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内之浦宇宙空間観測所 施設特別公開2015に行ってきました

2015-11-29 | 宇宙

平成27年11月15日、毎年秋の恒例行事であるJAXA内之浦宇宙空間観測所の施設特別公開が開催されました。
もちろん僕も行ってきました。今年は、近年稀に見る秋晴れのいい天気でした!

内之浦宇宙空間観測所 施設特別公開2015





先ずはメイン会場のM台地にて、毎年お馴染みのMロケット発射装置の駆動実演。
現在、来年度に打上げられるイプシロンロケット2号機に対応した整備工事が行われているので、ロケットランチャの塗装も塗り替えられていてピカピカです。









イプシロン対応型Mロケット発射装置、展開完了!
いつ見ても胸躍る光景です。






特別公開でしか見られない、真下から見上げるロケットランチャ。


真っ青な空の下に、真っ赤なロケットランチャが映えます!
来年の夏頃には、ここからパワーアップした新しいイプシロンロケットが宇宙に翔び立つ筈です。

Mロケット発射装置とロケットランチャ横のM台地の物販コーナーで、気になるものを発見。
「宇宙おでん」とな!?



Σ(´∀`;)…どこが宇宙なのかよく分からんけど、普通に美味しそうなおでんでした(笑)

続いて、KSセンターの観測ロケット打上げドーム。




ドームの隣に設置された新型の観測ロケット発射装置も、上屋を外して展示中。
つい2ヶ月前の9月11日に観測ロケットS-520-30号機を打上げたばかりなので、土台部分がまだ噴射炎で焦げたままです。


観測ロケット発射装置の奥に見えているのは20mパラボラアンテナ、通称“小うっちーさん”




働き者の“小うっちーさん”は、施設特別公開中も衛星との通信運用中。
この時は磁気圏尾部観測衛星GEOTAIL(ジオテイル)と通信中でした。

“小うっちーさん”の建っている衛星ヶ丘展望台からは、内之浦宇宙空間観測所の施設が一望出来ます。
今日はよく晴れているので、眺めも格別です。




M台地のロケット整備塔とランチャもよく見えています。
こんなに海の近くまでせり出した山裾を切り開いて、ロケット発射場となる台地が作られているんですねぇ…


そしてこちらは34mパラボラアンテナ、通称“大うっちーさん”


真下から見上げると、やっぱりデカい!!

地上数百キロの低軌道を飛ぶ地球周回衛星から、「はやぶさ」や「あかつき」のような月よりも遠くを飛ぶ深宇宙探査機まで追尾・通信が可能な凄い実力を持つ“大うっちーさん”、
普段は34mの巨大なパラボラを悠然と空に向けていますが、時には低い軌道をあっという間に飛び去ってしまう低軌道衛星を猛烈な速さでパラボラを振りかざしてロックオンし、衛星が水平線に沈むまで逃すことなく追尾してしまう俊敏さも併せ持つ頼もしいアンテナです!
その速さから、宇宙ファンは彼のことを「内之浦のレーザービーム」「パラボラ界の音速の貴公子」とも呼ぶ!(らしい…(笑)

そんな“大うっちーさん”には、間もなく大仕事が待っています。
来る12月3日に地球スイングバイを行う小惑星探査機「はやぶさ2」の地球最接近までの追尾と誘導管制を、長野県臼田にある臼田宇宙空間観測所の東洋最大の64mパラボラアンテナ“うすださん”と協力して行うことになっているのです!

…実際、地球最接近時には太平洋上空わずか3千キロの近さをかすめ飛ぶ「はやぶさ2」をガッチリと捉えて追尾出来るのは“大うっちーさん”だけだろうと以前から睨んでいたのですが、衛星追跡センター前で説明を行っていた「JAXAの中の人」のお兄さんにこっそり聞いて確認してみたところ、やはり!
“うすださん”はパラボラが巨大すぎる事もあって、地球スイングバイ中に地球近傍にいる「はやぶさ2」を追尾するとパラボラ鏡面が歪んでしまい通信精度が落ちることや、そもそもそんなに速くパラボラを動かせない為にバックアップに回り、地球スイングバイ中の通信運用は“大うっちーさん”がメイン施設となって「はやぶさ2」を地球に誘導するとのこと!

これは責任重大だ!
がんばれ“大うっちーさん”!!

そして地上で通信運用を行う「JAXAの中の人」の皆さんも、僕たちの「はやぶさ2」を無事に龍宮城へと送り届けて下さるよう、どうかよろしくお願いします!!

…という訳で、今年の内之浦宇宙空間観測所の施設特別公開は終わりましたが、僕は1ヶ月も経たない12月3日に再び内之浦に向かうつもりです。
奇しくも、去年「はやぶさ2」が打上げられ、種子島から飛翔するH-IIAロケット26号機の機影を内之浦宇宙空間観測所の糸川英夫先生の像の前で見送ってからちょうど一年目の日。
(→旅立ち ~はやぶさ2、宇宙へ…内之浦にて ~ 2014年12月03日

同じ場所で、いよいよ深宇宙へと歩み出す「はやぶさ2」を、“大うっちーさん”のパラボラの動きから感じ取り、旅立ちのエールを贈ってきます。


2015年12月3日 太平洋上空約3100kmにて
間もなく、小惑星探査機「はやぶさ2」地球スイングバイ。


2 コメント

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お邪魔します (アスト)
2015-12-12 09:41:27
詳細をアップして頂きありがとう御座います。
内之浦宇宙空間観測所の施設特別公開には1度は行ってみたいと思っているのですが、地元のマラソン大会とカブっており中々行けません。大会スタッフなのです(^^ゞ
イプシロンの打ち上げで1度お邪魔しましたが、施設内は見ていないので是非いつか行きたい場所です!
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アストさん、こんばんは。 (天燈茶房亭主mitsuto1976)
2015-12-13 00:09:58
マラソン大会のスタッフさんをやっておられるのですか。お疲れ様です(笑)
内之浦宇宙空間観測所はJAXA統合前はいつ来ても基本的にどこでも見学OKだったようなのですが、今では年に一度の特別公開の日にしか建屋の中には入れません。是非一度、特別公開にお越し下さい。
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