銅版画制作の日々

ぼちぼち更新致します。宜しくお願いします!

ラブリーボーン☆★THE LOVELY BONES

2010-01-30 | 映画:シネコン


ピーター・ジャクソンの冒険作。原題は愛すべき骨たちなんですよね。
猟奇的殺人の被害にあった少女たちに贈る鎮魂歌らしいストーリーのように思えるが。。。。どうも悲しみや憤りを露骨に表した作品ではないようだ。

 

東宝シネマズ二条にて鑑賞。
いきなり14歳の主人公の少女が殺害されたところから始まる不思議な物語。
同名小説「ラブリーボーン」の映画化。何と世界30カ国以上で1000万部以上売上げ、出版界に一大センセーションを巻き起こした驚異のベストセラー。

監督ピーター・ジャクソンが原作と出会ったのは2002年。最初に原作を読んだのは、「ロード・オブ・ザ・リング」の脚本を手がけているフィリッパ・ボウエンで、そのあとピーターの内縁の妻であり、製作に携わっているフラン・ウォルシュが読み、最後にピーターが読んだ。映画化についてはまったく考えず読んだが、3人ともこの小説に魅了されてしまい。。。気がつけば映画化という言葉が頭に浮かんだと話す。

しかしそれは非常に難しくチェレンジングなものになることはピーター自身わかっていたという。でもだからこそやってみょうという気になったと語っている。

いきなり14歳の少女スージーは、殺され亡くなってしまう。そこから物語は始まるわけで。死んだ人間が死後の世界でどんな風にどんなところでどうしているなんて、正直想像できる話ではないが。本作ではその世界がくまなく描かれている。


死んだらどうなるのか?って一度は誰でも頭の中をよぎったことだろう。それは身近な人が亡くなった時、一番感じる事じゃないだろうか。という意味ではこの物語にはある意味、凄い関心を持たせるものだったかもしれない。


まあ肩透しを食らう場面は多かったけれど。もし亡くなってこの主人公スージーのような同じ立場だとしたら、自分は何をどういう風に感じたり、思ったりするんでしょうね。そんな事を合わせながら鑑賞しました。

STORY

私の名前はスージー・サーモン。お魚みたいでしょ。
1973年12月6日。学校からの帰り道に、近所に住むある男に呼び止められた。
そして、私は14歳で殺されたーーー。

優しい両親とかわいい妹弟に囲まれ、楽しく幸せな毎日を送っていた14歳の少女、スージー・サーモン。初恋の予感に胸をときめかせていたある冬の日、彼女は近所の男に無慈悲に殺されてしまう。最初は自分が死んだことにも気づかなかったスージーだが、やがて天国の入り口に辿り着く。そんな中、犯人は警察の捜査を切り抜け、平然と日常生活を送っている。一方、愛する娘を失った家族は深い悲しみに暮れていた。やがて、父親は残された家族を顧みず犯人探しに妄執し、自責の念に苛まれていた母親はそんな夫に耐えられずに、ついに家を出てしまう。バラバラになっていく家族を、ただ見守ることしかできないスージーだったが…。


スージーの死は両親に大きな悲しみを与えることに。。。。


ピーター・ジャクソン監督とスージー役のシアーシャ・ローナン

シア―シャちゃんといえば、キーラと共演した「つぐない」で、何と13歳でアカデミー賞にノミネートされた注目若手女優さんです。現在15歳です。


そしてこの男が、スージーを殺した憎き犯人ジョージ・ハーヴイ 。
よく見たら「ジュリ―&ジュリア」でメリル扮するジュリアの優しい夫を演じたあのスタンリー・トゥッチ さんじゃあないですか!
実はスタンリーさん、この役を引き受けるかどうか悩んだらしい。極秘の犯○者の自白映像も見たらしい。きつかったと話す。

ジョージは結婚していたらしいけど、子供はいないという設定。一人で大きな家に住んでドールハウスなんぞを作っている得体のしれないおっさん。まさに変○野郎です。


スージー・サーモン  シアーシャ・ローナン
物語の主人公。1973年12月6日、14歳で殺害される。以降天国から家族や友人、そして犯人の人生を見届ける。


ジャック・サーモン  マーク・ウォールバーグ
主人公の父親。犯人(ハーヴイ)を探すことに執着している。そして犯人を見つけ独自に捜査する。

※父親のジャック役にはライアン・ゴズリングが配役されていたが、制作方向性の相違により降板。その後マーク・ウォールバーグが起用されたらしい。


アビゲイル・サーモン (右)レイチェル・ワイズ
主人公の母親。娘を守れなかったことが罪悪感になり苦しんでいる。夫が犯人のことばかり考えていることに嫌気がさし家を飛び出す。


リンジー・サーモン(右)ローズ・マクアイヴァー
主人公の妹。「殺された少女の妹」と言われつらい思いをしている。犯人を怪しいと感じ犯人の家に乗り込む。妹役のローズは現在22歳だそうです。実はシア―シャちゃんよりお姉さんでした。


スージーの弟バックリー・サーモン クリスチャン・トーマス・アシュデイル


リン スーザン・サランドン
主人公の祖母(母方の母)。お酒と派手なことが好き。娘(母親)とは仲はよくないが本人なりのやり方で家族を励ましている。 えらい化粧が濃かった。

大好きな家族に会いたい。
もっと恋がしたかった。
私を殺した犯人のこと、伝えたい。

やり残したことがいっぱいある。でも地上へこの思いは届かない。
天国?では、何でも願いが叶うのに・・・。
初めは自分の死を受け入れられないスージーは遠くの国から見守るうちに、成長していくお話。。。。そんな感じですかね。


大好きなレイ(リース・リッチー)ともキスも出来て良かったんだけど。。。。

ただ彼女の遺体が金庫に入れられたまま土の中に埋められるというあのシーンは凄く痛い。

妹のリンジーが危うく犯人に捕らえられるとハラハラしましたが、何とかセーフ

また憎きジョージ・ハーヴイが捕まるのか?と思いきや何故か上手く逃げてしまいます。でも最後は自ら○爆

スージーの天国のような“中間の地”を作りだす

中間の地という限りない領域を創る時、ピーター・ジャクソンは、スージーの希望や喜び、そしてもっとも深いところにある恐れを反映させる視覚的なメタファーを使う事にした。中間の地はスージーの感情が元になっている。この辺はかなり難しかったようだ。

個人的は結構好きな作品でした。色々腑に落ちないところもありましたが、ピーター・ジャクソン監督の冒険作には拍手を贈りたい気持ちです。

アリス・シーボルドの同名ベストセラーを「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのピーター・ジャクソン監督が映画化した異色のファンタジー・ドラマ。わずか14歳で残忍なレ○プ殺人犯の犠牲となり天国へと旅立った少女が、崩壊していく家族に魂を寄り添わせ、その再生を見守る中で自らも悲劇を乗り越えていく姿を、優しい眼差しでファンタジックかつサスペンスフルに綴る。出演は、14歳のヒロインに「つぐない」のシアーシャ・ローナン、その両親にマーク・ウォールバーグとレイチェル・ワイズ。また、「ターミナル」「Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?」のスタンリー・トゥッチが憎々しい犯人を好演。

メディア 映画
上映時間 135分
製作国 アメリカ/イギリス/ニュージーランド
公開情報 劇場公開(パラマウント)
初公開年月 2010/01/29
ジャンル ドラマ/ファンタジー/サスペンス
映倫 G



製作総指揮にはスティーヴン・スピルバーグ


そして字幕はあの戸田奈津子さんでした。

オフィシャル・サイト
http://www.lovelyb.jp/
 
 
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誰がため FLAMMEN & CITRONEN

2010-01-28 | 映画:ミニシアター

 FLAME & CITRON(英語)


京都シネマにて鑑賞。デンマーク史上最大級の製作費をかけた作品!国民の8分の1を動員した驚異的大ヒット作らしい。

ひたすら暗い、重い。。。。。デンマーク映画ってあまり馴染みがありませんね。原題は主人公2人の名前です。
23歳の若者のコードネームは、フラメン。これはデンマーク語で炎という意味。そして相棒の男は33歳で妻子持ち、コードネームはシトロン。同じくデンマーク語でレモンという意味です。それぞれの本名はもちろんあります。

NATISUドイツが、デンマークも占領したとは知りませんでした。つくづくドイツという国は何処までもえげつない国だと思いました。本作は実際あった話だそうです。主人公の2人ももちろん実在した人物。


実在したレジスタンス2人組。フラメン(煙草を吸っている若者)には、トゥーレ・リントハート。「天使と悪魔」で国際的にも脚光を浴びたデンマークの若手NO。1俳優。

後ろがシトロン役のマッツ・ミケルセン。この方のお顔を見るとあれって思われると。すでに公開されていて皆さんご覧になったあのシャネル映画第三弾目作品、シャネル&ストラヴィンスキーイゴール・ストラヴィンスキー役を演じておられる方です。
また2006年公開の「007カジノロワイヤル」にも出演されています。

デンマークにおける抵抗運動

1940年4月9日、デンマークはドイツ軍の占領下におかれる。占領当初は、「保護占領」の名のもとにデンマーク政府の存続が許され、その分、抵抗運動そのものが他のドイツに占領された諸国と比較してはっきりと目に見えるような展開に至るのが遅かった。しかし1943年までには多くのデンマーク人が非合法新聞の発行から諜報活動・激しい破壊工作に至るまでの幅広い地下活動に参加するようになり、最終的には、ドイツ占領軍やNATI組織に対して他国のいかなる抵抗運動にも劣らない大規模な破壊活動に展開した。
43年8月、増加する破壊活動に対し、占領当局はデンマーク政府の統治権を剥奪。「対決」は決定的となり、破壊工作は激化し、ドイツと戦うというデンマークの原質を疑っていた連合国側もデンマークを同盟国とみなすようになる。1945年4月30日ヒトラー自らの命を絶ち、5月5日ドイツ軍降伏。終戦時、活動家の犠牲者数は850人を上回る人数となった。彼らは活動中、または逮捕され国内に収監中、そしてドイツの強制収容所の中で命を落としている。また、そのうちの102人がドイツ側の軍法会議にかけられたのちSYOKEIされた。

う~んそれにしてもドイツという国はあちらこちらを抑えて、酷い仕打ちを繰り返していたんですね。

デンマークの王国公文図書館が当時の資料を公開せず、語ることの許されなかったタブーとされる史実を、65年経った今、何と目撃証言に基づいて映画化されたというのは、やはり国がそのことを公表したくないわけなんだろうけど。。。。拒否するのは、何故なのかしらね?

 


純粋がゆえに、使命感に燃え愛に翻弄されながらも戦うことしか選べなかったフラメン。


若いベントはターゲットには躊躇なく引き金を引くが、妻子のいるヨーンは殺し屋になりきれない。自分の有能さを示そうと命令を忠実に実行するベントに対し、ヨーンはどこか暴力を嫌っている。

STORY

第二次世界大戦末期、打倒NATISUを掲げた地下抵抗組織(ホルガ・ダンスケ)の一員であるコードネーム、フラメンとシトロンの任務は、GESYUTABOとNATIに寝返った売国奴のANSATUであった。確固たる信念のもと任務をこなしていく2人だが、ある標的と対峙したとき、“何かがおかしい”と初めてANSATUをためらってしまう。更に、フラメンの恋人であるケティ(スティーネ・スティーンゲーゼ)へSUPAI容疑がかかりANSATU命令がくだったことで、組織に対する疑念が急速に膨らんでゆく。


組織は?ケティは?本当に信じることができるのか?誰が敵で誰が味方か?疑心暗鬼に苛まれ苦しむ中、フラメンとシトロンは危険な立場に追い詰められていくことを感じ始める。自分たちがしていることは正義なのか?何のために戦っているのか?
そして己の果てを悟った2人がそれぞれ選択した驚愕の結末とは・・・・?


愛する娘や妻のために強盗までして食料を手渡すシトロン(本名ヨ―ン)
それなのに妻ボーディルは愛する男がいると言い。。。。愕然とするヨ―ンの姿に、何とも言えない寂しさを感じる。

フラメン(本名ベント)は愛する闘士のひとりであるケティが二重スパイであり、抹殺しなければならぬとの指令に苦しむ。


ところがこのケティはGESYUTABOのボスホフマン(クリスチャン・ベルケル)の女だった。本当にフラメンを愛していたのだろうか?

こんな寸評がありました。

小国ゆえに戦火を免れたデンマーク、誰が敵で誰が信用できるのか、抵抗組織の若者は徐々に己の任務に疑問を抱いていく。中立でもなく大規模な蜂起でもなく、中途半端なREZISUTANSUに終始した国民の悲哀をリアルに再現する。

ところで感想ですが。
中途半端なREZISUTANSU終始したというなら、この作品自体も何処か中途半端な流れのように感じました。はっきり言って物語が分かりづらかった。それからラストの2人の最期は彼らが選んだも結末のようですが。。。。。何か現実離れしたような映像のように思えましたけどね。ああいう終わり方をそれぞれ望んだのかしら?

  映画
上映時間 136分
製作国 デンマーク/チェコ/ドイツ
公開情報 劇場公開(アルシネテラン)
初公開年月 2009/12/19
ジャンル ドラマ/戦争
映倫 PG12

監督:オーレ・クリスチャン・マセン

公式サイト (デンマーク語)

公式サイト (日本語)

 

 

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Drパルナサスの鏡☆THE IMAGINARIUM OF DOCTOR PARNASSUS

2010-01-26 | 映画:シネコン

 これが本当のヒース・レジャーの遺作です。

テリー・ギリアム監督最高傑作と呼び声も高い「Drパルナサスの鏡」を鑑賞してきました。すでに鑑賞された方から聞いてましたが、結構ヒースの出番は多いです。撮影半ばで逝ってしまったヒースと3人がどんな風に繋げられているかがちょっと気になっていましたが。。。。意外にも違和感なかったように思います。
現実世界の主人公トニ―役はすべてヒースが演じていたからかもしれませんね。結局撮り終えていないのは鏡の中の幻想世界だけということでした。

幻想世界は、作品の中に登場する観客の願望によってトニ―の容貌も変化するというアイデアをギリアム監督は思いついたようです。脚本を変えず、撮影を続けられると確信して、トニー役を探したそうです。
そして代役を最初に快く引き受けたのがジョニー・デップ。かってギリアム監督が制作途中で中止となった「ドンキホーテを殺した男」があるのですが、この作品に出演者として監督と同じ痛みを味わったのがジョニーだったのです。今回のヒースの死で、またギリアム監督作品が暗礁に乗り上げかけた事に対して盟友である監督の頼みを断るわけにはいかなかったようです。


ヒースの親友たち

ジョニー、ジュードそしてコリン。それぞれ生前のヒースとは親友だったという間柄。
そんな3人が亡きヒースの後を引き継いだのであります。

STORY

2007年のロンドン
今にも壊れそうな馬車が、タワーブリッジの袂で停車した。馬車から奇妙な舞台が現れる!現代と昔が融合している映像が何とも言えない。。。。。


旅芸人の一座の出し物が始まるのだ。

座長は1000歳以上だという老人パルナサス博士(クリストファー・プラマー)。座員は博士の美しい娘ヴァレンティナ(リリー・コール)、彼女に想いを寄せるアントン(アンドリュー・ガーフィールド)、皮肉屋で頭の回転が早いKOBITOののパーシー(ヴァーン・J・トロイヤー)。
アントンの口上で始まったのは、人が心に秘めた欲望を具現化して見せる“イマジナリウム”パルナサス博士の瞑想に導かれて鏡を通り抜けた観客は、そこに広がる自らの願望を形にした幻想世界を体験できるのだ。しかし、怪しげな一座の舞台にあがる観客はいない。いたずらな子供が偶然飛び込んで、めくるめく体験に目を丸くするだけ。

かってパルナサス博士は、人里離れた山里で暮らす偉大な僧侶だった。

今でもその気になれば世界を揺るがす力を持っているのに、彼は何かに脅えていた。悪魔のMrニック(トム・ウェイツ)にそそのかされて下界へ降り、一人の女性に恋をした時、それまで不死だった博士は死と若さを手に入れるためにMrニックととんでもない約束をしてしまったのだ。。。。

その女性との間に生まれたのが、娘ヴァレンティナである。彼女は普通の家庭に憧れ、いつか一座から逃げ出したいと願っていた。


リリー・コールはスーパーモデルだそうです。身長179cm、体重が50kg、凄く痩せています。

そんなある日、彼女は、橋から首を吊られていた若い男、トニ―(ヒース・レジャー)を助ける。記憶喪失の彼はそのまま一座に加わり、客寄せを手伝う。魅力的な容姿と巧みな話術で一気に女性客が増え、ヴァレンティナも彼に心を奪われる。

さてパルナサス博士がMrニックとの約束の期限が3日後に迫っていた。そんな時Mrニックが突然現れ、博士にある賭けを持ちかける。鏡の向こうの世界で、先に5人を“獲得”したら、あの約束はなしにするというものだった。


パルナサス博士役のクリストファー・プラマーはあのサウンド・オブ・ミュージックでは、トラップ大佐を演じた方です。懐かしいですね。

その約束とは、娘ヴァレンティナが16歳の誕生日を迎えたらMrニックに差し出すというものだ。

幻想世界に入場した客に悪魔の歪んだ欲望の道か、博士の節度ある道かを選択させる。

そんな事情を聞きつけたトニ―は舞台をゴージャスかつファッショナブルに改装、SAGISIも驚く才能を発揮して、次々と鏡の中へ女性客を誘導していく。
実はトニ―の記憶はほとんど戻っていた。
橋の下で自分を殺そうとした男たちの姿に気付いたトニ―は客と一緒に鏡の中へと逃げ込む。

鏡の向こうのトニ―、その1はジョニー・デップ
ジョニーは3人の中で出番が少なかった(涙)


客の願望を形にしたトニ―は、彼女を博士の選択に導くことに成功する。

鏡の向こうのトニ―、その2はジュード・ロウ


残り1人となった時、トニ―自身の願望を反映したトニ―は誘導に失敗

鏡の向こうのトニ―、その3は コリン・ファレル

追っ手と悪魔に迫られて窮地に立ったトニ―とヴァレンティナは2人一緒に鏡の向こうへと逃げる。ヴァレンティナ願望のトニ―がさらけ出す、彼の真の姿とは?

さて期限まであとわずかに迫った中、博士は娘を救えるのか・・・・・?

製作の背景(ウィキぺデイアより抜粋)

2007年12月にロンドンで撮影開始。撮影中にトニーを演じるヒース・レジャーが急逝、撮影が中断し一時完成が危ぶまれたが、彼と親交のあったジョニー・デップュード・ロウコリン・ファレルの3人が別世界にトリップしたトニーを演じることが決まり、撮影が再開された。なお、ヒース・レジャーの出演しているシーンはそのまま使われている。3人は、本作の出演料全額をヒースの遺児である娘マチルダ(当時2歳)に寄贈した。

 Drパルナサスの鏡☆イギリス版予告編

第62回カンヌ国際映画祭上映作品。

ギリアム監督のインタビューをちょこっと→こちらを見て下さい。

解説(allcinemaより抜粋)

 「未来世紀ブラジル」「バロン」のテリー・ギリアム監督が贈るミステリアス・ファンタジー・アドベンチャー。主演は「ダークナイト」のジョーカー役で鮮烈なインパクトを残したヒース・レジャー。彼は本作撮影半ばで急死してしまい、これが遺作となる。彼の死によって一時は完成が危ぶまれたが、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルの3人が後を引き継ぐ形で鏡の中の主人公を演じ分け、無事完成に漕ぎ着けた。一人の少女を助けるため、現実世界と不思議な鏡の中の幻想世界を行き来する主人公の姿を、イマジネーションあふれるヴィジュアルでファンタジックに描き出す。共演に、「インサイダー」のクリストファー・プラマーとスーパーモデルのリリー・コール。


メディア 映画
上映時間 124分
製作国 イギリス/カナダ
公開情報 劇場公開(ショウゲート)
初公開年月 2010/01/23
ジャンル ファンタジー/ミステリー
映倫 PG12
オフィシャル・サイト
http://www.doctorparnassus.com/ (英語)
オフィシャル・サイト
http://www.parnassus.jp/

ミステリーでファンタジーな独特の世界はギリアム監督らしいものでした。結構好きですね。

 

Comments (9)
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サロゲート◇◆SURROGATES(2009)

2010-01-23 | 映画:シネコン


やっぱりブルースはスキンヘッドが良い!

ブルース・ウィリス主演、「サロゲート」を鑑賞しました。何でもアメリカンコミックが原作だそうです。
The Surrogates←詳細はこちらをご覧ください。

ところでこのお話、アバターと被っているような気がするのですが。。。。如何でしょうか?
サロゲートとは、直訳すると代理者という意味らしい。作品に描かれているのは人類の100%弱が身代わりロボット“サロゲート”を使って生活をしているという世界のお話である。人間は外出せず、サロゲートの媒介であるスティムチェアという機械から遠隔操作をして生活の全てを委ねるというものらしいが。。。。。

さてアバターと被ると思ったのは、アバターの体を、ドライバーとなる人間の意識と連結させることで人間がコントロールできるというもの。媒介で分身を操作するというのはやはり似ているように思います。何かありがちな内容だと思うんですがね。


金髪ヘアのブルースは、ブルース演じるトムのサロゲート。
何処となくズラだと分かってしまうヘアスタイル。これはやめて欲しい!!


STORY(allcinemaより抜粋)

人間の身代わりロボット“サロゲート”が普及し、その常用が不可欠となった近未来。人間は外出せず、サロゲートとの媒介となるスティムチェアーから遠隔操作することで、実生活の全てをサロゲートに委ねていた。一方でサロゲート排斥運動を指導する予言者ら反対派による独立区も生まれる中、サロゲートの採用で犯罪や伝染病、人種差別が激減し、人類は理想的な社会を実現したのだった。だがある時、ほぼ完璧に安全なはずのこの社会で殺人事件が発生する。2体のサロゲートが破壊されただけでなく、持ち主までが変死していたのだ。事件を担当するのは、FBI捜査官トム・グリアー(ブルース・ウィリス) とジェニファー・ピータース(ラダ・ミッチェル) 。彼らもまた自分たちのサロゲートを駆使し、捜査にあたる。するとグリアーはやがて、犯人が隠し持っていた武器から、事件とサロゲートの最大手メーカー、VSI社との関連性を突き止めるのだが…。

ブルースお得意のアクションが見られるものの、いつもより抑え目の様子。何がこの作品の見どころかと考えると、う~んどこなの??って感じ。。。


金髪美女を演じるラダ・ミッチェル。
ビュンビュン。ヒョイヒョイと車を飛び越えて、凄かった!


預言者役はヴィング・レイムス

そしてサロゲートを作ったキャンター博士にはジェームズ・クロムウェル
最近ではブッシュ、ジェイン・オーステイン秘められた恋に出演している。今回は悪役でした。


トムの妻マギーにはロザムンド・パイク 、アンディ・ストーン役ボリス・コジョー

 


キャンター博士がジェニファーのサロゲートを遠隔操作。いったい何を企んでいるのか?


そして遠隔操作で再びサロゲートになるトム。果たして人類を救えるのか??


ブルース・ウィリス主演で放つSFサスペンス。人間が各々の身代わりロボット“サロゲート”に日常生活の一切を任せるようになった近未来社会を舞台に、FBI捜査官がある殺人事件を機に浮き彫りとなっていく巨大な陰謀へ迫るさまをスリリングに描く。共演は「サイレントヒル」のラダ・ミッチェル、「007/ダイ・アナザー・デイ」のロザムンド・パイク。監督は「ターミネーター3」のジョナサン・モストウ

ブルースの新作に期待していましたが、う~んちょっと残念でした。途中眠気に襲われました(汗)


やっぱブルース、ズラは似合わない。。。。。

ロボットがすべてを代行する社会。
それは、ユートピアのはずだった…。

メディア 映画
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(ディズニー)
初公開年月 2010/01/22
ジャンル SF/サスペンス
映倫 G
オフィシャル・サイト
http://chooseyoursurrogate.com/ (英語)
オフィシャル・サイト
http://www.movies.co.jp/surrogate/

 


 

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今度は愛妻家

2010-01-21 | 映画:シネコン


夫婦には「さよなら」の前に、やらなければならないことがある。

おぉ~こういう話しだったとは。。。。

東宝シネマズ二条にて鑑賞。新年2作目の邦画です。あの豊川悦司と薬師丸ひろ子が2度目の共演となる作品だと思います。(1992年の「きらきらひかる」以来だと記憶)
鑑賞している間は、気付かなかったのですが、この作品の舞台はほとんど北見夫婦の家が中心です。沖縄旅行での浜辺のシーン、商店街、近所の小さな神社なども少し登場するんですが。ほぼこの2人の愛の巣が中心となります。
何故なのか?と調べたら、実は2002年に舞台となった作品だということが分かりました。中谷まゆみさんの戯曲。中谷さんは、大学在住から第三舞台の演出助手としてやって来られた脚本家だそうです。

STORY(テレビTOKYO CINEMA STORYより抜粋)

かつては売れっ子カメラマンとして名も実力もあったが、今はロクに仕事もせずにぐうたらな毎日を送っている北見俊介(豊川悦司)。女性に甘く、気ままに生きる典型的な駄目亭主だ。大の健康マニアの妻さくら(薬師丸ひろ子)は、そんな夫に文句を言いながらも何くれなく世話をやいている。


クリスマス直前に、半ば強引に連れていかれた子作りのための沖縄旅行から1年後。相変わらず、だらけた毎日を過ごす俊介は、なぜか一枚も写真を撮ることができない。ある日、友達と箱根旅行に行く間際になってあたふたとするさくらは、いつものように軽口をたたく俊介に、「子供を作る気がないなら、別れて」と悲しげな表情で告げる。いつもと違うさくらの態度に、なんとか応え、その場を乗り切るが、二人の関係は以前とは微妙に違っていた。


金髪ヘアのトヨエツもなかなかイケてます。

さくらと入れ代わりに、映画のオーディション用の写真を撮ってもらうために、バーで知り合った女優志願の蘭子(水川あさみ)がやってくる。俊介は蘭子といいムードになるが、電車を乗り過ごして戻ってきたさくらにシャワーを浴びている蘭子の靴を見られて、ついに愛想を尽かされてしまう。結局、俊介は蘭子とのHはとりやめ、写真も助手の誠(濱田岳)に任せてしまう。

いつまで経っても、さくらは旅行から帰って来ない。始めは独身生活を楽しんでいた俊介だったが、次第にさくらがいない生活に苛立ち始める。近所で洋品店を営むユリ(井川遥)を飲みに誘うも、さくらが気になり自らやめてしまう始末。ぼんやりと過ごす俊介を不安気な様子で見つめる誠と、北見家に出入りする世話焼きのOKAMAの文太(石橋蓮司)。蘭子の妊娠騒動が起こる一方で、俊介はさくらをたずねてやってきた西田(城田優)という青年の存在が気になっていた。


石橋蓮司が何故か美輪明広と被って見えた?


カメラはハッセルブラッドを使用。う~ん凄い


そこへ突然帰宅したさくらは「一年前から好きな人がいる」と告白し、離婚記念に写真を撮って欲しいとお願いする。さくらの言葉に、俊介は一年ぶりにカメラを手にし、写真を撮りはじめる…。


「ねぇ、写真撮ってよ。」一年前の沖縄旅行で言われた同じ言葉を思い出す北見。
喧嘩が絶えなかったけれど、穏やかで楽しかった夫婦生活が、どこでどうくるってしまったのか?愛して結婚したはずなのに、いつの間にか素直になれなくなっていた日々。いなくなってみて初めて、さくらの存在の大きさに気付く俊介。近づいてきた、クリスマスの夜。戻ってきたさくらに初めて自分の想いを口にする俊介。取り戻せない時間の中、抱きしめあった二人は…。

さくらが大事な存在だと改めて感じた俊介はもう一度やり直すつもりでいたから。この物語ははそんな俊介とさくらの夫婦再生物語なのだと勝手に思っていたら、全く違いました。あまりにも切なくて悲しいことになっていたんですね。ネタばれになるので、この先は書きません。

ちょっとヒントです。大事なものだったと気づくのはその存在がその場所から無くなったときかな?

  映画
上映時間 131分
製作国 日本
公開情報 劇場公開(東映)
初公開年月 2010/01/16
ジャンル ドラマ/コメディ

監督:行定勲

主題歌:井上陽水 『赤い目のクラウン』

劇中では、2人が「夢の中へ」を唄っています。

薬師丸ひろ子さん、現在45歳。14歳でデビューだそうです。何と芸歴31年。


オフィシャル・サイト
http://www.kondoha-aisaika.com/

 


 

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ヴィクトリア女王 世紀の愛(2009)THE YOUNG VICTORIA

2010-01-18 | 映画:ミニシアター

京都シネマにて初日に鑑賞。

18歳で即位し、英国を最強の国家に導いた若き女王。その愛と真実の物語。

この国と、あなたを守る。


初日から大入り満員。100席ちょいのシアターも半分以上埋まっていました。人気あるのかな?こういう王室物って。。。。。
お恥ずかしい話ですが、イギリスの王と言うと、エリザベス1世しか思いつきませんでした。そうそうヴィクトリア女王もいたんですよね。
エリザベス1世の場合ですが、王位に巡っては陰謀や愛憎が渦巻くというかなりややこしい話でしたが。ヴィクトリアにおいては、誕生時から王位を約束され、好きな男性と結婚ができ、多くの子供を儲け、インドの初代皇帝に即位するなど世界各地を植民地支配し、公私ともにエリザベス1世よりはるかに恵まれた女王だそうです。

また誰もが知っている彼女は、喪服を着た老人としての姿かもしれない。そんなヴィクトリア女王がひとりの女性として、イギリス国王として、最も輝いていた時代の知られざる日々と、その立役者であったアルバートとの愛の記録を描いたのが本作の「ヴィクトリア女王 世紀の愛」であります。

ヒロインのヴィクトリア女王を演じるのは、あのエミリー・ブラント。おぉ~「サンシャイン・クリーニング」のダメ妹を演じた彼女が何と主役のヴィクトリア女王を演じるとは。今まで脇役での出演が多い人なので、主役で女王役とは正直驚きました。


ヴィクトリア女王役のエミリー・ブラントアルバート役のルパート・フレンド

ルパート・フレンドと言えば、「縞模様のパジャマの少年」では若きナチス兵を演じた方で、キーラ・ナイトレイとお付き合いしている俳優さんでしたね。役柄で誰だが分かりませんでした(汗)

生まれた時からプリンセスとして大事され、蝶よ花よと育てられてはいたが、その実態はなかなかどうして大変だ。決まり事や束縛された息苦しい生活。階段を下りるのにも侍女の手を借り、就寝も母と一緒。監視され、行動も指示される。きっとヴィクトリア自身、どれだけ自由になりたいと思ったことでしょう。

時期女王のヴィクトリアは、母(ミランダ・リチャードソン) と母のAIZIN・コンロイ(マーク・ストロング) に「摂政令」にサインを求められるが拒否、日々の生活はますます重苦しくなる。


母の名前はヴィクトリア・オブ・サクス=コバーグ=ザールフィールド
非常に長いお名前です。横にいるのがあのコンロイです。ヴィクトリアの変りに政治に首をつっこみたい。。。。権力を我物にしょうという企みが見え見え。

1936年、時の王ウイリアムが病に倒れ、王位継承者だったヴィクトリアは、王室の権力争いに巻き込まれていた。次期女王の夫の地位を巡り、ヨーロッパ中の列強国の思惑が複雑に絡み合い、水面下で様々な工作が進められていた実はいとこのアルバートも当初はそんな1人だった。イギリスを思い通りにしたいベルギー国王が、甥であるアルバートをヴィクトリアのもとへ送り込んだのだ。

2人はお互い正直な気持ちを打ち明けあって急速に惹かれあっていく。2人はでやりとりを始める。


叔父の後を引き継ぎ、ついに女王の座に。。。。。

初めての出会いでお互いにときめいた2人。しかし、当時、女王への求婚は禁じられていたため、アルバートは次期女王であるヴィクトリアからの言葉を待つしかなかった。ヴィクトリアは女王になってから、幾多の危機に直面し、自分を利用しない唯一の存在であるアルバートにプロポーズした。


“Marry me(結婚して)”と逆プロポーズ。


そして本作で忘れてはならない人物がこの人です。
メルボルン子爵ウィリアム・ラム。ヴィクトリアが信頼してやまなかった首相。彼を個人秘書として抜擢。ポール・ベタニー が好演していました。

 

1840年、ヴィクトリア女王とアルバートは晴れて結婚する。華々しく、そして幸せそうな表情を見せる2人のロイヤルウェディングに、イギリス国民は熱狂した。輝く純白のウェディングドレスに身を包んだヴィクトリア女王は、当時の女性の憧れの的となった。しかし、3日間の愛に満ちた結婚休暇を過ごした2人に、マスコミが書き立てるスキャンダル、それに怒る国民の暴動など、幾多の試練が待ち受けていた――。

当初はアルバートからの統治に関するアドバイスに反発したヴィクトリア女王も、やがて愛ゆえの指摘と受け入れるようになり、危機に直面するたびアルバートに支えられ、イギリスの最盛期を築いた。また、私生活では9人の子供を授かり、愛情いっぱいのロイヤルファミリーとなる。

2人の終焉は1861年。アルバートは病のため、42歳という若さでこの世を去る。ヴィトリアはその後81歳まで君主の座にとどまったそうだ。在位64年。これは最も長いということらしい。
(envy、INTRO、ウィキぺディアより抜粋)
 

イギリス史上最も繁栄した時代を築いた女王ヴィクトリアの若き日に焦点を当て、政争やスキャンダルなどさまざまな試練に見舞われながらも、その都度絆を深めて乗り越えてゆく夫アルバートとの美しくも純粋な愛の軌跡を描く感動の歴史ドラマ。主演は「プラダを着た悪魔」のエミリー・ブラントと「プライドと偏見」のルパート・フレンド。共演にポール・ベタニー、ミランダ・リチャードソン、ジム・ブロードベント。監督はカナダ出身の期待の映像作家ジャン=マルク・ヴァレ

そして製作にはあのマーティン・スコセッシが関わっています。

メディア 映画
上映時間 102分
製作国 イギリス/アメリカ
公開情報 劇場公開(ギャガ)
初公開年月 2009/12/26
ジャンル 歴史劇/ロマンス/ドラマ
映倫 G

公式サイト (日本語)

公式サイト (英語)

 

 

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かいじゅうたちのいるところ◇◆WHERE THE WILD THINGS ARE

2010-01-16 | 映画:シネコン


その島で待っている見たことのない世界

流したことない涙ーー

東宝シネマズ二条にて初日に鑑賞しました。
我想一個人映画美的女人blogのmigさんお薦めの作品で気になっていました。
モーリス・センダックによる世界的ベストセラーとなった同名絵本スパイク・ジョーンズ監督によって実写映画化した作品。
主人公は8歳の少年マックス。この男の子を演じたマックス・レコーズ少年がまたたまらく愛おしい子なんですよね。母や姉にかまってもらえないせつない心理を上手く演じていて、ウルっときましたね。

さて物語に登場するかいじゅうたちもなかなか味があって良いです。原作本に登場するキャラクターと比較しますと、絵本に登場する絵と近いかもしれませんな。


これが絵本のかいじゅうたちとマックス

最近はCGという最新の技術をあますことなく使って素晴らしい映像を作りますが、今回はそうではありません。(まったくCGなしではないのですが)

ウィキぺディアさんの記事から抜粋させてもらいます。

撮影は2006年にオーストラリアで行われた。怪獣たちは最新技術によるCGではなく怪獣映画などで使われた昔ながらのアナログ手法であるスーツアクターによる着ぐるみを用いて表現し、編集作業で着ぐるみの顔にCGで豊かな表情をつけた。

昔の怪獣映画のあの懐かしい手法というのが、味わい深い映像を作りだしているんですね。好きですね。こういう感じ 

原作「かいじゅうたちのいるところ」は世界で一番有名な絵本だそうです。全世界の売上部数も何と2000万部を超えているなんて快挙ですよね。1963年の出版から50年近く経った今もなおベストセラーであり続けるなんてまさに怪物、いや怪獣絵本と言えるでしょう。
あのオバマ大統領が3万人の親子を集めて、自ら朗読したのだから、傑作絵本と言えるでしょう。

俳優であるトム・ハンクスが真っ先に取り組んだこの絵本の映画化。足かけ12年のプロジェクトに本作の監督スパイク・ジョーンズも熱烈なこの絵本の愛読者だったという。

STORY

8歳のマックスは不満を募らせていた。姉のクレアは友達ばかり大事にして、弟のマックスはのけ者扱い。マックスを「世界の王様」と呼んでくれたパパは、ママ(キャサリン・キーナー)と離婚してもういない。
ママは家事や仕事で忙しい。それに恋にも忙しい。。。。
恋人(マーク・ラファロ)が家に来ると、マックスが声をかけても上の空。


学校の授業で聞かされたのは、「太陽もいつか消える」という話。
何だか空も薄暗い。。。。。

そしてある晩、たまりにたまったマックスの不満が爆発した。
オオカミの着ぐるみを着たマックスは、テーブルで暴れ出す!

ママの堪忍袋の緒が切れ、マックスは泣きながら家を飛び出した。
気がつけば見知らぬ浜辺。目の前にあったボートに飛び乗り、ひとりで海へ。荒れ狂う波をくぐり抜け、やがて見知らぬ島へ辿り着く。

島の奥に入って行くと。。。。
そこにいたのは・・・・見たこともない大きな体のかいじゅうたち!
かいじゅうたちも驚いた。(突然現れた人間の子どもの姿にそりゃびっくりだわ)
「いったい誰なの?」「食べちゃおうか?」
マックスはとっさに作り話でごまかす。「僕を食べちゃダメだ!」「僕は王様なんだから」
その話を聞いて喜んだのは、リーダー格のキャロル(ジェームズ・ガンドルフィーニ
王様の力を持ってすれば、再び仲間がひとつになれるかもしれない。
さっそく王様の力が効いたのか、新しい友達を作って出て行ったはずのKW(ローレン・アンブローズ)が戻って来た。
本当は忘れものを取りに来ただけだったのだが・・・・。

 キャロルは、王冠をマックスにかぶせた。

王様になったマックスは、完璧な命令を最初に出す。
「かいじゅう踊りをはじめよう!」


思い切り楽しんで、みんなと心を通い合わせるマックス。
キャロルはこうささやく。「この王国は全部きみのものだ。ずっと王様でいてくれ!」

幸せな日々のはじまり。しかし、それも長くは続かなかった。
気難しいジュディス(キャサリン・オハラ )が、マックスが王様としてみんなと平等に接していないと批判をはじめたのだった。
困ったマックスは戦争ごっこを提案。それがみんなでいっしょに楽しめる一番いい遊びだと思ったから。

だけど戦争ごっこは・・・・ちっとも楽しくなかった。
ただみんなを乱暴にさせ、仲違いさせただけだった。


「王様、こんな治め方でいいの?」
かいじゅうたちは寄ってたかってマックスに文句を言った。
中でもいらだっていたのは、マックスを本物の王様だと信じていたキャロルだ。

そしてついにダグラス(クリス・クーパー )が言ってしまった。
「キャロル!こいつは王様じゃないよ」ーー信頼を裏切られたキャロルはうろたえた。

「じゃあ食ってやる!」。キャロルはうなり声をあげてマックスを追いかけた。

 

もう家に帰ろう。そう決意したマックスは海岸の船に戻った。
かじゅうたちも見送りに集まってくれた。ただし、キャロル以外は。


かいじゅうたちと抱き合ってから、いよいよ船に乗るマックス。
果たしてキャロルはお別れを告げにきてくれるだろうかーーー。

モーリス・センダックの世界的ロングセラー絵本を「マルコヴィッチの穴」「アダプテーション」の鬼才スパイク・ジョーンズ監督が実写映画化。ひょんなことから不思議な島へとやって来た感受性豊かな少年が、ちょっとこわいけれど愛嬌あるかいじゅうたちと繰り広げる冒険の数々を、イマジネーションあふれる世界観の中、スパイク・ジョーンズならではのユニークな映像センスで描き出す。主人公の少年役には本作が映画デビューとなるマックス・レコーズ。

マックス探し

本作の成功のカギを握っていたのは、マックスのキャスティング。フィルムメーカーたちは、1年以上にわたり、アメリカ国内外に範囲を広げ、マックスにふさわしい少年を捜しまわった。

ポイントは映画慣れした子で上手い演技ができる必要はなく、演技に本物の感情をこめられる俳優を見つけたかったとスパイク・ジョーンズ監督。
ということで、監督&マックスのインタビューを見つけましたので、ご覧下さい。

詳細はこちらから!!


撮影時の監督とマックス


来日時の監督とマックス

随分お兄ちゃんになりました。現在12歳

かいじゅうたち

アイラ:フォレスト・ウィッテカー

アレクサンダー:ポール・ダノ

音楽:カーター・バーウェル カレン・O

メディア 映画
上映時間 101分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(ワーナー)
初公開年月 2010/01/15
ジャンル アドベンチャー/ファミリー/ファンタジー
映倫 G

※字幕版で鑑賞

オフィシャル・サイト
http://wherethewildthingsare.warnerbros.com/ (英語)
オフィシャル・サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/wherethewildthingsare/

 



 

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キャピタリズム マネーは踊る CAPITALISM:A Love Story

2010-01-14 | 映画:シネコン


僕たちのお金を返してくれ!!


100年に一度の世界同時不況!?
失われたお金を取り戻すために、ムーアが奔走する!!
史上最強のマネー$エンタティメント

東宝シネマズ二条にて鑑賞。前作「シッコ」から2年ぶりの最新作のテーマは、ずばり「おカネ」!!「シッコ」では、アメリカの医療制度を赤裸々にレポしたムーアだが、今回はテーマ「おカネ」からアメリカの資本主義社会の在り方に鋭く切り込んでいる。
前作もそうでしたが、本作においても、アメリカという国で生活する人たちにとってはかなり厳しい状況ですよね。特に弱者にとっては、酷いです。格差社会で言えば、日本もそういう状態に近くなって来ていますね。しかしアメリカ社会は日本以上の格差!しかもその上、弱者が富裕層に喰われるというあまりにも無茶苦茶な事態。かなり憤りを感じました考え方によったら犯罪に近いかも。。。。

皆さん知ってますか?アメリカの最富裕層は何とたったの400人!その400人が底辺の1億5千万人を全部合わせた以上の財産を持っているそうです。
ブッシュ政権の8年間に彼らの富は「7千億ドル近く」膨らみました。7千億ドルという額ですが。。。。何でもリーマン・ブラザースの破綻等で議会が緊急融資のため、公的資金投入しようとした額だそうです。ちなみに日本円にして、約63兆円。
それにしても気の遠くなる額を400人の最富裕層がこしらえたとは・・・・。
ブッシュ政権の下でこしらえたそのお金なら、この緊急事態のために資金投入してもいいのでは?というムーア。

冒頭ですさまじい搾取社会、すなわち大企業が従業員に無断で生命保険をかけている実態を見せたムーアは、リーマンショック以後の金融危機の元凶となった公的資金の投入先である生命保険会社や証券会社が建ち並ぶウォール街へとのこのこ突撃して「金返せ!」デモを試みる(サトウムツオ)

最富裕層という1%にも満たない人たちに対して底辺で生きる労働者はその数99%。そしてその人たちには明るい未来などない。あるのは、厳しい現実。
いきなり解雇され、路頭に迷う労働者。差し押さえられた家の前で泣きながら家具を燃やす夫婦。ワーキングプアばりの低賃金でこき使われ借金と過剰労働で航空事故を起こすパイロット。極めつけは受け取り人を会社にした生命保険をこっそりとかけ、社員が死ぬと保険がまるまる会社が手に入れる、悪魔のような「くたばった農民保険」こんなことって本当にあるの?と驚いた。特に最後の保険マル儲けは空恐ろしい話である。
ありえないといえばパイロットの給料が、ちょっとしたバイトよりも安いという実態。人の命を預かる職業なのに何故?っていう疑問。。。。

経済破綻、大恐慌がやって来る!本当なの?マスコミが繰り返し恐怖をあおる。そしてあり得ない事態が。。。。政府は破綻した金融機関を救うために70兆円の税金投入政策を押し通したらしい。
歴史的な政権交代をしたオバマ大統領はこう言った。
「YES WE CAN!」 最初は私も感動したんだけれど。。。。本当に大丈夫かな?
と最近疑問を感じますが。

ギブ・アンド・テークのはずが、テークする(奪う)方がほとんどだ!
何故?弱い者ばかりがこんな酷い目に合わないければならないのか・・・・

不条理な話ばかりでない。実際、従業員全員がオーナーとなり給料も平等にして利益を生んでいる会社は存在する。
ワクチンを発明した科学者が特許を取らず分け与えたという例もある。



1%の会社役員 報酬は従業員の400倍!
住宅ローンを証券化して世界中で大儲け!!
公的資金で(税金)で倒産せずに勝ち逃げ!!

99%の一般庶民 毎日14000人、10人に1人が失業中・・・
7秒半ごとに家が1軒差し押さえ・・・・
地方銀行や工場が倒産。街はゴーストタウンに・・・・

それにしても無茶苦茶ですよね。こんな不条理はやっぱ許せない
皆で吠えよう!!

アメリカの資本主義はいつからこんなことになったのか?
日本も含め、どうして世界中こんなに不景気になっちゃったのか?

「ボウリング・フォー・コロンバイン」「華氏911」のマイケル・ムーア監督が、デビュー作の「ロジャー&ミー」以来20年ぶりに経済問題をテーマに描くドキュメンタリー。2008年9月、信用リスクの高い住宅ローンである“サブプライムローン”問題が顕在化し、世界有数の証券会社リーマン・ブラザーズが破綻、これを契機に金融危機が巻き起こり、世界は空前の大不況に陥った。アメリカの一般庶民の中には、一夜にして職も自宅も失い路頭に迷う人々が続出する。対照的に、そのサブプライムローンで暴利を得てきた巨大金融機関には、救済を目的に国民の血税が大量に投入される皮肉な事態が巻き起こる。どうして、アメリカの資本主義(キャピタリズム)は、こんな不条理なことになってしまったのか。その答えを求めて、ニューヨークのウォール街へと乗り込んでいくマイケル・ムーア監督だったが…。(allcinemaより抜粋)


こぼれ話:2009年11月23日日本で行われた試写会では、来場者に「定額給付金」と称して現金を配った。

マイケル・ムーア監督、初来日インタビューの詳細はこちら

メディア 映画
上映時間 127分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(ショウゲート)
初公開年月 2010/01/09
ジャンル ドキュメンタリー
映倫 G


公式サイト (英語)

公式サイト (日本語)

追記:原題につけられている、ラヴストーリーはどういう意図なのか?これは「自分たちの金を愛する金持ちを描いた映画」だということだそうです。ただしこの作品には新しいひねりがある。彼らは「自分たちの金」だけを愛していない。「我々の金」も愛してる。彼らは我々の金が欲しい。だからそれを奪うためにあらゆる方法を考え出すのだ。

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よなよなペンギン(2009)

2010-01-12 | 映画:シネコン


MOVX京都にて鑑賞。仕事で利用者のHさんと鑑賞しました。

3連休ということもあって、たくさんの子供さんがこの作品を観に来ていました。隣に居合わせたおじさんは、釣りバカ日誌を観に来られたそうですが。満員のため入れず、この作品を鑑賞されるということでしたが。。。。。アニメだとは知らなかったようで。しばらくすると

これって舞台は日本なんでしょうか?七福神が登場するのですが、登場人物の名前はココだとか、チャリーにブッカ・ブ―という横文字です。まあそんなことはどうでもいいんですけれど。。。。監督はりんたろう 。原作もりんたろうが林すみこさんという人と一緒に作っているようで、ポプラ社から出版されているとか。

さてお話。。。。

夜の街をペンギンの着ぐるみを着た女の子が飛び跳ねながら歩いている。
彼女の名はココ。
よーなよなペンギンとか歌いながら夜の町を歩く純粋な女の子ですが。。。。大丈夫なのかな?こんな暗い夜の街を一人で。


ペンギンが飛べるわけねーとか言ってる悪ガキ3人組

からかわれたココは本当に飛びおります。それを見て悪ガキ3人はびっくりビビって逃げちゃいます。

飛びおりたココは死んでません。下が草むらだったから顔にケガした程度で済みました。
そんなココの前に羽根が空から降ってきます。羽根を拾ったココは町の大きな木のところへ行きます。その木に七福神の石像があります。何か変った雰囲気です。噴水の音も楽器の音のような?
そこに現れた、ココの知り合いらしいじーさんが、ココの顔の擦り傷を治してくれる。
ココは、傷を治してくれたお礼と言って、たった今そこで拾っただけにすぎない羽根をじいさんにあげちゃいます。この羽根がキ―ポイントなんですよね。

さらにどこからかペンギンのおもちゃみたいなのが降ってきて、それをココは手に入れ、持って帰ります。色々なことが起きますね。

ペンギンの缶詰みたいなおもちゃを開けるとなんか人形のパーツみたいなのが入っていて、それを何の疑問も抱かず組み立てるココ。


そうして組み立てるとそのおもちゃが、「ペンギンストア開店セールにご招待します」とかいきなり言いだします。

ペンギンストアというのは文字通りペンギンのグッズてんこもりのお店でした。


無料でもらえるということであれこれカートに積め込み始めるココ。

おもちゃはいつの間にかゴブリンの姿になっていて、ココをあるソファに導くわけですね。



ソファに乗ってゴブリンの国へ。。。。
ココのことを見守っていたじいさんもソファの足にくっついてゴブリンの国についてやって来た。

ついた場所にはゴブリンの長老がいて、「勇者飛べない鳥様ようこそ」と迎えます。


ペンギンの服を着たココの事を勇者だと言うのです。えぇ~私は勇者ないわ!ペンギンの服を着ているだけよ。ちょっと戸惑いのココです。

ゴブリンは昔から人間に親しまれている存在だったのだが、
それを気に入らないブッカ・ブーという闇の帝王がいて、最近また力をつけて来て襲ってくるようになったので何とかしてくれとココに頼みます。 空は常に黒のオーロラに覆われて畑は荒らされてゴブリン達は大変みたいです。

そこへブッカブーの手下らしき奴らがやってきました。
メタボ気味なガキんちょと悪魔4人です。


メタボ気味なガキんちょの名はザミー。

しかしココは、全然怖がらず、「どこの世界にもいばりんぼうはいるものね」とか挑発。その挑発でザミーと悪魔どもは帰って行くわけですが。。。。。

ゴブリンは、ココがザミーを追い返したと大喜びです。
ココ、喜んでいるゴブリン一同に対して、「私は勇者じゃない」発言!
がっかりしながらも、やってきたソファを直してすぐに送ってあげるというチャリー父。
チャリーがココを連れてきたのは、ラピスの泉という聖なる泉があるのですが、ある時そこにペンギンの姿が映って、それでココを間違えて連れてきたらしいのです。

ココとチャリーは、音楽が聞こえたという方向に向かっていたのですが、不思議なことに森の奥に、ココの町にあったのと同じ木があったのです。えぇ~何で?

その中にいたのはパラケケという木の精霊です。この精霊にいきなり助けを求めるココとチャリ―。


パラケケはこの本の中に住んでいた。

パラケケに助けを求めたが。。。。。頼りになるような助言を得る事は出来ず。


そいでもってまたあのメタボ少年ザミーがやって来た。
何やらココが触ると黒い煙みたいなのが出るんです。一体何なの?
ココに向かって「お前プックプク!」とか言ってザミー帰って行くんだけれどね。

その後またザミーはココのところへやってきます。そしていきなり「俺は天使」とか言い出すザミー。
実は本当にザミーは天使で、見習だったんですが、天界から足を滑らせて落ちたらしいです。それなのに天界から何故ザミーを誰も迎えに来ないのか?
そんなザミーにココは死んだ父が天国にいるかどうか?なんて質問するのでちょっと拍子抜けしましたが。。。。。

ということでザミーは天使だったわけですが、ブッカ・ブーに捕らえられてしまったわけで。どうもそれには大きな理由があるようです。ということで最後まで書いてしまうとネタばれとなるので、この後はぜひ映画館でご覧下さい。


ザミーをさらおうとブッカ・ブ―は追いかけてくる!!ザミーを守ることが出来るのか?


助けの神、七福神も登場!

映像はなかなかカラフルで鮮やかです。無国籍的なティストも感じますね。日本のアニメぽくもないところがちょっと新鮮な気がしました。ストーリーはこんなもんですか。

声の出演

ココ - 森迫永依    チャリー - 田中麗奈   ザミー - 太田光(爆笑問題)

ブッカ・ブー - 田中裕二(爆笑問題)  長老 - 永井一郎  

チャリーの父親 - 田中秀幸   チャリーの母親 - 皆口裕子

パラケケ - 藤村俊二  じい - 柄本明   ココの母親 - 小山茉美

ココの父親 - 高橋ジョージ

解説(allcinemaより抜粋)

 「幻魔大戦」のりんたろう監督が、マッドハウスとDFPという日仏のアニメ制作会社とのコラボで贈るハートフル冒険ファンタジー。ある日突然異世界へと足を踏み入れた一人の少女が繰り広げる感動の冒険物語を、絵本のような幻想的で温かみ溢れるタッチで綴ってゆく。主人公ココの声を担当するのは「憑神(つきがみ)」の森迫永依、そのほか田中麗奈、爆笑問題の太田光、田中裕二が声優として登場。

メディア 映画 Anime
上映時間 88分
製作国 日本
公開情報 劇場公開(松竹)
初公開年月 2009/12/23
ジャンル ファンタジー/ファミリー
映倫 G

オフィシャル・サイト
http://www.yonapen.jp/

 


 


 


 






 

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牛の鈴音(2008)OLD PARTNER

2010-01-10 | 映画:ミニシアター


その老いぼれ牛は、お爺さんと一緒に30年も働き続けた。

京都シネマにて鑑賞。「牛の鈴症候群」と呼ばれる社会現象を起こしたドキュメンタリーだということもまったく知りませんでした。おそらく一昔前なら、ここまでブレイクしなかったのではないかと思うのです。殺伐とした時代だから、きっと皆が温かさを求めている。そんなものがこの作品にはあるからだろうと思いました。

それと映像のショットもそれぞれ印象深いです。年老いた牛さんのあの目の表情も何か訴えかけているように感じました。お爺さんの片腕となって頑張ってきた牛さんの30年はどうだったのかな?彼女はどんな思いで生きてきたんだろうと。。。。。

そして牛の主、79歳のチェ爺さんの牛さんへの優しい気持ちが全編通じて溢れ出るというのも確かに凄く癒されますよね。

STORY

79歳になる農夫のチェ爺さんには30年もともに働いてきた牛がいる。
牛の寿命は15年ほどなのに、この牛は40年も生きている。
今では誰もが耕作機械を使うのに、頑固なお爺さんは牛と働きつづける。
牛が食べる草が毒になるからと畑に農薬をまくこともしない。
そんなお爺さんに長年連れ添ってきたお婆さんは不平不満がつきない。
しかしある日かかりつけの獣医がこの牛はそろそろ寿命だ。
今年の冬は越せないだろうと告げる。

その冬

チェ爺さんは牛市場で新しい雌牛を買った。
年寄りに2頭の牛の世話は無理だ。
お婆さんは老いぼれ牛を売れと言う。
死ぬまで面倒みるさ お爺さんは答える。
こいつは動物だがわしには人間よりも大切だ。

新しい春

若い牛が雌の仔牛を産んだ。お婆さんはがっかり。
雌の仔牛はお金にならない。
お爺さんは相変わらず黙々と牛のために夜明けからエサをつくる。

青い夏空の下、牛が草を食む。
お婆さんの愚痴は果てることがない。
夏の終わりの大雨で 田んぼが水浸しになってしまう。

お爺さんは頭が痛いと時折つぶやくようになった。
老いぼれ牛が引く荷車に乗って
夫婦二人 町の病院へ向かった。
働くのを控えなさいと医師はお爺さんに忠告する。
病院の帰り道。
二人は写真館で遺影用の写真を撮る。
一緒に記念写真も撮った。
医師の忠告にもかかわらずお爺さんは働きつづける。
休むのは死んでからだ。

ある日 逃げ出した子牛がお爺さんに八つ当たりした。
お爺さんは仕方なく子牛を売った。
老いぼれ牛は今にも倒れそうだ。
お爺さんとお婆さんの二人が乗ると重さで立ち止まる。
お爺さんは牛に気遣ってお婆さんを怒鳴り降りろという始末。
何の因果でこんな男に嫁いだのか。
私の青春よ どこへ行った。
お婆さんの歌声が響く♪

秋夕 ー韓国のお盆ー

9人の子供達がそれぞれ家族を連れて帰って来る。
老いぼれ牛を売るように言っていくれ。
お婆さんに言われて子供達も口をそろえる。
お父さん病気なんだから働き続けるのは良くないわ。
牛を売って隠居して。
お爺さんは答えない。

収穫の秋

鎌で刈るのは老いた夫婦には大変な苦労だ。
近所の人がトラクターで稲刈りの手伝いに来てくれた。
機械でやると米がいくらか無駄になるとお爺さんは言い張るが
どこか寂しそうだ。
お婆さんは子供達に米を送る。
米を作れるのも今年が最後だろう。
お爺さんは怪我をした。
もう牛の世話は無理だ。お婆さんが繰り返す。
お爺さんは仕方なく牛を牛市場に連れていくことにした。
牛市場に来てみたが、安く買いたたこうとする連中がお爺さんは腹立たしい。
タダでも要らないいような牛だとは なんという言いぐさだろう。
老いぼれ牛の目から涙が落ちた。お爺さんは結局 牛を手放さなかった。
お爺さんは若い牛の訓練を始めたが 足の悪いお爺さんには重労働。
やはり 老いぼれ牛がお爺さんには良い相棒なのだろう。

そして最後の冬。。。。。。

ついに老いぼれ牛は動けなくなった。もう助かる道はない。
時間の問題だと獣医は告げた。
お爺さんは 30年の間ずっとつけていた鼻輪を外し 鈴も外した。

ちりん ちりんと鳴っていた鈴の音が止んだ。

 

 


30年も一緒に働いた牛はとうとう。。。。。

お爺さんと老いぼれ牛の絶対の絆。言葉がなくてもお互いの気持ちは何よりも深かったのだろうね。いやあ最後はウルっとなりました。

監督は2004年にチェ爺さんとその相棒の牛に出会い、いよいよ製作となる。撮影は足かけ3年。限られた予算なので、ロケ地に泊まり込むことも出来なかったらしい。月2~3回のペースで村へ通った。不在の際に牛が亡くなる可能性もあるので、大変だったそうだ。

泣けるだけではなく、婆さんの名語録には大爆笑!

老夫婦の話す言葉には方言が強く、聞きとるのが難しいものの、そんなハンディは何のその。たちまち映画は感動を呼び「泣ける映画」という口コミがまたたく間に広がったが。。。。。映画の魅力は涙だけではない。映画の台詞は8割を占めるお婆さんの言葉の数々。。。。「笑え!」と叫ぶお婆さんの姿は爆笑もん。


まさに笑いと涙の名作である。

メディア 映画
上映時間 78分
製作国 韓国
公開情報 劇場公開(スターサンズ=シグロ)
初公開年月 2009/12/19
ジャンル ドキュメンタリー


左 イ・チュンニョル監督 右 コー・ヨンジェ プロデュサー

プロデュサー、コ―・ヨンジェ氏のインタビューはこちらをご覧ください。

オフィシャル・サイト
http://www.cine.co.jp/ushinosuzuoto/

 

 

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