常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

カーニバル

2020年02月27日 | 日記
冬と春がせめぎ合っている。朝から淡雪が降り、周りの山もうっすらと雪化粧をし直したようだ。タカか、ワシか大きな鳥が木の枝で羽を休めていた。雪のなかでは、餌を探すのも難しいのだろうか。ところで、ヨーロッパではこの時期に謝肉祭(カーニバル)が行われる。

カーニバルにはふたつの意味が含まれている。冬が去り春を迎えるころ、精進節を迎えるので、人々は「肉よさらば」という言葉でこの季節を表した。同時に、食べられなくなる前に、たくさん食べてバカ騒ぎをしようという意味である。四旬節と謝肉祭は、人々の永遠の課題であった。ブリューゲルはこの課題をモチーフに、「カルナヴァルと四旬節の戦い」という絵を描いている。カーニバル側には大きな酒樽に跨り、焼き豚を突き刺した鉄串を抱えた太鼓腹の男と四旬節側にやせ衰えた老女が二匹の鰊を乗せたパン焼きの板を突き出している。

このテーマは冬を追い出し、春を迎えるレターレに相通じるものがある。痩せた老人が力尽きた冬を表し、若い魅力的な美女が春を代表してその地位を巡って言い争いをする。

夏 わたしはすばらしい輝く夏です。わたしの季節に若者たちは踊りを踊る     
       黙りなさい!すばらしいのは夏です
冬 わしはさまざまな肉をつけた冬じゃ わしの季節に畑や野は雪のなかで眠る
  黙らっしゃい、黙らっしゃい 冬こそすばらしのじゃ

ヨーロッパには四季の概念はない。短い春は夏に含まれ、同じく短い秋は冬に含まれる。冬に対する季節は夏である。これは標高の高い山の季節構造と同じだ。日本では、春や秋が人の中に深く入り込んできたが、このところの季節の変動の仕方は限りなく二季に近づいている。日本らしさが急速に失われていく
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