銅版画制作の日々

TBが残念ながら終了してしまいましたね・・・・。コメント歓迎です!

ディファイアンス◇◆DEFIANCE

2009-02-28 | 映画:シネコン

ディファイアンスとは、「抵抗」という意味だそうです。

2月18日、東宝シネマズ二条にて鑑賞。1000円でした!

俺たちは動物みたいに追われる。でも俺たちは動物じゃない。可能な限り“人間らしく”自由に生きるために、選ばれた存在なのだ。自由の日々を手に入れることが、俺たちの勝利。真の生を勝ち取るためにたとえ死ぬことがあっても、“人間らしく”死にたい。ーーートゥヴィア・ビエルスキ

ユダヤ人がユダヤ人を救う、知らざれる感動の実話ーーーー。

ナチスドイツによるユダヤ人へのホロコーストは皆さんご存知だと思います。もう75年以上のときが経っていますが、忌まわしい記憶はいつまでも人々の心の裏側にずっしりと重くのしかかっているわけです。同じ人間なのに、このような仕打ちを受けなければならなかったのか?

そのようなユダヤの人の中にこんな勇敢でたくましい人たちがいたとは知りませんでした。実際にあったお話を、エドワード・ズゥィック監督によって映画化。主演トゥヴィア・ビエルスキ役には先頃公開された「007:慰めの報酬」でボンドを演じたダニエル・クレイグ。う~ん何かボンドと重なるところもあるような?気がしますが・・・・・。

本来なら、ドイツ軍に囚われて死を余儀なくされるはずなのだが、トゥヴィアは違った。銃を持ち、戦いに立ち向かうことを選ぶ。

お話

1941年、ドイツ軍はべラルーシを占領。ナチス親衛隊と地元警察はユダヤ人○りを始めた。

1941年8月、両親を殺されたユダヤ人兄弟、トゥヴィア、ズシュ、アザエルは、まだ幼い末弟のアーロンを連れて、リピクザンスカの森に逃げ込んだ。これからどうしようかと話し合っていたところ、兄弟同様に森を逃げ惑っていたユダヤ人と次々と合流することに・・・・。移動人数は多くなっていき、食料や武器がない中、兄弟は困惑することに。トゥヴィアは食料、武器調達のため、父の親友コスチュクに会いに行く。父の冥福中、ユダヤ人○りをしている警官ベルニッチが訪ねてくる。コスチュクは急いでトゥヴィアを納屋に隠す。何とそこには、複数のユダヤ人が身を隠していた!何とか見つからず済む。コスチュクは彼らを一緒に連れて行って欲しいと頼む。このとき、ベルニッチがトゥヴィアの両親を殺したことも知る。その後、一人でベルニッチ家へ向かい、彼を息子とともに射殺。

1941年10月、ペレラズの森

同胞のユダヤ人が次々と合流、気がつくと数十人の大所帯となった共同体。少ない道具を使い、森の中で家を建て始めた。そこへまた銃を持った二人組がやって来る。彼らはホロディッシュから逃げてきたユダヤ人。ホロディッシュは、ズシュが妻と子どもを置いてきた町。そこでは、3000人のユダヤ人が殺され、50人が生き残ったという。しかしズシュの妻子は生存者の中にはいなかった。やがて彼らは「ビエルスキ・パルチザン(民衆による非正規軍)を名乗り、銃で武装し、農家から食料を奪い、ドイツ軍への攻撃を繰り返すようになる。ある日、ドイツ軍との銃撃戦で2人の犠牲者を出し、さらに弟のアザエルが行方不明に・・・・。

隠れ処の森の中で、仲間の喪失、空腹、不安を抱え、同胞の中でいざこざが起き始める。そんななかでトゥヴィアは皆にこう話す。

「生き残ることが復讐だ!追われても動物じゃない。俺たちは自分の意志で、ここで暮らすことを選んだ。自由のある日々は神様の賜物。生きようとして命を失うなら、それは人間らしい死に方だ」と。固い防御と食料の確保を行い、森で暮らす準備をしようと皆に提案した。

コスチュクの家へ食料の調達のため、再び訪れる。そこで行方不明となっていたアザエルと再会。ベラとハイアという2人のユダヤ人女性とともにかくまわれていた。再会に喜ぶトゥヴィア。だがコスチュクはユダヤ人を助けたことで、納屋の先に吊るされ殺されていた。

 
アザエル(ジェイミー・ベル)とハイア(ミア・ワシコウスカ

 
ズシュ(リーヴ・シュレイバー

議論したり、恋人を見つけたり、森での暮らしは平穏に過ぎていく。そんななか、ノバルドグから逃げてきた同胞から、トゥヴィアの妻が殺されたことを知らされる!その直後、農家の男が手引きして、森の中にドイツ軍を引き連れてきた。武器と食料だけもって逃げるトゥヴィアたち。銃撃戦が始まるが、どうにかその場を切り抜ける。

数日後、偵察に出たトゥヴィアとズシュは、森の中でソ連軍に取り囲まれる。指揮官に会いたいと申し出たトゥヴィア。指揮官のヴィクトル・パチェンコは兵を提供する条件で、提携することを許可する。

その頃、バラノヴィッチェから来た新たな仲間から、「もうすぐゲットーが取り壊され、脱走者は、全員殺されてしまうようだ。毎日ユダヤ人が殺されている」と聞く。トゥヴィアは、生存者を救い出そうと提案。ズシュは仲間が増えることによる危険性を考えず、理想論を語るトゥヴィアに腹を立て、殴り合いの喧嘩となる。「本当の戦いに参加する」と言い残し、数人の仲間を引き連れ、ソ連軍に参加することに・・・・・。

トゥヴィアとアザエルはゲットーにもぐりこみ、ユダヤ人救出に向かった。しかし彼らは殺されることを信じない。冬の森での生活の苛酷さや脱走した後犠牲になることを引き合いに出し、なかなか動こうとしなかった。しかし何度も説得したことで、次々と脱走を始めた。

森に、長い行列ができた。新しく加わった仲間たちの前で、トゥヴィアは宣言した。「今日から、失った暮らしを取り戻す。この国でユダヤ人が自由を持てるのはここだけだ」と。武器を直し、料理を作り、裁縫や銃の訓練など、人々はそれぞれ職を持った。そしてアザエルはハイアと結婚。同胞の祝福のなか、結婚式が開かれた。

1941年12月、ナリボッカの森

 
イザック(マーク・フォイアスタイン


ハレッツ(アラン・コーデュナー

寒くて厳しい冬。食べ物がなく、何日も食べられない日々が続く。寒さと飢えに同胞たちは耐え切れなくなり、リーダーのトゥヴィアの指導力を疑い始める。トゥヴィアはチフスの伝染を防ぐため、ペニシリンをもらいにソ連軍のキャンプへ向かう。そしてズシュと再会した。だが肝心のペニシリンは兵士たちのためのものだからと、提供してもらえない。仕方なくトゥヴィアはズシュと同胞たちと村の警察署を襲う。怪我までしてペニシリンを手に入れてくれた弟に、トゥヴィアは「戻って来い」と促す。

一方隠れ処である森では、食料調達班が暴動を起こした!トゥヴィアは、首謀者であるアルカディを射殺してケジメをつける。

1942年4月、ナリボッカの森

この頃、トゥヴィアはゲットーから逃げてきた元音大生のリルカ(アレクサ・ダヴァロス)と深い仲になっていた。どこかで観たことがあるなあ?と思ったら、彼女は「ミスト」で謎の怪物に襲われるスーパーのレジのお姉さんでした。

そんなある日、伝令に出された一人のドイツ兵を同胞が捕まえる。伝令書には、出エジプト祭日である2日後に攻撃開始と書かれていた。同胞たちは家族を殺された恨みからドイツ兵を○り殺す。その様子をトゥヴィアはただ見守る。

一方ソ連赤軍のキャンプでは敵の攻勢から逃れるため撤退が始まっていた。森に残された者たちに危険が迫ることを意味する撤退を拒むズシュだったが、ソ連軍は森を後にする。

出エジプト祭日の前日、空を旋回する飛行機を見上げ、トゥヴィアは不安にかられた。すぐに荷物をまとめ、脱出を呼びかけるが、その直後、爆弾がうちこまれ、同胞は逃げ惑うことに・・・・・。

アザエルは皆が逃げる時間を稼ごうと、数人の仲間と銃で敵の足止め役を買って出る。その間トゥヴィアは皆を誘導し、森の奥へと進んだ。だが目の前には大きな川が・・・・。ドイツ軍に囲まれている今、進む道は川しかない。老人や子供を抱えている現状と、アザエルたちがまだ合流していない事実にトゥヴィアは絶望する。

そのとき、アザエルが現れ、川に突き進み、前に進もうとトゥヴィアを促した。

「やれば、できる。神はモーセのために紅海を裂いた。僕らに奇跡はない!奇跡は自分たちで起す」

その言葉に、皆が立ち上がり、ロープやベルトで皆をつなぎ、川を渡る。ようやくわたりきった対岸ではドイツ軍が待ち受けていた。激しい銃撃戦が繰り広げられる中、劣勢になったとき、ズシュが現れる・・・・。トゥヴィアたち兄弟の、同胞たちの行く末は・・・・?

奇跡は本当に自分たちで起しましたよね!その後この4人兄弟は、ビエルスキ・パルチザンという共同体で戦後まで維持し続けたそうです。まさにドラマのようなお話です。タフな精神力がいりそうな感じです。私には出来そうもない。ダニエル、この役にピッタリですね。

解説

 「ラスト サムライ」のエドワード・ズウィック監督、「007/カジノ・ロワイヤル」のダニエル・クレイグ主演で実在したユダヤ人兄弟の知られざる功績をクローズアップした感動の戦時ドラマ。第二次世界大戦下、東欧ベラルーシにもナチスの脅威が迫る中、逃げ惑う1200人もの同胞を救ったビエルスキ3兄弟の英雄的な抵抗活動を緊迫感溢れるタッチで描く。共演に「オーメン」のリーヴ・シュレイバーと「リトル・ダンサー」のジェイミー・ベル。
 1941年、ドイツ軍に侵攻され、ナチス親衛隊と地元警察によってユダヤ人○りが始まったベラルーシ。両親を殺されたトゥヴィア、ズシュ、アザエルのビエルスキ兄弟は森の中へ逃げ込み、生きる手立てを模索していた。すると彼らの周りにはやがて、逃げ惑っていた同胞のユダヤ人が次々に合流してくるのだった。またそんな中、トゥヴィアは両親を殺した犯人を突き止め、復讐を果たす。日に日にユダヤ人が集まり、食料や武器を調達しながら共同体を築いていくトゥヴィアたち。やがて、彼らは“ビエルスキ・パルチザン(民衆による非正規軍)”を名乗り、銃を手にドイツ軍への抵抗を始めるのだが…。
 
エドワード・ズウィック監督(右)といえば、「ブラッド・ダイヤモンド」。この作品も個人的に大好きな作品でした。
 
 
オフィシャル・サイト
http://www.defiancemovie.com/ (英語)
オフィシャル・サイト
http://defiance-movie.jp/
 
ということで、長~いレビュー、終了です。
 
 
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チェ★39歳の別れの手紙レビュー

2009-02-25 | 映画:シネコン

 CHE PARTIE 2

いよいよ後半です。ベニチオ・デル・トロ、益々ゲバラに近づいていくような気がします。パート2は、ボリビアでのチェ・ゲバラの活動が描かれています。後半の作品の方が何かしら食い入るように観てしまいました。タイトルからも分かるように、彼の最期がこのような感じだったのですね。それにしても39歳で散って行くのはあまりにも忍びないよなあ・・・・。

チェ語録

革命とは、戦うことだけではない。読み書きを学び、知識を持たずして、革命は成り立たない。そういい続けたチェ・ゲバラは革命家であると同時に、詩や文学を愛する文化人だった。ゲリラ活動中も常に書物を持ち歩き、そして自ら多くの詩や手紙を記した。

「もしわれわれが空想家のようだといわれるならば、救いがたい理想主義者だといわれるならば、できもしないことを考えているといわれるならば、何千回でも答えよう、そのとおりだ、と」

「革命においては、勝利か、さもなければ死しかない」

「酒は飲まない。タバコは吸う。女を好きにならないくらいなら、男をやめる。
だからといって、あるいはどんな理由であっても、革命家としての任務を最後までまっとうできないならば、僕は革命家であることをやめる」

「勝利まで、いつまでも前進を。祖国をさもなければ死を。革命家としての熱き思いをこめて、せいいっぱいきみを抱きしめよう」

「甘ったるいと思われるかもしれないが、言わせてほしい。ほんとうの革命家は大いなる愛情に導かれている。愛のない本物の革命家なんて、考えられない」

どこまでも、見果てぬ夢と理想に突き進んだ吟遊詩人的なゲバラだったのかもしれませんね。革命家として全うした本物の革命家なのでしょう。勝利か?死か?なんて覚悟しなきゃ、ここまで言えないよね。わあ~!!凄い~~。

物語

1965年10月3日、カストロ率いるキューバ社会主義革命一党がキューバ共産党へと改組しその発足式の日、本来ならば当然中央委員席に座っている筈のチェの姿は会場のどこにもなかった。既にその年の3月、ゲバラはサトウキビ農場の視察に行くと告げて出かけたまま行方不明となっていた。噂では、カストロとの不仲説まで取りざたされる始末。高まる説明を求める声に応えて、カストロは4月1日付のカストロ宛のゲバラのを読み上げた。

フィデル

私は今 多くを思い出している

マリアの家で君と出会ったこと
革命戦争に誘われたこと
準備期間の あの緊張の日々
死んだ時は誰に連絡するかと聞かれた時ーーーー
死の現実を突きつけられ慄然とした
後に それは真実だと知った
真の革命であれば
勝利か死しかないのだ

私はキューバ革命でーーー
私に課せられた義務の一部は果たしたと思う

だから別れを告げる
同志と 君の人民に

私は党指導部での地位を正式に放棄する
大臣の地位も
司令官の地位も
キューバの市民権も

今 世界の他の国々がーーーー
私の ささやかな助力を求めている
君はキューバの責任者だからできないが
私にはできる

別れの時が来たのだ

もし私が異国の空の下で死を迎えてもーーー
最後の想いはキューバ人民に向かうだろう
とりわけ君に

1965年10月3日キューバ共産党発足式でカストロに読み上げたれたチェ・ゲバラの手紙

新たな戦場へ旅立とうするゲバラの決意をキューバへの溢れるばかりの愛情とともに吐露した内容だった。かってコンゴや南米の圧政を指弾したゲバラは、今またその言葉を実戦して証明しようとしていた。

66年、コンゴでの闘争から撤退したゲバラは、密かにキューバに一時帰国し、変装してラモンと名乗って妻のアレイダや4人の子どもたちと再会した。それがゲバラが過ごした家族との最後の時間となった。


11月3日、ゲバラはOAS(米州機構)の特使と偽り、ボリビアのラ・パス空港に降り立った。何とカツラをつけたおっちゃんに変装していた。

彼はゲリラたちを一人前の革命戦士にするための訓練という腹づもりだった。拠点となる農家は先んじて手配してあったが、ゲリラ戦士の志願者たちは指揮官がゲバラと知って感激した!既にゲバラは伝説的な存在になっていたのだ。

ところが早々にゲバラの目論見は崩れ始めた。支援を当てにしていたボリビア共産党の第一書記モンへ(ルー・ダイアモンド・フィリップス )が武装闘争路線に及び腰になっており、モンへは外国人のゲバラは、民衆の支持は得られないと主張。

 モンへ

ボリビアの建国者シモン・ボリバルも外国人だとゲバラは指摘したが、ソ連の意向故か?個人的な野心の故なのか?モンへは頑に武装闘争を拒否続けた。

共産党の支援が得られないまま、ゲバラは訓練を開始した。厳しい訓練に耐えかね脱走するものも現れ、彼らから政府軍にゲリラ部隊の情報が漏れていった。

ゲバラは一隊を率いて南に行軍を開始、ゲバラは都市での工作のため送り込んでいた諜報員のタニア(フランカ・ポテンテ )やフランス人、レジス・ドブレがゲバラの隊に加わった。ゲバラはドブレにボリビア解放運動への国際的支援網を組織するように、バートランド・ラッセルやジャン=ポール・サルトルの名を挙げて頼んだ。だが、ドブレは帰途政府軍に逮捕・抑留され、ボリビア政府は世界中から非難されることになる。

 タニア

3月、まだ訓練中だったゲバラの部隊は政府軍と遭遇、大勝利をおさめることになった。だがこの勝利は結果的にゲバラの悲劇を招く遠因となった。次第に力をつけていくゲリラ軍の実力を見せつけられたバリエントス政権は、アメリカの全面的支援のもと、軍の対ゲリラ態勢を急速に充実させていったのだ。アメリカは爆撃機等の兵器のみならず、ベトナムでゲリラ戦のノウハウを身につけた軍事顧問団を派遣し、ボリビア軍内部に対ゲリラ用特殊部隊の育成を進めた。

 バリエントス大統領(ヨアキム・デ・アルメイダ

キューバ革命の成功を他の国で許してはならない!それはアメリカの世界戦略であり、バティスタの失敗はカストロを殺せるときに殺さなかったことだとうそぶくバリエントス政権の至上命題でもあった。


一方、第二、第三のベトナムを!のスローガンを掲げたゲバラは、緒戦の勝利にも関わらず、山中で苦闘を続けていた。食料や医薬品の不足は兵士たちの士気を次第に蝕み、ゲバラ自身も喘息に苦しめられていた。

頼みの住民たちは悲惨な状況におかれながら、バリエントス政権の政策に甘んじ、ゲリラ部隊によそよそしい態度を崩さなかった。

また悪いことにゲバラたちはホアキンを指揮官とする隊と離れ離れになり、連絡の取れないまま分断状況におかれてしまった。員数の少ないゲリラ部隊に取ってこれは致命的だった。

政府軍は攻勢に転じた。ゲバラは炭坑労働者たちとの共闘も視野にいれていたが、政府軍はストに立ちはだかったシグロ・ペインテ鉱山の労働者に対して武力を投入、容赦なく虐殺を行った。さらにゲバラ隊との合流を目指してリオ・グランデ川に到着したホアキン隊に襲いかかり、タニアを含む全員を殲滅した。

今や、ゲバラ隊は孤立無援の状態に陥っていた。負傷兵や病人を抱え、その歩も遅々としたものになっていた。

1967年10月8日、ユロ渓谷でゲバラ隊は政府軍の攻撃を受けた。ゲバラは足に銃弾を受けながらなお、抗戦を続けたが、遂に囚われの身となってしまい、イゲラ村へと運ばれた。そして翌9日、最高司令部からの命令でゲバラの処刑が決まった。

 囚われの身となったゲバラの姿。死を覚悟はしていたのだろう。

ボリビアへ潜入してから341日目、チェ・ゲバラは革命に殉じ、その39歳の生涯を閉じた・・・・。

 

ソダーバーグ監督とデル・トロ。撮影での打ち合わせ風景

 

そしてゲバラは4人のこどもたちにこのような手紙を送っている。

この手紙を読まねばならないとき、
お父さんはそばにいられないでしょう。
世界のどこかで誰かが不正な目にあっているとき、
いたみを感じることができるようになりなさい。
これが革命家において、最も美しい資質です。
子供たちよ、いつまでもお前たちに会いたいと思っている。
だが今は、大きなキスを送り、抱きしめよう。

お父さんより

(チェ・ゲバラ 1965年 子供たちへの最後の手紙)

 

ゲバラとボリビアの子供たち。父としてのゲバラの優しさが見えているようだ。革命家であり、詩人であり、4人の子供たちを愛する大きな人だった。そして最後まで戦った勇敢な戦士なんだね。

アメリカという国は罪深き国ですよね。そんなアメリカ生まれのソダーバーグ監督が製作したこの作品。忠実にありのまま再現したこの「CHEシリーズ」、どこかアメリカという国への政治的メッセージなのかも・・・・・。

 

 スティーヴン・ソダーバーグ監督、そうですか?

 

皆さん勢ぞろいです。

 

オフィシャル・サイト
http://che.gyao.jp/

※友情出演で、マット・デイモンが出演。ほんの少しだけですが・・・・。

 

 

 

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28th MINI PRINT INTERNATIONARL OF CADAQUES

2009-02-23 | 銅版画関連

アカデミー賞の発表があり、今まさに盛りあがっています。日本の作品「おくりびと」も外国映画賞で、オスカーをゲットしましたね。ショー・ペンは主演男優賞だし、ケイト・ウィンスレットも主演女優賞だ。そしてヒース・レジャーは助演男優賞。残念です。亡くなってしまったのが悔やまれます。そしてそしてあのペネロペ・クルスが助演女優賞。作品賞と監督賞、それ以外6部門での受賞での「スラムドッグ$ミリオネア」。ダニー・ボイル監督良かったね。「ウォーリー」は長編アニメ賞。もうひとつ日本の映画「つみきのいえ」は短編アニメ賞をゲットしたそうです。いやあ凄いことです。そんな私はその情報を気にしながら、銅版画出品のためバタバタしております。

ブログタイトル「銅版画制作の日々」なのに、ほとんど映画鑑賞ブログになっている今日この頃です。もちろんまったく制作していないわけではありません。グループ展や公募展にもほんのちょこっとですが、制作してエントリーしたりしております。しかし難しい現状です落っこちたりしています。大きな作品展は結構出品料もいりますからね。選外になるとあちゃ!って感じですね。

大変でございます。

28th MINI PRINT INTERNATIONARL OF CADAQUESというこの展覧会には、ほぼ毎年出品してます。作品も10cm×10cmというミニプリント展。小さなサイズなので、出すにはお手ごろです。しかも毎年開催!これが魅力です。ただ参加者は欧州はもちろん、アジアなどからもエントリーされるので規模はでかい。何と出品者の数は28回目で、661名。作品点数は一人3点としても約2000点以上です。アカデミー賞のような盛り上がりはありませんが・・・・。29回目の展覧会に向けてやっております。この多くの中から6人のアーティストが選ばれ、スペインでの作品展がおるらしいです。名誉なことですが、これも大変な話ですね。

まあそんなことは私自身には縁のないお話。とにかく継続して出品しようと日々やっております。一つの目標ですね。

そんな私ですが、今回は作品が売れるという珍しい出来事が!?作品が戻って来た際、封筒を開けたら、わずかのユーロ紙幣が・・・・。3点ですが、ヨーロッパの何処の国?の方か分かりませんが。購入して頂いたようです。有り難いことですね。見ず知らずの遠い国の方に買ってもらったことに感謝

ということで、この小さなことを励みにまた頑張って行きたいなあと思いました。

 この作品は2点売れました。

 

この作品も1点ですが、買って頂きました。

 

 ←28回目のパンフレットです。

出品料は少々お高いですが、こんな素敵なパンフレットが頂けます。出品した人は皆、ギャラリーで展示してもらえます。ぜひ!版画製作をされている方、出してみてください。版種は色々OKです。

ということでまた映画鑑賞の記事に戻ります。次は「チェ★39歳の別れの手紙」です。ではまた

 

 

 

 

 

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チェ★28歳の革命レビューその2

2009-02-21 | 映画:シネコン

引き続き“チェ★28歳の革命”レビューその2です。

7月カストロはラウル・チバス、フェリペ・パトスと協定を結び、政治犯の釈放や言論の自由、農地改革を謳った“シェラ宣言”を発表した。自らゲリラ戦士として自覚し、武装闘争に専念する決意を固めたゲバラは、都市勢力との協力に批判的だったが、カストロはより広い政治的な視野に立った。革命軍は次第にその勢力を増し、ゲバラは第2部隊の司令官に任命された。

ゲバラは苛烈に戦い続ける一方、農民への収奪を戒め、違反したものには厳罰を科した。それは同時にゲバラ自身を峻列な革命的人間へと鍛えあげる結果にもなった。個人でありながら“社会全体の幸福を実現するため、その戦いと責任を受け入れた個人”とならねばならなかった。
この年の夏から秋にかけて、革命軍はエル・オンブリトに学校や病院、発電設備まで備えた定住可能な拠点を設立、バティスタ軍のサンチェス・モスケラとの攻防戦を繰り返した。ゲバラは新兵の訓練を担当した。
58年4月9日、カストロも支持したゼネストが失敗、5月3日シェラ・マエストラ山中のロス・アルトス・デ・モンピエで行われた集会で、カストロが全革命勢力の総司令官兼政治的指導者として選出され、キューバ革命は武装闘争に集中していくことになる。

ゲバラと同志たち。

 
フィデル・カストロ(デミアン・ビチル)革命で、キューバを社会主義国家に変えた男。その知性と大地のように動かぬ信念で、今なおキューバの父として絶対的な存在感を持ち続ける。ゲバラは彼との出会いにより、医者から革命家に生まれ変わる。
(2008年2月、国家評議会議長退任した)

フィデル・カストロ ←キューバの父、カストロについて詳しく紹介。


ラウル・カストロ(ロドリゴ・サントロ )フィデル・カストロの弟。フィデルとともに活動を続け、チェ・ゲバラとフィデルが出会う歴史的な瞬間を作った。

2008年2月24日よりフィデルの後継者としてキューバ国家評議会議長に就任している人物。


カミロ・シエンフエゴス(サンティアゴ・カブレラ
革命軍の太陽的存在。その明るく気さくな人柄ゆえ誰からも愛された人。革命後、彼の乗った飛行機が海上に墜落。悲業の死を遂げる。チェ・ゲバラは、自分の息子(長男)に「カミロ」の名をつけるほど、彼を敬愛していた。

 

12月11日、ゲバラは2度国連総会の演壇に立った。列強のみを利する平和共存の実情を批判し、アメリカに対して黒人や中南米の民衆に叛乱を宣した。中南米各国のキューバに対する批判に一つずつ反論を加え、とりわけ、ニカラグァ代表によるゲバラのスペイン語のアルゼンチン訛への指摘には皮肉をもって応えた。そこにはかって外国人故に指揮官を譲った医師の姿は微塵もなかった。

 

革命軍はバティスタ軍の反撃を粉砕すると、攻勢に転じた。目標はサンタクララ。ゲバラは攻撃軍の唯一の司令官たることを宣言!12月29日、遂に戦端を開いた。戦場を飛び回って指示を出し続けるゲバラに寄り添うのは、後にゲバラの妻となるアレイダ・マルチ(カタリーナ・サンディノ・モレノ

 ゲバラの妻となるアレイダ


59年1月1日、バティスタはハバナを捨てて逃亡、革命軍は勝利を手にした。

“革命のシンボル”とリサ・ハワードに言わせたゲバラの目は、既に中南米での戦いに向けられていた。

ハバナへと向かうチェ・ゲバラ、30歳。だが、奇跡の勝利の中でも、ゲリラ戦士しての誇りは失われることなく、ゲバラを律していた。

スティーブン・ソダーバーグ 

 
ジュリア・オーモンド (43才頃) ベニチオ・デル・トロ(41才頃)

 

解説

 「トラフィック」のスティーヴン・ソダーバーグ監督とベニチオ・デル・トロが再びタッグを組み、伝説の革命家エルネスト・“チェ”・ゲバラの人物像とその半生に迫る伝記ドラマ2部作の前編。本作ではゲバラがフィデル・カストロと出会い、キューバ革命闘士として躍進するまでを描く。また、入念な役作りのもと、ゲバラを熱演したベニチオ・デル・トロは、カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞した。(allcinemaより)

オフィシャル・サイト
http://che.gyao.jp/

メディア 映画
上映時間 132分
製作国 アメリカ/フランス/スペイン
公開情報 劇場公開(ギャガ・コミュニケーションズ=日活)

限りなくチェ・ゲバラに近づいたデル・トロ、本当のゲバラのような気がしました。しかし内容は重くて、観るのが辛い作品でした。 カストロ議長の存在はあまりにも有名ですが。ゲバラのような大きな片腕があったからこそ、この劇的な革命が成功したんですよね。ゲバラが真の革命者だということがこの作品を通じて痛いほど伝わりました。名誉や権力が欲しい人ではなく、貧困や苦しみから民衆を救いたかったのでしょうね。そして後半はそんなゲバラが、更に南米の平和のために、革命戦士として戦うことになります。う~ん後半はちょっと辛いな(涙)2時間12分でしたか。もっと長いなあと思いました。淡々と進むからでしょうか。

ベニチオ・デル・トロのインタビューは→こちらからどうぞ。


 

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チェ★28歳の革命レビューその1

2009-02-17 | 映画:シネコン

 原題:CHE PARTIE 1

またもや、鑑賞中爆睡となってしまった「チェ★28歳の革命」・・・・・・(-_-;)何とほとんど寝てしまいました(汗)

結局リベンジしてまた鑑賞することになりました。非常に重たい作品でした。だから、もうこの映画に関しては歴史のお勉強だと思い、頑張って観ることを目標にしましたよ。そしてこの作品で、チェ・ゲバラという凄い革命家の存在を知ることになりました。

監督はあのステーヴン・ソダーバーグ。最新作では、「アイム・ノット・ゼア」(07)、「フィクサー」(07)など。ジョージ・クルーニーとのタッグも多い方ですよね。

この作品レビューはかなり長くなりましたので、2回に分けて書くことにしました。その後、引き続き、「チェ★39歳の別れの手紙」も鑑賞したので、その後そのレビューを書きたいと思います。少々長くなりますが、皆さんお付き合い下さいm(__)m

ゲバラといえば、あのTシャツのベレーをかぶった髭もじゃのおじさんだというのも、最近知りました。どういう人物なのか?も知らなかったです。

左端が本当のチェ・ゲバラです。右の髭の方はフィデル・カストロ氏ですね。

実はゲバラは、1959年に日本を訪問しています。先日報道番組で、紹介されてました。そして広島記念公園の原爆死没者慰霊碑に献花をしています。原爆資料館や病院にも訪れています。当時、中国新聞社の林立雄さんが単独取材をしたということで、その方が登場されて彼の印象を話しておられました。

チェ・ゲバラが広島へ訪問したときの記事がありましたのご覧下さい。またゲバラの娘さんも広島に訪れたそうです。詳細はこちら

「何故、日本人は、アメリカに対して原爆投下の責任を問わないのか?」と言ったそうだ。彼はキューバに“ヒロシマ”のことを伝えた。以来現在も、初等教育で“ヒロシマ・ナガサキ”を取り上げている。

さて、チェ・ゲバラと呼ばれたこの人物像について少し紹介。

“チェ・ゲバラ”ことエルネスト・ラファエル・ゲバラ・デ・ラ・セルナErnesto Rafael "Che" Guevara de la Serna1928年6月14日 - 1967年10月9日)は、アルゼンチン生まれの医師革命家で、キューバゲリラ指導者。

「チェ」は本来、アルゼンチンのスペイン語リオプラテンセ・スペイン語をはじめとする諸方言)で「やぁ」という砕けた挨拶。ゲバラが初対面の相手にしばしば「やぁ。エルネスト・ゲバラだ」と挨拶していた事から、キューバ人達が「チェ」の発音を面白がり付けたあだ名である。ラテンアメリカでは通常「チェ」もしくは「エル・チェ」(El Cheel は英語の the に相当する定冠詞。英語に訳すなら“the Hi”となる)と呼び、「チェ・ゲバラ」と呼ぶことは少ない。

今回チェ・ゲバラを演じるのはベニチオ・デル・トロ だ。彼の作品で観たのは、ブレッジ21グラムシン・シティに悲しみが乾くまで等。私、結構観ていたんだ!彼の出演作品。

物語

1964年のハバナで行われたジャーナリスト、リサ・ハワード(ジュリア・オーモンド )のゲバラへのインタビューはゲバラの将来を予感させるような質問から始まった。

 リサ・ハワード

ジュリア・オーモンドは“ベンジャミン・バトン●数奇な人生”にも出演。デイジーの娘でした。

「アメリカの中南米へのへの支援はキューバ革命の意識を失わせるのではないか?」アメリカは中南米の独裁政権を支援し、その収奪構造こそが中南米の民衆を貧困に陥れている元凶であると、ゲバラは痛いほど知っていた。キューバのバティスタ政権も、アメリカの利益に多大な貢献をなし、その存続の代償として民衆は貧困と無知に喘いでいた。

1955年7月、メキシコシティーでバティスタ打倒を呼号するフィデル・カストロと出会うゲバラは、“7月26日運動”に参加。56年11月、82名の革命戦士中ただ1人の外国人として、グランマ号に乗り組み、革命戦争を戦うためキューバを目指す。

64年12月、ゲバラはニューヨーク、ケネディ空港に降り立った。革命キューバの主席代表として国連総会で演説するためだった。だが彼を迎えたのは多くの抗議のプラカードと怒号だった。その主体は革命を恐れてキューバを逃げ出した亡命キューバ人たち。その後ろでアメリカ政府が糸を引いていた。

7日間の航海後、革命軍はキューバ東南の地ビノクに上陸。いきなり政府軍に発見され、アレグリア・デ・ピオで襲撃される。ゲバラも負傷し、革命軍はわずか十数名しか生き残れず・・・・。そんな状況でもカストロは、キューバ人たちの中に必ず同じ志を持つ者がいると信じ、勝利を疑わなかった!

ラ・プラタ川河口の小兵舎の攻撃で最初の勝利を収めた革命軍は、3月ホルへ・ソトゥス大尉率いる約50名の増授部隊と合流。ゲバラはカストロから、その部隊の指揮をするように言われていたが、外国人という遠慮から、ソトゥスに指揮を任せる。そんなゲバラにキューバの革命戦士としての自覚を持つように指摘されることに。

5月28日、さらにエル・ウベロ兵営を攻略、重要な勝利を収めることに。一方革命軍も甚大な被害を受ける。ゲバラは負傷者の運搬に従事。その過程でゲバラは、戦士が必要とする資質に対する認識を強固にし、厳しく部隊を統率することになる。

アメリカはキューバを諦めていなかった。61年にはCIAの画策で軍事訓練を施した亡命キューバ人を尖兵として、空軍・海軍も動員し、キューバ侵攻を目論んだピラヤ・ヒロン湾上陸作戦を決行。ゲバラ率いるキューバ軍は散々な目に遭わされている。62年のキューバ危機以降は、表向きキューバへの侵攻断念したことになっていたが・・・・?その後もキューバ上空を飛び回って監視の目を緩めてはいなかった。

後にロバート・ケネディと大統領候補指名争いした反戦派のユージン・マッカーシ上院議員に返した皮肉には、キューバに託した未来が込められていたという。砂糖以外の産業の育成、キューバの工業化を視野にいれていた。危機以降、ソ連の影響力が重くのしかかってきたが、彼にとって重要なことは政治体制ではなく、正義の問題だった。中南米の圧政下におかれた民衆側につくこと。それがゲバラの正義だった。

 

※チェ★28歳の革命、レビューが全てかき終えられない状態となりました。引き続き、続編を書きたいと思います。と言うことで続きをお楽しみにm(__)m

追記:もう少し簡潔に記事をまとめたいところですが・・・・。またもやこのような長ったらしい文章になってしまいました。あぁ~肩こりが治りませんわ。ぶつぶつ(>_<)

 

 

 

 

 

 

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ベンジャミン・バトン★数奇な人生 

2009-02-13 | 映画:シネコン

 原題:The Curious Case of Benjamin Button

80歳で生まれ、若返っていく男の物語

公開前から予告での宣伝もじゃんじゃん流されていたので、観ないわけにはいかないなあと思っていました。2月9日夕方、鑑賞してきました。ところが長い!3時間まではいかなかったが。後で調べたら167分=2時間47分・・・・・・。いやあここまで長いとやはり疲れますね。

F・スコット・フィッツジェラルドの短編小説をもとに、デヴィッド・フィンチャーが映画化。なお、フィンチャーと主演のブラッド・ピットの二人にとっては『セブン』『ファイト・クラブ』に続くコンビ作品となった。

第81回アカデミー賞では作品賞を含む13部門にノミネートされている。

そしてそのブラビの相手役にはケイト・ブランシェット。豪華二大俳優の共演というのも見逃せないところです。

年を重ねるごとに若返る男・ベンジャミンの、数奇な一生を描いた作品。ベンジャミンが生まれる前、時計職人が幸せな結婚をした。ところが彼の息子は戦争にかり出され、遺体になって帰ってくる。職人は息子の死を嘆き、中央駅に掲げる大時計を、針が過去へ進むように作る。人々は驚きあきれるが、彼の気持ちを理解する。

 まさにこの逆さに廻る時計の針と、ベンジャミンの人生は同じ・・・・・。

映画の始まりは、年老いたデイジーがまさに終末のときを迎えるところからである。ケイトが凄いメイクで老年のデイジーを演じている。ベンジャミンとの間に生まれた娘キャロライン(ジュリア・オーモンド)にベンジャミンとの出会いを彼の日記を通じて思い出を語り始める。

デイジーが愛した男、ベンジャミン・バトンの数奇な人生の物語の始まりだ。

あるボタン職人の家で赤ちゃんが生まれた。難産のため母は亡くなる。生まれた子は、しわだらけ、目は白内障で、関節は炎症で腫れている。小さくて醜い、老人にしか見えない赤ちゃん。動転した父は、赤ちゃんを養老院に捨てて立ち去る。養老院で働く若夫婦は、信心深い人格者で、赤ちゃんを育てることにする。アフリカ系の母クィーニー (タラジ・P・ヘンソン)は、彼を「ベンジャミン」と名付け、実子同様にかわいがる。


7歳のベンジャミンはなかなか歩くことが出来ず、いつも車椅子だった。

 ベンジャミンはやがて、養老院に祖母を訪ねてくる美少女・デイジー(エル・ファニング)に恋をする。少女も“ベンジャミンおじいさん”が大好き。二人はとても気が合い、一緒に本を読んだり、遊んで過ごす。年を重ねたベンジャミンは、船員の職を得る。デイジーはバレリーナとして成功。会うごとに若くなるベンジャミンに驚きながら、デイジーは心の交流を続ける。その後、デイジーは交通事故でプロの道を閉ざされてしまう。彼女はベンジャミンの元に行き、三十代の二人は愛し合い、幸せなひとときを過ごす。


ブラビのおじいちゃん姿。特殊メイクで変身!本当に年がいけば、こんな感じ?

この間にボタン職人であった父トーマス・バトン(ジェイソン・フレミング)と再会することになる。年老いた青年ベンジャミンを見た父は、養老院に捨てたことを告白し、詫びる。そして自分が病に冒されていることを話す。亡き後、ベンジャミンに全てを託すことに。

映画の冒頭に配給会社のロゴがボタンになっていたのは、ボタン職人の家庭に生まれたベンジャミンを意味しているようだ。なかなか手の込んだ演出ですよね。

船員の職を得たベンジャミンはこの長い旅で色々な出逢いがある

ロシアでは、水泳の選手エリザベス・アボット(ティルダ・スウィントン)との出会い。

かって遠泳をしていた彼女と恋に陥るベンジャミン。 

乗った船の船長(ジャレッド・ハリス )もインパクトのある人物。体中にタトゥーを入れている。途中戦争が始まり、戦地に向かう船は壮絶な戦いをすることに。船長はこの戦争で命を落としてしまう。

そして長い旅を終えたベンジャミン、再び故郷ニューオリンズへ戻る。


美しい女性に成長したデイジーとの再会。彼女もベンジャミンの若くなった姿に驚く!

ようやく二人は結ばれ暮らし始める。交通事故でダンサーの道を閉ざされたディジーだが。

 デイジーは四十代になった。子供向けバレエ教室が軌道に乗り、ますます幸せに満たされる中、赤ちゃんを産む。一方のベンジャミンは、子供が育つに従い、若くなる自分が不安で仕方がない。そこで彼はある決意をする──。 (映画の森より抜粋しています)


ベンジャミンは彼女の元から去ることに・・・・・。

 世界各地の放浪の旅を始めるベンジャミン。

年を重ねるごとに若返るブラビのお顔もなんだか変な感じもするが、実年齢より若いブラビのお顔も見れる。

ケイトの美しさも必見!レオタード姿も素敵♪40代でしかも3人の子どものお母さんとは思えない。踊っている姿も良かった。

ちょっとネタバレ。結局赤ちゃんに戻っちゃうわけだが・・・・。

後は劇場でご覧下さい。自然の法則に逆らった人生が幸せなのか?それとも不幸なのか?結局のところ、老いても、赤ん坊に戻っても同じだと思ったけど・・・・。

 

オフィシャル・サイト
http://www.benjaminbutton.com/ (英語)
オフィシャル・サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/benjaminbutton/

 

 

 

 


 

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1408号室◆ジョン・キューザックがホラーに挑む!

2009-02-10 | 映画:ミニシアター

 この謎を知り、生きて帰れる者はいるのか?

京都での上映はないと半ば諦めていた「1408号室」が何と!京都みなみ会館での上映が実現されました。2月7日、早速鑑賞!原作はあのホラーの巨匠、スティーヴン・キングの短編小説「一四〇八号室」(新潮文庫刊)「幸運の25セント硬貨」に所収。その作品の映画化されたものです。

スティーヴン・キングといえば、昨年上映された「ミスト」を思い出します。単なるパニック映画かと思ったら、人間が極限状況に陥ったとき、どのような心理状態になるのか?というものでした。霧に包まれた中に潜む謎の生き物に襲われるというホラー的な要素もあるのですが。人間の怖い一面も存分に味わえるという心理的要素も盛り込まれた作品でした。

さて今回の「1408号室」も奥が深い!スティーヴン・キングの作品にはワンパターンはありませんよね。そして今回も単なるパニック&ホラーではありませんでした。

鑑賞者も主人公と一緒にそれは凄い体験、体感するって感じでしょうか?最初は1408号室にお化けなんかが出てくる?のかと想像していたのですが、まったく裏切られました。そのようなものは登場しません。でも予想外の衝撃といいしれない恐怖に陥れられたとでもいいましょうか。とにかく部屋から脱出したい!!どうすればいいの?気が狂うほどの体験なのです。

まさにあかずの間に閉じ込められ、その中でもがき、苦しみ、戦う!

冒頭は意外にもすんなりとお話は進んでいきます。何も起こりそうな気配すら感じません。

STORY

オカルト作家マイク・エンズリン(ジョン・キューザック)は、自分の目で見たものしか信じない。かっては父子の交流を描いたフィクション小説などを執筆していたが、娘の死をきっかけに、その執筆路線を変え、今では全米各地の有名な幽霊ホテルや心霊スポットに出向いては、その噂の真相をルポする著作を出版している。これまで一度たりとも幽霊や超常現象に遭遇したことはなく、そうした噂は単に客寄せのための手段だと決め込み、まったく信じていない。頭はいいが皮肉屋の男だった。

サンタモニカの海でサーフィンをしていたある日、アドバルーンを見とれるあまり危うくおぼれかけたエンズリンのもとに、一通の葉書が届く。

差出人が記されていないその葉書には、「ニューヨーク、ドルフィンホテルの1408号室には入ってはいけない」と謎に満ちた言葉だけが綴られていた。

こんな葉書が来たら、行けといわれているようなもの。もちろん興味を覚えたエンズリンは早速下調べをし、このドルフィンホテルの1408号室に宿泊した56人の客がすべて死亡している事実を知り、さらに好奇心を刺激される。

次回作を完成させるために、エンズリンはドルフィンホテルにチェックインする。

執拗なまでに1408号室の宿泊にこだわるエンズリンに、ホテルの支配人オリン(サミュエル・L・ジャクソン)は再三にわたって説得する。自殺以外にも22人があの部屋で自然死を遂げたこと、偶発的に10分間だけ浴室に閉じ込められたメイドが救い出してみると両目を刺して笑っていたこと、これまでに1時間持ちこたえられた人がいないことーーーーー。オリンは最後にこう呟く。「あの部屋は邪悪な部屋だ。」と・・・・。

オリンは死亡した宿泊者のファイルまで見せて妥協を迫る!しかしエンズリンはオリンの警告を無視し、鍵を受け取ると、何年も宿泊客を迎え入れていない1408号室に足を踏み入れる・・・・・・。

 問題の部屋へと向かうエンズリン。

果たして、1408号室には、何が、あるのかーーーーー?

ここからは観客もエンズリンとともにドキドキ感を味わうことになります。一体なにがあるのかと怖いもの見たさに。

オリンからもらった高級酒を呑みながら、ベッドでこれから起こるべく恐怖を待つ。

徐々に恐怖は忍びよることに・・・・・。

突然鳴り響くベッド横のアラーム!あの懐かしいカーペンターズの♪メロディーが大きな音で流れ始める。これが始まり・・・・?

窓をのぞいた際に突然窓ガラスが下に落ちてくる。エンズリンは手を挟み、血だらけに・・・・・。

スイッチを切ったはずのアラームは再び鳴り始める。そして時間設定がスタート。その時間は60.00という数字になっていた。いよいよエンズリンへの攻撃が開始されるようである。

次々と起こる様々な超常現象がエンズリンに恐怖心へといざなう

部屋の空調設備もきかないため、フロントに電話。修理工の男性はやって来るものの、部屋に足を踏み入れようとはしない。部屋の外から、修理方法を伝えて去っていく。何とか冷房が直るが・・・・。

この部屋で亡くなった人たちの亡霊?が登場。窓から外へ落ちていく姿も見える。時には背後からエンズリンを襲おうとする。これは現実それとも幻なのか?幻覚と現実の間でエンズリンはおかしくなる。隣から聞こえる赤ちゃんの鳴き声に、壁を叩いて助けを呼ぶも、通じない。窓を飛び出し、隣の部屋へと行こうとしたが・・・・・。何と隣の窓は存在しない1408号室の窓以外、窓は存在しない。ウッソ~~

通機構を登り、隣へ・・・・。しかしそこで見えたものは、元妻の姿

一体どうなっているの?

冷房のスイッチに異常が?急激に温度が下がり、部屋の中は真冬状態。寒さで凍える。何とかPCで妻リリー(メアリー・マコーマック)にヘルプ!!しかし現状が上手く伝わらない。ここでは違う自分が登場して助けを求めるエンズリンを妨害するのだ。

どんどん負の状況に陥るエンズリン!意識は朦朧としていく。何処までは現実で、何処までが幻覚?

気がつけば、サーフィンで溺れたサンタモニカの浜辺?妻リリーとの再会?あの郵便局に行っている自分がいる。ところが、郵便局の壁が突如壊された。そこに現れたのは、紛れもないあの1408号室なのだ!現実なのか?幻覚なのか?意識が朦朧としたエンズリンはわけの分からない状況のなかを彷徨う。

気がつけば、部屋のテレビには、何と!妻リリーと自分そして亡き娘の姿が映しだされる。元気だったころの家族のむつまじい情景である。

何故?彼の過去を知っているのか。この部屋の正体は何なのか?

負の穴に落ちていくエンズリン・・・・。

部屋の中は廃墟のようになっている。この状況は本当なのか?憔悴しきったエンズリン。あとわずかでタイムリミット?のようだ。

廃墟の部屋から亡き娘が現れる。

冷蔵庫を開けたら支配人オリンがいる。

突然フロントからの。出ると、ゲームを続けるか?との質問が女性の声がする。彼はチェックアウトすることはもはや無理だと悟っていた。タイムリミットしたと思ったら、アラームはまた最初の60.00に戻った

そうチェックアウト=死に決まっている。もはやここから抜け出せない。そんな状況でもエンズリンはルポを続けた。そして最後の賭けに出た。

果たしてマイク・エンズリンは生きて、1408号室から抜け出せるのか?

  1408=1+4+0+8=13→ そう13は不吉な数字。1408はこういう意味だったのですね。

 妻リリー役 メアリー・マコーマック

 

 亡き娘 ケーティ役(ジャスミン・ジェシカ・アンソニー

 支配人オリンが裏で操っているのか?なんて思ったけど・・・・?

どうもそうではなさそうですね。

最後の賭けは・・・・・。彼は救われたのか?

まさに孤独で苛酷な戦いだと思いました。度肝を抜かれるような「1408号室」の結末はいかに?

解説

巨匠スティーヴン・キングの短編ホラーをジョン・キューザック主演で映画化。超常現象を疑い、呪われた部屋として知られる“1408号室”に宿泊してその謎を解明しようとした主人公に襲いかかる想像を絶する恐怖を描く。共演はサミュエル・L・ジャクソン。監督は「すべてはその朝始まった」のミカエル・ハフストローム

 

原作:

  スティーヴン・キング  
  『一四〇八号室』(新潮社刊『幸運の25セント硬貨』所収)
メディア 映画
上映時間 104分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(ムービーアイ)

初公開年月日●2008年11月22日

この部屋はあなたの心を破壊する!

オフィシャル・サイト
http://www.1408-themovie.com/ (英語)
オフィシャル・サイト
http://room1408.jp/

 

 


  

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この自由な世界で●it`s a free World・・・・

2009-02-08 | 映画:ミニシアター

 名匠ケン・ローチが、久々にロンドンの片隅で描くのは、心震え、笑い、涙し、いつしか声なき者たちの声が聞こえる物語。

カンヌ映画祭でパルムドール大賞「麦の穂をゆらす風」から2年。久々のケン・ローチ監督の作品が公開されました。2月6日、京都シネマにて鑑賞してきました。

何と今回のキャストはほとんど無名の方ばかりです。主役のアンジー役のキルストン・ウェアリングは役者10年続けてきた人ですが、芽が出なかったらしいです。もう役者になるのをあきらめようと思っていたときに、この話がきたそうです。エージェントから電話をもらったときは、ただただ驚き!“本当なんですか!”と言うのがやっとだったそうです。

しかしそんな風には見えない堂々とした感じで、強くてたくましいシングルマザーを演じていました。

物語

場所はポーランド。イギリスの職業紹介会社が、移住希望の人たちを面接。面接官をしている女性はてきぱきした女性、彼女の名前はアンジー。その夜同僚や上司とバーに出かけたアンジーは昼間面接をした青年カルロに偶然出会う。2人は話が弾む。ところが途中で、同僚から呼ばれる。テーブルに移動したアンジーのお尻を上司の一人が触った。怒るアンジーはコップの水を浴びせた!日頃から彼らに辟易していたアンジーはキレてしまったのだ。

ロンドンに戻ったアンジーを待っていたのは、突然の解雇!仕事は完璧にこなしたのに何故?ちくしょう!あいつらだ。

ということで、彼女は自分で職業紹介所を立ち上げることを決意ルームメイトのローズを共同経営に誘う。ライセンスや税金のことをローズは心配したが、すべては軌道に乗れば何とかなるとアンジーは説き伏せた。

馴染みのパブのアンディにパブの裏庭を借りる。ここに移民労働者たちの集合場所にする段取りをつけ、“アンジー&ローズ職業紹介所”を開設した。

ローズ(ジュリエット・エリス)左 シェフィールド生まれ、マンチェスターのアーデンスクールで演劇を学ぶ。ここ数年テレビドラマへの出演が多い。

アンジー(キルストン・ウェアリング) 英国リー・オン・シー出身 31歳 女優

アンジーはシングルマザー。11歳になる一人息子ジェイミーがいた。今は両親に預けているが、いつか一緒に暮らしたいと思っている。そのジェイミーが学校で問題を起した!同級生の顎の骨を折った。同級生がアンジーの悪口を言ったことが原因らしい。母キャシーはジェイミーの問題はお前のせいだとアンジーを責めるが、父のジェフはアンジーに理解を見せながら、もっと息子のことを気にかけるように優しく諭す。

ジェイミー(ジョー・シフリート) ハートフォードシャー州出身 12歳、本作でデビュー

 

アンジーの父 ジェフ(コリン・コフリン)

イーストロンドン、カニングダウン出身 61歳 役者としての経験はまったくない。港湾作業員の第4世代。労組の組合員。

そんなある日。シャツ工場のトニーが、興味深い話をする。ある工場ではわざわざ偽造パスポートの不法移民を雇っているというのだ。理由は安上がりで従順で使いやすいからだと。しかも不法移民を何百人も入国させ仕事を斡旋したマフィアのボスが受けたお咎めは、ただの警告だけだったというのだ。やらない損はない。アンジーの気持ちは揺れる。

アンジーは、ポーランドの青年カルロに再会する。カルロはイギリスに来たものの、今は失業中。移民たちが集まるトレーラーハウスで暮らしている。この国も君も嘘つきだ!とアンジーを批難するが、彼女もクビになったことを知ると、心を許した。そして二人はカルロの部屋で愛し合う。

カロル(レズワフ・ジュリック) ポーランド出身、若手俳優 

アンジーとローズは、さらなる儲け話を思いつく。昼夜シフトの工場労働者に部屋を借りる際、ベッドも昼夜シフトにすれば、彼らの部屋代で月3000ポンドも儲かるのだ。最初はローズも喜ぶが、すぐに尻込みする。しかしアンジーはローズの心配も気にかけない。

ところが、アンジーたちの仕事にトラブルが出始めた。今日はもらう金が少ないと、移民たちがローズに食ってかかった!居合わせたカルロが通訳をしてことは落ち着いたものの、ローズの不安は大きくなる。そんなとき、いつもならアンジーは不法移民に仕事はないと追い返していたイラン人男性マフムードが気になり、彼の家を訪れた。火の気のない部屋には妻と2人の娘がいた。政治的迫害で国を追われ、またこのイギリスからも退去命令を受けているため、隠れ家に住んでいる。アンジーは自分のアパートに彼らを連れていく。彼女の気まぐれな行動にいっそう不安を募らせるローズ。アンジーはマフムードに、偽造パスポートで働く違法行為を教えるのである。

一方アンジーはジェイミーと暮らすために、地域の青少年委員会の面接を受ける。アンジーに息子を養育できるのか?ジェイミーは母アンジーと暮らしたいのか?結果は母親失格の烙印を押されず、ほっとしたアンジー。

ところがそんなアンジー、ついに大きなトラブルに遭遇・・・・。労働者を斡旋したデレクがマフィアに金を搾り取られ、アンジーに金が払えなくなったのである。給料をもらえない移民たちの怒りが爆発!!

カルロは母国に帰るとアンジーに告げる。イギリスはきつい場所だ・・・・。アンジーはカルロにこれまでのお礼とお金を渡そうとするも、彼は「お金がすべてじゃない」と断る。カルロは、最後に一緒の時間を過ごしたいと誘うが、アンジーは断る。

ある日アンジーは、突然通りすがりの男に殴りつけられる。金をもらっていない移民たちだった。ローズは労働者の部屋代の儲けでお金を払うべきだというが、アンジーは拒否。結局ローズは従う。2人で貯めた資金を元手に事務所を借りる。

そんな矢先、45人の移民労働者の調達という大きな仕事が舞い込む。「ウクライナで集める」と自信満々のアンジーだったが、その不法移民の宿泊場所をどうするかだった。思い余ったアンジー、1本の電話をかける。かけた先は、何と入国管理局。不法移民の居住を通報し、強制退去させるように仕組んだ。トレーラーハウスにはあのマフムードの家族が暮らしているというのに・・・・。アンジーの酷薄な行為、自分の幸福のためなら、この国で何をしても自由なの?ついにローズは彼女に訣別。

そしてある夜、ジェイミーが誘拐された・・・・・・。

解説

 英国の名匠ケン・ローチ監督が、自由化が進みますます追いつめられていくロンドンの労働者事情と移民問題をテーマに描く社会派ドラマ。労働者として使われることに限界を感じ、自ら職業斡旋のビジネスを始めたシングルマザーのヒロインが、一生懸命ゆえに次第にモラルを踏み外していく姿をシニカルに描き出す。(allcinemaより)

映画の背景を使って、ちょっとお勉強です。

国よって違う移民の就労と居住の権利

イギリスに入国する際、どんなときにビザが必要で、イギリスで働くにはどんな許可が必要か?

◎居住権を有する英国市民、およびEEA(欧州経済地域の加盟国民)は居住と就労には制限がない。

◎ポーランドの場合は2004年5月1日にEUに加盟した10カ国に含まれ、EUに新規加盟する国はEEAにも加盟しなければならないと定められているので制限なし。

●ウクライナはEEA加盟国ではなく、入国にはビザが必要な国に定められている。

●イランもウクライナと同じです。

ちなみに現在では、EEA以外の国民が6ヶ月以上イギリスに滞在するには、事前に入国及び滞在の許可を与えるエントリークリアランスを取得しなくてはならない。日本人の場合はこれにあたる。

移民労働者の受け入れ制度

イギリスは、2004年5月のEU拡大に際して、東欧の新規加盟国からの労働者に労働市場を開放した数少ない国の一つ。

ただ2004年以前のEEA加盟国には就労の制限がないが、新規加盟8カ国(10カ国中キプロス、マルタを除く)からの労働者に対しては労働者登録計画により管理が行われている。ポーランドはこれにあたる。

2004~2005のイギリス内務省の統計によると、2004年5月~2005年12月の登録者数は約32万9000人。政府が当初見積もっていた年間1万3000人という数字をはるかに上回っていた。ポーランドは全体の59%を占め、その数は群を抜いている。

この映画にも登場するイラン人のマフムードの場合は、ビザでの正規入国をしていないので、居住の時点から違法となる。そのため、アンジーは居住や就労に制限のないEEA加盟国であるイタリアやスペインのパスポートを用意したわけだ。

ウクライナ移民の場合はビザでの入国ではあっても、就労ビザでないという点ではやはり違法行為となる。

以上、少し居住や就労について、少しふれてみました。ややこしい話です。しかし制度や法をかいくぐってでも、働かなければならない人たちにとっては、イギリスのような国は必要なんですよね。その弱みにつけ込んだアンジーのおかれている状況も分からなくはないけど・・・・・。ここまでやるか!と思いました。生きるためには手段も選ばない。そんなアンジーのずるさやしたたかさにう~ん・・・・?

女ひとり生きていくのは一筋縄では行かないね。でも金をごまかして払わないのはちょっとどうかとは思いましたが・・・・・。

自由って言葉は魅力的だけど、その裏には大きなリスクもある。自由だから何をしてもかまわないという意識を持つのは危ない・・・・・。だから自由ほど怖いものはないと感じる。自己責任を持って生きなきゃいけないね。

 

撮影の合間。ケン・ローチ監督(左)

ポール・ラヴァーティ(脚本)中央

 

オフィシャル・サイト
http://www.kono-jiyu.com/

メディア 映画
上映時間 96分
製作国 イギリス/イタリア/ドイツ/スペイン
公開情報 劇場公開(シネカノン)
 

 

 

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レボリューショナリー・ロード◎燃え尽きるまで

2009-02-04 | 映画:シネコン

 

 

Happyで美しい恋愛ドラマかと思っていたら・・・・。

1月30日、MOVX京都にて鑑賞。

「エレジー」とはまったく反対のドラマでした。あの「タイタニック」の美男・美女カップルが11年目に再度タッグを組んだ作品です。ケイト・ウィンスレットはこの作品で、見事第66回ゴールデングローブ賞主演女優賞をゲット!残念ながらレオ君はまた逃してしまいました。ちょっと残念ですね。

単なる夫婦の愛の物語だと勘違いしていました。ところがふたを開けたらまったく予想外の内容で、どのように書いたらいいのか?考えちゃいますよね。とりあえずライターや評論家ではないので、しょぼい感想程度ですが、お許しあれm(__)m

何かね、ラストが何ともいえない虚しさやいたたまれない気持ちが一気に押し寄せた感じでした。傍から見れば、理想的な夫婦で生活も中流階級。住んでいるところも、アメリカのコネチカット州で“レボリューショナリー・ロード”にある閑静な住宅街で、アメリカ人なら誰もが夢見る“豊かなアメリカ”の象徴的な場所らしいです。

このふたり、絵になりますね。何かハッピー♪そう

STORY(感想など含めて・・・・)

1950年半ば、夫フランク(レオナルド・デカプリオ)はここから毎日、ニューヨークの大会社に通勤し、その間、エイプリル(ケイト・ウィンスレット)はこんじんまりした可愛らしい白い家で、愛くるしいふたりの子どもの面倒を見る。そんな若々しい彼らを「とっても可愛いカップル」と賞賛し、何かと世話を焼くのが不動産業者のヘレン・ギヴィングズ(キャシー・ベイツ)や隣に住むシェップ(デヴィッド・ハーバー)とミリー(キャスリン・ハーン)キャンベル夫婦との付き合いもこなしていた。とにかく絵に描いたようなもう素晴らしい夫婦なんですね。

この出会いは運命的だけど、それは思わぬ方向へと繋がるものだった。

出会いはあるパーティ会場。フランクは彼女のような美しさに惹かれ、エイプリルは彼の個性豊かなに惹かれ、人生が素晴らしいものになると信じて結婚した。そうこの瞬間のひらめきが、後になってどつぼ状態にはまることになろうとは?

フランクはニューヨークの事務機会社ノックス社の社員、エイプリルは家庭を守る専業主婦。

ところがこのふたりの心の中には・・・・・。

フランクは漠然と抱いていたヨーロッパで成功する野望

エイプリルは夢見ていた女優への道

胸に秘めた思いは7年の結婚生活の中で、次第に二人の関係をギクシャクさせる。

そんなある日、エイプリルが突然切り出したとんでもない計画を提案!

それはこの家を引き払い、パリで暮らそうというものだった

良き母、良き伴侶に見えますが、実は・・・・・・。

戸惑いをみせるフランクだったが、互いの思いを押し殺し、“本当に生き甲斐のある結婚生活ではなかった”これまでの歳月を取り戻すため、この未知なる冒険に身をう委ねる決心をする!それは同時に、ふたりの愛が試される大きな賭けでもあった。

 

 ところが、予定外の出来事がエイプリルを襲う。一方フランクの身にもだ。エイプリルは望まない妊娠・・・・。フランクの場合は、仕事が認められるという大きな出来事が起こる。今までは仕事では報われなかっただけに、今後の道が大きく開かれるという大チャンス!パリ行きには躊躇するようになる。

エイプリルは大きな失望感に見まわれる希望の道はそこで絶たれた。逆にフランクにとっては、パリ行きを断念できる理由になったわけだ。内心はラッキーってところでしょうか。

エイプリルはまた普通の主婦としてこの場所で今までどおりの生活をしなければならくなった。自分の生きる道を模索しながら、やっと見つけた“パリ行き”なのに・・・・。夢は奪われ、行き先を見失ったのか?消失感が彼女を襲っているように見える。

50年前は、女性にとって結婚が一番の幸せだといわれた時代だった。今は随分変わってきた。働き、自立を目指す女性が当たり前の時代だが。

きっと結婚が唯一女性の幸せと言われ、エイプリルも何の迷いもなく、受け入れた。しかしいざ結婚はしたものの、自分が描いていたものではなかったことに気づいたのだと思う。完璧な結婚生活は、本人の無意識の中でストレスとなっていく。漠然としたイライラはやがて夫にも向けられる。

その関係は不協和音となり、ふたりの間に危機感が生まれるのはもちろんのことだ。乗り越えようと頑張るのか?あっさり別れてしまうのか?

少なくともフランクは乗り越えたいと思っていた。でもエイプリルはその気はなかった。つまりもうフランクを愛していなかったような?気がしたのですが。実際は分かりません。

書けば書くほど難しくなります。少なくともふたりの心がすれ違うことになったのはあるようですね。彼女が結婚して、訪れた人生の転機を彼と乗り越えることができなかったことでしょうか?つまり夫フランクとは運命共同体になれなかったのかもしれませんね。誰しも縁や運命というものが付きまといます。あのときあの人と出会っていたから、この人生がある。もしあの時ああしてたら、こうなっていた。色々考えるとつきませんが・・・・。その人、その人の人生、運命は決まっているということです。

エイプリルが結婚せず、独身で女優を続けていたらどうなっていたか?幸か不幸か?それも分かりませんね。

これが彼女の選んだ人生、そしてこの結末も彼女が選んだ人生なのでしょう。刹那的なものを感じましたが・・・・。心病んでいた彼女を夫フランクが癒せたら良かったのか?悔やんでも仕方ないけれど、この結末に複雑な心情になりました。

エイプリルは本当に燃え尽きたのでしょうか?

 

不動産仲介業 ヘレン・ギヴィングス(キャシー・ベイツ)

 

ジョン・ギヴィングス(マイケル・シャノン

ヘレンの息子。彼は夫婦の危機感を見抜いていた!凄い洞察力です。

ミリー・キャンベル(キャスリン・ハーン)

シェップ・キャンベル(デヴィッド・ハーバー)

密かにエイプリルに思いを寄せていた。ある夜、エイプリルと・・・・・。

 

モーリーン・グルーブ(ゾエ・カザン)

フランクの会社に勤める。フランクとできてしまう。

さて思いがけないとは言いませんが、ラストがかなり衝撃的です。ぜひ未見の方、シアターへお出かけ下さい!

 試練を乗り越えた盟友ケイトとの未知への挑戦

ケイトとなら、どんな困難も乗り越えられそうな気がしたんだ。(レオナルド・デカプリオ)

 夫とのタッグが実現した夢のプロジェクト

サムは「レオを夫役に!」っていうアイデアにも賛同してくれたの(ケイト・ウィンスレット)

「タイタニック」から11年ぶりに共演、この記事の詳細はこちらをご覧下さい。

※先日NHKBSで第66回ゴールデングローブ賞の授賞式が再放送されました。ケイト・ウィンスレットが2作品で助演女優賞、主演女優賞をダブルゲット。快挙です!彼女はかなり興奮していました。ケイトのイメージは落ち着いた女優さんって感じでしたが、意外にそそっかしく、せっかちな女性のように見えました。本当はどうなのでしょうかね。

更に追記解説:L・ディカプリオとK・ウィンスレットが『タイタニック』以来11年ぶりの共演を果たした本作。不世出の天才作家、リチャード・イエーツが61年に発表した処女小説を、『アメリカン・ビューティー』でオスカーに輝いたサム・メンデス監督の手により映画化。傍目には理想の夫婦に見えるカップルが、それぞれに理想と現実のギャップに悩み、葛藤し、立ちはだかる問題に阻まれながらも、愛と夢を守ろうと苦悩する姿が描かれる。メンデス監督は『アメリカン・ビューティー』同様に、眩いまでの陽の光のもとに、郊外に住む家族の抱える空虚さと絶望を描いているが、もがき苦しむ若夫婦の姿は、50年代のアメリカが進んだ道を暗示しているかのようでもある。
(goo映画より)

 

 公式サイト

 

 

 

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エレジー◇ELEGY 愛があるなら年の差なんて・・・。

2009-02-01 | 映画:シネコン

たとえ恋愛経験豊富でも・・・・・。

いつも恋するときは、初恋と同じ?なるほどね。どんなに多くの恋を経験しても、そのことが活かされるものではないのだ!要するに相手が変われば、その恋愛のかたちも違うから・・・・。もうこれで恋はお終いなんて、失恋や別れを経験しても、また恋はやって来る。そしてまた出会い、恋に落ちる。結局同じことを繰り返すのだ。恐れず目の前の恋に突き進みましょう!決して恐れずに・・・・。

1月27日、東宝シネマズ二条にて鑑賞。今回は年の差30歳の男女の熱烈でしかも静寂な愛の物語。女子学生のコンスエラ・カスティーリョ役にナイスボディで魅惑的なペネロペ・クルス。そしてその恋の相手大学教授デヴィッド・ケペシュ役には「ガンジー」でマハトラ・ガンジー役を演じ、アカデミー賞主演男優賞などに輝いたあのベン・キングズレー、実際にその年の差31歳です。

デヴィッドは大学教授、ちょっとした有名人。コンスエラは教え子だった。

「アメリカ快楽主義の起源」というきわどいタイトルの本を出し若い頃のただ一度の結婚を人生最大の失敗と公言、自由な恋愛を謳歌している。

本当にこのような魅力的な女性に出会ったら、おじさんも若者も一発で彼女の虜になるのは目に見えている。ただおじさんのようにこれだけ年の差があると、ちょっと躊躇しちゃうのは分かる。ディヴッドはこの美しいコンスエラに初めて触れたとき、芸術品のように大切に扱った。

猫の目のように怪しく輝く黒い瞳、艶やかな黒髪、そして何よりも彼が崇拝したのは、完璧な乳房!

親友でピュリツアー賞受賞の詩人であるジョージ・オハーン(デニス・ホッパー)はこういう。「自分の運の良さに感謝するんだな。美しい女性との一夜限りの関係を楽しんだんだ」。デヴィッドはそう彼にからかわれる。

ところが、コンスエラとの関係は一夜では終わらなかった!

「女性経験は多いほう?」と彼女は質問。そんな彼女に、「君はどうなんだ?」と逆に質問する。彼女は「5人」と答える。その答えを得たのが、間違いの始まりとなる。

いったいどんな男たちと?デヴィッドの中に、恐ろしいほど激しい嫉妬が生まれた!!

過去の男たちへ怒りといつしか現れるだろう未来の男への憎悪だ。

30歳も年下の彼女のほうが、ずっと大人だった。彼女は、嫉妬や独占欲を愛だと勘違いするほど子供ではなかった。彼女はこう思っていた。ディヴッドが誰とも魂で触れ合うような深い関係を築かず、恋から恋へと飛び移ってきたことも分かっていた。

刹那的な感情にすぎないのなら、その愛に価値はない。コンスエラはそんな考えだったのだ!(本当の愛をディヴィッドに求めていた?)

多分年の差がデヴィッドには大きなハードルだったのだろう。そしてコンスエラとの付き合いも未来に繋がるものとは考えていなかったはず。

それは老いへの恐怖!

デヴィッドは単にスリリングな恋を楽しんでいるだけ。そして、それは日常からの逃避行に過ぎない。

そんなデヴィッドに彼女はこう尋ねる。「あなたは私と一緒にいる未来を想像したことがあるの?」答えられないディヴッドに腹を立てるコンスエラだが・・・・。

しかし彼の腕に抱かれれば許してしまう。これほどまでに熱烈に肉体を愛されるのも、慈しむように美しい写真を撮られるのも、初めての経験だった。

そんな彼が20年間も肉体関係を続けているキャロライン(パトリシア・クラークソン)の存在など、想像すらしなかった。

キャロラインはデヴィッドに女の影を・・・・。

出会いと同じく、別れも突然やって来た。きっかけはコンスエラの修士号を祝う、両親主催のパーティー。行くと約束したのに、直前になって怖気づいたディヴッドは、電話で「車が故障した」と嘘をつき、引き返してしまう。深く傷ついたコンスエラは、彼の留守電に別れのメッセージを残す。「あなたは私にとってすべてだった。心から愛していたのよ」

未来に希望しかない彼女には、デヴィッドの恐れを理解することができなかった。

ふたりは別れ、デヴィッドは慣れ親しんだ日常に戻っていった。親友ジョージとのお喋り、TV出演、キャロラインとの情事・・・・。

ある日、疎遠になっている息子ケニー(ピーター・サースガード)が突然訪ねてきた。「愛人ができた」と相談。しかしデヴィッドにはどうすることもできない。親友ジョージがニューヨーク大学での詩の朗読会で倒れ、急死したのはそのときだった。

コンスエラと大きな支えだったジョージの死の悲しみからようやく立ち直ったと思えた2年後の大晦日、1本の電話がかかってきた!何とコンスエラだった。

「会いたい」とやって来たコンスエラは思いもかけない頼み事をする。

彼女の肉体は病に冒されていたのだ・・・・。

コンスエラはきっと彼の気持ちに気づいたのではないかと思う。老いという恐怖に、彼女自身の病への恐怖が重なったとき、初めて・・・・・。

デヴィッドは衝撃のあまり、泣き出す。そして彼女への愛に気付くのだ。愛は老いへの恐怖も吹き飛ばした。そんな気がした。恋に年齢はないということも・・・・。皆さん、恋をしましょう!

キャスト

 ジョージ(デニス・ホッパー)

 キャロライン(パトリシア・クラークソン)

 ケニー(ピーター・サースガード)

 エイミー・オハーン、ジョージの妻
デボラ・ハリー

 イザベル・コイシェ監督(右)

原作:フィリップ・ロス  『ダイング・アニマル』(集英社刊)

 

解説

ピュリッツァー賞作家フィリップ・ロスの『ダイング・アニマル』を「死ぬまでにしたい10のこと」「あなたになら言える秘密のこと」のイザベル・コイシェ監督が映画化した大人の愛の物語。若い頃から自由で気ままな恋愛を信条としてきた初老の大学教授が、30も年下の教え子相手に思いがけず愛に溺れて葛藤するさまと、そんなふたりの切ないすれ違いの愛の行方を実力派俳優陣による官能的かつ繊細な演技で描き出してゆく(allcinemaより)

オフィシャル・サイト
http://elegy-movie.jp/

 

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