大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

PJの造反事件で改めて思った現場と編成との意見不一致 ~PJ的造反有理 !?

2010-03-27 08:32:54 | ガンバ大阪
ジュニオール謝罪も…西野監督“使わない”(スポーツニッポン) - goo ニュース

昨日ツイッターでエルゴラでおなじみの永田淳氏が予告していたように、今朝各紙でPJが造反事件について謝罪したという記事が出ていたけども、カントクには直接謝罪はないということだとすると、PJも本心から謝ったというよりは促されたから皆の前で謝ったという感じかな・・・

ちなみにサブタイトルには、毛沢東ではないけども、「PJの造反に理はあるのか?」とつけました。余談になるけども、造反有理という中国語は少し硬い感じがするらしくて、確かに正しく言えば「造反有道理(造反にも言い分がある)」じゃないかと思うわけです。まあ、それをあえて硬い言い方に言い切ってしまうというのは、その言いまわしがもたらす言いやすさ(4つの音節で言い切れる)というのが文革のスローガンとしては最適でそれが扇動的な言葉として伝えられるという効果を狙ったものだったのだろう。毛沢東語録なんていうのは日本語訳にしてしまうと、中国語が持っていた破壊的な語感というのが失われてしまっているらしいし・・・おっと話がだいぶそれましたね。

両者には埋めがたい溝があるのは確かだ。カントクはPJが去年から自分の指示した通りに動いていない、性格の問題があるのかもしれないけどもチームの中で溶け込んでいないと考えているわけで、そうした昨年からの一連の流れの中で今回の事件が決定的なものとなってもう使わないと言っている。

一方のPJからしてみれば、確かに自分の出来が悪かったというのは認めるけども、途中出場でありながら替えられたというのが、公衆の面前で恥をかかされたという思いがあったのではないだろうか?もっとも、別にユニをを投げつけた行為について弁護するつもりはないけどもね。ただ、もしそうだとすればこれは文化の問題ということになるのかもしれない。かつて野球においてもエラーをした外国人選手を、後に選手に食生活の大切さを説く為に自ら反面教師となって痛風にかかった大監督がイニングの途中で懲罰的な交代を行ったんだけども、それがその外国人選手には、巨人戦で全国中継されている中で替えるというのが屈辱以外何ものでもなかったわけで、ベンチの中では物凄く荒れていたらしい。まあ、その場合は結局その外国人選手との契約があり、かつチームの主砲ではあったので、大監督によればその後和解したらしいけども・・・

今回の件で言えば、カントクが使わないと言うことはあの行為だけではなく、戦力としても構想外だと言っているようなもんだろうね・・・それはそれでいいのだけども、逆に言えば何で今までチームに序列をつけて外国人FWを優先して使って来たのかが問われて来るのだけども。結局そうした舶来2トップ志向にこだわり過ぎていたし、その傾向があったからこそアホ弱化部長はチームに合う合わないを無視した補強をしてきたわけだから。つまり、山本山には、カントクには外国人FWが居ないとダメだと思われているわけよ。

ところで今、一番忸怩たる思いをしているのは、他ならぬ山本山なのかもしれない。自分が良かれと思い、レアンドロが抜けてチームが弱体化するのを避けるために獲得し、引き抜きを阻止する為に高額の違約金を設定しておいた。その選手が謝罪したにも関わらず使わないとは何事だ、という怒りを押し殺している(のは、カントクがカナモリから絶大な信頼を置かれているから)。確かに放出するにしても今までとはことなり投資した分を回収できないわけだからカントクが構想外としたからといっておいそれとクビにはできないだろう。だからまあ、PJは多分夏までには飼殺しか、あるいは国内のどこかに貸し出して見本市状態にして中東からオファーが来れば転売という形に持って行きたいんだろうな・・・

改めて浮き彫りになったのは現場と編成との意識の乖離(というか実は犬猿の仲に近い)だろう。山本山は補強した選手を使いこなせいのはカントクが悪いと思っているし、カントクはカントクで、毎年アホ弱化部長が敢行する「補弱」に対して自分が尻ぬぐいさせられていると思っているに違いない。

こうした状態に対して、本来ならカナモリ社長がきちんと手を打たないといけないのだけども、彼は今スタジアム建設の為の交渉に奔走しているという状態でサッカーの部分には手が回らない。というか、本当はあの人だってこういう状態はもうとっくにお見通しではあるんだけども、サッカークラブの社長に就任して2年しかたっていない状態であり、サッカーを十分知っているわけではない。だからこそその立場というのを自覚し、自分は企業経営には全力を注ぎ、サッカーに関しては前からその道でやってきたエキスパートに任せているのかもしれない。確かにこれは企業のトップとしては合理的ではある。自分が強くない分野に関しては、その道のエキスパートに任せる。内部に居なければ外部から連れてくる、という風に割り切っているのかもしれない。

で、今のところ「強化」部のテコ入れをしないというのは彼自身が今の人事がベストではなくても、外部から適任者を探して来るアテがないか、あっても現任の担当者と比較してどうなのかという判断がつかないからなのかもしれない。そこら辺は不満がないわけではないが少なくとも中途半端な理解の元に口出ししてくるところがないわけだし、現に今回の件でもカントクが絶対だと支持を打ち出しているのだからカントクにとっては非常にやりやすいのかもしれない。

実は、今のカントクの体制というのはそうしたカナモリの支持で持っているところがあることを理解しなければならない。それがなかったら、多分弱化部長は去年の契約切れでもってカントクを切りたかったんじゃないかと思っているんですね(表向きは続投を匂わせていたけども・・・)。専門誌によれば最初にオファーした金額はダウン提示だったらしいし・・・

その意味では、現場に口を出さないでカントクに任せるという社長のスタンスには救われてはいるんですね。現場と編成との意見不一致を放置しているのはどうかと思う反面、今のガンバはかろうじて現場力で支えられており、それを支持しているのが社長であると思うとなんとも複雑な気持ちになるんだけども。