映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「死霊館 エンフィールド事件」

2016年07月12日 | ホラー映画

ホラー界NO1の安定した打率を誇るジェームズ・ワン監督作品。
最初のシーンの窓の形を見て、早々に1人ウェーブしそうになりました。
前作で伏線があったものの、タイトルがエンフィールドなので、
飛ばされるだろうなと思っていたアミティヴィルの件に
ちゃんと触れてくれて嬉しい。
一般の映画好きのかた向きではないかもですが
ホラー映画ファンのかたにはおすすめです。

ホラーとしても良かったですが、今回は夫婦愛も描かれ、
夫婦萌えしました。
あなたは世界でただ1人の味方とか、
あなたを傷つけるものは許さない的な熱愛夫婦(夫夫)って
昨今BLかホームコメディかホラー映画でしか見かけなくなった気がする…。

あらすじ
夫妻はアミティヴィル一家惨殺事件を心霊的な見地から調査していた。
そこでの交霊会中に、妻は夫が悪魔に殺される予知夢を見る。
妻の休業宣言によって、調査を取りやめていた夫妻だが、
知り合いの神父から、ロンドンで貧しい母子5人家族の住む家で起きた
心霊現象の調査を依頼される。

「エンフィールドのポルターガイスト」は、
大抵の映画の心霊現象演出がこの件を参考にしてるんじゃ…?
っていう感じのものすごい多彩な現象の宝庫なので、
興味ある方は検索してみてください。

普通ホラー映画の騒霊現象って、
1人かせいぜい2人の目の前で起こるんですが、
家族と近所の人と警官の目の前で椅子が水平にスーっと滑って行くのを見て
なんかみんな真顔になって、無言で、
警官は帰ってしまうのってリアルだな!と思いました。

内容ばれ

夫と妻がそれぞれこっそりと被害者の少女にのろけ話をして、
それが同じ内容とか、
同じ部屋の2mほど距離のあるベッドに寝て
「こんなに離れて眠れない!」って夫が文句言ったり、
心霊現象で心の弱り切った一家に夫がギターで歌を歌って
笑いを取り戻すところ、どう聞いても妻に向けたラブソングだったり、
「ウワーッ!カーッ!お幸せに!」って感じでした。

あと、おとなしい性格の奥さんが最後に見せた
「夫に手を出したら許さない!死ねやコラ!」的ファイトもよかったです。

お家に帰ってから悪魔ヴァラク(ウァラク)について調べましたが、
随分ふんわりした設定の悪魔でした。
なんで女装してたのきみ…しかも修道女コス…。


たぶんシリーズ続編が作られると思うんですが、
次の題材は何かなーとか予想するのも楽しいです。
ボーリー牧師館の調査で心霊現象研究協会と全面対決とか
わくわくする…って思ったら1939年に焼失してました。残念。

ウォーレン夫妻が実在の人物なので、
事件も彼等の活動年代に合わせないといけないのは
地味に難しいですね。
映画の方はシリーズ1のペロン家の怪事件が1971年、
アミティヴィルのラッツ家の引っ越しが1975年、
エンフィールド事件が1977年でうまくつないでる。

焼失してしまっていますが、現在でも心霊現象が絶えないという噂の
ラローリーマンションとか
(女主人が奴隷を虐待殺害していた事件。大変な状態の霊が出るので有名)、
あるいは1922年に工事は終了してますが、
知名度抜群のウィンチェスター・ミステリー・ハウスとかどうでしょうね監督。

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「ウォークラフト」

2016年07月05日 | ファンタジー映画

監督3作目にしてお仕事映画。
日本ではあまりメジャーではない海外の人気ゲームの映画化です。
なのであのいつもの監督の孤独で静かな作品ではなかったですが、
昨今珍しい直球ファンタジー世界と、カプ総当たり戦が楽しめます。

滅びに瀕した世界から、オーク達が次元の扉を開いて、
人間やエルフやドワーフが共存する世界へ
侵略戦争を仕掛けてくるが、
オーク側は侵略の手段に対して一致団結しておらず、
人間側も異種族と完全に連携しているとは言い難い状態で、
世代を越えてドラマが展開していく、というあらすじ。

一応区切りはつきますが、めっちゃ続編を意識させる終わり方です。

終盤ばれ

個人の力ではどうしようもない、
運命の力に流されるエピソードが多かった。
守護しようと努めてきた世界を自分の手で破壊してしまうメディヴ、
初めて得た友情、友人を殺す事で、望んでいたオークの尊敬を得るガローナ、
部族長として部族を愛する気持ちと信義に引き裂かれるデュロタン。
それぞれの想いは後継者や子供に引き継がれていきます。
登場人物が多いのでイケメン萌えカプ総当たり戦状態(←?)。

初稿の段階では完全に人間視点でオークは悪役だったのを
監督が50:50くらいに修正したらしいですが、
完成した作品でも若干人間寄りだったので、
最初は相当だったのだろうな。

MCUネタとしては、ハワード・スタークと花柄のドレスの女が夫婦という
あり得ない取り合わせが楽しめます。それにしても目の大きな夫婦だな!

監督、私生活が大変な時期だったみたいで、
皆さんお体お大事に…という感じ。




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「二ツ星の料理人」

2016年07月04日 | 成長モノ

天才料理人の主人公は、かつて若くして成功し名声を手に入れたが
そのせいで慢心し、酒と薬と女におぼれ、多くの人々の信頼を裏切り、
恨みをかって業界を去った。
贖罪のために3年をかけて100万個の牡蠣の殻を剥く作業を己に課した彼は、
それを終えると旧友のいるロンドンを訪れ、
3ツ星をとるためにレストラン開業に乗り出すというあらすじ。

自らの傲慢で破滅した男の再生の物語です。
正直ちょっと主人公には同情できないのですが、
周囲の人がみんないいひとで魅力的です。萌えもありますよ!

厨房でのスピーディーな動きは非常に緊張感があります。
あと出てくる料理がおいしそう。
でも主人公のお店で出すコース料理よりはむしろ
若手のスカウトに行った先のローストビーフサンドや、
仕入れ先の中華街の料理や、ライバルが作る朝食のオムレツや、
屋台の食事とかが胃袋に響きました。

内容ばれ

主人公のアダムが癇癪持ちで、
すぐにキレて怒鳴ったり物を壊したり
他人に酷い事を言ったりする私の嫌いなタイプだったのですが、
まあここで罵倒を20行くらい続けても
読んでいる人がお困りになるばかりだろうので割愛して
2つだけ書くと
・娘ちゃんが誕生日の母親に半休あげるくらいいいだろ。
 なにがしかの報いを受けろ。牡蠣にでもあたれ。
・赤の他人が経営する飲食店に来て、
 みんなの前で自殺しようとするのはよせ。
 死ぬなら人に迷惑の掛からない場所で1人で死のう。

そんなアダムを密かに愛している友人のトニーが、
もう滅茶苦茶いいひとで、
アダムはその好意を知りつつスルーして彼を利用しまくります。痔になれ。
あとライバルのリースもいい人で、トニーに近付くなとか忠告してくれるし
アダムの自殺を止めて、翌朝にオムレツを作ってくれます。
元カノなんか極めつけのいい人で、
主人公の巨額の借金を返済するためだけに登場してくれたようなもんだよ!?
部下の女性シェフも、散々つらく当たったのになぜか主人公に惚れてしまうし、
なんか宇宙の法則の乱れを感じました。
トニーは早くアダムの事など吹っ切って、リースとくっつくべきだと思います。

ミシェルだけが主人公をちゃんと憎んでいたので、
あのシーンはガッツポーズだったのですが、
勘違いだったってあんまりだよー!
あそこはちゃんと天罰を受けて、自業自得を噛みしめるべきだよー!

レストランで床にフォークを置くのが流行りそうな予感がします。

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「アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅」

2016年07月03日 | ファンタジー映画

監督はティム・バートンから変更になりました。

前作から時間が経って、
アリスは父から船を受け継いで船長になっていた。
しかし前作で婚約破棄した相手の男性が、
船の権利を譲らないと自宅を差し押さえるという
圧力を掛けてきて、困惑していたところ、
ふたたび不思議の国に迷い込んで…というあらすじ。

今回は原作はあまり関係なく、
アリスがマッド・ハッターの家族を救うために
時間をさかのぼって奔走するオリジナルストーリーです。
毒成分はあまりない、ファミリー向け映画。

内容ばれ

マッド・ハッターの家族を救うのと同時に
白の女王と赤の女王の関係の修復(の兆し)も描かれるので、
前作から、「君たち話し合いたまえよ…」と思っていた私には
嬉しい展開。
そして赤の女王だけが悪いのではなく、
白の女王にも責任があるという話の流れも嬉しい。

しかし頭を打ったので頭部がデカくなりました!
ってダイナミックな理由だな!




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