常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

時計

2020年02月06日 | 日記
立春を過ぎてから雪になった。昨夜目が覚めたので、外を見るとしきりに雪が降って路面に積雪が見えた。朝、6時過ぎに起きて外を見ると、写真のような雪景色になっていた。例年であれば、普通の景色が、今年は珍しい景色になっている。腕につけたスマートウォッチは、時間だけでなく、就寝時間、起床時間も表示する。それによると昨夜は、就寝が10時11分、起床が6時28分である。睡眠時間は7時間52分、目覚めた回数4回とある。自分では、2回ほどは目が覚めた覚えがあるが、あとの2回は覚えていない。さらに、深い眠り1時間53分、浅い眠り3時間29分、レム睡眠2時間30分と表示された。レム睡眠とは骨格筋は弛緩しているが、脳は覚醒状態にある睡眠で眼球の動きでそれが知れる。スコアは78点で、睡眠の質向上のため、日中の運動を推奨している。

時計の進化は目をみはるものがある。太陽とともに起き、日が沈んで睡眠のつく。これが人間が有史以前からの過ごし方であったであろう。時計には日時計とか、水時計とか、様々な歴史があるが、近代の時間を必要としたのは、キリスト教会の祈りの時間である。修道院では昼も夜も一定の時間に祈ることが定められており、その時間を正確に知る必要に迫れれていた。1300年代に、機会による時計が修道院で発明されたと言われている。原理は紐に重りを吊るし、一定の時間で降りていくのに時計の針を連動させたものだ。指定された時間が来るとベルを鳴らし、祈りの時間を知らせた。クロックという語はラテン語のベルから来ている。

シンデレラ物語という童話がある。魔法使いのおばさんがシンデレラに命じたのは、真夜中の12時までに王宮から出なさい。それを過ぎると、馬車も洋服も一瞬で消え去り、もとのみすぼらしい少女に戻りますよ。という厳しいものであった。教会や王宮にクロックという時間を知らせる装置なしには、この物語は成立しない。その後、イギリスで産業革命が進行し、工場で働く労働者は時間によって給与を得るという社会へと移行していった。クロックからウオッチへ、それは携帯可能な時計の出現である。フランスでは装飾的なウオッチが、産業革命が進行するイギリスではより実用的で安価な時計の生産が始まった。部品を作る専門技術者が出てきて、分業によって多くの均質な部品が出来、時計工場はそれを組み立てることで時計を完成させた。まさに今日の自動車やコンピュータの工場のシステムの原型と言うべきものだ。

フランスからイギリス、そしてスイスとアメリカ。それに続いて日本の時計生産の台頭とという歴史をたどっていまや電子化、IT化の競争が始まっている。中国のファーウェイによって、スマートウオッチの大衆化、量産化が進められている。かってのイギリスのように、次代の技術が東洋のいわば最も遅れていた国が先端を走るという皮肉な現象をどう見るか。興味深いことである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする