akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

「源氏物語」の朗読って

2006-05-17 | 映画・芸術・エンターテインメント
すっごくたくさんの方が、様々な形でなさっていて、劇場公演やDVDも多いのですが、「原文で」というのはあまりありません。原文で聴いても意味がよくわからないし、わからなければ面白くないし、ということでしょう。

もっともポピュラーなのは瀬戸内寂聴さんの現代語訳の朗読。白石加世子さん、岸田今日子さん、檀ふみさん、琵琶語りの上原まりさん、みんなそうです。瀬戸内寂聴訳「源氏物語」は200万部のベストセラーというんですから。私も彼女の作品は好きです。

「うたあそび」の「源氏物語」朗読も、最初は瀬戸内寂聴版にしようかとも考えたのですが、私以外のメンバー、スタッフはみんな「原文」で意見が一致。
「古典文学の世界を、その言葉のリズムごと味わってもらおうよ」ということになりました。ただ、「内容がわからない」というフラストレーションはたまらないようにしなくてはなりません。
というわけで手引きが付きます。まあ、でも文楽などもだんだんと聴き慣れると字幕なしでも充分わかって楽しめるようになりますし、それと同じようなものだと思っています。

古文も日本の言葉ですから、聴き慣れてくるとなんとなくイメージがつかめてきます。
先日、ミヒャエル・エンデの「モモ」などの翻訳家大島かおりさんも「最近、何人かで源氏物語を原文で読む会を始めたのよ。最初はわかり辛いと思っていても、注釈見ながら読み続けていくと、次第に感覚でわかるようになってくるのよね」と仰っていました。

琵琶奏者の矢澤公子さんの古典的な四弦琵琶による琵琶語りも入ります。
ピアニスト新藤理恵さんのメロディはいつも物語世界を彷佛とさせてくれます。
笙の橋本薫明さんは、以前雅楽で「源氏物語」の公演を(物語中にも出てくる曲「青海波」等)なさった経験もあり、平安絵巻を彩って下さいます。
矢澤正弘さんの能管がぴりりと全体を引き締めます。
全体で古典世界を楽しんでいただけたらと思っています。

もう7年も前のことになりますが、私は、CD「馳浩の聞楽(きらく)に源氏物語」(旺文社)で原文朗読を担当しました。馳さんの歯に衣着せぬ解説は面白かったのですが、今聞き返せば私の朗読は声のきれいなアナウンサーさん。感心できるものではありません。それでもあの頃は四苦八苦しました。
あんまり大袈裟すぎるのも、おどろおどろしいのも嫌ですが、今はもうちょっと心地よく聴いていただけるかなと思います。常に発展途上なわけで、この仕事をしていて何年も前から進歩がないのでは終わりですけどね。

ちなみに、古文で「あそび」といえば、詩歌、音楽、遊芸など(他にも行楽全般をさしますが)。特に管弦の遊びを指すことが多く、古語辞典にはちょうど例として<源氏物語・桐壷>の一節が出ています。

うたあそびは18日(木)19時より。練馬Trees cafeにて
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2 コメント

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省りみながら進歩あり (砂ちゃん)
2006-05-18 18:38:42
以前のご自分の朗読を反省されてる文を読んで感心しました。プロでも当然ある事ですよね。

大島かおりさんがPB47回に乗船されてたのはご存知でしたか?

20日は行けませんが2日のTreesCafeには伺おうと思います。
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ありがとうございます (akiko)
2006-05-19 14:24:29
大島さんが乗船なさっていたのは、下船後に知りました。一度公演にもいらして下さいました。

昨日はふらりと桃様が来てくれました。2日の「熱砂の舞」は、PBで皆さんに少し体験していただいた作品です。全編を見るのは初めてですよね。お楽しみに。
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