私はかつてはアンチTV派であった。例外は夕食時のNHKニュースと動物たち生き様を扱ったドキュメンタリーなど狭い分野であった。2年前に突然映画に目覚めた。当初は映画館で見ていたが行きつけの映画館が廃業したために映画をTVで見るようになった。徐々に見るジャンルが増えたが、自然もの、歴史もののドキュメンタリー番組が中心で、ドラマ系はまだ乗り切れない。私はまだTVの初心者である。
グルメ番組は特に嫌だが、今のところTVドラマ「孤独のグルメ」は気に入っていて、書斎での机上作業のときに流し見している。なんで嫌でないのか、と思う。私の好みにかなり合っているからだろう。そのポイントを挙げてみた。私もヒマだね。
(1)ドラマ仕立てについて
■場面設定が基本的に静かである。食堂内の人間模様も多少描かれるが喧噪でない。
■表現に作為的な、無理な誇張が無い。
■場面を見ていなくともつぶやき、話し声で表情や場面が推定出来る。
■つぶやきはなかなかいいセンスで的確な部位に挿入される。
■主人公一人とゲストが短時間出演。実在の店で撮影。経費をかけない超安あがり番組とおもうが、それを感じさせない。
(2)主人公の設定
■自由な生き方をモットーとしている。一人で個人輸入商を営んでいる。
■家庭も持たず悠々自適。
■人付き合いが悪い。いつも一人静かに食事を楽しむ。食事時の会話は好まない。
■酒は飲めない。甘党で和菓子等に目が無い。
■食事に対する信念はそれほどなさそう。第一は空腹を満たす事だが、美味しく、静かに食べようと街中をうろつく。
■選ぶ店は行き当たりばったり。大衆食堂が中心。店の雰囲気や客層を観察し楽しむ。喧噪に居心地の悪さを感じてしまう。
■気に入ったメニューを後先考えず次々に注文し、後悔する。しかし、絶対残さない。
■基本的には素朴な昔ながらの雰囲気、味を好む。
■混んでいる店は敬遠。
(2)主役の松重豊について
■俳優松重豊氏の演技力、個性、暗めの雰囲気によく合っている。
■食事の姿がきれいだ,姿勢が良い。服装もネクタイと背広。崩す事が無い。
■箸の使い方がきれいだ。口元もしっかりしまっていて不潔感が無い。
■時にがつがつと�き込むが、噛む、飲み込むなどの仕草も良い。実にうまそうに食べる。
■つぶやき、独り言はすべてナレーションで入れられるが、その表情がふさわしい。眉間のしわがつぶやいている。
私の好みによく似ているところかな?