福田の雑記帖

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診療報酬改定2014(1) 医療費抑制に舵を切ったとされるが「死に場所難民」が生じる

2014年02月22日 18時02分53秒 | 医療、医学
 中央社会保険医療協議会がまとめた14年度診療報酬改定は、超高齢社会到来を象徴する「25年問題」を見据えた改訂と言われている。
 「25年問題」とは戦後1947年-9年生まれのいわゆる団塊の世代が全て75歳以上の後期高齢者となる年である。

 日本の高齢化問題は、進行の速さを意識した準備段階から、もはや巨大な高齢者絶対数への対応をどうするかに焦点が移った。
 視点を変えると高齢者を支えるより若い集団が少なくなり、例えて言うと「胴上げ型」から「騎馬戦型」へ移らざるを得ない。高齢者医療は人手も金もかかる。今の医療体制では物理的にも経済的にも早晩対応できなくなる。
 
 14年度診療報酬改定は、このような背景のもとに改訂された、と言うがそのコンセプト自体は特に目新しい事ではない。
■1 病状が安定した患者を対象に、在宅復帰を目指す回復期病床を増す。
■2 36万床と供給過剰となっていて日本の医療費を押し上げている重症患者向けの急性期病床を約9万床を削減する。
■3 上記を柱に「病院完結型」から、住み慣れた自宅や地域で患者を支える「地域完結型」へ誘導する。
■4 そのために、複数の疾患を24時間体制で総合的に診る主治医への報酬を新設する。

 確かに、患者の8割が病院で亡くなる時代である。にもかかわらず、多くが本音では自分の家や地域での最期を迎えたいと望んでいることは、末期の患者を扱った経験のある人々が抱く実感であろう。

 しかし、 ■1 -■4を実行するには、もっと細やかな医療供給体制、看護・介護体制、福祉分野の充実が伴わなければ全然現実的ではない。この方針のままでは「死に場所難民」が生じる可能性がある。
 それには、介護職員、ケアマネージャー、福祉分野の従業員等の報酬を上げ、一旦志した道に見切りをつけて現場を離れていく若者を支援しなければならない。

  ■1 -■4は方向性としては間違っていない。しかし、東京のど真ん中で導きだされた方針は、高齢化日本一、広大な面積、冬場の厳しい気象条件の秋田で実行していくには乗り越えなければならないハードルが目白押しである。


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