銅版画制作の日々

ぼちぼち更新致します。宜しくお願いします!

MAN ON WIRE

2009-07-30 | 映画:ミニシアター


不可能なことを可能にしたフィリップ・プティ・・・・・。

京都みなみ会館にて鑑賞。2008年度、アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門受賞作品だったんだ。知らなかった・・・・。

オスカー像でパフォーマンス!


予告編を観て気になっていました。ワールドトレード・センターといえば、9,11でTEROにより崩壊されたビルですね。もう今はそのビルもないんですよね。そのニューヨーク、いや世界で一番高いツインタワーのビルの間に綱をかけてその上を渡ったというフィリップ・プティ。観るまではあの風貌から、何か凄く線の細くて、かよわいってイメージだったのですが。

まったく違いました。ユーモアたっぷりで、パワーのある人です。そのパワーがこの一大パフォーマンスをやり遂げる原動力なのでしょうね。
世界一高いツインタワーは地上から411mもあるそうです。ちょっとイメージが沸かないです。そういえば、神戸の六甲山系にある再度山がだいたい400mくらいの標高だそうで、小山くらいの高さと考えるといいのではないでしょうか。しかしビルは垂直ですから、崖だと考える方がいいでしょう。


現在のフィリップ・プティ。今年60歳。

1974年8月7日、23歳のフランス人が世界で一番高いニューヨークのワールド・トレード・センターのツインタワーのビルの間、411mの高さに張られた細い綱の上を渡った。

彼は45分間、8往復の綱渡りを披露し、その後逮捕された。何と、ニクソン大統領が辞職する前日だった。
しかし、フィリップ・プティの違法な秘密計画であったこの綱渡りが、次の日の新聞の見出しを大きく飾ることとなった。



彼はこの6年前に、歯痛のためパリにある混雑した歯医者に治療に行った際、雑誌に載っていたツインタワー建築計画に芸術家として興味を持った。そして直感的に、彼は2つの屋上の間に鉛筆で線を引いた。これだ!

「皆が見ている。しかし僕はその記事を手に入れたかった。だから、一瞬のうちにそのページを破り取って外に出た。もちろん歯は痛いまま。でも、痛みが何だ。僕は夢を手に入れたんだ!」

後に「史上、最も美しい犯罪」として知られることになる彼の最初の違法行為だった。彼は権力を軽蔑していた。通った全ての学校を辞めさせられていた。またSURIやストリートジャグリングの罪で、500回以上の逮捕歴があった。チェス、マジック、彫刻、フェンシング、闘牛を学ぶ。ついには綱渡りに行き着いた。17歳の少年は究極の挑戦に対して準備が整ったと自身で感じていた。

初めの違法な綱渡りは1971年6月。

パリにあるノートルダム大聖堂の2つの尖塔間において。
ジャン=ルイ・ブロンデュー、ジャン=フランソワ・ヘッケルの2人に支えられて1年間の準備を行う。違法だけれど、ひどく悪い卑劣なことではない。むしろ素晴らしいことだと話すジャン=フランソワ。ただこの光景はフランス人には刺激的すぎて失敗した。フィリップの勇敢な挑戦を賞賛するのは、世界中の人たち。但しフランス人以外。フランス人は全く感動しなかった。

その後、フィリップは2回目の挑戦としてオーストラリアのシドニーに向かった。
今度は世界最大の鉄鋼アーチ橋、シドニー・ハーバー・ブリッジ。北側の鉄塔の間に綱を張った。冬の朝、ラッシュアワーの交通を麻痺させ、呆然とした通行人たちが若き「空中の詩人」の挑戦に驚いて集まった。

いよいよツインタワーでの綱渡りに挑戦。マッハッタンの街角でジャグリングしているときに出会ったジム・ムーアに協力を求めた。事前に下調べした際に同行してくれた人物である。色々な人物になりすまして、逮捕されないように一緒に屋上へ行ってくれた。全ては計画を上手く進めるための準備だった。
その後8カ月にわたってニューヨークとフランスの田舎町を行き来きした。
練習場となった広場は子供時代からの遊び場で、そこには「ワールド・トレード・センター・アソシェーション(協会)」の看板がかがげられた。仲間は友人、ジャン=ルイ、オーストラリア人の仲間マーク、そしてフィリップの恋人ア二―がいた。挑戦を成功させるため、3つの難問もクリアしなければならない。

①約200kg(長さ60m)のワイヤーとその他必要な道具を持って警備の厳しいワールド・トレード・センター南タワーに気づかれないように忍び込む。

②南タワーから42m離れている北タワーに鋼鉄の重いワイヤーを渡す方法を考える。

③風やビルの揺れを抑えるためのワイヤーの固定方法や張りの保ち方を見つける。

リスクは高い。たとえ小さなミスでもフィリップの命に関わるので、細かいことにいたるまで全て計画どおりに行わなければならない。色々なことを学び、変装・侵入、ごまかしの達人になろうとした。チームの結束と仲間への信頼も。フィリップとジャン=ルイは特に計画をめぐって対立。途中で去る者もいたが、新たに加わる人もいた。

ついに計画の日がやっきた。いまだにトレード・センターは工事中。そのことを良いことに、フィリップ&ジャン=フランソアは南タワーへ。ジャン=ルイ&アルバートは北タワーに。それぞれ工事作業員とビジネスマンになりすましタワーに・・・・・。

南タワーの82階の保険会社で働いている内部の人間バリーが装置の運搬を許可しエレベーターで82階へ・・・・。運よく104階まで上手く昇れることに。作業員が人間違ったのがラッキー!この場所で防水シートの下に隠れて待機する。

一方北タワーの屋上でジャン=ルイが南タワーに矢を放つための合図を待っていた。矢には細い釣り糸、さらにより重たい釣り糸、ナイロンの糸、そしてロープ、最終的には綱渡りのケーブル。暗闇の中で矢を見つけるのは難しいため、フィリップは服を脱ぎ、素肌なら矢を感じることができるのではと考えた。(凄~い!)

「くじけそうな心で、ビルの端まで行ったところで、足のももの部分に釣り糸が触れるのを感じた。矢は、ビルの角の先端に不安定な状態であった。少しでも風が吹いたら、簡単に落ちてしまいそうだった。」

闇夜の中、2つのチームは準備を始めた。全ては計画通りに思えた。ところがケーブルが緩み始めた。そして長い重い鉄のワイヤーが突然スルスルと落下!やっとの思いでジャン=ルイとアルバートは素手で引っ張った。しかし予想以上に大変。途中アルバートは諦め去っていく。そのためジャンは一人で解決せざるを得なくなった。夜が明ける、時間が無くなる。屋上に作業員が!やっとのことで、ワイヤーを固定。フィリップも疲れきっているだろうし、ワイヤーの設置も理想的とはいえない。ジャンに不安がつのった。

でもフィリップはもう心に決めていた。

「これが恐らく僕の綱渡り人生の最期になるだろう。だが一方で、反抗できない何かが僕に綱渡りするように呼びかける。今まさに、死が近づいている・・・。」

ジャン=ルイによって撮られた写真は最初の数歩、綱渡りした時を見事に捉えている。


「僕はワイヤーを何度も往復したよ。そして、底が見えないビルの谷間、いや、自分だけの世界を誇らしげに見つめた。僕の運命は、もはや世界一高いタワーを征服することでなくなった。むしろ、ツインタワーに守られているように思えた。これは素晴らしいことだ。」

警官たちが2つのタワーの屋上に駆け寄った。彼らを無視し、フィリップは2つのタワーの間で綱渡りを続けた。45分かけて8往復した後、自ら綱から降り、「不法侵入と治安紊乱行為」の罪で逮捕された。
調書の「苦情の詳細」の欄に警察官は単純に「マン・オン・ワイヤー(綱渡りの男)」と記録した。その後この違法綱渡りにめぐって裁判が行われた。だが、セントラルパークで子供たちに向けてジャグリングを披露するという条件で容疑は撤回された。

法廷を出たら、若い女性が自分に手を振る姿に気付いた。そのとき微笑み返した。

フィリップの大胆不敵な綱渡りの写真が世界中の新聞のトップページを飾る。また彼の並はずれた曲芸はニューヨーク市民に受け入れられた。それだけじゃあない。彼は一瞬にして有名人になったのだ。そして港湾管理委員会は彼にワールド・トレード・センターの展望デッキへのVIP許可証を贈呈した。そこには「永遠に有効」と書かれている。

フィリップ イン 東京 渋谷区桜丘(2009年5.19)

 

 


映画のプロモーションで来日したフィリップが予告なしにパフォーマンスを披露したそうです。

60歳の今もパワーみなぎるフィリップ・プティ。不可能な事を可能にするということを、皆に教えてくれていると思いました。でもその目的に向かって行くには、決して容易いものではないということも伝えているのだと。何かに向かって取り組もうとうる時に少しづつ進んでいく、そしてきちんと準備することの大事さ。それらをクリアできれば、驚くようなことができるのではないでしょうか?フィリップの挑戦は頑張れば、何でもできるのだという素晴らしいメッセージだと思いました。

しかし凄いです。あんなに細いワイヤーに乗り、渡るという行為。見ているだけで怖くなりますよね。しかも命綱なしという凄技!精神力に、集中力に、そして努力・・・・。
計画を練って練っての挑戦。とにかく凄い人です。


ジェームズ・マーシュ監督とフィリップ・プティ

メディア 映画
上映時間 95分
製作国 イギリス
公開情報 劇場公開(エスパース・サロウ)
初公開年月 2009/06/13
ジャンル ドキュメンタリー

空に、夢に、近づきたかった。

1974年、ニューヨークのワールド・トレード・センター。人生を賭けた綱渡り。美しき自由の伝説。

音楽はプティ本人のアイデアで起用された マイケル・ナイマンの楽曲の数々。

オフィシャル・サイト
http://manonwire.com/ (英語)
オフィシャル・サイト
http://www.espace-sarou.co.jp/manonwire/
 
 
 
 

 
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ディア・ドクター☆笑福亭鶴瓶×西川美和監督

2009-07-27 | 映画:ミニシアター


その嘘は、罪ですか。

笑福亭鶴瓶主演、あの「ゆれる」の西川美和監督が撮った最新作「ディア・ドクター」をようやく鑑賞してきました。
鶴瓶は落語家ですが、タレントとしてのイメージが強いという印象があります。そんな彼が映画に主演で登場ということだったので、どのような感じなのか?興味もありました。また西川監督が自らオファーしたという経緯もあるらしいので、どのように仕上がった作品なのだろと気になるところ・・・・・。

1ヶ月前から上映開始されたのですが、連日満員で立ち見も出るという盛況ぶり。いまだに多くのお客さんで混んでいるようです。場所によったら、シネコンで上映されているようですが。こちらではミニシアターなので、大きいシアターで100人ちょいです。
前置きが長くなりましたが、お話を紹介していきます。

STORY

8月の下旬、夏の終わりのある日ーーーー。

山あいの小さな村から、一人の医師が突然いなくなる。夕方、診療所を出て行ってそれ以来、誰もその姿を目にするものはなかった。村のはずれの坂道で脱ぎ捨てられていた白衣が見つかる。先生がいなくなったということで、村中は騒然となる。
やがてベテランの刑事が2人、県警から派遣されて来る。
刑事役にはこのお二人。
波多野巡査部長(松重豊)左、岡安警部補(岩松了
三木監督作品などでお馴染の方々・・・・。

失踪原因は一体何なのか?医師伊野の身辺を洗い出すことになる。


そしてこの失踪前の約2か月前の話にさかのぼって物語は展開していくのである。

7月初旬ーーー。

東京の医大を出たばかりの相馬が、研修地神和田村に向かって赤い外車を走らせていた。棚田一色の村には、コンビニなんて見当たらない。とりあえず研修を無事に終わらし、早く都会に戻ることだけを考えていた。その時、二人乗りの原付バイクが視界に飛び込んできた!気がつくと相馬はベッドの上に寝かされていた。隣室で中年医師が、老人の診察をしている。慌てている相馬に男は「伊野でございます」と微笑む。関西弁に掴みどころのない感じ。傍らでは看護師の大竹がテキパキと動いている。いよいよ相馬にとって未経験の生活が始まる。

診察。薬の処方、ひとり暮らしの老人の健康管理。伊野は村の診療所ですべてを一手に引き受けていた。とどまることのない患者の相手、急患があれば夜中でも飛んでいく。「無医村だった村に、私があの人を連れて来た」と自慢する村長。
村人に頼りにされている伊野と働くうちに次第に都会では味わったことのない充実感を覚える相馬。

8月下旬、医師失踪から数日後ーーーー。

調べれば調べるほど、伊野の経歴からは不審な点ばかり浮かびあがって来る。履歴書に記された親元も不通。在籍した過去の病院も偽りのよう。村の誰もが伊野のことをちゃんと知っている者はいない。皆が神様のように崇拝している。刑事たちは疑念が広がっていく・・・・。

7月下旬、研修期間から約1カ月ーーーー。

ある日、鳥飼かづ子という未亡人が倒れたところに伊野たちは駆けつける。胃痛持ちの彼女は診療所に一度も訪れたことはなかった。末娘が東京で医者をしているということだが、どこか医者を避けているように見える。診察をして様子がおかしいと気づく伊野だったが、あっさりその場を去る。去り際に愛用のペンライトをそっと戸棚の下に潜らせる。
忘れ物をしたと再び訪れる伊野。娘さんが病気を知っているか?と探りをいれるも、かづ子は、「何もしなくていいですから」と呟く。数年前に主人を看取ったかづ子は娘たちに同じ負担はかけたくないと思っていた。そして一緒に嘘をついて欲しいと頼む。伊野は病状を隠さず診せるならばという条件のもとで引き受ける。数日後、かづ子は診療所に訪れる。大竹や相馬を外出させて、検査室で胃カメラをする。

その後、激しい雨となり、土砂崩れに巻き込まれた作業員が診療所に運び込まれて来る。骨折を疑った伊野がレントゲンを撮ろうとした矢先、怪我人はいきなり苦しみ始める。なすすべなく立ちすくむ伊野。かって救急病院で働いたことがある大竹は肺が破れて空気が溜まり心臓や大動脈を押し潰す「緊張性気胸」を疑う。その処置は、胸に針を刺して脱気しなければ長くは持たないと伊野に迫る。


このシーンは凄く緊迫感があった。鶴瓶演じる伊野と余貴美子が演じる大竹の表情に注目!

相馬に気づかれないように、こっそり身振りで針を突くポイントを示す。大竹の功が奏し男は一命を取り止めた。


鶴瓶と仲良しの中村勘三郎が医師役で登場。

搬送先の病院で判断を絶賛された伊野を男の家族が取り囲む。相馬は熱い眼差しで見つめる。

8月中旬、お盆近くーーーー。

伊野は、夜になると診療所を抜け出し、点滴を持ってかづ子の家を訪ねる。検査の結果はすでに手元に届いていた。玄関先で伊野を見送る際、ひどい吐き気に襲われる。駆け戻って背中をさする伊野に、かづ子は娘が来るので、何とかしてほしいと訴える。
診療所に出入りする薬問屋の営業マンの斎門に取引を持ちかけ、ノルマに協力するかわりに胃カメラを飲ませて治りかけの胃潰瘍を撮影する。
撮影する行為になぜそれを使うのかは聞かないが。とぼけた口調で人の足下を見る斎門は伊野の秘密を知っているような?


微妙な二人の関係が何か気になる。利害と秘密が絡まっているようだね。


やがて鳥飼家に娘たちが帰省してくる。医師で末娘のりつ子は台所に棄てられた薬の殻を見つけ薬品名を読み表情が曇りだした。

 鳥飼りつ子役(井川遥


その頃、相馬は、研修期間をすべて終了したら来春からここへ来たいと決意を話す。「俺はこの村が好きでいるのと違う、ずるずる居残ってしまっただけや」と話すが、相馬はここの村の人たちに感謝されていると言って取り合わない。伊野の口から漏れた「俺はニセモンや・・・」という言葉も相馬にはうまく伝わらない。

8月下旬、夏の終わりーーーー。

りつ子が伊野のもとを訪ねて来た。示された胃カメラの画像を食い入るように見つめ、胃潰瘍にしては症状が長引きすぎるのではと?厳しく問いただす。懸命に説明する伊野。やがて自分なりに納得した彼女は失礼を詫び、父のとき、自分が早く気付かなかったことを後悔していると話す。帰省が1年先になることを告げ、母の事を頼む姿に、伊野は「すぐに戻りますから」と言い残し、せき立てられるように原付バイクに飛び乗り、診療所を後にする。そしてそのまま二度と戻らなかった。

鳥飼かづ子役(八千草薫
伊野はかづ子に何をどのように伝えたかったのか・・・・。
娘りつ子の思いを聞いて、真実を伝えることが大事だと痛感したのかもしれない。

9月初旬、医師失踪から9日目ーーーー。

刑事たちは、伊野の消息を追い続けている。伊野を頼りにしていた村人たちの間にも、彼の記憶は急速に薄れつつあった。診療所は閉鎖。相馬は次の赴任先へと去った。
かづ子はいま、りつ子の勤務する病院に入院。いまだ、母親には本当の病名を告げられないままだった。あのとき、伊野を訪ねかったら、母はどんな風に見届けたのだろう。時々そんなことを考えるりつ子だった。事情聴取に訪れた刑事に「もし捕まえたら、聞いておいてください」そう言って足早に職場に戻るりつ子。

ラストはやっぱりこの二人は縁があるのか?と思うような場面で締めくくられます。

 斎門正芳(香川照之
前作「ゆれる」に続き今回も登場。脇役だけど、鶴瓶との絡みが何とも絶妙。

 看護師大竹朱美役(余貴美子
伊野を支える看護師大竹役がこれまたハマっていた。彼女も伊野の秘密を知っていたような・・・・。

 研修医相馬啓介役(瑛太

 
西川美和監督、原作・脚本・監督の3つをこなす。凄い!!

高齢化が進む時代背景をテーマに作られた西川監督最新作「ディア・ドクター」。テーマは重いけど、これがそんな重さを感じさせず、だけど何が大事なのかをしっかり押さえているところが素晴らしい。昨今医療現場でのミスや医者が組織絡みで儲け主義に走るという酷いことも聞くしね。明るい話が少ない。弱者の味方にならなきゃいけない医療従事者だからこそ、もっと患者の言葉に耳を傾けたり、心のよりどころになって欲しいものだ。伊野は確かに罪を犯したけど、これだけ人間性のいい医者は多分いないだろうとし・・・・。技術や専門性も大事だけれど、患者の心に近づくって本当に大事なことだと思う。


鶴瓶を起用した西川監督の冒険は成功だろう。実はこの役を誰にお願いしたらと悩まれたようです。伊野というキャラが決して強烈に個性のある人物ないだけに、キャスティングするにあたって誰が良いか?そんなときに考えたのが逆の発想。鶴瓶師匠は、日本で最も顔を知られた方、どこに行ってもその場を和ませることのできる才能をもちつつも人間の中に潜む不可解さも表現できるという誰もが認める本物の芸人。撮影が進むにつれ、伊野という男のあり方をいつのまにか取り込んだと。

正直、鶴瓶師匠が主演と聞いたときはえぇ~?と思いましたが。鑑賞したら鶴瓶のキャラは何処かに行ってしまったという感じでした。

メディア 映画
上映時間 127分
製作国 日本
公開情報 劇場公開(エンジンフィルム=アスミック・エース)
初公開年月 2009/06/27
ジャンル ドラマ


鶴瓶師匠、さすがです

オフィシャル・サイト
http://www.deardoctor.jp/

追記:棚田の緑の穂が風に揺れて、模様のように動く映像がとてもいい。ビジュアル的な撮影が上手いなあと思いました。美しいです

 

 

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ハリー・ポッターと謎のプリンス

2009-07-25 | 映画:シネコン

原題:HARRY POTTER & THE HALF-BLOODPRINCE

いきなりネタばれーーーーー!

ダンブルドア校長(マイケル・ガンボン)、お疲れ様でした!レイフ・ファインズは??
いよいよラストに近づいた。何と最終章はパート1と2があるそうです。2010年、2011年に公開。かなり力が入っているよ。
シリーズ第6作目となるハリー・ポッターと謎のプリンス。1作目からメンバーが変わらないというのは珍しいそうです。第1作目から5年の歳月が経った本作。皆さん、成長しました。ラドクリフ君も大人になっちゃいました。エマちゃんも魅力的な女性になりましたし・・・・。もちろんルバート君もです。前作からちょっと恋の始まりらしきところがありましたが、今回はラブシーンも見られます。すべて鑑賞してはいるのですが、どんなお話だったのか?完全に忘れているようなわけで・・・・。情けない話です(>_<)

魔の手はついに人間界へ!敵の最大の弱点を見つけたとき、
あのホグワーツ魔法魔術学校が、崩壊する。

遂に人間界にまで広がり始めた闇の帝王ヴォルデモートの脅威。もはや、魔法界にも、人間界にも安全な場所はない。
ダンブルドア校長(マイケル・ガンボン)はハリー(ダニエル・ラドクリフ)をヴォルデモートとの最終決戦に送り出す決意を固めた。
“その日”が刻一刻と近づいていることを確信していたからである。
不死身のヴォルデモートを倒す鍵を見つけるべく、ハリーとともに過去の記憶を追うダンブルドア。その重要な手掛かりを知る者はただ一人ーーーーかってホグワーツで魔法薬学を教えていたホラス・スラグホーン(ジム・ブロードベント)。

新しいキャラクター登場!ホラス・スラグホーン先生(ジム・ブロードベント
ダンブルドアは彼を復職させるため、おいしい条件をほのめかす。
ホグワーツに戻ってくれば、前より高い給料、広いオフィス・・・・・・。
そして、魔法界一有名なハリー・ポッターを教え子にするチャンスが待っているとーーー。

崩壊の危機が近づくホグワーツの校内では深刻な事態がもうひとつーーーそれは思春期ならではの恋わずらい。
幼い頃からずっと共に過ごしてきたジニ―(ボニー・ライト)とハリー(ダニエル・ラドクリフ)の間には、いつしか友達以上ののもが芽生えつつあった。
そんな二人の前に立ちはだかるのはジニ―の彼氏のディーン・トーマス、そして兄のロン(ルパート・グリント)だ。しかしロンは自身の恋愛で悩んでいた。ラベンダー・ブラウン(ジェシー・ケイヴ)は容赦なくアタックしてくるし、それを見たハーマイオニ―(エマ・ワトソン)は嫉妬にかられながらも決して顔に出そうとしない。


ハ―マイオニ―内心穏やかではなさそうな?


ロンは競技でナイスプレーをして、皆からワーキャーと言われる人気者ロンを追っかけるラベンダーも益々ロンの虜状態
そして、“惚れ薬”入りのチョコレートが妙なところで効果を発揮し、事態は急転直下する。そんな恋愛ムード満開のホグワーツで、素知らぬ顔の生徒が一人だけいた。その関心はもっと深刻なことに向いていた。彼は自分の名を、たとえ悪名であっても、とどろかせてやろうと考えていた。ロマンティックなムードの中に忍び寄る悲劇ーーー。ホグワーツはもう二度と元には戻らないかもしれない。

ドラゴ(トム・フェルトン

さらに詳しく・・・・。

ナルシッサ・マルフォイ(ヘレン・マックロリーと姉であるベラトリックス(ヘレナ・ボナム=カーター)は、「スピナーズ・エンド」という場所で住むスネイプ(アラン・リックマン)を訪れる。ナルシッサはスネイプに、ヴォルデモート卿から危険な使命を受けた息子ドラコを支援するよう頼み、その確約として魔法による決して破る事のできない誓約を結ぶ。


セブルス・スネイプミネルバ・マクゴナガルマギー・スミス

夏休み、ダーズリー家に帰省していたハリーは、彼を迎えに来たダンブルドアから、シリウス・ブラックの遺産を相続したことを知らされる。その後、親友ロンの実家へ向かう途中、ダンブルドアとともに彼の同僚であるホラスに面会したハリーは、引退したスラグホーンにホグワーツで再び教鞭を取るよう説得する。説得できたその後、ダンブルドアはこの一年間、自分の個人授業を受けてほしいとハリーに頼む。

隠れ穴」ではビルと婚約したフラーが夏を過ごしに来ていたが、それを好ましく思わないハーマイオニーやジニーは彼女を陰で「ヌラー」と呼び侮辱していた。しかし、ロンはフラーが気になるのか、二人をたしなめていて、ハリー達は「隠れ穴」の中の境界線で楽しい日々を送っていた。だが、外の世界では続々と恐ろしい事件が起こり始めていた。


ロンの妹ジニ―

新学期の準備のため、ハリー、ハーマイオニー、ウィーズリー一家はダイアゴン横丁に向かうが、ロンの兄、フレッドとジョージの悪戯専門店、「ウィーズリー・ウィザード・ウィーズ」以外はどこにも活気がなかった。「マダム・マルキン」の洋装店でハリー、ロン、ハーマイオニーは、ドラコ・マルフォイと鉢合わせるが、マルフォイが挙動不審な態度をとっているのを怪しみ、後を追う。追跡に気づかず、「夜の横丁」の「ボージン・アンド・バークス」に入ったドラゴは、オーナーのボージンを脅し何かの修理方法を聞きだすが、結局修理方法は不明のまま。ハリーは、マルフォイが「マダム・マルキン」の店で左腕に触れられるのを嫌がったことを思い出し、「左肘に「闇の印」が刻印されているのでは?」と考え、ドラゴが死喰い人ではないかと推測する。しかし、ロンとハーマイオニーは聞く耳をもたない。ハリーはホグワーツ特でマルフォイの正体を探ろうとするが気づかれ石化されてしまう。そこをニンファドーラ・トンクスが見つけ無事ホグワーツに入ることが出来た。

しかし実際にホグワーツで「闇の魔術に対する防衛術」を担当していたのはスネイプでありスラグホーンは「魔法薬学」を教えることになっていた。ハリーが借りた魔法薬学の教科書には「半純血のプリンス」という名前が書かれており魔法薬の事だけでなく彼が発明した闇の呪文が多く示されていた。

この第6巻末にハリーは信頼していたダンブルドアを失い、「半純血のプリンス」の正体がスネイプだったということ、そして新たな謎の人物の存在を知ることになるのである。ということは、スネイプは、ヴォルデモートなのか?
今回は闇の帝王ヴォルデモートの隠された過去が解明されていく。彼の正体は、何と、過去にホグワーツで学んだ学生だったことが分かる。本名はトム・リドル

トム・リドル(16歳)(フランク・ディレイン
 トム・リドル(11歳)ヒーロー・ファインズ=ティフィン 彼はヴォルデモート役のレイフ・ファインズの甥だそうです。
ルーナ役(イヴァナ・リンチ
魔法学校の中でもユニークなキャラ。

残念ながら、レイフ・ファインズは登場せず・・・・。変わりに甥っ子が登場しました。
 

 
数々の冒険や戦いを通して逞しく成長したハリー・ポッターが宿命の対決へ始動し、いよいよ佳境に差しかかっていく人気シリーズの第6弾。思春期を迎えたホグワーツ魔法学校の生徒たちが恋愛ムードに浮き立つ中、ハリーは復活した宿敵ヴォルデモートの知られざる過去に迫りながら最終決戦へ向け新たな冒険に臨む。監督は前作「~不死鳥の騎士団」に引き続きデヴィッド・イェーツ

メディア 映画
上映時間 154分
製作国 イギリス/アメリカ
公開情報 劇場公開(ワーナー)
初公開年月 2009/07/15

 

 

 

 

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サンシャイン・クリーニング

2009-07-22 | 映画:ミニシアター


一緒にいれば、悲しみも洗い流せる

この際、身も心もクリーニング♪

公開2日目に鑑賞してきました。3連休ということもあってなのか?それと上映回数も1日に2度しかないのもあるのでしょう。2回の上映とも満席で立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。そういえばあの「ディア・ドクター」も相変わらず満席でしたね。

「リトル・ミス・サンシャイン」の同じ製作チームが再びタッグを組んだ、オリジナルヒューマンドラマ。だからなのか、今回も“サンシャイン”がタイトルについています。

崖ぷち姉妹が事件現場のクリーニングを始めました?なんだそれっ?ちょっと気になるところ。だけどマジで考えるとこんなアブノーマルな仕事、本当にあるの??
???

崖ぷち姉妹を演じるのは→姉ローズにエイミー・アダムス、そして妹ノラにエミリー・ブラント。最近めきめき頭角を現してきているお二人です。
エミリー・ブラント、最初誰なのか?分からなかった。よく見ると、「ジェイン・オースティンの読書会」でプルーディーを演じた女優さんだったことが分かる。キャラが違うとまったく別人のように見える。
エイミー・アダムスも、魔法にかけられてではお姫様役。チャーリー・ウィルソンズ・ウォー では秘書役と多彩な役で活躍していて、今最も旬な女優さんだ。そんな注目の二人がダメダメな女性を見事に演じていた。
そしてこの姉妹の父親ジョー・ローコウスキには、前作「ミス・リトル・サンシャイン」にも出演したアラン・アーキン。前回作「リトル・ミス・サンシャイン」にも出演し、アカデミー賞を始め多くの賞をゲットしているというベテラン俳優さん。

そしてこの作品の大きな話題はなんといっても、全米での公開がたったの4館から始まったというところ。こういう作品、結構多いですね。もちろん口コミで興行ヒットとなって、全米でトップ10に入ったのでしょう。地味なお話だけど、やはりオリジナルだというところがこの作品の大きな魅力と言えるでしょう。

さてさてお話は・・・・・。

かっては花形チアリーダーとしてハイスクールのアイドルだったローズ。その彼女も今や30代半ばのシングルマザー。ハウスクリーニングの仕事をしながら、不動産業の資格取得を夢見る一方、かっての恋人マック(スティーヴ・ザーン)とのFURIN関係を清算できず、次の一歩を踏み出せずにいる。

妹ノラも何をやっても上手くいかず。どんな仕事も長続きせず、いまだに父親ジョーと実家で同居生活。
父親は父親で、一攫千金を夢見て新種のポップコーン“ファンシー・コーン”の訪問販売に夢中になっている。


アラン・アーキン、いい味出してます。


ある日、ローズが仕事に入った家で、学生時代の女友達ポーラに再会する。当時地味だった彼女が今では幸せな家庭を築き、ローズは自分との差に愕然とする
さらに8歳になるローズの息子オスカー(ジェイソン・スペヴァック)もノラに聞いた作り話を真に受け、何でも舐める変なクセがエスカレートし、遂には小学校を退学するハメになってしまうーーーー!!

落ち込む暇もなく、ローズは私立の小学校に入れることになる。
そして転機は突如として訪れたーーー。

恋人マックから事件現場を掃除する仕事で大金が稼げるという話を聞いたローズ。
嫌がるノラを誘って生計を立て直すために“事件現場の清掃業”をスタートさせる。
犯罪・ZISATUなどのわけあり事情で散々になった現場は、思わずゾッとするようなエグい状況も少なくない。


ノラ役のエミリーブラントのダメダメ役もなかなか良い!

始めはノウハウも分からず、同業者からも冷ややかな目でみられ、四苦ハ苦するふたりだったが、掃除道具屋の店員ウィルソン(クリフトン・コリンズ・Jr)のサポートを得て、次第に仕事の要領をつかんでく。
必要な道具一式そろえ、ワゴン車を買い、そこに「サンシャイン・クリーニング」という会社のロゴを刻みこむふたりを、父親と息子も応援してくれる。


次から次へと舞い込む仕事をこなしながら、ローズとノラはようやく本来あるべき自分たちの姿を取り戻し始めていた。


そしてローズはだらだら続いていたマックとの関係に終止符を打つ決意をする。


ノラは、清掃現場で見つけた腐乱状態の遺留品を手掛かりに、その女性の娘であるリン(メアリー・リン・ライスカブ)に近づいていく。
亡くなった母の残した思いを伝えたかったのだ。

ローズとノラは、幼い頃に目撃した母の死にまつわるトラウマを拭い去ることができず生きていた。母はなぜ死を選んだのか?その事実を拒絶するように・・・・・。
しかし、知らない誰かの死の痕跡に触れるうち、ふたりはやっと自分たちの過去を正面から受け入れられるようになっていった。
ふたりが働いている間、ジョーはオスカーを引き連れ、各地に営業してまわった。セールスに思わぬ才能を発揮するオスカーの助けを借りて、今度は“エビの訪問販売”という怪しげな新規ビジネスに手を染め、一攫千金の夢をさらにふくらませていくのだった。

一風変わった新しい事業に乗り出し、順調に仕事をこなしていくローズは、自分のはちらつとした自信に満ちた姿を見せたくて、誘われたポーラの出産パーティに出席。
父にオスカーを預かってもらおうと訪ねるが、エビの事業に失敗した父は不機嫌?

急遽ウィルソンに預けることに。ところがその途中大きな仕事が入った!!パーティを選んだローズはノラひとりに任せることになってしまった。
「必ずあとで合流するから!」


ローズに頼まれ、仕事に行ったノラ。途中子猫を追いかけ始める。これが災いのきっかけとなる・・・・・。

しかし、そのことが取り返しのつかない惨事を招くことになるとは・・・・・。
ふたりはよもや考えもしていなかった。


憔悴しきったふたり・・・・・。


ローズを慰める父ジョー

人生負け組な姉妹を中心に、ファミリーの上手くいっていないようないっているような不思議な結束力もじわじわ感じられて、親近感が湧いてくる。
ローズ役のエイミーもいいけど、やっぱ今回はノラ役のエミリー・ブラントが断然光っていたよね。このキャラも凄くいいんだ。

ローズのあの一人で言い聞かせる言葉もなかなか面白い。
「私は強い!」「私はパワーがある!」

負け組な人生を送る問題だらけの美人姉妹が、一発逆転を狙って始めた事件現場のクリーニング事業を通して様々な経験を積み、人生を見つめ直していく姿をユーモアを織り交ぜ乾いたタッチで綴る切なくて心温まるヒューマン・コメディ。主演は「魔法にかけられて」「ダウト ~あるカトリック学校で~」のエイミー・アダムスと「プラダを着た悪魔」「ジェイン・オースティンの読書会」のエミリー・ブラント、共演に「リトル・ミス・サンシャイン」のアラン・アーキン。監督は「シルヴィア」のクリスティン・ジェフズ
(allcinemaより抜粋)


クリスティン・ジェフズ監督(中央)

メディア 映画
上映時間 92分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(ファントム・フィルム)
初公開年月 2009/07/11
ジャンル コメディ/ドラマ
映倫

PG-12

オフィシャル・サイト
http://www.sunshine-cleaning.jp/

 

サンシャインのつながり

奇妙な偶然の一致だそうです。意図的なものはないようです。

ロケ場所の決め手の面白さ

ロケ地はアルバカーキという町。ローズが過ごした高校時代のチアリーダでアイドル、生き生きした雰囲気とその反対、まるでやる気のないような雰囲気。そんな2種類の雰囲気を持つ町が必要だった。その両方を併せ持ったのが、アルバカーキだったそうです。大自然に囲まれながらも、姉妹と家族が普通の暮らしをするにふさわしい、アメリカのどこにでもあるようなファーストフードとレストランがある町だった。リアルな田舎の風景がある町だった。ロケーションにも細かくこだわったのですね。(注:アルバカーキはニューメキシコ州の町)

 

 

 

 

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蟹工船2009

2009-07-20 | 映画:ミニシアター


反撃!!!!ーーーーーー!

上映最終日これまた滑り込みーーーーー。ようやく「蟹工船」鑑賞しました。
今何故に?「蟹工船」がブレイクなのだろ?とよく考えたら、社会が抱える深刻な失業事情が、この作品を呼び起こしたわけだった。考えるともう何年も前からそんなに選ぶほど良い仕事はなかったように思う。そう思うのは私だけ?かな・・・・・。

そんな事情はじりじり迫っていたのだけれど、ここ数年で大きく落ち込んだように思う。昔のように1つの会社に就職したら、定年まで同じところでというのはもう夢の話なわけで。多分今の若い人にそんな事を言っても信じられないことだろうね。

原作「蟹工船」は小林多喜二が1929年(昭和4年)に発表した小説。劣悪な環境で働く労働者たちの闘争を描いたもの。プロレタリア文学の最高峰と賞賛され、歴史に名を刻んだ。
実は私もかっては、労働組合なるものに入っていたことがある。蟹工船で働く労働者のようなとことん酷い状況ではなかったが、やはり職場での労働条件や賃金の問題で労使交渉なるものを持たなければいけないというところまでなったことがある。そんな過去の事を思いだしながら、この作品を鑑賞することに。

ところが開けてびっくり!随分イメージが違うじゃない?それが初めの感想。あの労働者の闘争の独特なドロドロさはなく、意外にもスタイリッシュなドラマ仕立てなのだ。これは何なのだろうか?と正直戸惑いを感じた。斬新な演出に役者さんの顔ぶれも、時代を担う若い人たちがそろっている。蟹加工の作業風景も、男ばかりで胡散臭いはずが、そんな雰囲気はあまり臭わない。とにかくお洒落。

船内の暗さも何故か?重いものを感じない。だから明るいのか?というわけでもない。作業員たちの苦悩は見えるものの、一味違った苦しみ?それがどんな感じかは上手く伝えられないんだけど・・・・。表現するのは難しいなあ。

松田龍平君、なかなかいい!かっこいいよ。今までそんなに良いとは思わなかったんだけど。この新庄役はハマっている。
対する浅川監督役の西島秀俊さん、いつものイメージとは違う悪役で登場。一見柔そうな感じもするが、作業員たちを虫けらのようにこき使う嫌な男なのだ。

倒れた作業員を無情に殴る浅川・・・・・。憎たらしい!

STORY

カムチャッカ沖で蟹を獲り、船上で缶詰に加工する蟹工船「博光丸」。ある日、労働者の一人・宮口は監視の目を盗んで船からの脱走を試みる。だが、彼の行く手を阻むように落下してきたのは、大量の蟹だったーーーー!!
冒頭はこのシーンで始まる。まさに蟹と宮口のコラボレーションだ。

博光丸では出稼ぎ労働者たちが劣悪な環境に置かれ、安い賃金で苛酷な労働を強いられていた。監督浅川(西島秀俊)は、労働者を人間ATUKAIしない。労働者たちはつらい仕事が終わると、当然のように生まれながらの絶望感を感じる。お互いにそれぞれの境遇を何故か?自慢げに語り合う毎日だった。


労働者の一人新庄(松田龍平)は未来のない現世に見切りをつけて、来世に希望を見出そうと語りだす。
夢の姿を追い求める新庄の話で、空想のシーンが映りだされる。それは白いスーツ姿の新庄たちがバレーボールをやっているというものだ。暗いシーンの中に淡い白い希望の映像が映しだされるのが何とも言えない。


雑夫・根本役(高良健吾)左

金持ちに変わることを信じて集団ZISATUを試みるが、いざ決行となると、その言葉を信じて死ねる人間は一人もいなかった。


新庄にのせられて、うっかりZISATUを試みたことを皆で笑い合う。
しかし、楽しい時間もつかの間、労働者はさらなる重労働へと駆り立てられる。そんな極限状態の中、沸き起こる労働者同士の内紛。

ある時、漁に出た新庄と塩田(新井浩文)が博光丸からはぐれてしまい、ロシア船に救助される。そこで見たのは、コサックダンスを陽気に踊るロシア人の姿であり、楽しげな音楽の宴。初めて感じる自由という名の世界だった。

一方船内では、脱走を試みた宮口がSETUKANを受けトイレに閉じ込められていた。朦朧とする意識の中、何かを訴えるかのように彼が叩く扉の音は蟹工船に乗る者すべての耳へと届けられる。やがて絶命する宮口。

極寒の海に囲まれ、逃げ場のない蟹工船という地獄を、労働者たちはあらためて認識した。生きることに絶望して、海に飛び込もうとした若い雑夫・清水(柄本時生)。彼を救ったのはロシア船から戻った新庄と塩田だった。新庄は、夢見るだけでなく、願望を実現するために行動しなければならないと再び蟹工船に戻ってきたのだ。そして、労働者たちに一斉蜂起を呼び掛けた。「あきらめるには、まだ早すぎるっ!我々は立ち上がらなければならないっ!」と・・・・・。


浅川たちと交渉することに・・・・・。


銃を向ける浅川に、労働者たちは太刀打ちできない~~!

果たして新庄たちは勝つことが出来るのか?
最後の大勝負の結果はどうなる???

 

 
左からSABU監督、木本武宏(TKO)、木下隆行(TKO)、松田龍平

雇用の不安定化や製造業派遣といった労働環境の悪化を背景に、若者のあいだで改めて脚光を浴びている小林多喜二によるプロレタリア文学の名作を、「弾丸ランナー」「MONDAY」のSABU監督がパンクに映画化。主演は「悪夢探偵」の松田龍平、共演に西島秀俊。カムチャッカ沖で蟹を獲り、そのまま船内で缶詰に加工する蟹工船・博光丸。そこでは出稼ぎ労働者たちが劣悪な環境の中、資本家の思いのままに搾取され、逃げ場のない絶望にさらされていた。そんな中、一人の漁夫・新庄が立ち上がる。ひょんなことから偶然ロシア船に救助された彼は、再び蟹工船に舞い戻ると、労働者たち一人ひとりに、行動しなければ何も変わらないと力強く訴えかけるのだった。(allcinemaより抜粋)

メディア 映画
上映時間 109分
製作国 日本
公開情報 劇場公開(IMJエンタテインメント)
初公開年月 2009/07/04
ジャンル ドラマ


決戦の時が来た!支配する者と支配される者
果てなき欲望と絶望の激突!!

オフィシャル・サイト
http://kanikosen.jp/pc/

※少し切迫感は薄い気もするが、ビジュアル的には良かったのではないでしょうか?
舞台は、狭い船内だけでなので、なかなか難しいそうな感じもしましたが。

 

 

 

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サガンー悲しみよ こんにちはー

2009-07-18 | 映画:ミニシアター


18歳で鮮烈なデビューを果たし、数々のスキャンダルに彩られた
伝説的な作家フランソア・サガン。
その愛と孤独とはーーーー。

「ノウイング」の前に、京都シネマにて鑑賞しました。「ディア・ドクター」は連日満員状態です。京都ではミニシアターのみの上映ということで、なかなか鑑賞できず・・・。その前に17日で終了になる、「サガンー悲しみよ こんにちはー」を鑑賞してきました。

サガン世代じゃない私だけれど、彼女が有名なフランスの作家だということは知っている。でもどんな生い立ちで、どんな人生を歩んできた人なのか?はまったく知らず。読書嫌いじゃないけれど、あまり馴染みがなかったサガン。今回映画を観て彼女の生きざまや破天荒な人生だったことを知った。

1950年代はくしくも、私が生まれた頃だ。1954年に18歳でセンセーショナルな作家デビューを果たしたサガンの「悲しみよこんにちは」は小説好きじゃなくても有名だ。日本でも多くのファンを獲得し、憧れの存在だったという。
小説に描かれているのもそう言った、フランスのブルジョアの洗練された生活だそうで・・・・・。そりゃそういうファッショナブルな生活って女性の憧れですよね。
才能に恵まれ、お金持ちで。申し分のない環境だったにも関わらず、その生活はかなり荒れていたようだ。

文才が認められたことで、彼女は莫大な富と名声を得る!華やかな交友関係に結婚と離婚そして出産。富を得たことが裏目の方向へと進む。それはGYANNBURUに酒、クスリという誘惑に手を染めるというものだった。
また車の運転での事故で一時は生命の危機にも遭遇・・・・・。堅実な性格なら、地道に富を蓄えて老後のことまで考えるところだろうが、彼女はまったくお構いなし。
そうなると小説はどうなの?と思うが、いやいやこれがまたすごいのだ。小説に、戯曲に脚本・伝記と色々なポジションで活躍
とことん浪費を繰り返しながらも執筆は続けた。観ていると、お金に固執はなかったのかもしれないような感じする。きっとそうだ!

物語

「私がひそかに恐れるのは、愛なく生きることだ」
時代の寵児となったサガンは、富を浪費しつつ、執筆を続けるが・・・・・。

1954年、18歳の少女が書いた小説に、世界中の若者たちが熱狂し、大人は眉をひそめた。フランソアーズ・クワレ―ズ(シルヴィー・テステュ)が友達に小説を書いているとミエを張り、前年の夏休みに書きあげた「悲しみよこんにちは」だ。ペンネームは、プルーストの「失われた時を求めて」から借りたフランソワ―ズ・サガン、この名前で出版した初めての作品はベストセラーとなり、賛否両論の大騒動となる。そのさなか、何と栄誉ある評論家賞を受賞となった。本人は、これが名声というものなんだと・・・・。
有名人なったサガンに、さまざまな人間が近づいてきたが、生涯の友となる出会いもあった。

ダンサーのジャック・シャゾ(ピエール・パルマード

作家のベルナール・フランク(リオネル・アベランスキ

学校時代からの親友フロランス・マルロー(マルゴ・アバスカル

彼らと夜ごとパーティに繰り出してはお祭り騒ぎを楽しむ。


◎ドーヴィルのカジノでGYANNBURU三昧のバカンスの際、ルーレットで8に賭け800万フランの大金ゲット!

〇ノルマンディーを気に入ったサガンは借りていた別荘を即金で購入!

サガンはアメリカでも人気沸騰
宣伝で訪れたNYでフランス人の編集者ギイ・シュレール(ドゥニ・ポダリデス)と出会い、恋に落ちる。
2作目「ある微笑」は、バルザックに劣ると批判されながらも、前作に続くベストセラー

サガン、有り余るお金で、南仏サントロぺに友人を30人も招待して、浪費する。
翌年、「一年ののち」を発表した頃、サガンは兄に酷評され、心にわだかまりを抱えたまま別荘から車を走らせ、スピード出しすぎて事故を起こす。奇跡的に一命取り留めたものの、痛み止めのMORUHINEのせいで生涯にわたりYAKUBUTU中毒と闘う羽目になる。事故から数カ月後、やっと歩けるようになった。そしてギイと結婚。
共通点の少ないふたりの生活はすぐに破綻。サガン初めての挫折に。

最愛の兄とサガン

新作「ブラームスはお好き」。この作品は世間から作者自身の離婚と関連づけられてしまう。サガン、うんざり・・・・。

サガンも小説も好き♪と言ってくれた女性パオラと親密になるが、彼女や友人たちと一緒にいても満たされない。書くことで、忘れることができた。

サガン、二度目の恋。相手はハンサムなアメリカ人、ボブ・ウェストホフ。妊娠を機に結婚、ひとり息子ドニが生まれる。しかしこの結婚も長くは続かず。
姉がからかう。「子供を作って離婚、夫は別の男とくっつき、貴方は同居している。これこそ革命よ」と。
息子の笑顔は愛の終わりを忘れさせてくれるが、それも一瞬にすぎない。そんな折、サガンは旧友ペギー・ロッシュ(ジャンヌ・バリバール)と偶然再会し、意気投合。彼女は元モデルで、今は自分のブランドを持っている。そんな彼女と一緒に暮らし始める。


ペギーとサガン
浪費を続けるサガンの支出はいつの間にか収入を上回り、税金の未納額と借金が膨らむ。それでもノルマンディーの家だけは手放したくないサガンは無謀にも競争馬に投資。馬は勝ち、一時しのぎにはなったが、報酬のための執筆もやむなく引き受けるようになる。不幸は次々と降りかかる。優しかった父の死、自身もミッテラン大統領に同行したコロンビアで高山病に罹り生死の境をさまよう。KOKAIN所持・使用で有罪判決を受けた時は「破滅しようが勝手でしょ?」とマスコミに言い放つが、最愛のペギーを癌で失ったときは激しいショックを受ける。そして親友ジャック・シャゾも程なく世を去った。

 


深い孤独と莫大な借金を抱えたサガンに接近し、KOKAIN中毒を助長したのは、大富豪の妻で自称アーティストのアスリッド(アリエル・ドンバール)だ。
サガンは人生最後の日々を、アスリッドが競売で買い戻してくれたノルマンディーの家でひっそり過ごし、やがて病床に伏す。息子の面会も頑なに拒んだサガンは、自ら用意した墓碑銘をこう結んでいた。「人生と作品を手際よく片付けたが、その死は本人だけの事件だった」と・・・・・。

こうして観ると、華やかな日々の作家サガンの様子はこの作品では垣間見ることが少ない。むしろ作家ではなく、フランソアーズ・クワレ―ズという一人の女性に焦点を当てているような気がしたし。ある映画評論家さんの話を読むと、1958年に映画化された同タイトルの主人公セシルがサガンの分身だったと述べている。
サガンを演じたシルヴィ・テステューはサガンの面影を宿しているのだが、私たちがイメージする華やかなスターとは大きく違っているとも。
本作しか観ていないのでその辺は分からないが、確かにサガンという時代の寵児だった作家ということよりも、やはり一人の女性の生きざまに迫った作品なのかもしれない。それにしても最後のサガンの姿は孤独な女性というほかならない。

監督・脚本:ディアーヌ・キュリス

 サガンの息子さん ドニ・ウェストホフ

18歳で著わした処女作『悲しみよ こんにちは』が世界的ベストセラーとなり、一夜にして富と名声を手に入れた作家フランソワーズ・サガンの栄光と転落の人生を描く伝記ドラマ。主演は本作の演技が高い評価を受けた「ビヨンド・サイレンス」「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」のシルヴィー・テステュー。監督は「年下のひと」のディアーヌ・キュリス。(allcinemaより抜粋)

メディア 映画
上映時間 122分
製作国 フランス
公開情報 劇場公開(ショウゲート)
初公開年月 2009/06/06
ジャンル ドラマ/伝記
映倫 PG-12

愛も、名声も、贅沢も──
ぜんぶ手に入れて、失って。

 

オフィシャル・サイト
http://www.sagan-movie.com/
 
 

追記:アーティストはある意味アブノーマルな感性が必要ではないだろか。独自の表現能力がその才能を華開かせる大きな要因だと思う。サガンの逸脱した人生こそ、あのような素晴らしい作品をあみだしたのではないか?と思う。それにしてもサガンを演じたシルヴィ・テステュー、本当のサガンと重なるくらい、サガンを見事に演じていたね。


 

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ノウイング★KNOWING

2009-07-15 | 映画:シネコン

 人類は「知る」ーーーーー
未来はすでに通達されていることを。

久しぶりに映画を二本鑑賞してきました。その1本目が本作「ノウイング」。主演は、ニコラス・ケイジ。実は彼の作品は過去に1本だけしか観ていません。どちらかと言えば、お気に入りの俳優さんではないのですが。だから今回も観ようか?どうしようか?迷っていたのです。そこで事前に他のブロガーさんの記事をチェック。すると意外に良さそうな感じなのでスルーせず観ることにしました。

結末から言うと、やはり悲しいのかな?それとも希望の持てるものなのかな?何か複雑な気持ちです。わずかな人だけしか救われないというのもどうかなんて思いましたが・・・・。現実に起こったら、どうなんでしょうね。私はきっとパニックってしまうだろうなあななんて思いました。そういえばキアヌ・リーヴスの「地球が静止する日」を思いだしました。どこか被りますよね。

さてお話は

冒頭は1956年?いや55年?50年前の小学校でのお話から始まる。タイムカプセルに皆のメッセージを入れて、50年後に掘り起こすということでクラスの皆で絵を描くのだが、このクラスにひとりの少女ルシンダだけが絵を描かず何やら不可思議な数字を紙いっぱいに書いていた。結局間に合わず、先生が途中で取り上げてしまう。そしてその日、少女は失踪するのだが。校内を捜していたところ、地下室で見つかる。その時の彼女の手の指は血だらけ状態。そしてドアには何やら不可解な文字が刻まれていた。


マサチューセッツ工科大学の教授役のニコちゃん。

ここから時がいっきに現代へと変わる。50年前に埋められたタイムカプセルを掘り起こす記念式典が小学校で催されている。収められていた当時の生徒たちが創造する未来図が在校生に配られた。MTI宇宙物理学者のジョン(ニコラス・ケイジ )の一人息子ケイレブ(チャンドラー・カンタベリー)が持ち帰ったのは、子供が書いたものとは想像しがたい不可解な数字が羅列されたものだった。数列には、一定の法則があるのではないか?と仮説を持ったジョンは、様々な角度から検証していく中で“299691101”というブロックに目が留まる。それはアメリカ同時多発TEROが起きた日付と、2996人という犠牲者の数と一致したのだ!

他の数列も確かめていくと、過去に起きたあらゆる大惨事の日付・犠牲者数と一致していたことが判明する。その中にはジョンの妻が亡くなった2年前のホテル火災の日付と犠牲者数も含まれていた。愕然とするジョン。さらに、その紙には過去だけでなく未来に起こる大惨事も暗示されており、未然に防げないかと予告の場所に向かう。

仮説が正しければ、ここで81人が死んでしまうことになる。道路では、すでに玉突き衝突事故が起きており、手遅れかと思われたが、何故か死者はゼロであった。数列と大惨事は単なる偶然の一致に過ぎないと安心したその瞬間、上空から爆音とともに旅客機がジョンの頭上を通り越し、墜落したのだ。


大惨事は現実のものとなった・・・・。

仮説は確信へと変わる。紙の謎を解読し続けるジョン。
まず50年前の小学校でタイムカプセルに関わった先生を訪ねる。そしてこの謎の手紙を書いた少女ルシンダの消息を聞くことに・・・・・。


一方息子ケイレブはあの紙を手にしてから、彼の身の周りに異変が起こりだしていた。ジョンには聞こえないがケイレブには小さな声で彼を誘う声が聞こえる。また窓から見える景色は火の海という光景。これは現実なのか?夢なのか?

謎の数字を書いたルシンダは、既に亡くなっていた。死因は謎だった。彼女の娘ダイアナ(ローズ・バーン )を訪ねて、何か手掛かりを得ようとする。


ダイアナは娘アビー(ララ・ロビンソン)と暮らしていた。

※アビー役のララちゃんは、ルシンダ・エンブリー役でも登場していました。

ジョンが母のことを聞くと強い拒否を示すが・・・・・。数日後、ジョンのところに訪ねてくる。娘アビーに何か異変が起きていることで不安をつのらせているようだった。

母ルシンダはかって住んでいた家で、遺体で見つかったと話すダイアナ。2人は子供たちを連れてその家に向かう。そこに何か手掛かりがあるかもしれないと。

手掛かりを求め家の中を探し回る二人・・・・。手掛かりは何とベッドの下に刻み込まれていた文字。
その時、ケイレブの叫び声が


車の外には謎の男たちが。一緒に行こうと誘うのだ。

危うく連れて行かれそうになったふたりだったが、ジョンたちが戻ったことで間逃れる。ジョンは謎の男たちを追って森の中へ行くが・・・・。彼らの強い力で押されてしまう。口から光のようなものを吹きかけられる。

そうしている間に、地球に危機が迫っていた。もはや行き場のない多くの人々はパニック状態となっていた。地下に潜るしかないと、国家機関の警告が出されている。

ふと思いだしたジョンは、ルシンダが最後に見つかった学校の地下へと急ぐ。


地下のドアをルシンダが手でひっかき何かを書いたことを思いだしたのだ。
そのドアに書かれたことが生き延びる手掛かりかもしれない。ドアを外して持ち帰る。塗られたドアの下を削り取る。
ダイアナは焦っていた。もうそんなことをしている場合ではない!一刻も早く。結局ジョンを置いたまま、子供たちを連れて非難場所へ向かうのだった。

ジョンは助かる最後の手段はあのルシンダの家しかないと判断するも、ダイアナは信じられない。


謎の黒い石。これは一体何を意味するのか?


ジョンはダイアナや子供たちを追いかける。

しかし途中で子供たちの乗った車を持ちさられ、追いかけるも事故に遭遇。ダイアナは帰らぬ人となる。

ジョンは子供たちを追いかけて車を走らせる。目的地はルシンダの家だ。子供たちは必ずあの場所にと確信していた。


二人は森の奥に、謎の男たちといた。

ジョンとケイレブは永遠に別れることになるような・・・・・。ここからは想像してください。


両親や妹のいる自宅へとジョンは戻ります。

「地球消滅」というⅩディは避けられないとしたら、あなたは何を残しますか?

ジョンが選んだ最後の事とは・・・・?

パニック状況の中で果たして人間はどれだけ冷静にその状況を受け入れられるのでしょうね。この手の作品は最近多いですが、単にパニック映画だけで終わらず、人間の置かれている究極の心理状態を表現しようとしたのかな。でもちょっと綺麗に描かれすぎのようにも思いますが。おそらく自分勝手な状況になると思うのだけれどね。
そういう意味では「ミスト」の方がその手の作品では人間の心理状態を鋭く表現していたなあと思います。

まあニコラスさんの最新作、それなりに楽しめたと思います。

おまけにニコラス・ケイジのインタビューをこちらからどうぞ

 ニコラス・ケイジ主演で放つ驚異のディザスター・パニック・サスペンス。50年前のタイムカプセルに収められていた一枚の紙が、その後に起きた大惨事を正確に予知していたことに気づき、そこに示されたこれから起こる惨事の回避に奔走する主人公の姿を、VFXを駆使した衝撃的映像の数々で描き出す。監督は「アイ,ロボット」のアレックス・プロヤス。(allcinemaより抜粋)

メディア 映画
上映時間 122分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(東宝東和)
初公開年月 2009/07/10
ジャンル サスペンス/SF

地球消滅
その時、人類は何を残せるだろうか。

 

オフィシャル・サイト
http://www.knowing-themovie.com/ (英語)
オフィシャル・サイト
http://knowing.jp/

 

 

 

 

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サスぺリア・テルザー最後の魔女ー

2009-07-13 | 映画:ミニシアター

原題:LA TERZA MADRE(イタリア語)


英語ではMOTHER OF TEARSだそうです。
主人公サラを演じるのは、アーシア・アルジェント 。見憶えがある?と思ったら、「トランシルヴァニア」、「マリー・アントワネット」に出演していた女優さんでした。
そして彼女の父であり、イタリアン・ホラーの帝王、ダリオ・アルジェント監督が、『サスペリア』、『インフェルノ』に続く、魔女3部作の完結編として製作されたのが本作。


そして何といっても、父の演出による母娘の初共演というのも今回の話題でしょうか。今やイタリアを代表する国際派スターとなったアーシア・アルジェント。常に難役に挑み続け、映画監督としても活躍しているそんな彼女が、邪悪の根源と戦うホラー・ヒロインを体当たりで熱演しています。またアーシアの実母、ダリア・ニコロディ も登場。ダリオ監督作品の常連女優だそうで、今回久々のスクリーン登場らしいです。

さてシリーズの完結編「サスぺリア・最後の魔女」のお話

イタリア中部、ヴィテルボの町。墓地脇の工事現場から土中深く埋葬された19世紀の柩と遺品入れが発見された。柩に刻まれた名は“オスカー・デ・ラ・バレー”。忌まわしい伝説の幕開けだった。


神父はマイケル宛てに遺品入れを送る。その後神父も病に倒れる。

ローマの古代美術館で考古学の研究を続けるサラ(アーシア・アルジェント)は恋人でもある館長のマイケル(アダム・ジェームズ)が不在の間に、副館長のジゼル(コラリーナ・カタルディ・タッソーニ)に誘われてヴィテルボから届いたオスカーの遺品入れを開けてしまう。その中には闇の彼方に葬られた邪悪な魔女、“涙の母”を復活させる不気味な彫像と古代文字を印した法衣が納められていた。


これが不気味な彫像です。

封印が解かれ、現代に甦った魔女は手始めにジゼルを惨殺。現場に駆け付けた刑事たちに事情を説明したサラは、逆に不審がられ、IZYOUSYAではないかと疑われてしまう。

一方、持ち去った法衣をまとい、完全復活を遂げた“涙の母”(モラン・アティアス)はローマに呪いを放ち、その妖力で覆われた町では次々とZISATUや殺人、暴動が起きる。遺品入れの秘密を知るサラとマイケルにも魔の手が伸び、魔女一味に誘拐された幼い息子ポールを必死で探し回るうち、マイケルは敵の手に落ちてしまう。

混沌を極めるローマを逃れ、悪魔払いの専門家ヨハネス神父(ウド・キア)の下に身を寄せたサラは、そこで衝撃的な事実を告げられる。“涙の母”は、“ため息”、“暗闇”という名の姉妹とともに千年前に魔術を生み出した三母神のひとりであり、事故死したはずの母エリザ(ダリア・ニコロディ)は、かって彼女らと戦って命を落とした有能な白魔女だったというのだ。

ヨハネス神父も魔の手にかかる・・・・。


降霊師マルタ・コルッシヴァレリア・カヴァッリもサラに協力してくれるが。
魔女一味の手によって殺されてしまう。

協力者たちは次々と惨殺され・・・・。最後の頼みは錬金術師デ・ウィット。

オスカー・デ・ラ・バレーは教皇庁とつながりのあった貴族で、魔女復活の儀式に必要な道具を運ぶ途中で命尽きた悲運の男だった。


デ・ウィットは彼女の素情を調べる。

錬金術師デ・ウィット(フィリップ・ルロワ)の助けを借り、霊界から母の導きで白魔女として覚醒したサラは、世界を破壊し尽くそうとする“涙の母”の館に潜入。


己の超能力を武器に魔物たちとの最後の対決に立ち上がる。


館の中では、衝撃的な場面も・・・・・。グロいです。


サラを尾行してきたエンゾ・マルキ刑事(クリスチャン・ソリメノ)も捕らえられます。


日本の女優市川純 が魔女カテリーナで登場しているのも必見。

サラを追いかけますが、サラの手によってあえなく亡くなります。日本語でのセリフが何とも言えず、新鮮な感じがしました。


これが“涙の母”姿です。

さてさて結末はいかに・・・・?ちょっと肩透しを食らった感じもしますが。

血ドバッ!や肉の破片、内臓の臓物がぶらりという場面が頻繁に出てきます。そういうものが苦手な方は観ない方がいいかもです。

親子の絆を深めたキャスティング

どうも親子関係はしっくりいってなかったふたり。父と喧嘩して暫く話もしていなかったアーシア。映画のロケ中に精神的な病に陥った彼女を父ダリオが元気づけてくれた。その時にこの映画の話が出たという。父が帰った後、この脚本が送られて来たそうだ。一読してその仕上がりにほれ込んだという。サラ役はアーシアが今まで演じたどんな役とも違った。

歴史的な背景をモチーフにヨーロッパティストなホラー作品という感じですね。ただそんなに怖いというところまで感じませんでしたが・・・・。

オフィシャル・サイト
http://www.motheroftearsthemovie.com/ (英語)
オフィシャル・サイト
http://www.suspiria3.com/

メディア 映画
上映時間 98分
製作国 イタリア/アメリカ
公開情報 劇場公開(キングレコード)
初公開年月 2009/04/25
ジャンル ホラー/サスペンス

関連作品

サスペリアPART2 

サスペリア 

インフェルノ 

 


 

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お買いもの中毒な私!

2009-07-11 | 映画:シネコン

原題:Confessions of a Shopaholic

お買いもの中毒には縁のない、映画中毒の私が鑑賞しました。最終日滑り込み!!
女性の多くが憧れるファッションの世界をたっぷり見せてくれる映画ですね。私も一応女性ですが・・・・。あんまりこういう世界にはとんと縁もないし、興味もないので観る予定ではなかったのですが。ヒュー・ジャックマンが出ていると聞いていたのでそうれなら観なければ!と行ったら・・・。何とヒュー違いでした。あのヒュー・ダンシーじゃあないですか。地味キャラの彼が出ていたとはちょっとびっくりそういえば、この9月に仏蘭西でクレア・デインズと結婚するそうですが・・・。個人的にはクレアさん、あんまり好きじゃないんだよね

さて映画の事ですが、この作品も「プラダを着た悪魔」のようにファッションが見どころ。何でもファッションを手がけたのもそのプラダを着た悪魔と同じスーパー・スタイリストのパトリシア・フィールドさん。アメリカでもっとも傑出したファッション・デザイナーのひとりであると同時に、映画やTV業界から引く手あまたの存在だそうです。

 この方が衣装デザインのパトリシア・フィールドさん。

今回の主人公レべッカファッションのポイントは?
ショッピングに抑えがきかないレべッカは、服にバッグ、靴をたくさん持っている。それらがカラフルなワードロープになっているはず。何でも手にいれたいという彼女のショッピングへの情熱を、スタイリングで表現したそうだ。毎日買い物しているわけだから、同じコートを30着も購入しない。大量の服や小物があれば、彼女は好きなように何でも組み合わせできる。
ちなみにオープニングで着ていたパープルのジャケットとサテンのパンツ、ピンクのブ―ツは日本の109で購入したそうです。日本のファッションは世界中のどこよりもセレクションが豊富で、何でもありらしい。(凄いんですね日本って・・・・)

さてお話は・・・・。

レベッカ・ブルームウッド (アイラ・フィッシャー)、25歳、NYに暮らす彼女の夢は、一流ファッション誌の記者になることだ。けれど現実の生活は夢にほど遠く、ガーデニング雑誌の編集部で興味のない記事を片付ける毎日。そんな彼女のストレス解消法は・・・・何といっても、お買いもの当然ながら、クレジットカード会社から毎月、送られてくる請求額は半端ではなかった

   アイラ・フィッシャー、今年33歳だそうで。
その上子供がいるらしい。驚きですね年齢よりず~と若く見えます。

あこがれのファッション誌「アレット」の欠員募集の面接に向かう今日も、大好きなショップのセールだけは素通り出来ない。そんな彼女は以前から目をつけていたグリーンのスカーフがお買い得と知った瞬間、彼女にマネキンがセールストーク。その誘惑にフラフラ「これは自分への投資」とレジへ直行お会計・・・・・のはずが、なんとカードが限度額をオーバー

それでもあきらめきれないレべッカはホットドッグの屋台で出会った男性から“入院中の大叔母へ贈るスカーフ”のために20ドルを寄付してもらい、まんまとスカーフをゲットする。(まさか30分もたたないうちにその男性と再会するとは、思いもよらずに・・・・)
彼の名はルーク・ブランドン(ヒュー・ダンシー)。募集を締め切った「アレット」の代わりに、レべッカが面接に出かけたマネー情報誌「サクセスフル・セイビング」の編集長だった。もともと金融の知識などゼロに等しく、「アレット」への踏み台のつもりで面接に臨んだので次々とボロを出してしまい、そそくさと退散するハメに・・・・。
その上追い打ちをかけることが!仕事場に戻ったらレベッカを待ち受けていたのは、ガーデニング雑誌休刊のニュースだったいきなり無職となった彼女の手元に残ったのは、カードの請求書とショッピングの戦利品の山だけだった。

親友スーズ(クリステン・リッター)の助言に従ったレべッカはテキーラの酔いも手伝って、大胆な売り込みレターを「アレット」の編集長宛てにしたためる。
そして「サクセスフル・セイビング」のルークには、借りた20ドルと毒舌を郵送・・・したはずが、実際には彼の手元に売り込みが届いていたやばい~~!


「アレックス」のオフィスに忍び込み、間違いを取りに入るレべッカ

レベッカにユニークな文章を気にいったルークは、彼女をテスト採用することに。やった「アレックス」への夢に一歩近づいたレべッカは、お買いもの中毒で借金まみれの彼女ならではの視点で原稿を執事。


“グリーン・スカーフの女の子”のペンネームで、「サクセスフル・セイビング」の人気コラムニストとなっていく。

そしてイケてるルークとのマイアミ出張も決まり、気分は最高だ


ルークとのダンス扇子を振り振りレべッカダンス

さて皆さん、彼女はこのまま上昇気流に乗り続けることができるのでしょうか
それとも

仕事は順調のようだったが・・・・。ローンの取り立て屋が彼女を追いかける
ルークには借金問題を告白出来ず取り立て屋を何とSUTOKAーにしてしまう
ルークは彼女の言葉を信用しちゃっている。


借金地獄のレベッカだが、仕事は益々上昇そんなレベッカのライバルアリシア・ビリントン(レスリー・ビブ)は面白くない「アックス」の編集長アレット・ネイラー(クリスティン・スコット・トーマス)にもレベッカが気に入られているからだ。

そしてはルークは良家のご子息ということが分かると、今度は彼にアリシアは接近し始めたのだ。


ルークとレベッカ、な雰囲気なんだけどね・・・・。

親友スーズの花嫁介添え人も引き受けていたレベッカだが・・・・・。この後彼女とも関係がまずくなることに

おまけに心惹かれていたルークとものような?


傷心のレベッカを癒してくれたのは両親だった。
父グレアム・ブルームウッド 役(ジョン・グッドマン)と母ジェーン・ブルームウッド( ジョーン・キューザック)持つべきものは親の愛

 

ショッピング中毒のヒロインが騒動を繰り広げるジェリー・ブラッカイマー製作のロマンティック・コメディ。ソフィー・キンセラによるベストセラーの小説シリーズ『レベッカのお買いもの日記』を映画化。カード限度額を超えるほどお買いものにハマり続ける主人公が、持ち前のポジティブ・キャラでピンチを切り抜けていくさまと、ふと訪れた恋の行方を描く。主演は「ウエディング・クラッシャーズ」「ハッカビーズ」のアイラ・フィッシャー。監督は「ベスト・フレンズ・ウェディング」のP・J・ホーガン(allcinemaより抜粋)


原作はソフィー・キンセラの『レベッカのお買いもの日記』。

中央の方がソフィー・キンセラさん。


いやいや意外に面白かったですね。最初はこういうファッション系の話題満載の作品ってどうも苦手なジャンルでしたが、単にファッション狂いの女の子のお話だと済まされないなあなんて。誰しも何かにハマり、そこから抜け出せなくなるってあるんじゃないかな?と・・・・。それがお買いものだったり、他の趣味だったり色々あるわけで。程よいところでブレーキがかけられるといいのでしょうが。そんな彼女の生き方を見て自分はどうだろう?と考えせられました。映画鑑賞にハマっている私にも言えるかも。ということで観ないと良いか?どうか分かりませんね。
さて貴方は何の中毒ですか?

追記:中毒状態になるくらいハマるのはいいけれど、こんなにふくれあがった借金地獄はいけませんね。絶対迷惑をかけては駄目です ! 

メディア 映画
上映時間 105分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(ディズニー)
初公開年月 2009/05/30
ジャンル コメディ/ロマンス

オフィシャル・サイト
http://www.shopaholicmovie.com/ (英語)
オフィシャル・サイト
http://www.movies.co.jp/okachu/

 

 

Comments (4)
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ウィッチマウンテンー地図から消された山ー

2009-07-09 | 映画:シネコン

 7月7日、東宝シネマズ二条にて鑑賞。


“ロズウェル件” “国家機密” “謎の残骸” “エリア51” “極秘実験”

“ミステリーークル”

それは何処にあるのか・・・・? そこには、何が隠されているのか・・・・?

北米で興行成績が1位になったということで、楽しみにしていたのですが・・・・。う~ん何と言いましょうか。期待ほど面白い作品ではなかったというのが正直な感想です。どちらかといえば、ファミリー向けのような気がします。冒頭は結構いい感じでスターとしたもので、これはいける!と思ったのですが。お話が進むにつれ、トーンダウン状態まではいかなかったけれど、疲れていたらほんまに寝てしまったかも
危なかった。この日はシネマズディで会員は1300円で鑑賞。1800円ならちょっと後悔したかもです。

STORY

UFO大会で賑わうラスベガス。タクシードライバーのジャック・ブルーノ(ドゥエイン・ジョンソン)は、街に溢れるSFオタクにうんざりしていた。ある日、プラネット・八リウッド カジノ・アンド・ホテルであるUFOコンベンション大会に客を連れて行っていた。客の1人にアレックス・フリードマン博士(カーラ・グギノ)という、UFOと宇宙の正統の科学理論に関するスピーチをして失敗した科学者をのせる。

翌日、ブルーノは2人の大きい男性が2人の子供を誘拐しているような光景を目にし、その子供を助け、そこを去る。その後で2人の子供、サラ(アナソフィア・ロブ)、とセス(アレクサンダー・ルドウィグ)がタクシーの後部座席に座っているのに気付く。彼らは、ある目的地に行く必要であり、彼らが持っているすべてのお金1万5000ドルをそこに着いたら払うと言う。

そんな彼のタクシーに乗り込んだセスとサラと名乗る兄妹の二人組。彼らを乗せて走り出した途端、怪しいSUV車に追われるが、ジャックの並外れた運転テクニックと兄妹の不思議な力で危機を脱する。しかし、さらなる追っ手がかかり、ジャックは戸惑いながらも謎めいた兄妹と行動を共にする。
そしてジャックは、セスとサラがあるミッションのため、合衆国政府が最高機密として地図から消した“ウィッチマウンテン”を目指しており、政府の特殊機関が如何なる手段を使ってでも山に到着するのを阻もうと躍起になっていることを知らされる。やがて兄妹を理解したジャック。だが、そんな彼らに、さらなる暗殺者の影も迫っていた…。

SUV車を振り切ったタクシーは少年のコンパスが示した先、荒涼とした山に建つ一軒の古びた小屋にたどり着く。その小屋の地下には、何と緑が生い茂る異空間が広がっていた。少女は、地面から生えてくる輝くポールから小さな装置を取り出す。茂みが揺れた。何かが近づいてくる。ふたりの命を狙っている未知なる存在・・・・?

引き起こされた大爆破を背に、ふたりはタクシーに転がり込む。濃霧の中から、この世のものとは思えぬ強烈な光が立ちあがった。未知なる暗殺者が操る謎の飛行物体!入りこんだ鉄道のトンネル内で、ハイスピードなチェイスが始まった。光から繰り出される強烈な衝撃波。正面からは猛スピードで迫る列車が!ジャックは夢中でハンドルを切り、トンネルから脱出する。列車はトンネルの内壁に接触し炎を上げながら、光と衝突した・・・・。
謎だらけの状況に巻き込まれ、混乱するジャックに、少女は、手を触れずにコインを空中に浮かせて見せる。宇宙から来たことを信じなければならないジャックだ。
命がけのミッションを課せられたふたりは使命を果たすために小屋から探し出した小さなマシンを携て何としてでも“ウィッチマウンテン”にたどり着かなければならない。そこは宇宙の秘密が潜む場所。そして国家最高機密として合衆国政府によって地図から消された禁断のエリアだったのだ。

セスとサラは“ウィッチマウンテン”を目指して再び動き出す。天体物理学者フリードマン博士やハーラン博士(ゲイリー・マーシャル)から引き出すことに成功した極秘情報も、彼らをその山へ導こうとしていた。


しかしその頃既に、彼らの動きは政府特殊機関によって探知され、密かに監視下に置かれていた。そして、ふたりを殺すまで追跡をやめない未知なる暗殺者の影も・・・。
サラとセスのミッションとは何なのか?
命を懸けた戦いの果てに待つ、禁断の山=“ウィッチマウンテン”に秘められた恐るべき宇宙の謎とは、果たして・・・・


サラとセス兄妹を助けることになったジャックとフリードマン博士は、ある場所に隠されていた宇宙船を見つける

ちょっとネタばれ。
地図から消されたウィッチマウンテンには政府特殊機関の基地があり、彼らの宇宙船はそこに隠されていたのだ。セスとサラはここに捕らわれてしまう。そんなふたりをジャックとフリードマンによって助け出されることに・・・・。

 サラとセスは自分たちの星に戻って行きます
見送るふたり。

1975年製作の星の国から来た仲間(1975)を現代的にリメイクしたSFミステリー・アドベンチャー。ひょんなことから不思議な力を持つ兄妹を乗せてしまったタクシー・ドライバーが、彼らの目指す禁断の山“ウィッチマウンテン”をめぐって兄妹への妨害を図る国家機関と熾烈な駆け引きを繰り広げ、その山に秘められた驚くべき宇宙の謎に迫る。主演は「スコーピオン・キング」のドウェイン・ジョンソン。監督は「アメリカン・ピーチパイ」「ゲーム・プラン」のアンディ・フィックマン


この方が、アンディ・フィックマン監督

全体にこじんまりまとまったキッズ向けのSFアドベンチャーって感じっていう感じですね。ドウェイン・ジョンソン初主演だった作品だったのにちょっと残念な気もしますが・・・。話題の美少女スター、アナソフィア・ロブちゃんは、やっぱり可愛かったし、演技もよかったと思います。

ラストはちょっと出来すぎじゃないか?というようなハッピーエンドで締めくくられていました。

メディア 映画
上映時間 98分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(ディズニー)
初公開年月 2009/07/04
ジャンル SF/アドベンチャー/ファミリー

 RACE TO WITCH MOUNTAIN

  • Official site(英語)
  • 公式サイト(日本語)
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    他の注目のキャスト陣紹介

    ヘンリー・バーク役 キーラン・ハインズ

    自動車修理工役  チーチ・マリン

    宇宙人小説の作家 ホイットリー・ストリーバー カメオ出演

    ティナ キム・リチャーズ   アントニー保安官 アイク・アイゼンマン

     

     



     

     

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