察も役所も最終的な解決には役立たなかったようですから、法律の見直しや行政側の匙加減も変わって貰わねばなりません。騙される奴の「自己責任」ばかりを言い立てると、悪い奴はますます増長してしまいます。詐欺師は常に被害者の弱みと法律の抜け穴を必死で探しているのですから、素人の知識や判断では絶対に対応など出来ませんから、丹念に悪人を逮捕しつつ、再犯が出来ないように厳罰に処するイタチごっこを忍耐強く続けるしかなさそうですなあ。
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