銅版画制作の日々

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カランチョ(2010)ラテンビート映画祭にて

2010-10-04 | 映画:ミニシアター

 原題: Carancho

京都駅ビルシネマ、ラテンビート映画祭にて鑑賞。昨日がこの映画祭の最終日でした。終了日滑り込み、このカランチョと愛する人を連続で鑑賞しました。
さてこの主役ソーサ役には先日鑑賞した「瞳の奥の秘密」のリカルト・ダリンが登場。
イメージはまったく違う役です。リカルト・ダリンが出ていることもあってか、お客さんは結構多かったです。
タイトルのカランチョとは、アルゼンチンに生息する鳥の名前らしいです。映画情報を調べていたら、鳥の映像がありました。ということで、おまけに載せちゃいますね。

 ハゲ鷹の一種だそうです。

いきなり交通事故の映像が映し出される。何でもアルゼンチンでは10年間に10万人が交通事故で死亡しているらしい。中でも35歳以下の死亡原因のトップは交通事故だというのだから、びっくりします。
その交通事故にまつわる話。リカルトさん、「瞳の奥の秘密」では紳士的な感じだったが、今回は交通事故を仕組み、事故の被害者に保険金をつける。もちろんそのいくらかの報酬を頂くということだが。これって当たり屋ですね。一応交通事故専門の弁護士らしいけど。

貧しい国なので、生活のためのお金をゲットするには、こんな事をしないとダメなのでしょうかね。でも一つ間違えば、命取りな話です。映画の中でも一人の男が車にぶつかりお陀仏となりました。


ソーサが勤務する弁護士事務所は悪徳事務所。かねてから、この事務所を辞めたいと思っていますが、実は現在弁護士の資格を剥奪されているそうです。


また得体の知れない連中に脅されて、暴力を受けている理由も説明されていません。とにかくソーサ自身、まともな道を歩んでいるような感じではなさそうですね。


さてそんなソーサはある日事故現場で、ER 女医のルハンと出会います。彼女は苛酷な勤務のため、身体が限界状態でした。そんな身体を維持すべく、麻●を足に打って仕事を続けていました。医師とは聞こえが良いが、、、、、。現実は命を削っての激務である。

ソーサもルハンも身も心も苛酷な状態の現実の中で孤独な毎日と向き合っていたわけです。巡りあったのが交通事故現場というのも何かやるせないなあなんて。でもそれだからこそ、お互いの精神状態を慰め合う形になったのかもしれませんね。


ルハンは極限状態で勤務を続ける。そんな状態だから、ミスもあるわけだ。なのに上司は厳しく指摘する。意地悪なのではないかと思うくらい、手厳しい。家に帰ってシャワーを浴び寝るだけの毎日。志してなった医師の道への思いとは何か違うような?

会って二度目で2人は結ばれます。というかソーサの強引までのアプローチがルハンをその気にさせたような感じもします。


ソーサの情熱はルハンの心を捉えるようですね。「瞳の奥の秘密」のリカルトとは正反対でした。汚れ役もなかなか良い!さすが名優です。


傷を治療するだけでなく、心に傷も癒してくれるルハン



交通事故は後を絶たない、貧しい暮らしという辛い現実、仕事もきつい。どちらを向いても明るい未来は見えない、、、、、。そんなアルゼンチンの現実を目の当たりに見せられる。

ソーサはそんな状況から逃避しようと、ルハンと共に考えるもそんな簡単には行きそうにない。

ラストの展開に茫然となった。ハゲタカというタイトルはひょっとしてソーサのことではなく、ハゲタカに狙われているソーサ自身のことを意しているのかななんて、、、、。


個人的には、「瞳の奥の秘密」よりこちらの方が好きな作品でした。

 あらすじ (引用: LBFF 公式サイト
ソーサは交通事故専門のベテラン弁護士。終始、病院の ER や警察に出入りし、ハゲタカのようにクライアントを探し回っている。一方、赴任してきたばかりの若い女医ルハンは、ER にひっきりなしに運び込まれる交通事故の被害者の対応に追われ、満足に眠ることさえできずにいた。2 人は、ルハンが道で被害者を救援中に出くわし、恋に落ちていく。


リカルト・ダリン、マルティナ・グスマン、 トラぺロ監督

2010 年 カンヌ国際映画祭 ある視点部門 出品

製作年: 2010 年
製作国: アルゼンチン=チリ=フランス=韓国
監督: パブロ・トラペロ
出演: リカルド・ダリン、マルティナ・グスマン、ダリオ・ヴァレンスエラ

Comments (5)
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