常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

マンサク

2020年02月29日 | 日記
早春の花と言えば真っ先に思い浮かぶのはマンサクである。いつもの年であれば、残雪の山で見つけるが、散歩コースに咲いているのを知っているので、そこへ足を向けることになる。大坊川の公園には赤花のマンサクが咲く。先日、カメラに収めてきたが、やはりマンサクは黄花でなければ感じがでない。芸工大のキャンパスにも例年咲くので、今日足を延ししてみた。案の定、花は満開であった。ただ、辺りに雪のひとかけらも残っていないのは、この花の雰囲気を損じているような気がする。

マンサクという花の由来には色々ある。春、先ず咲くが鈍ったもの、万作に通じて、花の咲く様がコメの豊作を予見させるという説もある。いずれが正しいかなど、詮索する必要もあるまい。花に目を近づけると、造化の妙としか言いようのない、不思議な構造だ。先端がわずかに内に巻きかえり、花弁の全体がチリメンのような皺をみせている。緑がひとつもないなかに、黄色な花を見せているのは、来る春を告げているような風情である。結城哀草果にこの花を詠んだ名歌がある。

春山の日向に雪のかげしつつゆめよりあはく万作咲けり 
コメント (2)
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