←「A列車で行こう」で行こう! JR九州新観光特急「A列車で行こう」デビュー・乗車レポート前編からの続き
平成23年10月8日 13時45分

A列車の入線してくる熊本駅4番のりばの隣、5番のりばには、「あそぼーい!103号」が入線しています。
熊本駅と阿蘇・宮地駅を結ぶ観光特急の午後便です。
13時50分頃、熊本駅に再びA列車が登場しました。

発車していく「あそぼーい!103号」と、入線する「A列車で行こう3号」が一瞬、顔を合わせて並びます。


14:08発、特急「A列車で行こう3号」三角駅行き。
A列車の午後便です。
これから再びA列車に乗り込み、もう一度あまくさみすみ線を旅しようと思います。

乗車して先ず向かったのが、1号車にあるカウンターバー、A-TRAIN BAR 。
ここで出される飲み物は、当然アルコールが中心となります。
音楽家の向谷実さんがプロデュースしたA列車オリジナルの公式JAZZアルバム「Take the "A" Train」が流れる、
A列車の象徴とも言うべき、旅を楽しむ大人の社交場なのです!
…残念ながら、僕は小惑星探査機「はやぶさ2」が地球に帰還する2020年までは断酒の誓いを立てているので、ここではコーヒー位しか飲めませんが。

A-TRAIN BARは16世紀の大航海時代、ヨーロッパからの航海者たちが寄港していた当時の天草の南蛮文化をイメージしたという重厚なデザインでまとめられています。

カウンターバーと銘打っていますが、A-TRAIN BARの雰囲気は英国の伝統的なPubに近いようです。

天草のキリシタン文化を現す、教会を思わせるステンドグラスが多用されているのも特徴。





天井を飾るA列車のシンボルマークと、天使のモチーフ。

公式アルバム「Take the "A" Train」のジャケットも飾られています。

A-TRAIN BARの一角に置かれた、どっしりとしたソファ。
家具や調度品の素晴らしさも水戸岡先生のデザインならでは。
ここに座ってA-TRAIN BARの雰囲気に浸りつつ、ひっきりなしに訪れるお客と、バーテンダー役を務める客室乗務員とのやりとりを眺めていると、気分はまるで英国のどこかの街の気の利いたPubの常連客。
あっという間に時間が過ぎてしまう程の愉しさです。
実際、いつの間にやら「A列車で行こう3号」は三角駅に到着してしまいました。
A列車の問題点を挙げるとするならば、やはり乗車時間が短すぎることですね。これだけの充実したカウンターバー設備を持つ列車なのだから、せめて1時間は乗っていたいと思います。
景色のいい御輿来海岸辺りで、暫く停車する等して到着時刻を調整するするサービスも検討していいのでは。
また、やっぱりA-TRAIN BARは黄昏時から夜にかけてのムードたっぷりの時間帯にこそ利用してみたい。A列車の夜間運行も期待したいですね!
三角駅では再び、僅か6分間での折り返し運用となり、
14:52に「A列車で行こう4号」として熊本駅に戻ります。

帰り道では、車内散歩。
A-TRAIN BARの向こう側に連結されているのは、木の扉が印象的な2号車。

上質な大人の為の特急であるA列車にも、1箇所だけ子供の為のスペースが用意されています。
それがこの2号車カウンター席。
窓に向かって並ぶのは、「あそぼーい!」のインテリアを思わせる小さな子供用の椅子でした。
15:31、「A列車で行こう4号」は熊本駅に帰って来ました。




片道1時間に満たない小さな旅だったけれど、これまでなかった「大人が愉しむ為の」上質な旅。
A列車という水戸岡鋭治先生とJR九州の新たなる試みに、大いに共感できた旅でした。



また乗るよ。三角へ、そして天草へ。
Take the "A" Train!
(レポート終わり)