雑炊
母が留守の時、父がご飯を作る時があった。
その時は、いつも”雑炊”だった。
「兵隊では、いつも雑炊じゃった」というようなことを言っていた。
今思えば、外地での自炊の食事のことだろう。
父のつくる雑炊は美味かった。
母のつくる雑炊よりも美味かった。
その理由ははっきりしていた。
母がつくるのは、残りものを使用していた。
麦飯も、中に入れる野菜類も、すべて残りもので、腐る前のものを再度煮たものだった。
お粥
お粥は、誰か風邪をひいたとき、母がつくっていた。病人食だった。
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「岡山の食風俗」 鶴藤鹿忠 岡山文庫 昭和52年発行
雑炊
ゾウスイ、ゾウシイという。
オジヤは現代風で上品な呼び名である。
羽釜に2~3合の米と水を一杯いれ、野菜を沢山いれる。
団子や餅をいれれば団子雑炊という。大根が多ければ大根雑炊という。
粥
白粥
水文の多少によって三分粥、七分粥などの区別があり。
梅干しとかコーコとかがあう。
小豆粥、ササゲ粥、ブンドウ粥、芋粥、栗粥、黍粥がある。
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「聞き書 広島の食事」 神田三亀男 農山漁村文化協会 昭和62年発行
●おかい、おじゃ
おじやは米から炊く場合とごはんからつくる場合がある。
米からつくる場合をおかいということが多いが、どちらもおじやという人もいる。
ごはんがすえりかけたとき、足りそうもないときに夕飯につくる。
大根や菜っぱ類、りゅうきいも、きんかいもなどを一種から数種類とり合わせて、醤油味噌汁をつくる。
これにすえりかけたごはん、冷やごはんを入れて、ゆりい(いろり)の自在鍵につるした大なべで煮る。
炊きあがると、最初の一杯は主婦がつぎ分けるが、二杯目からは、四方から手を伸ばして自由につぎ足して食べる。
母親や嫁は、家族が食べ終わるのを待って食べる。
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