しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

梅干しを食べる

2024年04月20日 | (冷蔵庫が家になかった時の)食べ物

梅干しは、もっとも身近な「食べ物」だった。

おやつとして、竹の皮に挟んで吸う。その後で食べる。
弁当として、弁当箱の真ん中にあるもの。
握り飯に入れるもの。
晩飯の食卓の中央に置いて、誰でも箸が届く、家族共通のおかず兼食後のお茶の友。

今、「握り飯」はコンビニの代表食品であるが、
梅干しには種がないようだ。
ごま塩で握ってなく、海苔がついている。
海苔は自分で巻いて食べる、新技法でおもしろい。


 

「江戸の町くらし図鑑」 江戸人文研究会  廣済堂 2018年発行


梅干し

梅干しは昔から身体によいとされてきた食品のひとつです。 
お弁当に梅干しを入れるのは、黄色ブドウ球菌、0-157の増殖を抑制するからです。 
梅干しを食べると元気になるのは、クエン酸の効果で、疲れの原因となる乳酸の発生を抑えるからです。 
疲労物質の乳酸はガンを増殖させる物質でもありますから、ガンの抑制も期待できます。
合わせて、抗酸化作用 があるリグナンもガンや生活習慣病を防ぐ助けになります。 
そして、クエン酸は血液を中和させ、サラサラにもしてくれます。
これは脳梗塞や心筋梗塞の予防になります。
アンギオテンシンⅡは血管収縮性作用のあるホルモンに働きかけ、動脈硬化の発生を抑制してくれます。
そして、糖尿病の予防にも効果があります。
そのほか、食欲増進や虫歯予防、カルシウムの吸収を助け骨の老化を予防してくれるので、 毎日一粒は食べたい食品です。 

 

 

「鴨方町史」 鴨方町  昭和60年発行

梅漬け 

たいていは一本ほど植えておいて、自給した。
梅干しにしたものを、赤シソやベニショウガなどと一緒に一斗甕に漬ける。 
学校弁当・野弁当・山弁当・握り飯などに入れる。
風邪をひいて寝るとか、頭痛や腹痛などのときには、粥に梅干しであった。

 

「聞き書 広島の食事」 神田三亀男  農山漁村文化協会 昭和62年発行


梅干し
梅干しは常備菜として大事な毎日のおかずであるから、梅の時期には毎年必ずしそと一緒に漬けておき、 古いものから食べるようにする。
とくに、申年の梅がよいとされ、申年にはできるだけたくさん漬けておく。
おなかをこわしたり、からだの調子が悪くて食欲のないときは「米のかゆと梅干し」に限るとされている。
風邪には、梅干しの黒焼きにお茶をかけて飲んだり、梅干しときざみねぎを茶わんに入れ、熱湯をかけて飲むとよく効く。 
二日酔いには梅干しに熱い湯をかけて飲む。
また、梅干しの粕漬は強壮剤になるという。
これは、梅を塩漬けして土用干しをし、砂糖、焼酎、みりんなどをふりかけながら、酒粕と梅を順々に漬ける。
毎日一粒食べれば病知らずともいわれ、効用は広く信じられている。

 

 

 

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