旅限無(りょげむ)

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撤収できるか自衛隊 其の弐

2006-03-12 19:14:50 | 外交・世界情勢全般
■穴掘り工事や中距離ミサイル技術の仕入先を推測するには、通常兵器の品揃えを見るのが便利でしょうなあ。まったく武器市場の裏事情は信じられない皮肉なもののようです。

イランの首都テヘランにある警察学校は11日(現時時間)卒業式を行ない、女子警官部隊が卒業した。式では、新卒警官がパレードする催しも。新卒警官たちは、イスラム教徒の女性が着用するマントをまとい、AK-47自動小銃やG-3突撃ライフルを持って行進した。…女子警官の何人かは、イラン警察最高司令官のイスマエル・アーマディ・モガッダム氏と一緒に射撃演習をしたという。
毎日新聞 3月12日

■何気なく「AK-47自動小銃」「G-3突撃ライフル」などと並べて書かれいますが、旧ソ連製のAK-47、旧西独製のG-3、米国製のM16と言えば、世界の三大突撃銃として名高い実戦で鍛え上げられた名銃ですぞ!日本の自衛官が持たされる豊和工業製の64式自動小銃が玩具に見えるような性能を持っていると言われているようですなあ。海外派遣の時に、携帯は「1人1挺」とされた時に現場からは怒号が涌いたそうですからなあ、故障が多くて予備の銃が無かったら丸腰で敵の標的になる恐怖が蔓延したという事です。つまり、イランの女学生が持っている銃の方が、日本の自衛隊の銃よりも実戦向きで高性能だという事です。軍隊は士気の高さと規律の高さが勝負ではありますが、劣った武器を「大和魂」で補うような命令を出しては行けません。


イラク南部サマワに駐留している陸上自衛隊の3月中の撤退開始が困難な情勢となってきた。イラクの正式政府発足へ向けた政治プロセスが政党間対立で混迷を深めていることに加え、宗派間対立の激化で治安が悪化し、米国が撤退に難色を示しているためだ。政府は夏前に撤退を完了させる基本方針は崩しておらず、今後、撤退開始のタイミングを探る。

■3月中が無理ならば、有名な春の砂嵐(ハムシーン)が吹き荒れる季節を迎える事になります。視界を奪われ飛行機も飛べなくなる砂嵐に敵も動きを止めていてくれれば良いのですが、既に撤収の気分が広まっていると、思わぬ油断が生じないとも限りません。選挙目当てか国会対策かは知りませんが、余り政治家が無責任な軍事作戦の見通しを口にしては行けませんなあ。


政府は先月10日にイラク連邦議会選挙の議席が確定したのを受け、サマワの治安維持を担当する英豪軍とともに「3月中に撤退開始-5月末までに完了」の日程で自衛隊を撤退させる方針を固め、米英豪との調整に入った。この時点で正式政府の発足は4月以降にずれ込む見通しだったが、2月25日に予定されていた連邦議会の開会などの政治プロセスが進めば「撤収開始前に正式政府が発足している必要はない。米国も反対しない」(外務省幹部)とみていた。

■上海で大恥を掻くような外務省の報告では心許ないでしょうから、ちゃんと閣僚クラスの政治家が現地を訪ねて、新政府の首脳部とみっちり話をして来なければ話になりません。まさか、半日だけ大仰な防弾チョッキを着て散歩して帰って来るような無様な事はないでしょうな?それさえもせず、「米軍が大丈夫だと言った」だの「外国のテレビ・ニュースを観て判断した」だのと、恥ずかしい事は言わないでもらいたいものです。


しかし、2月22日にイラク中部サマラのシーア派聖廟(せいびょう)が爆破される事件が発生し、イラク各地でスンニ派との報復合戦に発展。3月12日に延期された議会開会が9日に再延期される事態に陥った。英国は先月24日にロンドンで開かれた日米英豪4カ国の実務者協議で5月末までにサマワの英軍を撤退させる方針を示し、日本も同調したが、米国は正式政府発足前の撤退に強く反対した。9月の退陣までに陸自を撤退させたい小泉純一郎首相の意向もあり、日本政府は撤退開始が4月にずれ込んでもなお夏前の撤退完了を目指す方針。毎日新聞 2006年3月10日

■今国会の大テーマの一つが、この自衛隊撤退の問題だったのですが、永田スットコドッコイ議員の御蔭で、トンデモない時間の浪費を強いられてしまったのは残念でした。もたもたしている間に「戦死者」が出たり、撤収の時期がまったく見えなくなったりしたら取り返しが付きませんぞ!派遣した自民公明両党にも責任は有りますが、無事に撤収できるかも知れないという時にスットコドッコイをやっている野党第1党の責任の方が遥かに大きいとも言えそうです。永田スットコドッコイ議員が辞職を渋っているのなら、さっさと頭を丸めてヘルメット姿でイラクに「御遍路」に行くべきでしょうなあ。大事な時に国会審議を止めてしまった事を自衛隊員に謝って来なさい!

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撤収できるか自衛隊 其の壱

2006-03-12 19:14:20 | 外交・世界情勢全般
■中東問題と言うと、地域限定の局地的問題のような印象を受けるものですが、世界中の国が石油を買いに集まる場所なのですから、ここには石油と交換に様々な物品が集まる事を忘れては行けません。ソ連が崩壊した時に、どっと日本製品がモスクワ市内に雪崩れ込んだ事が有りましたが、それは日本の港から輸出された物ではなく、何とカタールやバハレーンのマーケットから持ち込まれた中継貿易品だと現地の人から聞いてビックリした事が有ります。日本も一方的に石油や天然ガスを買って来るだけではなく、大いに商売もしているのですが、欧州やロシアの商人には負けるようです。しかし、武器の輸出が出来ない日本は世界の「死の商人」とは勝負が出来ませんから、中東の経済情報は日本に伝わって来ないのでしょうな。

■日本の自衛隊が無事に帰国できるかどうか、その可否を握っているのは欧米が訓練しているイラク軍と公安警察の存在です。しかし、これまでの米国がやって来たこの種の援助は、何度も「飼い犬に手を噛まれる」マヌケな終わり方をしている事を忘れてはなりませんぞ!戦後のフィリピン、ケネディ時代のキューバ、続くベトナム、最近ではアフガン戦争とイラク、米軍が戦った相手は元を質せば自分達が育てた連中です。アルカーイダのような「優等生」を育ててしまっても、米国はこの政策を止めようとしません。レーガン時代の「イラン・コントラ疑獄」のようなややこしい手を使ってでも武器を売り捲くらねばならない米国には、日本人にはまったく理解できない商売の理屈が有るようです。パレスチナでもイラクでも、米国が支援した武装組織が途中で寝返って反米闘争を激化させるような馬鹿馬鹿しい事が繰り返されているようですなあ。

■そんな場所から自衛隊が無事に帰国するのは大変な事なのだ、という認識が日本政府にも日本人にも有るのかどうか?


イランのプルモハンマディ内相は11日、国連安全保障理事会が核問題の本格協議入りに向けた動きを強めていることについて「われわれは世界最大で最も敏感なエネルギー輸送の航路を抱えている」と述べ、中東の石油輸出の要所であるホルムズ海峡を封鎖して報復する可能性を警告した。国営通信が報じた。ホルムズ海峡が閉ざされれば、イランだけでなくサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)なども石油を輸出できない事態になり、世界経済が大混乱に陥るのは必至。内相の発言は欧米のみならず湾岸諸国からも反発を呼びそうだ。共同通信 - 3月11日

■イランは「あまり苛めると痛い目に遭うぞ」と言っていましたが、その第一弾がホルムズ海峡封鎖だったのですなあ。非常に狭い場所ですから、本格的な軍事衝突が起こったり機雷をばら撒かれたりしたら何年間も不通になりそうです。メイド・イン・チャイナの短距離ミサイルの在庫も充実しているらしいので、気まぐれに標的にされたら誰も通らなくなりますなあ。日本には100日分だかの備蓄が有るそうですが、その程度の短期間で収まるかどうか、心配なところです。


12日付の英紙サンデー・テレグラフは、イランの反体制組織、国民抵抗評議会の情報として、イランが核問題で対立する欧米との対決に備え、テヘラン北部に緊急用の秘密地下司令部を最近、完成させたと報じた。同紙によると、この地下司令部には政府指導者らが避難する。治安組織やエネルギー省などほかの政府施設とトンネルで連結しているという。同評議会の元幹部が1月、テヘラン北部でのトンネル建設を指摘。この元幹部は02年にイランの核兵器開発計画を暴露していた。毎日新聞 2006年3月12日

■元々、世界一の地下要塞作りの名人は大日本帝国でしたが、いつの間にか技術移転が終了していたようで、北朝鮮は国全体が地下要塞化されていると言われています。イランにもカナートという地下水路の伝統地下灌漑施設の伝統は有りますが、とても軍事用には使えない技術です。一体、誰がテヘランに地下要塞などを造ってあげたのでしょう?間違っても、日露戦争当時の「203高地」攻略を再現するような恐ろしい戦いは起こって欲しくは有りませんなあ。自国の中枢を地下に隠蔽しつつ、核兵器の開発を続けるというのは、北朝鮮とそっくりですぞ!

中国の司法は至宝ではない 其の弐

2006-03-12 16:36:12 | 外交・情勢(アジア)
■本当は裁判所に持ち込んでも握り潰される事を知っている人々が起こす暴動の方が深刻なのですが、そんな報告は出せないのでしょうし、苦し紛れの粉飾数字を出したら、ますます暴動を誘発してしまいそうですから、「司法は開かれている」というメッセージを内外に発する必要が有りますなあ。

中国の全国人民代表大会(全人代=国会)で11日、最高人民法院(最高裁)の蕭揚・同法院長(最高裁長官)が昨年1年間の活動報告を行い、農民らが官僚の腐敗・横暴や土地の強制収用などに不満を持ち、地方の各級裁判所に「直訴」(手紙を含めた陳情)した件数が399万5244件に上ったことを明らかにした。当局は過去の件数と比較して減少したとしているが、依然として直訴が絶えない窮状が明らかになった。

■訴訟を起こせるようになったのは慶賀の至りですが、裁判所はパンク状態で、何とか開廷してもらっても裁判官と被告の地方政府が裏で手を結んでいるのですから、暴動の炎に油を注ぎ込んでいるだけでしょうなあ。


報告によると、地方裁判所以外で最高人民法院に「直訴」を行った件数は14万7449件だった。一方、最高人民検察院(最高検)も活動報告を行い、昨年1年間に汚職で立件した公務員数は4万1447人とした。

■朱鎔基首相の時代に、一人民からの告発手紙が首相の目に留まって問題を解決したという「大ニュース」が有りました。マスコミが大々的に取り上げて、朱鎔基本人が問題が可決した場所を訪問して人民の喝采を受ける場面まで撮影してテレビで何回も放送していたようですが、それを観て我も我もと中央政府の門前に人民が押し掛けたらどうなるのだろう?と思っていた頃、幸か不幸か、『法輪功』の信者が中南海を包囲する事件が起きたのでした。人気取りとガス抜きのやり方を間違えると、その後の反動が恐ろしい、あの国の実態は変わらないでしょうなあ。


米国に本部を置く国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」は10日、中国当局が国内のエイズウイルス(HIV)感染者多数を自宅軟禁していることを声明で明らかにした。北京で開会中の全国人民代表大会(全人代=国会)への請願を阻止する目的という。軟禁は売血によるHIV感染が広がっている北部の河南省で行われ、これまで少なくとも23のケースが報告された。対象者の自宅は警察による24時間の監視下に置かれ、一部の県では医療プログラムへの参加などにも支障が出ている。産経新聞 - 3月11日

■司法関連の統計数値が発表される陰では、隠すべき事柄はしっかりと隠されているという事です。半世紀前には、「裸足の医者」などと呼んで、原始的な中国の医療体制を勘違いして称賛していた日本人も居たようですが、トンデモない話です。共産党の大幹部でもなければ、高度な医療など夢のまた夢ですし、富裕層ならばさっさと海外の高級病院に入院手続きをしてしまいます。日本の有名病院に大挙して中国人が入院しているという話は聞かないのは、政治的な理由なのか、医療技術の問題なのか、ちょっと気になるところでも有りますなあ。北朝鮮のエライ人達も、昔はソ連、今は欧州の病院にすっ飛んで行くようです。


中国最高人民検察院(最高検)の賈春旺検察長(検事総長)は11日、北京で開会中の全国人民代表大会(全人代=国会)で、昨年1年間に汚職などで立件された国家公務員が4万1447人に上ったとの活動報告を行った。昨年の報告と比べ2310人減ったが、胡錦濤指導部の汚職撲滅強化の姿勢にもかかわらず、汚職の深刻化に依然歯止めがかからない実態が裏付けられた。報告によると、収賄額10万元(約147万円)以上、横領額100万元以上の事件で立件された国家公務員は計8490人で、うち閣僚級が8人、局長級が196人に上った。
共同通信 - 3月11日

■「発表」された人数としては驚くほど多数でも、実態を考えれば呆れるほど少数、そんな感じがする数値です。各地から上がって来る統計数字自体に信憑性が無いとも言われているので、それを集計した数値にどれほどの価値が有るのかは分かりません。熾烈な権力闘争も絡んで来ますし、人民解放軍が関係した汚職となったらパンドラの箱同然の扱いをしているに違いないので、4万人ぐらいの「ガス抜き」数値でお茶を濁しておくのが精一杯なのでしょうなあ。海外に逃れた人々が公表したり、インターネットの検索システムを破って外に漏れ出る情報は増える一方ですから、次の大会では数値はもっと増えている事でしょう。こういう国が主催するオリンピック大会の「審判」というのも見物ですなあ。

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中国の司法は至宝ではない 其の壱

2006-03-12 16:35:28 | 外交・情勢(アジア)
■週が明ければ、きっと「中国人妻」に関するひそひそ話が日本中で囁かれるのではないか?と懸念されます。日本の犯罪が凶悪化する原因の一つに「外国人犯罪」が有ると言われたり、統計上は顕著な証拠は無いと言われたり、素人にはなかなか判断し難い問題ではありますが、世間を驚かす事件が起こった時に「外国人」が絡んでいると、文化の違いに言及しないと得心が行きません。それでも鎖国時代には戻れないのですから、「異文化交流」や「相互理解」の理想が語られて話や記事は終わることには、そろそろ飽き飽きしている人も多いのではないでしょうか?
 
■それぞれの国の刑務所という施設も、それぞれの「文化」に根ざした存在です。衛生観念や苦痛と思う事柄の違いを理解するには最適の研究材料でもあるでしょう。噂によりますと、日本で逮捕された外国人犯罪者の多くは、歯の治療やら内臓の検診を受けられて誠に快適な思いをする一方で、海外で投獄された日本人は酷い目に遭うとも聞きます。この違いが残る限り、海外での日本人犯罪は少なく、日本での外国人犯罪は減る事は無いことになりそうですなあ。裁判制度も各国ごとに大きな違いが有るのも重要で、社会主義革命が起こった場所では、悪名高い「人民裁判」という公開リンチが各地で行なわれて、冤罪も誤審も構わず必要な罪人が引き出されて処刑されたようです。

■米国は多民族を法律と戦争で一つにまとめて来た歴史が有りますから、何でもかんでも裁判所に投げ込んで白黒を付けることに熱心です。小説でも映画でも裁判モノには傑作が多いというのも、誰にとっても身近であることが理由でしょうし、その問題点も広く知られているからでしょうなあ。先日、BS放送で観た米国映画の特集で、米国人が選んだ映画に登場した善玉と悪玉の「ベスト100」というのが有りましたが、善玉の第一位は、『アラバマ物語』に登場したグレゴリー・ペックが演じた弁護士でしたなあ。裁判所にこそ正義の源泉が有って欲しい!と米国人は願っていることが良く分かる話でした。日本には裁判を扱った名作というのが無いようですが、最近、躍進している中国や韓国の映画にも法廷劇は作りにくい事情が有るようです。


中国で開会中の全国人民代表大会(全人代=国会)は11日、最高人民検察院(最高検)と最高人民法院(最高裁)の活動報告を行った。「劣悪な待遇」や「過剰労働」が裁判官の不足、質の低下を生み、司法腐敗に結びついている。報告では裁判官の「法に対する能力と水準の向上」が重要課題に挙げられた。暴力的言動や知人が絡む訴訟などに対する情実判決が目立ち、昨年1年間で延べ11万人の裁判官に「育成訓練(再教育)」を施したという。

■裁判制度の行き着く先には、行政訴訟や違憲立法審査が有りますから、完全無欠・誤謬の有り得ない1党独裁体制とは並び立たない可能性が有ります。かつてのスターリンは、当時、世界で最も進んだ民主的な憲法を制定しておいて、一度も守った事が無かったと言われていますなあ。お上を訴えられなくても、下々同士の訴訟が許可されないと経済発展は有りえないという厳しい現実が有ります。社会主義の看板を降ろさないままで、個人や私企業の所有権をどんどん拡張しているのですから、訴訟件数は止め処も無く増加することになりますなあ。


背景には、過剰労働や劣悪な待遇による人材の流出がある。広州テレビによると、広州では、人員不足のため多くの裁判官が1人で年間200-300件の案件を抱えている。経費不足も深刻で、中国紙「第一財経日報」は「湖北省のある裁判官の月給はわずか200元(約3000円)」と報じた。同省高級人民法院(高裁)副院長の事務室では、電話代はおろか給料の支払いも何カ月も滞っている。全国の下級裁判所の約6割が経費不足に陥っており、人材確保にも影響が出ている。多くの裁判官が弁護士に転職。法律専攻の大学生も裁判所への就職を避ける傾向にある。山東省の30余の下級裁判所では長年、新任の裁判官がおらず、ここ5年で約470人の裁判官が辞職または移籍している。人員が補充されても、司法試験に合格していないため、裁判官に任命できない例もある。

■日本の医者不足は文科省の急な方針転換による一時的な迷惑現象のようですが、中国の裁判官不足は絶望的な感じがしますなあ。安月給の上に遅配ですから、その内、袖の下をふんだんに貰った方に有利な判決が続出するようにでもならないと、裁判官の数は増えることはないでしょう。そうなったら無法状態ですなあ。


最高人民法院の蕭揚院長は「司法と地方政府が癒着し、法治の原則を脅かしている」とし、地方政府が裁判所の経費や人事を管轄する構造を根本的問題に挙げている。産経新聞 - 3月12日

既に司法と地方政府が「癒着」していると中央政府が白状しているようでは、お先真っ暗という事です。司法も地方政府も、どちらも共産党の支配下に置かれている現状を変更するわけには行きませんから、問題は堂々巡りの盥(たらい)回しが続きますぞ。

連続してはいけない事件 其の弐

2006-03-12 04:34:04 | 社会問題・事件
鈴木容疑者は03年10月18日、夫で農業の茂さん(54)=同県光町小田部=に自宅で鍋の熱湯をかけたとして、今年2月に傷害罪で起訴された。また95年12月28日、茂さんと同じ敷地内に住む茂さんの両親が殺害され自宅が放火される事件があり、同課はこの事件への関与についても捜査する。

■続いて「農家」が出て来ますと遣り切れなくなります。農家の嫁不足、都会との交流会、海外でのお見合いツアーという経緯が有りましたが、根本的な問題の解決策は見つかっていないのですから、農業地域の悲しい事件には救いが無いような気がしますが、どうしても95年の殺人放火事件、03年の熱湯事件で起訴、06年にインスリン事件という繋がりが分かりません。03年の段階で、警察は不審感を持たなかったのでしょうか?


調べでは、鈴木容疑者は04年4月1日から2日朝にかけ、茂さん方で、田口容疑者から譲り受けたインスリンを茂さんの腕に大量に注射し殺害しようとした疑い。2日朝に鈴木容疑者が119番通報したが、搬送先の病院が「インスリンを打たれたようだ」と県警に通報し、同課が捜査していた。茂さんは血糖値低下による脳障害で現在も意識不明の重体。茂さんは03年の傷害事件で5カ月のやけどを負い入院。鈴木容疑者は当時、同じ病院に夫が入院していた田口容疑者と仲良くなった。インスリンは、田口容疑者が夫の治療に使っていたものだった。鈴木容疑者は傷害事件も「事故だ」と否認しているという。

■想像するに、殺人放火も同一犯人だとしたら、原因不明の「事故」として処理されれば問題は無いと判断するのは自然ですなあ。2人で居る時に熱湯を掛ければバレてしまいます。何だか完全犯罪に味をしめた人物が犯行を凶悪化させたとしか思えません。和歌山県でのカレー事件に関連して、自分の足に熱湯をかけて保険金をせしめたという話が有ったように記憶しますが、夫に掛けて事故を装うのは難しいのでしょう。それにしても4月1日の犯行とは、失敗したら「冗談」にしようとでも思ったのでしょうか?嗚呼


鈴木容疑者と茂さんは93年10月に中国で見合いし、94年9月に結婚。昨年7月ごろ茂さん方からいなくなり、その後、台東区の自宅マンションで風俗店を経営していた。息子2人は中国にいる。放火殺人事件では、寝室の焼け跡から茂さんの父利夫さん(当時78歳)と母愛子さん(同73歳)が他殺体で発見された。利夫さんは首を絞められ、愛子さんは頭を鈍器で殴られていた。火事の第一発見者が鈴木容疑者だった。毎日新聞 - 3月11日

■やはり、この殺人放火事件の捜査と処理に問題が有りそうです。第一発見者を疑うのが捜査のイロハとか聞きますが、千葉県の警察では違ったマニュアルでも有るのでしょうか?まさか、日中友好の信奉者が多くて、最初から中国から来たお嫁さんを除外したわけではないでしょうな?


…県警捜査一課に殺人未遂容疑で逮捕された中国出身の妻で風俗店経営、詩織容疑者(33)が事件後、「夫の保険金が下りない」と周囲に話していたことが11日、分かった。同課も同様の事実を把握しているとみられ、茂さんの保険金目当ての犯行とみて詩織容疑者を追及する方針。……関係者によると、詩織容疑者は事件後、茂さんの病状について「(夫が)風邪薬をのんだら、突然倒れた」と周囲に説明。茂さんの入院後しばらくして、「夫に掛けた保険金が下りない。自宅の電気が止められてしまう」と話していた。詩織容疑者はその後、看病のため病院に泊まり込む生活を続けていたが、昨年7月ごろに東京に引っ越し、台東区で風俗店を経営するようになったという。産経新聞 - 3月11日

■子供2人を中国に預けている事と、電気が止められるほどの困窮生活とを結び付ければ、「多額の仕送り」というキー・ワードが浮かんで来そうですなあ。反日暴動などが起こる裏には、過度に宣伝された日本の豊かさを信じてしまう素朴さが有りますから、縁談がまとまった段階で手前勝手な皮算用をされたら堪りません。95年の殺人放火事件で日本の警察と保険会社の甘さで味をしめていたりしたら、何とも恐ろしい話です。日本で幸せに暮らしている国際結婚をしたご夫婦も多いのですから、こんな事件で平和な暮らしが壊れるような疑心暗鬼が生まれては困りますなあ。早期の真相解明が待たれます。

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連続してはいけない事件 其の壱

2006-03-12 04:32:57 | 社会問題・事件
■まだ滋賀県で起きた幼稚園児惨殺事件も片付かない内に、また大陸から迎えた妻が起こしたらしい奇怪な事件が報道されてしまいましたなあ。滋賀県の殺害現場に、日本で暮らす中国人達が献花に訪れたというマトモなニュースが入ったばかりなのに、それも10年前から奇妙な事が起こっているというのですから、日本の警察の対応も問われる事になりそうですなあ。

千葉県光町の農業鈴木茂さん(54)が糖尿病治療用のインスリンを大量に投与された事件で、千葉県警捜査1課と匝瑳署は10日、中国出身の妻で風俗店経営、詩織容疑者(33)=東京都台東区西浅草=と無職田口久美子容疑者(41)=千葉県成田市本城=を殺人未遂容疑で逮捕した。詩織容疑者は「分からない」と容疑を否認。田口容疑者は「間違いありません」と認めている。同課などは動機を調べている。

■以前、福岡県の怖い看護婦さん達が、医療知識を悪用して順番に旦那さん達を殺しては保険金で贅沢三昧を楽しんでいたなどという恐ろしい事件が起きましたが、今回もインスリン注射などと言うので、てっきり怖い看護婦さんの事件かと思いきや、「中国出身の妻」「風俗店経営」などという簡単には結び付かない単語が並んでしまいました。

 
詩織容疑者は2003年10月、自宅で鈴木さんの背中などに熱湯を掛け、やけどで重傷を負わせたとして先月、逮捕、起訴された。同事件も「事故だ」と否認しているという。田口容疑者も先月、詐欺事件で逮捕、起訴されている。調べによると、詩織容疑者は04年4月1日から2日にかけ、田口容疑者から入手したインスリンを鈴木さんに大量に注射し、殺害しようとした疑い。鈴木さんは低血糖で脳障害を負い、現在も意識がないという。病院から「血糖値がかなり低い患者がいる。インスリンを打たれたようだ」と通報があり、同課などが捜査していた。両容疑者は03年10月ごろ、それぞれの夫が入院していた病院で知り合い、田口容疑者が夫の糖尿病治療のため使っていたインスリンの注射方法を教えたという。

■「よくぞ見抜いた!」と病院を褒めるべきなのかも知れませんが、あっと言う間に脳障害を起こす薬を注射された後では、残念ながら感謝しようにもその方法が有りません。看護婦(最近は看護師ですね)さんでなければ、自分がインスリン依存型の糖尿病患者なのかとも思いましたが、本人は病人ではなく、わざわざ注射の仕方を習ったのですなあ。鬼嫁と詐欺師が病院で知り合うとは、運が悪かったと言うべきか、医療費が高騰している実情を反映していると言うべきか……。病気に身分も年齢も性別も関係有りませんから、病院には実様々な人達が出入りしているものだと、改めて分かる話です。時々、北朝鮮の工作員も出入りする病院があるそうですなあ。


鈴木さん方では1995年12月28日早朝、敷地内にあった両親の家が全焼し、父利夫さん=当時(78)=と母愛子さん=同(73)=の遺体が見つかった。利夫さんは首を絞められ、愛子さんは頭を鈍器で殴られており、同課は殺人放火事件として捜査本部を設置。同課などはこの事件も視野に入れて捜査するとしており、詩織容疑者から事情を聴く方針……。時事通信 - 3月10日

■10年前の年末に起きた凄惨な火事が、殺人放火、つまり長谷川平蔵の時代なら「火付盗賊」の疑いが濃い事件だったというわけです。この記事によると、10年前の放火事件を調べるために県警の「捜査本部」を設置したのは数日前という事ですぞ!これは良く分からない話ですなあ。10年間、迷宮入りの事件として塩漬けになっていたという事でしょうか?だとしたら、犯人は日本の警察をすっかり舐め切って新たな犯行に及んだ可能性が高くなります。これでは犯罪に対する抑止力どころか、凶悪化を誘引していますぞ!


千葉県警捜査1課などは10日…中国黒竜江省出身の…風俗店経営、鈴木詩織被告(33)=傷害罪で起訴=と知人の千葉県成田市本城、無職、田口久美子被告(41)=別の詐欺罪で起訴=を殺人未遂容疑で再逮捕した。鈴木容疑者は「分からない」と否認しているが、田口容疑者は認めている。

田口さんという人の詐欺罪の内容が分からないのですが、先に逮捕されているのですから余罪として追及されていたわけですなあ。そして、またしても「中国黒龍江省」が出て来ました。一昔前までは、「中国残留孤児」の美談や孝行話の中心地でしたが、いつの間にやら嫁不足を解消する商売の草刈場になってしまったようで、日中友好の裏側で何が起こっているのやら、世の中の変わり様に唖然としてしまいます。滋賀県の縁談をまとめたブローカーは既に廃業しているという話でしたが、今回も「お見合いツアー」が縁結びになっているそうですから、どんな経緯が有ったのかワイド・ショーや週刊誌が走り回って報道するのでしょう。

米国は新しい玩具が大好き 其の弐

2006-03-12 03:31:10 | 外交・情勢(アメリカ)
■5年前までは国民のほとんどが、アフガニスタンの場所さえ知らなかった米国にも、自国の軍隊が展開している場所の知識が行き渡ったようで、次々と敵を作ってうろつき回っている自分の国が嫌になって来ているのではないでしょうか?

イラクで激化する宗派間対立が内戦に発展する可能性を心配する米国民が4分の3を超えていることが、10日までに発表された複数の世論調査でわかった。ブッシュ大統領は同日、「内戦にならないよう全力を尽くす」と述べ、懸念払しょくに努めたが、11月の米議会中間選挙に向けた不安材料が増えた形だ。毎日新聞 - 3月11日

■バグダッド占領以来、言う事が次々と裏目に出てしまうブッシュ大統領ですから、いくら愛国心に燃える単純なアメリカ人でも、「内戦にしない」と言われれば、「きっと内戦になるんだなあ」と考えるようになります。でも、そんな事はどうでも良いのでしょう。先回りして、「内戦はイラク軍の担当だ」と国防長官のラムズフェルドさんが切り捨ててしまっているのですから、もう責任なんか持っていません。後は野となれ山となれです。日本の自衛隊員の中にも5人の自殺者が出ているとの報道が有りましたが、若い米兵達は爆弾テロに怯え、過剰防衛を避けられない悪夢にうなされているのですから、一刻も早い撤収命令を待っているでしょうなあ。責任は持たなくても、勝者として帰国させねばならない責任はブッシュ大統領は良く理解しているので、敗残兵のような姿での帰国は許さないというわけですなあ。


ブッシュ米大統領は10日、ワシントン市内での講演で、2002年の一般教書演説でイランや北朝鮮を「悪の枢軸」と非難したことに触れ、「イランと北朝鮮は安全保障上の脅威としては同等だ」と述べた。同大統領が「悪の枢軸」に再び言及したことで、北朝鮮が反発を強める可能性もある。大統領は、イランと北朝鮮について「透明性を欠く全体主義的政権で、核兵器開発の意図を持っている」と批判。両国の脅威に対し、各国と協調しつつ外交的手段で対応していく考えを示した。3月11日 時事通信

■イラクを含めて3カ国をまとめて呼んだのが「悪の枢軸」でしたから、またも使ったという事は、本気で3カ国を敵に回すという事です。まさか、次期政権が2番目を担当するとは言えませんから、あと2年でてきぱきとイランと北朝鮮を消滅させてしまう計画が有るかも知れませんなあ。少なくとも、英仏が味方に付いているイラン問題の方が、着手はし易そうですが……。


イランの核問題をめぐり、国連安全保障理事会の常任理事国5カ国は10日、米国連代表部で会合し、来週中の採択を目指している安保理議長声明案について協議した。米英仏はイランに核関連活動の全面停止を要求する議長声明に期限を盛り込みたい意向で、タイムリミットを2週間以内に設定する案が検討されている。8日の前回会合では、国際原子力機関(IAEA)決議に対するイランの順守状況についての報告を、エルバラダイIAEA事務局長に求めるという案が示された。報告の期限は「短期間内」とされ、英仏は2週間以内を念頭に置いている。一方、中国、ロシアは報告の期限設定に疑問を示し、「IAEAが問題解決の最適な機関」(中国の王光亜国連大使)と主張している。産経新聞 - 3月11日

■ロシアと中国には、絶対にイランの標的にはならない、という変な自信が有るようで、その理由こそが大問題なのですが、それは於いて置くとしても、IAEAが出す報告書はどんな風に書こうとも、米国は「信用できない」と言うに決まっています。英仏両国は消極的追随をして、ロシアと中国はぎりぎりまでイランに恩を売る態度を示すでしょうなあ。どちらも北朝鮮の後ろ盾となっている国ですから、イランで米国に楯突いて、特に中国は隣接する北朝鮮に米軍が攻め込んで来るような事になっては大変ですから、適当なところで「棄権」すると思われます。となれば、北朝鮮はもう少しだけ原爆作りの時間稼ぎが出来るというわけです。米国としても、気持ちよく米日韓の協同作戦をやりたいでしょうから、今の変な韓国政権が交代するのを気長に待つつもりかも知れませんなあ。

■あと半年間は、米国が何をしようとも日本は「全面的支持」に一票入れるに決まっていますし、このまま民主党がスットコドッコイ状態を続けていれば、次期政権も絵に描いたような「ポスト小泉」つまり、基本政策の全面的継承が濃厚ですから、北朝鮮に対してはねちねちと絞め上げて北京政府に苦労させようとの思惑が働いているようにも見えますなあ。しかし、頑固で自己陶酔型の小泉首相ですから、「日朝平壌宣言」を間違いだったとは言わないでしょう。そうなると、懸案事項の「拉致問題」を電撃的に全面解決する!と北朝鮮が言い出したらどうするのでしょう?米国が攻めて来ない身元保証人になってくれるなら、拉致問題は明日にでも全面的に解決させるよ、と連絡が来たら、さて小泉さんはまた平壌にすっ飛んでいくのでしょうか?その後ろから米国空軍機が付いて来ても知りませんぞ。

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米国は新しい玩具が大好き 其の壱

2006-03-12 03:30:20 | 外交・情勢(アメリカ)
■ミロシェビッチ元セルビア大統領が死亡しました。裁判がなかなか進まず、日本の裁判ほどではないにしても、誰かが犯罪の風化を狙っているのではないだろうか?と疑っていたのでしたが、収監されてから5年、何も明らかにはならずに独房で病死したようです。

…公判中のミロシェビッチ元ユーゴ大統領(64)が、家族らが滞在するとされ、民族的にも近いロシアでの病気治療を希望、ロシア政界で元大統領の受け入れを支持する声が上がっている。戦犯法廷の検察側はロシアが健康状態などを理由に元大統領の身柄をハーグに戻さない可能性があるとして反対しており、今年初めて主要国(G8)議長国となったロシアと欧米の新たな確執に発展する可能性もある。高血圧や頭痛を訴える元大統領は昨年末、モスクワでの治療を申請。ロシア外務省は今月18日、治療後に元大統領がハーグに戻ることを戦犯法廷に確約したことを明らかにした。
共同通信 - 1月23日

■体調不良は報道されていたものの、仮病かも知れないし、ロシアが関与していた可能性も疑われた入院騒ぎでしたが、どうやら本当に重い病気だったようですなあ。まさか、余計な事を言い出しそうになったのを心配した某国が口を塞いだとも思えませんし……。それにしても、ますます国連が何の役にも立たない役所だという事を宣伝するような展開になってしまいましたぞ。


旧ユーゴスラビア戦犯国際法廷(オランダ・ハーグ)は11日、1990年代の一連のユーゴ紛争を巡りジェノサイド(集団殺害)罪などに問われ、係争中の元ユーゴ大統領、スロボダン・ミロシェビッチ被告(64)が同日朝、拘置施設の独房で死亡しているのが見つかった、と発表した。死因など詳細は明らかにしていないが、心不全と伝えられている。被告は90年にセルビア大統領、97年にユーゴ連邦(当時)大統領に就任。セルビア民族主義を唱え、旧ユーゴ連邦から独立したクロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナに介入。特にコソボ自治州のアルバニア系住民に対する弾圧が国際社会の反発を招き、北大西洋条約機構(NATO)は99年、軍事介入した。ミロシェビッチ体制はその後、弱体化し、2000年の連邦大統領選の不正操作が国民の抗議行動を招き、退陣に追い込まれた。

■イラクのサダム・フセインは、イラクの裁判所でイラク人の名において裁かれるべきだ、と決めたのはブッシュ大統領です。国際世論を二分して断行したイラク攻撃でしたから、最後まで攻撃に反対した国連などに身柄を渡したら何を言い出すやら分かったものではないので、自国軍が占領している場所で裁くことにしたのでしょうなあ。これから、似たような立場に追い込まれそうな権力者達は、どちらの扱いを望むのか、今からしっかり考えておいた方が良いでしょう。


旧ユーゴ戦犯国際法廷は旧ユーゴ紛争の戦争犯罪を裁くため国連安全保障理事会が設置。被告は最大の戦犯として2001年に同法廷に身柄を移され、裁判が続いていた。第2次大戦後では、国際法廷が元国家元首を裁く初のケースとなった。
読売新聞 - 3月11日

■ニュルンベルグ裁判はともかく、東京裁判の正当性には大いなる疑義が有るので、戦後に起きた軍事衝突や虐殺事件に関しても戦犯裁判の国際法廷は開かれなかったという説が有ります。あの時と同じ手法でてきぱきと強引に判決を下したら、現代の国際社会は大騒ぎになるに違いないので、判事の選び方から裁判の進め方まで、東京裁判とは大きく違ったやり方が採られていたようですなあ。「そんな事は関係ない!A級戦犯は永久に許さんぞ!」と言い続ける国が有りますから、あの裁判の再検証など出来るようになるのは、100年以上の年月が必要なのでしょうなあ。


ブッシュ米大統領は10日、ワシントン市内での講演で、2002年の一般教書演説でイランや北朝鮮を「悪の枢軸」と非難したことに触れ、「イランと北朝鮮は安全保障上の脅威としては同等だ」と述べた。同大統領が「悪の枢軸」に再び言及したことで、北朝鮮が反発を強める可能性もある。大統領は、イランと北朝鮮について「透明性を欠く全体主義的政権で、核兵器開発の意図を持っている」と批判。両国の脅威に対し、各国と協調しつつ外交的手段で対応していく考えを示した。
3月11日時事通信

■前大統領のクリントンさんが捕まえたようなものですから、ブッシュ大統領はミロシェビッチにはまったく興味が無いようでしたなあ。ミロシェビッチよりもサダム・フセインの方が悪い奴だと国民に印象付けねばなりませんでしたから、仕方が無いのですが、何だか無責任な感じが強くしますぞ。