野々池周辺散策

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大相撲名古屋場所の印象、2023

2023-07-26 06:14:15 | スポーツ
 「デイリースポーツ:涙の豊昇龍」
大相撲名古屋場所優勝の関脇豊昇龍、12勝3敗は直近3場所で33勝もクリアし、文句なしの大関昇進となる。
千秋楽まで3敗力士が3人残り、本割で3敗の一人北勝富士が勝ち残り、残る3敗同士の豊昇龍と伯桜鵬の一番は豊昇龍が右上手投げで勝ち、優勝決定戦に持ち込んだ。優勝決定戦の土俵では、落ち着き払った豊昇龍に気合十分に見える北勝富士は終始落着きがなく、この時点で多分、豊昇龍が勝つんではと予想したが、立ち合い後にうまく懐に入った豊昇龍が押し出しで勝った。勝って花道を下がる豊昇龍の目から涙が流れ、手拭いでぬぐう姿がテレビに映し出された。あの一見勝気に見える豊昇龍でも泣くんかと、そう感じた。これで、大相撲上位は横綱照ノ富士、大関霧島、新大関豊昇龍と、モンゴル出身が占めた。千秋楽の一番で豊昇龍に負けはしたが、新入幕で優勝近くまで勝ち進んだ伯桜鵬の負けん気の強さは、その将来は大いに期待できる戦いができると思う。モンゴル力士の活躍が続くと、話題なるのはモンゴル力士の強さだが、元大関まで昇進した力士が負け越して転落後もずるずると負けが込む姿を見てなんとなく思うに、我々日本人がどこか忘れがち、あるいは忘れようとしている大事な要素を、モンゴル力士は間違いなく兼ね備えている ように思う。

しかし思うに、今場所、大相撲名古屋場所は最近にない面白い相撲が続いた。いつもは淡々と好きな相撲をテレビ観戦するだけに終わっていたが、今場所は違った。期待以上の相撲の連続に久しぶりに声がでた。今場所は、大関貴景勝 そして新大関霧島の初日からの休場に始まり、4日日目からは横綱照ノ富士の休場も加わり、すこし拍子抜けの序盤となったが、それでもテレビ前に坐り観戦していると、結構面白い取り組みが続いた。それは、大関を目指す関脇3人の動き、元大関で不祥事で幕下まで番付を落とし前頭4枚目に復帰した朝乃山の相撲、そして今場所新入幕の三力士の活躍が実に面白いのだ。それと結果的に優勝には絡めなかったが錦木の活躍も面白いものだった。

最もびっくりした相撲は、関脇豊昇龍が元大関朝乃山を投げ飛ばした15日の7日目の一番だ。7日目は大関昇進を目指す3関脇はそろって勝利したが、豊昇龍が元大関の朝乃山を上手投げで制して1敗をキープした一番には正直ビックリ。朝乃山ががっちり下手を取って豊昇龍を一方的に押し出すと予想したが、結果は逆で豊昇龍が巨体の朝乃山を上手投げで投げ飛ばした。投げされまいと必死に堪える朝乃山は左腕を負傷し、翌日から休場。朝乃山は3日休んで再出場し結果、勝ち越したのは立派だったが、幕内に復帰した後の朝乃山の相撲は雑で多少荒っぽさがあったように思う。しかし、がっちりとまわしを掴めば勝ち進めるほど力強いので、来場所は大いに期待できる。朝乃山の相撲を見ると、大関級以上の力強さを感じるが、コロナ禍の不祥事さえなかったら、とっくに横綱になっておかしくない相撲を取る実力があるだけに勿体ない。

それにしても、ここまで勝ち進むとは思わなかった伯桜鵬 。 
今場所見応えのひとつに新幕内3人の相撲があったので、いつもなら5時以降に見るテレビを、伯桜鵬、豪ノ山 、湘南乃海 の相撲は極力見ようと思った。場所が始まって暫くは、最も期待されている19歳の伯桜鵬は非常に上手い相撲を取るものの全体的に力強さを感じられず、むしろ、年が25歳と喰っているが豪ノ山の相撲は見ていて惚れ惚れ すると思えた。しかし、終盤の取り組みへと進むと伯桜鵬が次々に格上力士を打ち砕いている。新入幕の力士がこんなに強いのか不審に感じていたが、多分、部屋の親方からの事細かな勝ち方の教示があったのだと思う。

残念だったのは、4日目の朝、急に飛び込んできた横綱照ノ富士の休場。
その前日3日目の相手、翔猿に負けた。そのまた前日の2日目の相撲、錦木との一番も、立ち合いからすぐに錦木を土俵際に追い詰めたが、左すくい投げをくらい惨めな負け方をした。この相撲を見てきて気なったのだが、照ノ富士の雑な相撲が気になった。3日目の翔猿との一番も雑な相撲に終始した。翔猿のまわしが顔の近くまで伸びて照ノ富士の力が全く伝わらない。一方、翔猿は飛び回って照ノ富士を翻弄させるので、早く勝負を決めたい照ノ富士は足を飛ばすが決まらず、更に動き回る翔猿に逆にけたぐりを飛ばされ照ノ富士の体が少し崩れる。一方的に攻めまくる翔猿に一枚まわしの照ノ富士は防戦一方でとうとう土俵際に追い詰められる際、照ノ富士の足の動きが不自然にがくがくとなった。攻め続けるといいが、防戦一方の下がっていく照ノ富士の膝は窮屈そうで、そのまま押し出されたが、その後も照ノ富士の膝がガクンとしたようで真面に歩けず、付け人の助けを借りて支度部屋に下がる。テレビで見た照ノ富士の印象はすこぶる悪く、これは彼の相撲人生に関わる負け方だと思ったが、案の定、4日目から休場となった。だが休場理由は膝の悪化ではなくヘルニアの悪化だとあった。

さて、次は9月の国技館、期待している。

コメント
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