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次期戦闘機 ー F35

2011-12-24 06:37:30 | 航空機
「F35戦闘機」





朝日新聞デジタル-20日
 「野田内閣は20日午前、安全保障会議(議長・野田佳彦首相)を開き、
  航空自衛隊が導入する次期戦闘機(FX)を米企業系の「F35」に決定し、閣議了解した。 
  安保会議ではF35を来年度以降、計42機購入することを決定。
  来年度分4機は1機あたり99億円で、防衛省は来年度予算案に盛り込む方針。向こう20年間の購入・維持費は総額1.6兆円とみている。
  防衛省は米ロッキード・マーチン社が製造主体の「F35」、米ボーイング社の「FA18」、
  英BAEシステムズ社などによる「ユーロファイター」の3機種を候補とし、
  各機種を点数評価した結果、性能をはじめ3要素でF35が最高点だった」


日本の航空防衛上の懸案事項だった、次期戦闘機はF35と決定された。
世界の戦闘機の中で最も戦闘能力が優れた航空機が日本の空を防衛することが決定され、一安心。

F35戦闘機の顕著な特徴はステルス性にあると言われている。

ステルス性能を持った戦闘機が抜群の空中戦闘能力を有することは既に実証試験されている。
米国がアラスカで行った模擬空中戦で、世界最強のステルス戦闘機F22の1機で米国空軍の主力戦闘機F15等の戦闘機144機を撃墜し、
F22は一機も撃ち落されなかったという。
また、空自のF15とF4は07年、沖縄県周辺で行われた米空軍の最新鋭ステルス機F22との戦闘訓練で、相手を発見する前に攻撃され完敗し、
空自幹部は「大人と赤ん坊ほどの違いだった」と評価した。

レーダーにほとんど捉えられないステルス機F35は第5世代の戦闘機で、非ステルス機に比べ空中戦で圧倒的優位を示すことができる戦闘機だ。
F22に比べ、F35は最高速が劣っている欠点があるが、実際の戦闘において最も必要な電子機器の能力はむしろ高いとされ、
イージス艦、航空機、人工衛星等をコンピュータネットワークで結び、空軍&海軍の軍事システムを有効に運用できる最新装置を備える。

現代における空中戦は、戦闘機同士の空中での格闘能力より、レーダーで敵機を発見しミサイルを発射して後はミサイル任せというのが、
空中戦の基本と言われる。
米国からの購入費用が高いとの意見もあるが、相手に勝てない兵器はただのガラクタでしかなく、
特に空海軍におけるハードウェアとしての兵器の差は決定的で、戦術や精神力で兵器の性能を補うことは困難とされる。

一方、中国とロシアが夫々ステルス性能を備えた第5世代戦闘機「殲20」「T50」の開発を急いでおり、これらの戦闘機がF22と同等の戦闘能力を持つと、
空中戦ではF35は劣勢に転ずる可能性があるとされる。
しかし、戦艦大和が戦艦同士の戦いでは最強だったのと同じで、F22は戦闘機同士の空中での戦いでは最強であっても、
そんな事態は太平洋戦争で日本海海戦が再現されなかったのと同様、現代の空中での電子戦ではあり得ないとの意見もある。

一時期、世界最高の空戦能力をもったF22を導入すべしとの意見もあったが、
他の周辺諸国にはせいぜい無意味な軍拡競争を招くだけの危険性がある事を考えると、
アメリカがF22の生産中止を決めたのも、新しい時代の軍事戦略には無用の長物と考えたからだろうし、
もう戦艦大和のような代物はいらないという事だろう。


防衛は国家の究極の義務とも言えるもので、日本がF35を配備することで、F15やF2で訓練を十分積んだ空自パイロットが操縦すれば、
どんな飛行機も日本の領空を侵犯することはできない。
中国やロシアの戦闘機が日本領空を制圧することはできないし、日本が一定の軍備を持つことは地域の平和のためにはむしろ役に立つのは確かである。
これで、北東アジアのパワーバランスは当面確保出来る。


昔、岐阜にある実験航空隊の飛行場で、
F104や当時世界最強でベトナム戦争にも投入されたF4Eがタッチ&ゴーを繰返しテストしている光景を何度も見た。
F4EJが離陸後アフターバーナーを点火し空中を突き進んで飛んでいく様は、ドォウーン言うすごい音とともに腹にまともに響いてきた。
実際の戦闘機をまじかに見ると、この戦闘機が日本の空を防衛し、他国の侵犯を防いでいるという実感を肌で感じ取ること出来る。
ちょうど、海外で日章旗をみて安心できる心情に良く似ており、とにかく誇りに思えてくる。

新聞には日本の戦闘機のスクランブル発進回数が公表されており、その回数も無視できぬ程多い。
現実の世界は、強い国のみが強い発言力を持ち、且つ自国を防衛できる世界なんだと思わざるを得ない。
とかく外交ヘタの日本と言われているが、世界有数の軍備機能があるからこそ諸外国も日本を無視できず、無言の交渉力となっていると思う。


国内では、憲法9条の解釈で色々議論される中で、基本的な防衛システムで日本が防御されている環境があるからこそ、
世界中の国と対等に交渉が可能となり、そしてビジネス展開が保障される。
そして、この防衛システムの中でこそ、両極端な自由の発言も許容されていると思う。
F4、F15、F2に引続きF35が旧型のF4に代替してこれからの日本の空と日本を守る。

一方、F35導入によって日本の航空機産業はますます衰退の道を歩む可能性がある。
富士重工業や東芝の兵器産業が受注問題で防衛省と裁判しているような現状では、防衛産業は収益の非常に低い事業となっていく。
ボーイング等の下請けしか仕事がない実情からすると、日産がサッサと防衛産業から撤退したのは正解だったかもしれない。

でもしかし、本場米国ボーイング社やロッキードマーチン社の収益性は非常に高いものなんだが。


「参考」  
 防衛省技術研究本部先進技術推進センターHPよりの公表資料。
「先進技術実証機」その1
「先進技術実証機」その2
 
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