映画の豆

映画の感想をだらだらと。
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「返校 言葉が消えた日」

2021年08月02日 | ホラー映画

同名ゲームを原作とした台湾のホラー映画。
強烈な思想統制が行われている戒厳令下の台湾で
うたた寝をしていた女子高生が教室で目覚めると夜になっており、
彼女は学校を出ようとするが…というあらすじです。
予告では社会問題サスペンス映画ぽかったですが
がっつりホラーなので苦手な方はご注意。

夜の学校から出られなくなった少女と少年が、
恐ろしいものに追われながら、何が起きたのかを探っていく内容で、
湿度の高い独特の雰囲気があって好きです。
主役の少女、とても可愛く撮られている。

内容ばれ

恥ずかしながら白色テロという言葉を知らず、
思想統制も中国によるものだと思ってました。

闇の中の蝋燭や、顔にかぶせられる麻袋、ぶら下がっている体、
泣き笑いながら追ってくる不気味な少女等々とても良かった。
ただ1点、教師と生徒の恋愛を肯定的に美しく描いているのが引っかかる。
時代と、手を出してはいないのでギリOKかな…
でも家庭の事情で不安定な子を狙うのは典型的なやり口だからな。

ゲームは未プレイであらすじだけざっと読みましたが
映画の先生は良い人度が上がっているように思う。
若い人たちに思想の自由を伝えるのはとても重要だけど、
自分の命がかかっているようなときは、
もうちょっとこう情緒の安定していて用心深いメンバーで固めたほうがよくはないか。
(男子くんがうかつすぎる)

恐ろしい弾圧や差別的な政策は、
魔女狩りのように、人々が理性で抑えていた嫉妬や憎しみと結びついて、
じわじわと浸透して強固になる。
私たちはたまたま戦争や恐怖政治のない期間に生まれついて、
映画の中で教師が夢見た思想の自由を得ているけど今後は分からない。




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