MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

『れもん、うむもん! ー そして、ママになる ー』

2018年03月14日 | BOOKS
『れもん、うむもん! ー そして、ママになる ー』
 はるな檸檬
 新潮社


 ディック・ブルーナさんの絵本の色を使ったような表紙のイラスト。
 でも、『うさこちゃんとあかちゃん』に登場する うさこちゃんの「わーい、わーい!」というようには、新米ママの現実はいかないんですよね。

 赤ちゃんを生むのは「幸せ」だけど、それだけじゃない。
 核家族化もあって、赤ちゃんとの生活をしたことがないまま大人になる女性が増えている今、こんな「マタニティーブルー」を描いた本も大事なのかもしれません。

 私も20年近く前、初めての育児のときに「参考書が欲しい!」と泣きそうになったものでした。
 ネットの情報もほとんどない時代、同世代はまだ未婚の友だちばかりで、母の世代は「忘れちゃった」という状況。
 子どもを産むまでの人生で、それなりに優等生だった私としては、初めての大きな挫折に劣等感と自信喪失で、今から思うと「マタニティーブルー」になっていたのだと思います。

 つわりのつらさも、人ぞれぞれ。
 出産の大変さも人それぞれ。
 産後の体調回復も、授乳のしやすさも人それぞれ。
 赤ちゃんも十人十色で、兄妹でも全く違うものなんですよね。

 今から振り返れば、本当に幸せな時間です。
 でも、やっぱり一人目のときは本当に泣くほどしんどかったのも事実。
 だからこそ、今大変な新米ママに「大丈夫、なんとかなる」じゃなくて「つらいよね。分かる。私もそうだった」と寄り添える おばあちゃんになりたいと思った1冊でした。
 


 
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