梟の独り言

色々考える、しかし直ぐ忘れてしまう、書き留めておくには重過ぎる、徒然に思い付きを書いて置こうとはじめる

放浪に憧れても

2023-12-24 10:51:06 | 雑記
今夜の夜汽車で旅立つ俺だよ、当などないけどどうにかなるさ、
有り金はたいて切符を買ったよ これからどうしよ どうにかなるさ
仕事も慣れたし 友達出来たよ それでも行くのか どうにかなるさ
ムッシュかまやつの「どうにかなるさ」
男の中にはこんな風な放浪に憧れの様な感傷を持つ奴が何割かいるんじゃあないかと思う
「北へ流れる」とか「北帰行」とか「さすらい」とかいうような歌は定期的に流行る
洋画でもこういった趣の映画もある、昔のTVコマーシャルでアンダルシアに向かう夜汽車に乗った男が真っ暗な窓の外を眺めると言うのが有った
感傷だとかヒロイズムだとか言ってしまえばそれだけの話なんだが詩人と言われる連中はたいていそんなところから始まるのだろう、
売れなきゃただの放浪者でホームレスで野垂れ死ぬか、現実に目が覚めてこっち側に戻って来るか
こんな輩は糸の切れた凧みたいなもんで誰かに惚れて女房子供と言う重石が出来て初めて空を泳ぐことが出来る
生まれつき家族に縁の薄かった自分もどこで何時死んでも悲しむやつがいないので気楽に好き勝手をやっていた
車を買って、カメラを担ぎ旅をして、金が無くなるまで飲み歩く、貯金なんぞ殆ど無い、所帯を持つ時貯金の額を聴いて呆れていたがそれでも一緒になってくれた、
それからは全額かみさんに渡すようになってやっとまともになった、
35歳で彼女と出会うまでそんな暮らしをしていたが其れはそれでいい思い出である、まあ女房にしてみれば呆れる事かもしれないが結構面白がってくれた
あのまま一人で暮らしていたら恐らく糸のない凧は風に吹かれて紙が破れ、海か山に落ちて細い竹籤だけになって朽ち果てていたのだろうな、しかし恐らくそれでも後悔はしなかっただろうと思う、
どだい、私は後悔と言うやつが嫌いで、強がりではなく「後悔はした事は無い」のだ、
後悔したところでやり直せるわけでもないなら「それはそれでよかった」と考えることにしている、と言うかそうしなければ惨めになるだけだろう、
滑って転んだとしても擦りむいた傷を治せばいいのであって「滑ったことを悔いて」もどうしようもあるまい、滑って転んだ事が無かったことになる訳でも傷が消えるわけでもない、
今度は滑らないように気を付ければいいのだ、同じ所でまた滑って転んだら自分の愚かさを罵るしかあるまい
悔い改める事は重要だが悔い悩んでもどうしようもない、どう生きてどう死んでも「最高の人生だった」と思って死にたいもんだ

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