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『雪の夜は小さなホテルで謎解きを』 - GREENGLASS HOUSE -

2018年04月06日 | BOOKS
『雪の夜は小さなホテルで謎解きを』
ケイト・ミルフォード
創元推理文庫


 クリスマスのホテルを舞台にしたファンタジーミステリー。
 ちょっと懐かしい、ノスタルジーを感じるような優しいミステリーです。

 主人公は中国系の養子の男の子。
 養父母との外見の違いを気にしつつも、愛されて幸せに暮らしている12歳の少年です。

 家族で営む緑色のステンドグラスのホテル「GREENGLASS HOUSE」に、想定外のお客さんたちがやってくるところから物語は始まります。
 どのお客さんも、どこか不思議で、秘密を抱えている様子。
 マイロが見つけた不思議な海図を手に、新しい友だちとマイロの冒険が始まります。

 訳者あとがきによると、映画化も進行中だとか。
 たしかに、映像になったところを見てみたい作品です。
 どのキャラクターも個性的で、イキイキと動いてくれそうです。
 正直に言ってしまえば、初めから多くの登場人物が登場してしまって、全員のイメージができあがるまでは、あまり面白くなく複雑に思えるかもしれません。でも、キャラクターの顔が見えるところまで読み進めたら、グッと面白くなること間違いなし。
 まず、半分まではさっと読んで、もう一度初めから読むことをおススメします。

 グリーングラスハウスで、それぞれが探し求めていたものに巡り合う。
 そんな奇跡と感動が散りばめられた、優しくて切ない温かい物語。
 家族愛も友情も、冬の夜のぬくもりも楽しめる1冊です。

 続編「Ghosts of Greenglass House」(2017)も気になりますね。

 
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