父親たちの星条旗
11月3日(金)午後、アベノ・アポロシネマ8。
クリント・イーストウッド監督作品
硫黄島で61年前に起こった出来事を、半世紀以上もの歳月を経なければ描くことの出来なかった真実。 激闘に身を置いた兵士たちの心情がつづられる。 日米双方の視点から描く史上初の2部作の内、アメリカ側から描いた“硫黄島”の戦いを描く。当初、日本軍が要塞化した硫黄島をアメリカ軍は、数日で陥落させられると、多数の艦船により、多数の兵士を送り込んだ。 しかし、日本軍の抵抗は熾烈を極め、勝利するまでに何と60日以上もかかった。
本国では、戦費を調達するため、この戦いでの勝利を最大限利用しようとし、勝利の証に、星条旗を立てる場面を、新聞の一面に大きく載せ、世論に訴えると同時に
星条旗を立てた3人を英雄として、本国での戦費調達のキャンペーンに利用した。
利用された3人の末路は、哀れなものだった。
戦争は、所詮、権力者の思いを達成するものでしかなく、“兵士は、使い捨ての物に過ぎない”ことを訴えている、ある種、反戦的な映画ととらえた。
椿山課長の七日間
11月29日(水)、午後、梅田ピカデリー。
浅田 次郎の小説の映画化されたもの。
デパートの婦人服売り場、課長の椿山(西田敏行)は、脳溢血で急死する。
死者は、天国に行く前に「中陰役所」に七日間滞在する。
そこでは、審判の上、“自分の死に納得がいかず、かつ戻るに足る事情が充分ある者”に限り、“逆送”(現世に帰ること)が4日間だけ特別に許可される。
多くの希望者の中から、椿山課長、ヤクザの親分、生父母に会いたい少年が選ばれる。 椿山課長は、絶世の美女(伊東美咲)に、ヤクザの親分は、美男のヘア・スタイリスト(竹内弘実)に、少年は美少女(志田未来)に変身し、現世へ。
そこでは、天を突くような予期せぬできごとが次々と起こっていく。
あの世は、決して“怖い”所ではないと思わせるオススメの映画だ。