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ニュージーランド星空旅記2009~3、クライストチャーチ・街外れの駅

2009-06-28 | 旅行
写真:クライストチャーチ駅に到着後、構内で機回しを行う「トランツ・アルパイン」号

ニュージーランド星空旅記2009~2、クライストチャーチ・大聖堂と公園の街からの続きです

クライストチャーチの駅は以前は市内中心部から程近いそれなりに便利な場所にあったのだが、現在は何故か街外れのえらく不便な場所に移転してしまっている。
かつてのクライストチャーチ駅舎は現在、映画館と子供向けの学習施設が入った施設として再利用されている。
カンタベリー博物館に行く前に見に行ってみた、これがその旧駅舎。



これが現駅舎。
モダンなガラス張りの建屋だが、ショッピングモールの奥にこっそり隠れるようにあって、かなり小さい。


人けのない駅舎の中には、鉄道が華やかだった頃の名残りだろうか、豪奢なエンブレムが掲げられていた。


駅の周辺はショッピングモールがある以外は殺風景そのもの。


暫らく待っていたら、小型の凸型DLに牽引された貨物列車が通過していった。
貨車は、カラのコンテナ車だろうか?

現在、ニュージーランドの鉄道は民営化による合理化が過度に進んだ状態で、収益の上がらない旅客列車が削減に告ぐ削減で壊滅寸前となっており、ここクライストチャーチを発着する旅客列車は僅かに2往復を残すのみ。
海岸線に沿ってニュージーランド北島の首都ウェリントンへのアクセス拠点となっている港町ピクトンを目指す「トランツ・コースタル」号と、
サザンアルプスを越えてタズマン海を望むグレイマウスへと向かう「トランツ・アルパイン」号がその貴重な旅客列車であり、ニュージーランド南島で運行されている旅客列車はこの2つのみである。
どちらも車窓が大変美しいことから観光列車として人気があり、特に「トランツ・アルパイン」号は世界で最も美しい風景の中を走る列車の一つに数えられることもある程。
この「トランツ・アルパイン」号に、4日後に乗車することになっている。今日は、その下見に来たのだ。

窓口も閉まり、誰もいない駅舎の中で、グレイマウスから戻ってくる「トランツ・アルパイン」号の到着を待つ。
午後6時過ぎの到着予定時刻が近付くと、出迎えの人達がどこからともなくやって来て駅は少し賑やかになった。
「列車を待ってるのかい?もうすぐ着くよ」と声をかけてくれる人もいる。


定刻に到着した「トランツ・アルパイン」号。
座席車6輌に展望デッキ付き荷物車と電源車をつないだ編成で、車内はほぼ満席だったようだ。冬季のオフシーズンなのに、やっぱり人気があるんだなぁ。
列車を降りた乗客でごった返していたプラットホームから人けが退いて、静かになったところでゆっくり撮影。水色に塗られた、瀟洒な客車。展望デッキは昔の日本の超特急「つばめ」や「はと」を彷彿とさせるオープンデッキで、ここからサザンアルプスの風景を眺めながら走ると気持ち良さそうだ。
4日後の乗車が楽しみになってきた。

編成が回送されて引き揚げるまで見ていようと思ったが、暫らく経っても動き出す気配がない。
駅からは乗務スタッフも帰ってしまい、誰もいなくなった。日も暮れて寒くなってきたし、寂しいから今日はもう帰ろうか。

駅前のショッピングモールの裏にバス停があり、ちょうど終バスが停まっていたので飛び乗る。
今夜は、早めに寝て明日のバス移動に備えよう。明日はいよいよ、氷河湖レイク・テカポまで行きます。世界遺産の星空が、そこには待っている!

ニュージーランド星空旅記2009~4、レイク・テカポに続きます

ニュージーランド星空旅記2009~2、クライストチャーチ・大聖堂と公園の街

2009-06-28 | 旅行
写真:クライストチャーチのシンボル、ゴシック大聖堂が冬の青空に聳える

ニュージーランド星空旅記2009~1、シンガポール・赤道を目指してからの続きです

2009年6月15日

シンガポール航空のB777は夜間飛行で赤道を飛び越え、ついでに日本を出てから2度目の時差も飛び越えて、現地時間の朝9時半にニュージーランド南島の中心都市クライストチャーチの国際空港に到着した。



着陸前、窓からは初めて見るニュージーランドの風景が広がっていたが、朝日を浴びて輝く急峻な雪山が先ず目に飛び込んできたのだ。

「あれが南半球のアルプス山脈、サザンアルプスか!」

あの山懐にある氷河湖レイク・テカポ、世界で最も星空が美しく見えるといわれる場所が今回の旅の最終目的地なのだが、その前に先ずはクライストチャーチの街にちょっとだけ滞在する。テカポへ向かうバスは早朝発なので、明日まで待たないといけない。
それまで暫し、“ガーデンシティ”とも称される美しい街だというクライストチャーチを楽しもう。

空港ターミナルから外に出ると、空気が硬くて冷たいのに気付く。
「ああ、冬になった!昨夜は熱帯にいたというのに」

空港から路線バスで市内へ行けるので、とりあえず市のランドマークとなっている大聖堂のある、その名も「大聖堂(カテドラル)スクエア」へ向かう。

クライストチャーチ市内中心部にいると否応無く目に入るゴシック大聖堂。
この大聖堂を中心に街が区画されているので、ここを基点に先ず予約していたホテルを探す。まだ午前中なのでチェックインは無理だろうが、荷物を預かってもらおう。

今夜泊まる「HOTEL SO」、予約サイトでやたらと値段が安かったので即決したのだが、大聖堂のすぐ裏手にあった目指すホテルは若手アーティストが好き勝手にデザインしたような凄い外観。何しろビルの壁面が原色の光るブロックで覆われている。
「なんじゃ、このホテルは…」と面喰ったが、フロントは親切ですぐに部屋を用意してくれた。
で、通されたのがこの部屋。

ベッドがブルーに光ってます(笑)
実は、バスルームも光ってました。それも数パターンに変更可能(笑)ラブホテルかよ!
「今まで世界中で随分いろんなホテルに泊まったけど、室内にイルミネーションのある部屋に泊まるのは初めてだな」
でも、実際に部屋にいるとそれ程違和感がないんだよな。かなり凝って考えてデザインしてるのが解かるし。方向性はともかく。
で、何だかんだ言いながら結構気に入ってしまった。おススメです、クライストチャーチの「HOTEL SO」。

イルミネーションの輝く部屋に荷物を置いて身軽になって、早速街に出る。
先ずは先程の大聖堂へ。

木の天井と梁が暖かな雰囲気の、大聖堂内部。


大聖堂の前からは、これまたクライストチャーチの名物であるトラム(路面電車)が発着する。

街を歩いていると、こんなところからトラムがひょっこり現れたりします。




こちらはトラムの夜の名物、トラムウェイ・レストラン。

トラムの車内で一流レストランのシェフの料理が楽しめる「食堂車路面電車」なのだが、トラムの車内で飲食出来るなんて熊本市電でやってるビヤガーデン路面電車みたいで楽しそう。
尤も、こちらは高級レストランがトラムに乗っている訳なので、大衆的にワイワイ楽しむ雰囲気ではありませんが。

街を歩いていると、トラムが追い越していきます。
何だか懐かしい情景。



トラムの行く先に見えているのは、カンタベリー博物館。

重厚な洋館の内部は完全に改装され、近代的な博物館となっている。

人間によって“食い尽くされてしまった”悲劇の巨鳥モアの標本から、この地がアオテアロアと呼ばれていた時代から暮らしていた先住民族マオリに関する展示、更にはクライストチャーチの街の発展を実物大の建物で再現したコーナーから南極探査まで、館内は実に充実していて見ているとあっというまに数時間が経ってしまう。
それにしても、南極探査コーナーで日本の白瀬矗中尉に関する立派な展示があったのは嬉しかったなぁ。海外で日本人の功績が称えられているのを目にすると、我がことのように誇らしいね。



カンタベリー博物館の裏手は植物園となっており、その先には広大なハグレー公園が続いている。


ガーデンシティ・クライストチャーチの象徴のようなハグレー公園。
生い茂った木立の間のひんやりとした空気を吸い込みながら、夕陽の差し始めた冬の公園を歩いていると、とても気持ちがいい。
このまま歩いて公園を抜けて、街外れにあるというクライストチャーチ鉄道駅まで行ってみよう。
数日後に、この駅から発車する「トランツ・アルパイン」号という列車に乗ることになっているのだ。どんな駅なのか、様子を見ておきたい。

ニュージーランド星空旅記2009~3、クライストチャーチ・街外れの駅に続きます

ニュージーランド星空旅記2009~1、シンガポール・赤道を目指して

2009-06-28 | 旅行
写真:シンガポール、Tanjong Pagar駅の午后

序:
 梅雨の日本を離れて南半球、ニュージーランドに行ってきました。
 氷河湖に聳える山の上の天文台を訪ね、
 やがて世界遺産になる星空を見て、
 雪山を越える列車に乗る。
  そんな旅の想い出語りに、暫しお付き合いを。

 天燈茶房亭主 mitsuto1976


2009年6月14日

早朝の福岡空港、国際線ターミナル。

今日は福岡空港を10:15発のシンガポール航空でニュージーランドへ出発するのだが、昨夜の前泊は乏しい小遣いの都合で(というか最近では毎度の事だが)博多駅近くのインターネットカフェ泊まりとなってしまい、それも格安のナイトパックだと早朝までしか滞在できないので、朝7時前には空港に到着してしまった。
さすがにこの時間だとチェックインカウンターも開いておらず、人っ子一人いない。

海外の空港だと、貧乏ヒマだらけのバックパッカーなんかが空港のロビーに寝転がって夜明かしを決め込んでる姿をよく見かけるが、大人しくてお行儀の良い日本の地方空港では横になって朝寝をする訳にもいかず、待合所で所在無い時間を過ごす。ああ眠い…

待つこと2時間、ようやく開いたカウンターで搭乗手続きを済ませる。
僕の今回の航空券はユナイテッド航空で貯めたマイレージの特典航空券で、シンガポール航空利用なのにEチケットのプリントアウトにはユナイテッドのマークが印刷されていたりするのでカウンターのお姉さんが面食らったらしく
「お客様…これは海外で購入された航空券ですか?」とか聞かれたが、
「マイレージのタダ券なんですよ」と事情を説明したら納得してもらえて、無事チェックイン完了。シンガポールで乗り換えて、最終目的地のニュージーランド・クライストチャーチまでのボーディングパスを渡され、預け荷物もクライストチャーチまで直行となる。
さあ、後はイミグレでパスポートに出国印を捺してもらって、飛行機に乗るだけ!


福岡発シンガポール行きシンガポール航空655便、ボーイングB777。
今日は“沖止め”というか“端っこ止め”で、ボーディングブリッジが使えないのだが、機体を間近でじっくり見られるので僕はこの乗り方好きだな。


離陸して僅か数分で、熊本県の上空を通過する。
この窓の下から、前夜から何時間もかけて移動してきたというのにと思うと、何とも虚し~い気分になるのだが、自分が普段住んでいる土地を空から見られるのはそれなりに楽しかったりもする。
今日は少し雲があるけど、阿蘇の五岳の“涅槃”が奇麗に見えるねぇ。

ネット書店で購入したきり「積ん読」になっていた本・新刊漫画等大量に持ち込んでいるので、機内食を食べたらワインをお替りして機内読書。

魔夜峰央の「パタリロ!」ももう82巻目か、よく続くなぁ…

そんなことをしてる間にSQ655便は、1時間の時差を越えて現地時間の午後3時過ぎにシンガポール到着。


乗り継ぐSQ297便・クライストチャーチ行きは19:50発なので、赤道を目前にして南半球に入る前に5時間ばかり待ち時間がある。
シンガポール・チャンギ国際空港は世界でもトップクラスの快適サービス満点空港で、ターミナル内にはレストランやショップのみならずリラクゼーションコーナーやゆったりカウチ、果ては無料インターネット端末やら無料映画館まで揃っているので、このまま待っていてもいいのだが、せっかくシンガポールに来たんだから入国して街へ繰り出す。
イミグレでパスポートに入国印を捺してもらい、そのまま空港ターミナルの真下にある新交通システムMRTの駅へ。
掻き集めて持ってきた、数年前にシンガポールに来た時に(確か、エジプトへ行く途中の乗り継ぎだったような…)使い残したシンガポールドルの小銭を使ってタッチパネルの券売機で乗車券カードを購入。
冷房がガンガン効いた快適なMRTの電車に乗って、途中1回乗り換える必要があるがそれでも30分もかからずシンガポール市内中心部に到着する。

シンガポールの観光名所といえば“世界三大がっかり名所”の一つに輝くマーライオン像や、後は豪華で高価なラッフルズホテルとかだろうが、そんな場所には最初から目もくれずに向かったのがここ。

マレーシアのクアラ・ルンプール、そしてタイ王国はバンコクのフワランポーン中央駅から連綿と続くマレー鉄道の終着駅、Tanjong Pagar(タンジョン・パガー)
シンガポール国内にある唯一のマレー鉄道の旅客駅であり、駅の運営はマレーシアが行っているので「シンガポールに残されたマレーシア」とでも云うべき独特の雰囲気が漂う場所である。
時間がないので「ちょっと乗り鉄」という訳にはいかないが、この個性的な駅を見に来たのだ。それだけの価値のある、隠れたシンガポール名所だと僕は思っているのですよ。


プラットホームに出ると、丁度列車が出て行くところだった。
マレー鉄道には、タイ国内で運転されている日本のブルートレイン客車を使った夜行列車にしか乗ったことがないが、いつの日か全区間乗り通してみたいものだ。


駅構内にある、「マレーシアの」税関。
この駅は既にマレーシア領なので、ここからマレー鉄道の国際列車に乗ると先ずマレーシアの入国手続きをしてから、国境の橋の袂にある信号所でシンガポールの出国手続きをするという手順になるらしい。通常と逆だ。
もう殆ど、国同士の意地の張り合いだねこうなると。


タンジョン・パガー駅舎内。
ヨーロッパの教会のような、でもどことなくモスクのような。エキゾチックで美しい駅です。


駅舎内にこんなプレートが掲示されているのを発見。
シンガポールとバンコクを結ぶ超豪華クルーズ列車、「イースタン&オリエンタル・エクスプレス」のエンブレム。

「まあ、僕みたいな貧乏リーマンパッカーの乗り鉄には一生縁がない列車だぁね~」

ちなみに「イースタン&オリエンタル・エクスプレス」の車輌はヨーロッパの本家ワゴン・リ社製オリエント急行車輌とは縁も所縁もない、ニュージーランドで使われていた日本製車輌だそうな。
今から行く場所で走っていた客車が、ここで豪華列車に生まれ変わって使われてるのか、何か不思議な感じ…

さあ、シンガポール散歩も楽しんだしそろそろ次のフライトに備えて空港に戻ろうか。
またMRTに乗ってチャンギ空港に戻り、イミグレでパスポートに次のクライストチャーチ行きボーディングパスを添えて差し出すと、入国審査官のおばちゃんから
「あら?もう日本でチェックイン済んでるの?あんた、今までシンガポールに入国して何してた訳?」とか突っ込まれる。
正直に「ハァ、ちょっと駅を見に…」とか云うと不審に思われて面倒になりそうだったので、
「市内でね、買い物してたんだ」とか何とか誤魔化す。あぁ、マイナーな趣味を持ってると色々と苦労する。。。


搭乗ゲート前に来ると、こいつが停まってた。
世界最大の旅客機、エアバスA380!

「でっかいなぁ~!ああ~これに乗りたいなぁ!」

しかしA380はオーストラリアのシドニー行きの機材で、僕の乗るニュージーランド・クライストチャーチ行きSQ297便は福岡から乗ってきたのと同型のB777でした。

「さあ行こう、夜間飛行で赤道を飛び越えて、ニュージーランドへ!」

ニュージーランド星空旅記2009~2、クライストチャーチ・大聖堂と公園の街に続きます