国立劇場で「山形 出羽の芸能」を観てきました。
午前の部【山伏が伝えた芸能】では、出羽三山神社の「冬の峰 松例祭神事」、金山町の「稲沢番楽」(県指定民俗文化財)、遊佐町の「杉沢比山」(国指定重要無形民俗文化財)。
午後の部【山形を彩る芸能】では、御存知「花笠音頭」、寒河江市の「日和田弥重郎花笠田植踊」(県指定無形民俗文化財)、米沢市の「梓山獅子踊」(県指定無形民俗文化財)、そして鶴岡市櫛引黒川地区の「黒川能」(国指定重要無形民俗文化財)。
山形にいる頃に観る機会のなかった民俗芸能が多く、非常に興味深く観ました。
もともと田舎のコミュニティの中で祭事として行われてきた芸能が、洗練されずに伝わっているのが魅力的です。祝いや祈り、労いの舞いは、今よりずっと生活に密着していて、心踊る行事だったはずで、素朴で単調なリズムと音階の演目には時々夢うつつになりつつ、楽しみました。
会場はほぼ満席。このうちの8割くらいは山形県出身者だろうか…などと思っていると、見た事のあるフランス人女性の姿。あれは!大学時代のフランス語の先生!
「先生!」と思わず声をかけると、ちょっとびっくりした顔。
さっぱり身についておりませんが、私、一応、第二外国語はフランス語でした。講師としていらしていたMarie Gaboriaud 先生は、フランス語講師の他に日本の農村研究をしており、ちょうど私が中学生の頃私の隣村の庄屋さんのうちに滞在していて学校新聞でインタビューをさせていただいたことがあったので、偶然の再会に驚いたものでした。
大学卒業以来、また十数年ぶりの再会です。
「先生、酒田出身で埼玉大学時代にフランス語を教わった佐々木です」というと、目を輝かせ、「ああ!思い出しました!覚えています覚えています」。慶応大学へ移ったものの、現在もフランス語講師と農村研究を続け、酒田へも時々行っているとのこと。神社や神事の研究もするようになって「黒川能を観に行ってみたいと思っていたんですが、なかなか機会がなくて今回初めてなので嬉しくて。しかも、今度12日には、またパリで黒川能を観るんです。もうね、これは神様が研究を続けてきた私にくれたプレゼントだと思うんですよ!」とにこにこで、私もとても嬉しくなりました。
大学時代はまったく良くない学生でしたが。
黒川能は、毎年極寒の2月1日から2日にかけ、庄内黒川地区の民家で夜通し行われる農民芸能。私も一度行ったことがありますが、全国から来る人々であふれんばかり。睡魔と座り心地の悪さと謡いの聞き取りにくさと闘いながら観た記憶がありますが、今回の演目「羅生門」は、字幕もついて分かりやすく、ベテラン揃いの謡いと、若手演者の息もぴったり、なまり混じりのセリフもよく非常に楽しめました。機会があったらまた、地元へ観に行きたいものです。
民俗芸能ともいえるのかもしれませんが、「獅子舞」は私の地元でも普通に継承されている年中行事の一つです。元旦には、必ず、村ごとに組織された「獅子舞」が10人くらいで家にやってきて、神棚と仏壇のある部屋で、笛や太鼓に合わせて舞い、先祖の霊を弔い一年の繁栄、家内安全や無病息災を祈ります。年々高齢化していますが、これも世代交替は必須で、だんだんと私と同世代の仲間たちが担うようになっていくはずのもの。地元に残らなかった者が、こうした伝統が失われないでほしいと思うのは勝手なのかもしれませんが。
暮らしとともに受け継がれてきた故郷の芸能、本来は国立劇場のステージで観るようなものではないのでしょうが、しかし、多くの観客が感慨深そうに見つめていました。
今回は、高校の後輩が誘ってくれ、プチ同窓会までセッティングしてくれて、楽しい一日を過ごさせていただきました。感謝。
午前の部【山伏が伝えた芸能】では、出羽三山神社の「冬の峰 松例祭神事」、金山町の「稲沢番楽」(県指定民俗文化財)、遊佐町の「杉沢比山」(国指定重要無形民俗文化財)。
午後の部【山形を彩る芸能】では、御存知「花笠音頭」、寒河江市の「日和田弥重郎花笠田植踊」(県指定無形民俗文化財)、米沢市の「梓山獅子踊」(県指定無形民俗文化財)、そして鶴岡市櫛引黒川地区の「黒川能」(国指定重要無形民俗文化財)。
山形にいる頃に観る機会のなかった民俗芸能が多く、非常に興味深く観ました。
もともと田舎のコミュニティの中で祭事として行われてきた芸能が、洗練されずに伝わっているのが魅力的です。祝いや祈り、労いの舞いは、今よりずっと生活に密着していて、心踊る行事だったはずで、素朴で単調なリズムと音階の演目には時々夢うつつになりつつ、楽しみました。
会場はほぼ満席。このうちの8割くらいは山形県出身者だろうか…などと思っていると、見た事のあるフランス人女性の姿。あれは!大学時代のフランス語の先生!
「先生!」と思わず声をかけると、ちょっとびっくりした顔。
さっぱり身についておりませんが、私、一応、第二外国語はフランス語でした。講師としていらしていたMarie Gaboriaud 先生は、フランス語講師の他に日本の農村研究をしており、ちょうど私が中学生の頃私の隣村の庄屋さんのうちに滞在していて学校新聞でインタビューをさせていただいたことがあったので、偶然の再会に驚いたものでした。
大学卒業以来、また十数年ぶりの再会です。
「先生、酒田出身で埼玉大学時代にフランス語を教わった佐々木です」というと、目を輝かせ、「ああ!思い出しました!覚えています覚えています」。慶応大学へ移ったものの、現在もフランス語講師と農村研究を続け、酒田へも時々行っているとのこと。神社や神事の研究もするようになって「黒川能を観に行ってみたいと思っていたんですが、なかなか機会がなくて今回初めてなので嬉しくて。しかも、今度12日には、またパリで黒川能を観るんです。もうね、これは神様が研究を続けてきた私にくれたプレゼントだと思うんですよ!」とにこにこで、私もとても嬉しくなりました。
大学時代はまったく良くない学生でしたが。
黒川能は、毎年極寒の2月1日から2日にかけ、庄内黒川地区の民家で夜通し行われる農民芸能。私も一度行ったことがありますが、全国から来る人々であふれんばかり。睡魔と座り心地の悪さと謡いの聞き取りにくさと闘いながら観た記憶がありますが、今回の演目「羅生門」は、字幕もついて分かりやすく、ベテラン揃いの謡いと、若手演者の息もぴったり、なまり混じりのセリフもよく非常に楽しめました。機会があったらまた、地元へ観に行きたいものです。
民俗芸能ともいえるのかもしれませんが、「獅子舞」は私の地元でも普通に継承されている年中行事の一つです。元旦には、必ず、村ごとに組織された「獅子舞」が10人くらいで家にやってきて、神棚と仏壇のある部屋で、笛や太鼓に合わせて舞い、先祖の霊を弔い一年の繁栄、家内安全や無病息災を祈ります。年々高齢化していますが、これも世代交替は必須で、だんだんと私と同世代の仲間たちが担うようになっていくはずのもの。地元に残らなかった者が、こうした伝統が失われないでほしいと思うのは勝手なのかもしれませんが。
暮らしとともに受け継がれてきた故郷の芸能、本来は国立劇場のステージで観るようなものではないのでしょうが、しかし、多くの観客が感慨深そうに見つめていました。
今回は、高校の後輩が誘ってくれ、プチ同窓会までセッティングしてくれて、楽しい一日を過ごさせていただきました。感謝。
温海新酒まつり、高畠ワイナリー新酒まつり等)は
足を運んでます。
鶴岡にUターンして2年半ですが、せっかく戻ったので
「黒川能」は観覧せねばと思っている所です。
そういえば毎年5/25の「鶴岡天神まつり」、今年は日曜日。
20ウン年振りに参加予定です。
せっかく地元にいらっしゃるのですから、地元ならではの催しは楽しまれたほうがいいですね。
「鶴岡天神まつり」、懐かしいです。小さい頃、よく行きました。3才だった弟が「勝手にしやがれ」をステージで歌って景品にゴリラのおもちゃをもらった時の興奮を鮮明に覚えています。