「嫁どりがある」
それを聞けば、茂平の子どもたちの心は踊った。
【嫁菓子】
嫁菓子が楽しみじゃった。
ただでお菓子をもらえるから。
(おじさん=父の弟の嫁どり=昭和31年)
嫁どりは大きな娯楽だった。
【嫁どり】
嫁どりがあると言えば、楽しみなのは、
①「嫁菓子」をもらえる、
②「花嫁」を見れる。
③「嫁入り道具」が見れる。
①一番の楽しみは「嫁菓子」。
嫁菓子は紙袋に2~3箱のお菓子が入っている。
茂平の子どもは、お菓子を食べることはめったにない。
②花嫁を見れる。
頭にカツラを乗せ、白塗りで、しかも下を向いて歩く花嫁の顔は、皆同じ。
しかし、「花嫁衣裳」の女性を見る。
普段、農夫しか見ない茂平の子供にとっては大きな娯楽だった。
③「嫁入り道具」を見る。
これは正直、関心はなかった。
自転車やミシンやタンス類を見ても感じることは何もなかった。
大正時代のはじめ頃
(母に聞いた話)
母の父母=管理人の祖父母の結婚
祖父母の結婚式に嫁菓子を、近所の子どもたちに配ったが
子どもたちはもらっても帰ろうとしなかった。
嫁菓子をもらっても不満顔だったそうだ。
「取り子・取より嫁じゃけえ、二袋もらわにゃあいけん」
と言ったそうだ。
その事を母は笑い話として話した。
祖父母は、取子取嫁(とりことりよめ )だった。
おおかたの場合は、先にどちらかが養子になり、結婚によって二人そろうが、
祖父母の場合は結婚と同時に、二人養家には入った。
この珍しいことの訳を95才まで生きた母に聞く機会はあったが、
不思議とも、珍しいこととも思ってなかったので聞かず、ついに知ることはできなかった。
・・・
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます