常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

笑い

2020年02月07日 | 日記
雪は止んだが、気温は下がったままだ。今朝は、青空のもと、千歳山の雪景色が美しい。遠くから雪景色を見ながら、室内でユーチューブの交響楽「時計」を聞きながらブログを書くのも楽しいものだ。ユーチューブには色々な楽しみ方がある。サンドイッチマンのコントもたくさんアップされているので、これを見るのも楽しい。テレビの放送時間に合せる必要もなくいつでも楽しむことができる。ところで、生きていく上で、笑いは様々な効用がある。医学的には、癌細胞やウィルスをやっつける役目を果たしているNK細胞(ナチュラルキラー細胞)を活性化することが証明されている。また血圧を下げる効果もあるらしい。とくに注目したいのが認知機能の調査である。毎日笑う人とほとん笑わない人では、認知機能の減退は一年間で半減したという結果が報告されている。

このようなことを知っていたのか、笑いを提供するコメディアンの歴史も古い。チャプリンというコメディアンがいた。戦後、洋画が日本に入ってきて、チャプリンの映画が注目された。その笑いには、ある種のペーソスが含まれていたような気がする。例えば「街の灯」という映画では、チャプリンは浮浪者チャーリーの役を演じている。着ているものは、サイズの合わないボロボロ礼服に山高帽が目につく。街には、渋滞が起きてたくさんの高級車が止まっている。この浮浪者は車のドアからからドアへと通り抜ける。高級車とオンボロを着た浮浪者、この取り合わせが見るものの笑いを誘う。街には花売りの可憐な少女がいた。チャーリーはこの子が気に入り、花束を買っても釣りを受け取らずに、少しでと援助をする。少女は浮浪者を金持ちの紳士と想像する。

ある時、チャーリーは酔っ払いの金持ちから1000ドルもの大枚を貰った。そっくりその金を少女に与える。少女は金持ちの紳士からプレゼントと思って受け取り、その金で医者に行き、目を治す。目が見えるようになった少女は明るくなり、母親と笑顔で花屋で働いていた。それを見かけたチャーリーは、自分の姿を知らない少女に話そうかどうか、辺りをウロウロしている。見かけた少女は浮浪者を憐れんで、いくらかの小銭を与えた。しかし、その受け渡しの手の感触で、少女はこの手はあの金持ちの手であることを知ってしまう。「あなたでしたの」と少女、「見えるようになったんだね」とチャーリー。そこで浮かべたはにかんだ笑い。貧しい浮浪者の姿を見られてしまった悲しみと恥ずかしさ、加えて娘の目がよくなった喜び。そんな複雑な心の動きを湛えた笑いである。敗戦で暗くなった日本人には、このチャプリンの笑いに共感し、ある意味で救われていた。
コメント
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