大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

J聯賽 第15輪 大阪鋼巴 0-1 柏太陽神 ~可以接受的範囲

2008-07-07 20:16:51 | ガンバ大阪
内容は悪くても結果だけは残したナビスコのマリノス戦とは逆に、内容は悪くないんだけども、結果は敗戦という試合。こういう時にサポとして、一人のプロスポーツの観客としてとるべき態度が問われるとは思う。確かに内容は何であれ、勝つということには格別の喜びがある。ただ、どんなに強いチームとはいえ、全ての試合に勝つということはできない。負けることもあるのだが、そのような時に、見る者、応援する者を納得して返すことが大事なのではないだろうか。その材料が「試合内容」というものである。すなわち、内容というものに拘るのは、勝つにしても負けるにしてもそれなりの満足を得たいからに他ならないからではないだろうか?まあ、こう書くと、どんな内容でもいいから勝ちきることが全てだという人は当エントリは理解できないだろうね。でもそう考えていると結局負け試合では何も残らないのだけども。

同時に、こうした負け試合の受け取り方は見る側にも問われてくる。その意味で冒頭に付けた中国語のサブタイトルは「受け入れられる範囲」というもの。勿論、筆者にだって勝てなかった悔しさは確かにある。しかし、内容は悲観する程悪くはない。負けたけども冷静に振り返られるものだ。勝ち負けをしっかり受け止め、また次の試合も行こうと気持ちを新たにすることこそが、長期的に見て安定した観客動員に繋がり、ひいてはチームの成績にも結びついて来るのだと私は考えている。

さて、試合を振り返って見よう。シュート数は20対8と圧倒的に上回っているものの、この内枠内にいったシュートというのはどのくらいあるだろうか?ただ、これだけシュートを打って圧倒できるようになったというのは、ある意味マリノス戦よりは次に期待を持てる。実はマリノス戦での内容の劣化を引きずって、不安な気持ちでこの柏戦に臨んだのであった。ガンバの場合内容が良化しなければ結果が付いて来ないチームであるからだ。

だから、マリノス戦のような、数少ないチャンスをモノにして勝つという手法は、1試合ぐらいは上手く行っても、そう長くは続かないだろうと思っていた。なぜなら、FWバレーは数打ちゃ当たるタイプであって、数少ないカウンターのチャンスをモノにできる一撃必殺型ではない。川崎や浦和にガンバのようなサッカーがなかなか出来ないのであれば、その逆もまた真ではないだろうか。だからカウンターの戦術を採ってもなかなか決めきれないし、そのうち押し込まれてしまって最後に守備が破綻してしまう可能性というのも多分に否定しきれない。攻撃が出来なくなれば守備に負担がかかってしまう。故に、遠藤不在の間でも如何にガンバの本来の攻撃サッカーができるかを模索しなければならないとは思っていたのだが・・・

その意味でヤット不在でもそこそこ出来たのであるが、一番ヤット不在の影響が出たのがセットプレーだったか。二川の精度は悪くないし、ポストを叩いた一撃があったからいいのだけども、二川が下がると、倉田や佐々木ではイマイチ。その交代で入った倉田は本来2列目よりはボランチで使って欲しいとは思うんだけども、カントクって明神と橋本の組み合わせをそんなにいじりたくないのか?安田を下げて佐々木という意図もよく判りにくい。それならなぜ加地はもっと上がらなかったのか?あ、上がってなかったからだって?

あとはフィニッシュの精度。まあ、前述したようにカウンターでもバレーが決めきれないなら、如何に手数を増やしていくかがカギなんだが、やはり前半柏が湾ボランチでいた時に決めておきたかったなあ・・・まあ、唯一心配な点は、これだけ押し気味に試合を進めていながらも、決め切れないが故に逆襲食らって失点するというパターン。だからこそ、攻撃の整備というのは課題ではあるのだけども。

柏について言えば、前半ロングボールで裏に出したりサイドチェンジを図ったりしたけども、風上であるせいか、ボールが流れてしまう。これには助けられたし怖さは感じなかったが、後半は地上戦を挑まれてからは彼らのプレス&ショートカウンターが生き出してきた。まあ、日立台のピッチってボールがよく走るイメージがあるんだから、ロングボールよりはショートパスのつなぎの方が有効で、エンドの変った後半はきっちりやられました。菅野はいいGKなんだけど、点差に関係なく、プレーが止った後の次のプレーに時間を掛けすぎているように思える。意図してやっているなら弱者の戦術なんだけども、どうもそんな感じでもない。もう少し早く出来るようになればもっといいGKだと思うんだけども、彼をコーチしているGKコーチってそういえば以前どこかのチームで教えていたような記憶がありましたねえ。

今回の柏遠征であるが、サッカーの前に千葉マリンスタジアムに寄って野球を観戦。ロッテの応援ってまさにサッカーのサポのノリやな。だからサッカーのサポをやっている自分には違和感なくスンナリなじめたし、内野指定席でまったり見ていても外野応援席からの、「パンパンパパパン、パパパン、ロッテ!」というコールに合わせて自分も手拍子叩いたりした。ロッテとレイソルの共通の関係者といえば・・・小宮山を忘れてはいけません。7月にデーゲームって流石に堪えたけども、3時を過ぎると心地よい風がそよいで来た。売店でもEdyが使えるところがマイラーには嬉しい。3連休のフクアリ遠征の時も実はロッテの試合行こうと狙っているんですがね。5回の裏にソフトバンク先発の和田を捉えたビッグイニングは盛り上がりましたね。あと、シコースキーは1イニング限定なら150キロの真っ直ぐまだ投げられます。

柏では試合前に約1年ぶりに「麗園(りえん)」でギョーザを食べた。あの大きい餃子は相変わらずだったけど、心斎橋の「宝島」で味わっている自分からすればちょっと物足りなくなってるかな?試合後には混雑を避けるべく、レイソルロードのスペイン料理の店に寄って、ビール1杯分(試合の日だからこそ)サービスにありついたところはちゃっかりしていますw 店で飲んでいると、レイサポが何人か入って来たのだった。お勘定の際に彼らと少し話しして、店を出た後電車を乗り継いで新宿から夜行バスで帰阪。疲れたけど楽しい遠征やったかな。

J聯賽 第15輪 浦和紅寶石 2-0 FC東京

2008-07-05 22:19:25 | サッカー全般
公式戦5連敗していた為に浦和を取り巻く周りが喧しかったけども、去年のスタイルに戻してとりあえず連敗を止めた。個人の能力は申し分ないが組織的なサッカーが出来ていないという批判がある。しかし、戦術厨の人には申し訳ないが、サッカーは組織だけでなく個の力というのも大きく勝敗を左右するファクターである。そのことを顧みずに戦術だけでサッカーを見てしまうとこのチームの実力を侮ってしまうかもしれない。プロサッカーチームにおいて、何にも増して大きな財産は、才能のある選手を多く揃えることである。監督は戦術を仕込むことができても、6しかない選手の能力を10にまで高めるということは出来ない。組織と個というのが一方だけでも勝てないが、個の能力が高いというのは、逆に言えばそれだけ可能性があるということも言えるのではないか。後は日本のサッカーをリードするに相応しい内容を身につけて欲しいとは思う。

ただ、いきなり従来のスタイルを転換したり、組織的なサッカーがすぐ可能になるわけではなく、それは長期的な課題である。それが浦和のエンゲルス監督に出来るかどうかは判らないが、この人は短期的に立て直すカンフル剤の投入の仕方は心得ている。外から浦和の試合を見ていてもエジミウソンと高原の2トップが機能しているように見えなかったため、田中達也をスタメンに抜擢するというカンフル剤を打った。

これによって達也がスペースに走りこむ動きを見せて前線を活性化させる。先制点は裏に飛び出した達也がよく追いついてエジミウソンにパスを出して生まれたもので、実質的には達也のゴールといっていいかもしれない。まあ、エジミウソンもよく決めたと思いますよ。彼がガンバに居ればバレーよりは点取っているかもしれない・・・と言うと「じゃあ差し上げます」とか言われそうなのでやっぱり浦和で頑張って下さい(余談になるけど、エジミウソンとバレーとを比較したらやっぱり一長一短あると思う)。

その後は浦和らしく、マンツーマンの守備をズラすことなく、ラインを低く構えてブロックを形成してFC東京にスキを与えずに守りきり、後半終了間際には永井によるカウンターのダメ押し点まで奪って見せた。ただ、今回FC東京が立ち上がりから結構前がかりになった為にカウンターが生きたということであって、逆にガンバが埼スタでやったように引いて構えた相手や、最初からサイドを広く使ってきた相手(東京は浦和の守備が引いた状況でやっとサイドを使いだした)に如何に対処するかという課題は残っているし、後半東京にサイドをえぐられて上げられた時も、3バックの高さという問題も残っている。高さに関しては闘莉王をリベロに戻せばいいという向きもある。確かにそうだと思う。ただ、エンゲルスがこの人のポジションをボランチに拘っているというのは、ラインを下げたくないという考えなのだろうか?まあ、今日の試合の展開ならどっちでも良かったけど、もしラインを下げるという前提でなら、サイドからのクロスをケアできるリベロがベターなのかなと思う。

一方の東京。浦和の術中にハマって悔しい思いをしただろう。前半の阿部のタックルだってPKを思わせる微妙なモノだったし、前半アディショナルタイムでCKから今野のヘディングがポストを叩いておらずに入っていたら後半は別の展開になっていたかもしれない。ただ、後半浦和のブロックに対して、スペースを造り、マークをズラしてはクロスを上げさせるべく羽生が右サイドに飛び出して行った動きは良かった。出来れば石川に替えずに最後まで見てみたかったとは思うけどもね。カボレに替わって入った川口信男はよくやっていた。都築のファインセーブがなければ同点弾だったけどもなあ・・・それだけに逆に平山が消えていたのは残念。ポストとしてボールを収めきれていなかったし高さも生かせなかった。そうなると、東京にはカボレと平山がベストな並びなのかということも考え直す必要があるかもしれないが。

とはいえ、敗れはしたけども東京も悪くはない。16日には国立で当たるんだけども、平日の夜に東京参戦はやはりキツい。職場の東京本社が浜松町にあるため、休暇をとっていたとしても、大江戸線に乗っているところを会社の誰かにバレたら流石にマズい(と言いつつ、日曜晩に日立台行くのはどうなのよ)w 味スタはこの時期芝の問題とかを抱えているから難しいところかもしれないが、去年の味スタは、フードコートでキムチ丼を食べ、DVDを買ってアマラオとも握手できたから結構思い出深い遠征でした。相手のアウェーでなかなか結果が出せていなかった分行きたい気持ちはあったんですが、コール氏に国立で再会できるとすれば、ナビ決勝かな、と思う。

日立台の柏戦-雨降ってもらっては困る理由

2008-07-05 08:40:25 | ガンバ大阪
それは日立台に来る前に行く予定である、千葉マリンスタジアムの野球の試合が中止になって欲しくないからなのであるが。

サッカー遠征のついでに野球の試合がやっていれば、なるべくそこへ足を運んで球場の雰囲気を味わおうとするのが、遠征の楽しみの一つではあったので、今回は千葉県が遠征地なので(といっても柏と幕張ってだいぶ離れているけども)ロッテの試合を選択。ということでタカギ(ユ)さんがガンバと同様に愛して止まない千葉ロッテの試合を見に行くんで、頼むから雨は降らんといて欲しいと願っているのはそのせいなんですがねw サッカーの応援は雨でもできるけど、野球は雨天中止になるんやから・・・

さて、日立台の柏戦なんだが、正直言うと今のガンバにあまり内容の上積みは期待できないかもしれない。遠藤の症状を考えると長期的な離脱も覚悟しないといけないのであれば、これから相当厳しい試練が待ち受けていることだろう。だから、柏のノブリンが「ガンバが自分たちよりも強いチーム」と言っておられるのを聞くと恐縮してしまうんよね。水曜日のナビは一応スカウティングしているはずなんだし、今のガンバがどういう状態であるかということもある程度把握していると思うわけよ。まあ、指揮官として、自分とこの選手を引き締める意味で口にした言葉だとは思うけども。

だからこそ、素人の見立てた予想というのを、いい意味で裏切って欲しいとは思うわけですね。素人の予想や期待に応えるだけではプロとしては最低限の仕事をしているかもしれないけど、アッと驚かせてこそ本当のプロ・・・とか言い出すと聡太が古巣相手に何かヤラカしそうな気がするからこれ以上は言わんとこw けど、聡太は最近本当に安定感を増してきました。一時期はサポからはボロクソに言われていたけども、それも頑なまでに使い続けたカントクのお陰です。今度は左サイドを執拗に狙われようが下平(シモダイラではありません、念のため)を使い続けるんだろうなあ。

古巣といえば明神の凱旋試合ということになる。去年アウェーの選手紹介の際にはゴル裏でコールしていたから聞き取れなかったけども、スタンド一体がブーイングに包まれた時に明神がコールされていたというのが判った。それだけ思い入れのある選手だったということなんでしょう。

実は、05年シーズンのオフに明神が来ると聞いた時に、何で、という違和感を覚えた。当時のガンバは遠藤・橋本というボランチコンビが居たから、いくらACLが控えているとはいえ、そこで明神を連れてきたらカントクはどう使うのかと思った。また、降格したら選手が出て行くのが常だとは言え、自分の育ったチームを捨ててまで移籍しようとする明神にはあまり歓迎する気持ちにはなれなかった。事実、06年のシーズン当初は明神・橋本・遠藤をどう使うかカントクも腐心したものだった。

けど、実際ガンバでプレーしている彼を見るにつれて、本当に来てくれてよかったとは思うほど、今までどれだけ彼に助けられたことか。そんな明神を絶対四面楚歌にはさせまい、とガンバサポとして日立台に乗り込むことにします。試合後には夜行バスで帰阪して翌朝そのまま出勤というコースで。

J聯盟杯 4分之1決賽第1輪 大阪鋼巴 1-0 濱水手

2008-07-03 07:35:19 | ガンバ大阪
金沢駅から試合会場に向かうバスの中で最後部座席に座っていた二人組みのマリサポがしきりにボヤいていた「何で平日なのに金沢まで来させるかなー。別に金沢でもいいけど、週末なら普段やんないところだからもっと皆で来たのに」と。

正直申し訳ない気持ちですね。金沢で年に1回やるというのがどういう縁なんだろうか?昔は岡山の桃スタで、なんと浦和戦をやっていたことがあった。今思えば考えられないことをやっていたと思うものだが。地方へのサッカー普及という側面があるのなら、平日のナビスコで1万人よく集まったとは思うけど、だんだんとリーグではなくナビスコ、しかも平日開催を続けていていいものだろうか?まあでも、大阪から金沢まで出てくると少し涼しい感じはしましたから、時期的には悪くないんだけどもなあ・・・

そして試合なんだけども、件のマリサポには申し訳ない気分ですね。よくこんな試合に勝てたな、と思うような内容だった。ヤットが居ないだけで全く別のチームになってしまった。ボールを奪っても中盤での収まりどころがなく、ましてそこから展開することも覚束ない。辛うじてカウンターでバレーのところに渡ったら攻撃できそう、というレベルの攻撃パターンじゃ、正直セットプレーぐらいしか得点チャンスがないと思った。

けどこれは全てをヤット不在に原因を求めるつもりはない。06年の終盤もヤット不在だったけどここまで押し込まれることはなかった。そう考えると今季のガンバがずっと抱えている中盤のプレスがかからない、ゆるーいサッカーやっているツケがヤット不在によって一気に噴出したとも言えるかもしれない。それまではポゼッションによって糊塗できたけど、そうしたごまかしが効かなくなったと言えるかもしれない。

ただ、こういうクソ試合に意味を見出すとしたら勝つしかない、ということも言えたわけであって、勝てたのはよかった・・・それだけでは本当は良くないのだが、こう言えるなんて随分贅沢になったもんやな。去年のナビスコ同様耐えて勝つという芸風が戻って来ました。守備に関しては坂田対策が良く出来ていた。5月のリーグ戦ではラインが高い内に坂田が出てこず、逆に下がったゲーム終盤に坂田が出てくるというチグハグさの教訓として坂田がこの日先発し、マリノスは立ち上がりから彼に目掛けてボールをドンドン放りこんで来るのだけども、中澤(ボンバーじゃなくて聡太の方ね)が上手く対応していた。

しかし、後ろをケアしすぎたせいでラインがやや下がり気味で、その分互いの最終ラインが間延びした為に中盤で廻されてしまったのは仕方がないところ。正直マリノスには中盤で廻されるよりもタテにどんどん放り込まれる方がイヤな感じはしたんだけども・・・それに後半終了間際にガンバが引き気味になったので坂田を下げて大島にしたのはいいんだけども、正直ロニーを下げる時点で大島が出てきた方がイヤな感じではあったけども、この辺り最近マリノスがイマイチ乗り切れていない原因なのかもしれない。例のマリサポもいい加減坂田と大島の2トップで、もっと攻撃をシンプルにタテにボールを出していけ、と言っていたことだし。

この日のガンバは発熱で検査入院したヤットを休ませ、安田に替えて下平をスタメン起用。カントクは北京五輪期間中をにらんだ布陣をテストしたんだけども、下平の守備はやはりまだ軽い。まあ、ガンバの左サイドに守備力はあまり期待していないから、下平には攻撃面で持ち味の正確なクロスを出して欲しいとは思う。この試合だけで見切られることはないだろうし、筆者もこの試合だけでダメと言うつもりはない。ミチが今後代表に取られていくなら、下平の成長は絶対不可欠になるから、辛抱強く使い続けることで少しづつモノになっていくのを待つしかないとは思う。

あと平井初ゴールオメ。彼にとってもナビスコというのは一つのチャンスだろう。個人的にはwithout遠藤というのがこの日の布陣が全てというものではないと思う。武井・倉田・福元にだってチャンスは巡って来るし、藤ヶ谷の今の出来なら松代・はたまた木村にだってチャンスはあるかもしれない。カントクはヤット不在という現実でも何かこう、控え選手を底上げする一つのチャンスだと思っているかもしれないので、皆チャンスをモノにして欲しいものだと思う。

J聯賽 第14輪 大分三神 1-0 神戸勝利船

2008-07-01 07:15:30 | サッカー全般
Jスポで昨夜この試合を見たが、とりあえず、試合した両チームの選手並びに応援・観戦されていた皆さんへ一言。

おつかめさまでした。

なんかそう労いたくなるような試合でしたね。6月終わりに大分で午後2時から試合するというのはやっぱりムリやなあ。いや、気合で試合できたとしても、やはり運動量が落ちてしまう展開になるのは仕方がないのか。神戸が大分の3バックの両サイドと突こうとしてサイドにボール入れるんだけども結局そこで手数をかけられない。もっとサイドバックが積極的に上がって主導権を握ろうにもそれをしてこない。大分のカウンターを警戒しているせいかDFラインも引き気味。互いに引いた上体なのでラインが間延びしていっている。

試合開始から神戸がボールを支配しているんだけども、なんか大分にボールを持たされているという感じだった。そうこうしている内に大分がロングボールを前へ出すようになると徐々にペースを掴むようになり、金崎の個人技が炸裂!何ですかあの、股抜きのパスは?先制ゴールだけを見ると上本のヘディングがクロスバーに跳ね返ったところを森重が詰めていたけども、あれは実質上本のゴールみたいなものだったか。

こうなると大分にとって、「注文通りの展開」が作動することになる。ラインを下げて中央を固めて神戸に決定的な仕事をさせない。神戸を見ていると、大久保の役割がハッキリしていないように思えた。この試合で彼は前線でプレーしていたのか?それとも2列目からの飛び出しを期待されて下がってプレーしていたのか?後者であるならばもっと飛び出す動きが必要だろうけど、結局神戸ではポストアップ(バスケ用語)してボールを受ける選手がいないんやなあ。神戸のチーム事情で大久保はOAの選考から漏れたけども、こういう使い方だと所属クラブでも宝の持ち腐れになり、どっちつかずで終わってしまうかもしれない。松橋章太を途中から出したけども、交代させるべきは大久保だったのではないか。

ところで大分だが、前節の鹿島戦といい、今回の神戸戦といい、勝ち負けの内容には特徴が出ていると思う。それは、

負け試合 -負けたけども内容は悪くない(と酉サポは言うけども)
勝ち試合 -内容はアレだけどもとにかく勝ちきった

というものである。前節の鹿島戦での負け試合についてトリサポらは、「内容は悪くなかった」と言う。しかし、内容で本当に鹿島を押し込むようになったのは、鹿島にセットプレーで先制されてからであって、そこから鹿島には上手くあしらわれてしまったという印象がぬぐえないのである。

これに対し、今度の神戸戦では立ち上がりから神戸に攻め込まれていたもののそれをしのいで、セットプレーで先制し、後半はその虎の子の1点を守りきるというのは、彼らが得意とする、「注文どおりの展開」だったと言える。だから、勝つにしても負けるにしても大分はこれまでの「堅守速攻」のチームらしい内容だとは言える。

となると、課題は「悪くない負け試合」をするくらいなら、いかにしてゲームの開始から主導権を握るべく、ポゼッションを高めていくスタイルに変換していけるか、ではないかと思う。今のスタイルでは、リードされると追いつけない、引いた相手を崩せないという問題が付きまとうからであり、ある程度の順位には付けることはできてもそこから上へ上がれるかは疑問である。

多分、シャムスカ監督ほどの人なら今のチームならどのレベルまで行くかが判っているとは思うし、そこから上へ行く為に当然次なる一手を考えているだろう。その中にスタイルの転換というのも視野には入っているがそれは簡単なことではない。

というのもスタイルの転換というのは合宿を数週間やっただけですぐ成果が現れるものではない。サッカーが相手がある競技である以上、寧ろ最初はなかなか上手く行かずに、成績が下降するリスクを伴うからだ。当然攻撃的に前がかりになる為に失点のリスクは増大する。ただ、本来の目的を達成する為にそうした一時期の屈みというのは将来ステップアップする為に必要な我慢の時期として捉えれば長い目で見れば成果が上がるかもしれない。

まあ、他サポでしかない自分からはあんまりこれ以上踏み込んでどうすべきかとは言えない。というのも大分のクラブの現状を考えると、そうした屈みというのがチームにとって危機的な状況をもたらすという可能性があるかもしれないからだ。事実昨年はスタイルの変換に着手しようとしたけどもそれが上手く行かなかったが故に、途中で残留を見据えたサッカーに軌道修正を余儀なくされた。ハタから見ていると今季はほぼJ1の中位以上のポジションを確保している。だからまあ、個人的には今がチャンスとも思えるんだけども、そうしたチーム事情、現在の成績からすると今のスタイルを継続している方が安定しているしラクなのかもしれない。ただ、そうなると相変わらず勝ち負けには、前述した内容がついて廻るし、サポもこれを甘受しなければならないのであるが。