罪と業

キリスト教では、原罪ということを言いおる。

人間は存在自体が罪なんじゃあ言うことじゃ。

人間の持っておる原罪をイエスが十字架にかけられることで、償ったちゅうことじゃ。

仏教では原罪にあたるような考え方はないんじゃ。

人間はすばらしいと考えるのが仏教なんじゃ。

仏教では、罪と言うよりも、自分でつくった「業」という考え方をする。

自業自得と言うじゃろ。

仏教は神様でのうて、縁起を中心に考えておる。

自分の考え方や行いによって、結果が現れるちゅうごとじゃ。

妬みや憎しみや、怒りの感情を持ち続けておると、運に見放されてしまうんじゃ。

マイナスの感情をできるだけ持たずに、楽しく生きようとすることが大事なんじゃ。

夢のまたゆめ

夢を語るというのは、日本人には似つかわしくないんじゃ。

日本人は夢を消えてしまうはかないものととらえてきたんじゃ。

もちろん、夢を語れる人は大いに語ればいいさ。

しかし、夢のない人はそれでいいのじゃ。

理想や夢を追うのではのうて、現実をきちんと見つめて生きることが大事なんじゃ。

禅の合い言葉は「いま、ここ、自分」なんじゃ。

仏に逢うては仏を殺し

○どんなに優れた理念でも、それにとらわれすぎて、その事柄自体を崇拝の対象にしてしまうことは危険なこと何じゃと思う。

○人権尊重も平和を愛することも自然を守ることも動物愛護も大事なことじゃあ思う。

○しかし、それら自体が宗教のようになってしまうことは危険じゃあ思うんじゃ。

○人権尊重しないやつはやっつけろとか、動物より人間は汚いことをする生き物じゃと思うようになるのは危険じゃ。

○仏教は人間を肯定的に考えておる宗教なんじゃ。

○憲法９条の戦争放棄の理念はすばらしい。

○世界に向かって戦争はしませんと宣言していることには意義があるんじゃ。

○しかし、それ自体を崇拝してしまうのは危険じゃあ思うんじゃ。

○それを守るために戦争したり喧嘩したりすることもあり得るのじゃ。

○戦争放棄を守る戦いなど、本末転倒なんじゃと思う。

○「仏に逢うては仏を殺し、祖に逢うては祖を殺せ。」じゃ。