常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

デカメロン

2020年02月24日 | 日記
新型コロナウィルスの流行は、いつ終息するのか。今のところ予測はつけられていない。中国では医療のトップが5月ごろにピークに達し、その状態を継続してその後に鎮静する可能性に言及した。非常に強い感染力は、近代の医学でも、その感染拡大を止めることができない。そのウィルスに対する特効薬がまだないために、人々の不安を連鎖的に拡大していっているように見える。

14世紀にヨーロッパを席捲したペストの猛威と人々の恐怖は、今日のウィルスとは比べることはできない。ボッカチオは『デカメロン』でその症状を細かく書いている。
「罹病の初期には男も女も同じように鼠径部や腋下に腫物ができる。人によるがリンゴぐらいの大きさになる。この恐るべき腫物は、その部分から始まって、全身到るところ広がり、やがて黒色と灰色の斑点がたくさんあらわれる。この斑点ができるとその人にとっては死の兆候であった。」

罹病者は一日に1000人以上、致死率はほぼ100%。看病してくれる人もなく、何の手当てもない。人間というよりは、獣のように倒れ死んでいった。『デカメロン』は、このような死の恐怖を忘れようようと、安全な場所に集まって、男女10名が一日一話、十日間計百話を話す仕組みになっている。艶笑譚として有名であるが、その背後にペストという疫病への計り知れない恐怖があったことを忘れてはならない。このペストは14世紀のことだが、人類の歴史は、有史以来、死へ直行する数知れない疫病との闘いであったといっても過言ではない。今、コロナウィルスの流行を見ていると、人類は未だに、恐ろしい疫病の恐怖から逃れられていないことが知れる。

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瀧山

2020年02月22日 | 登山
毎日、朝夕に眺める山、瀧山1362m。春の雪が降ると、その山中には、どんなサプライズがあるのだろうか。つい想像をめぐらす、同時にその姿から、まだあの山に登れるだろうか、という一抹の不安がよぎる。今日の山頂は穏やかで、真向かいには蔵王山の雄姿がその存在感を示していた。登頂を果たして、不安が吹き飛んだかというと、言い切れないという思いが胸底にはある。我が会にとって、この山は冬の定番であった。元気であった時代は、急峻な西壁に付いた雪の上をものとせず、頂上への直登を果たした。しかし、年々会員が高齢化するとともに、参加者は減少していき、最後に登った時は、男性3名という状況であった。

瀧山の南の蔵王温泉側は高湯爆裂火口の火口壁になるもので、屏風岩と呼ばれる。さの北の斜面には瀧山ゲレンデがあり、この日もボーダーを楽しむ若者の姿がちらほらとあった。かつて国内でも名高い蔵王スキー場は、スキー人口の減少と今年のコロナウィルスの流行で、そして歴史にない少雪で淋しい姿を呈していた。しかし、蔵王の山並みの気高さ、遠く飯豊、朝日連峰、月山、葉山、鳥海から右へを視線を移せば最上の山々の眺望は、変わることなく悠久の姿を見せている。
の台ゲレンデから蔵王スカイケーブルに乗って中央高原駅へ。ここからゲレンデの縁を通って温泉を要とする扇の縁のような稜線を目指す。雪は少なく、カンジキは履いたが、それほど沈まないので疲れは少ない。この稜線を歩く度に思うことがある。それは、目に入る稜線の長さだ。自分の足があの稜線を経廻ったのか、信じられないような気分になる。しかし、GPSで見ると6㌔ほど、歩数にして12000歩ほどでしかない。急坂を登っているので、脚には快い疲労感が生れている。こんな錯覚と目を見張るような雪景色。夏、姥神コースや前滝コースなどそれぞれの魅力を知っているが、春間近のこの季節が一番心に響く。今回の山行は、新会員のマンパワーで実現した。初めて雪のなかを歩いた人もいる。夏とは違う、難易度もまたある。9時に出発して頂上には12時半着。休憩を含めているので、ほぼ予測通りのコースタイムである。
この山のもうひとつの魅力はブナ林の美しさだ。この日は霧氷などはついていなかったが、厳しい寒さのなかでは、装った美しさになる。ある時、「こんなきれいなブナ林を見たのは初めて」というと仲間が、「できれば持ち帰って家のものに見せたい」としみじみと語っていたことを思い出す。頂上でカップラーメンの昼食後、急なブナ林の中を下って、温泉街の駐車場を目指して下る。勾配がきつく、ブナやブッシュに掴まりながら、慎重に下る。それでもなれない人たち融けかけた雪に足を取られて転倒。叫び声や笑い声が山中に響く。悪戦苦闘の1時間、やっとの思いで竜山のゲレンデに出る。3時ころになって、ポツリポツリと雨。風も少し出てきたような感じだ。
カメラで撮影しながらいつももどかしい感じを抱く。せっかく見えている景色が、充分な迫力を持って再現できないことだ。撮影技術もあるし、カメラの良しあしもある。今回感じたことは、スマホのパノラマに一日の長があることだ。もちろん、主に使用しているペンにもその機能もあるし、時間をかけてアングルや光の加減を考えればよりよい写真は撮れる。しかし、登山のながら撮影ではそんな時間の消費は許されない。雁戸から山形神室へと続く稜線はスマホ撮影によるものだ。本日の参加者6名、内男性2名。

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梅の花

2020年02月21日 | 日記
春風に誘われて戸外を散策すると、びっくりするような紅梅、加えて赤花マンサクが咲いているのを見かけた。まだ2月の下旬になったばかり、やはり季節は2週ほど早く巡ってきているようだ。この時期には、水戸の梅見が始まる頃、こちらはまだ固い蕾である。

中国でも花を愛する人が多い。1987年、全国投票が行われ、地域によって愛され方が違う名花のランキングが決定された。その投票で梅は堂々の第1位、花の最高位を意味する花魁の名を与えられた。因みに第2位は牡丹、これは花王、第3位は菊、第4位に蘭が選ばれた。

中国の文化を取り入れてきた日本でも、梅は多くの人に愛されてきた。江戸の俳人服部嵐雪は、「梅一輪一輪ほどの暖かさ」という名句を残している。春に他の花に先駆けて咲く梅に、春の訪れを待つ心を詠んでいる。万葉集にも梅を詠んだ歌は多い。

春されば先づ咲く宿の梅の花ひとりみつつや春日暮らさむ(巻5・818)


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最大酸素摂取量

2020年02月20日 | 日記
うれしい報告がある。冬季間の体力づくりで始めたウォーキングや階段登りなどの有酸素運動で、最大酸素摂取量が0.1ポイント上昇して1分間に3.2ℓになった。70歳代の標準は2.9ℓで、高い範囲に入った。2月3日からずっと3.1ℓだったものが、約20日で目標をクリアしたことになる。身体を動かすエネルギーを作るには酸素が必須で、この摂取量が大きいほど強度の強い運動を長い時間続けることができる。そればかりではなく、酸素の摂取量が増えれば、生活習慣病の予防に効果があると言われている。

身体活動量が多い人、よく運動を行っている人は成人病ばかりでなく、メンタルヘルスや生活の質の向上にも貢献する。そのためには身体持久力がぜひとも必要で酸素摂取量を増やすことはその土台となる。年齢ととも減少していく量を維持し、多少との増加させるためには息の長い毎日の運動が必要になる。

昨日、霞城公園で梅が咲いた。例年より2週間も早い開花である。タンポポやオオイヌノフグリ、マンサクなど、春の花も咲いている筈だ。春を訪ねて、戸外の運動はますます楽しくなる。
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アマリリス

2020年02月19日 | 日記
室内のアマリリスが咲き始めて部屋が一気に明るくなった。今朝がたまで降っていた雪も止み、外も明るい。テレビでは朝から晩まで、新型コロナウィルスのニュースである。いつも思うのだが、テレビの報道のあり方は問題が多い。どの局も、どのニュースショウもこの報道一色である。まるで集中豪雨だ。少しテレビの報道を離れて、事態を静観する態度も必要に感じる。子や孫が関東で薬局や病院で働いているので、聞いてみると、薬局には早朝から長蛇の列が出来ているとのこと。主にマスクを買う人の列だ。入荷は一日数個しかないので、品切れを謝るのが仕事だという。この地方でもマスクの品不足は同様だ。

アマリリスはアフリカ原産で、日本への渡来は1800年代である。オランダの商船あたりがもたらしたのであろうか。ヒガンバナ科で球根で増える。我が家のは人からいただいたものだが、最初一株であったものが、鉢のなかで三株に増えた。今年は、三株ともこの時期に花茎をのばしている。これからしばらく、室内でこの花を楽しむことができる。

アマリリス月のなき夜をふかねむり 柴田白葉子
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