
Wiener Staatsoper
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すっかり日の暮れた午後5時半頃、今朝歩いた場所に戻って来ました。

夜の帳の降りたウィーンの街で、一層輝きを増したウィーン国立歌劇場。
いよいよ今回の旅で最後のオペラ鑑賞です。

ウィーン国立歌劇場は一流の音楽通が集う世界最高峰のオペラハウスであると同時に、
ウィーンを代表する観光名所でもあります。
その為、観客層も音楽好きな人々ばかりでなく世界中から訪れた観光客も入り混じり、
開演前のエントランスホールは大変に賑やか。
周囲からは久しぶりに耳にする日本語の会話も聞こえてきます。


今夜の演目は、旅を華やかに締め括るのに相応しい古典的名作、
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの生涯最後のオペラ「魔笛」です!
余りにも有名な作品なので、あらすじは殆ど諳んじているし序曲やアリアはすっかり耳に馴染んでいますが、
さて世界最高峰のウィーン国立歌劇場ではどんなに素晴らしい「魔笛」を見せて聴かせてくれるのでしょう。
今夜も期待に胸を膨らませながら、昼間に国立チケットハウスでピックアップしたチケットを片手に
紳士淑女たちと共に大理石の階段を登って最上階のバルコニー席へと向かいましょう。
それにしても、ウィーン国立歌劇場は建物の規模が大きい!
ビュッフェもホワイエの一画にあるのではなく、専用のフロアを持つカフェバーコーナーになっています。


ここは立ち見客の天井桟敷の人々のための休憩スペースでしょうか。
この場所で室内楽のミニコンサートが開けそうな広さです。
そして、ここが最上階。

今夜もバルコニー席の最前列、舞台に向かって右手側の席です。
ちなみにウィーン国立歌劇場の公式Webサイト経由でオンライン予約したチケット代は44ユーロ也。
購入時のレートだと日本円で4500円程なのですが、
ハンガリー国立歌劇場の約2倍、プラハ国立歌劇場の約5倍の価格になります。
さてこの価格、高いと考えるか安いと感じるか…


バルコニー席の舞台正面からは、この眺め。


ウィーン国立歌劇場は第2次世界大戦末期に連合軍の爆撃で破壊され、戦後に元通りに復元されたそうです。
そのせいか、客席の装飾もシンプルで、シャンデリアもとてもすっきりとしています。
重厚かつ豪華絢爛で歴史を感じさせるブダペストやプラハのオペラハウスと比べたら随分と近代的なのが意外でした。
そして、今夜見る最後のオペラの夢の世界…
聴き慣れた軽快な序曲と共に「魔笛」の幕が上がるのです。

…幾度目かのカーテンコールの後で、
パパゲーノやパパゲーナ、タミーノとパミーナ、ザラストロと夜の女王が舞台の幕の向こうに消えた時、
旅の終わる時が来たことを実感しました。
今回の旅もうたかたの夢の世界の彼方に去り、想い出になろうとしています。
「さぁ、僕も旅の舞台の幕を下ろそう。そしてまた暫し日常に戻ろう。日本に帰らなくちゃ…」

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