銅版画制作の日々

ぼちぼち更新致します。宜しくお願いします!

嘆きのピエタ(2012)**PIETA

2013-07-28 | 映画:ミニシアター

皆さんお元気でしょうか?久しぶりの投稿です。母の病気でばたばたしています。その間をぬって久しぶりに映画を鑑賞してきました。

キム・キドク監督の作品です。そういえばキム監督作品を観るのは、悲夢以来鑑賞です。なんでもこの作品はあのヴェネチア映画祭で金獅子賞に輝いたそうです。そんな事前情報が気になって観に行って来ました。

全体に暗いトーンです。主人公ガンドは借金の取り立て人です。しかも法外な利息をつけ債務者が払えないような状況に陥らせるというのです。結局危害を加え怪我を負わせ、その保険金で返済させるという非情な手口。う~んこれはえぐいですね。機械に手を挟んだり、足を骨折させたりと、、、、。酷い話です。ガンドが血も涙もない人間なのは、生まれてすぐに親に捨てられたせいなんでしょうね。

そんなガンドの前に現れたのがガンドを捨てたという申告する自称母親ミソン。突然現れ、母親だと言われても信じられませんよね。冷たくあしらいますが、執拗以上に捨てた事への詫びや子守唄を唄ったり。自宅上がり、食事を作ったり・・・。ガンドの気持ちを揺さぶります。

 

そりゃびっくりしますよね。突然現れて母だと名乗られても、、、、。普通母だという証明するのがあれじゃないですか。そのあたりは何かアバウトです。ぐいぐいとガンドの心の中に踏み込み、あれあれという間にガンドの心に変化が起こる。

観ている私には、ミソンの存在が何となく胡散臭い気もしましたが、、、、。これは何か裏があるんじゃないかな?と。でもよく考えるとそんな事はあまりこの作品には関係ないのかなと思ったり。

そうしているうちにガンドにとってミソンの存在はかけがえのないものとなって行きます。そんな時にミソンはガンドの前から姿を消すことに。このタイミングもナイス。ミソンを探しまわるガンドのところにミソンからの助けを求める電話が・・・。

気が狂うように債務者や関係者の元を探しまわるガンドの姿が何とも印象的です。母への思いが深くなったようです。

少しネタばれです。電話して助けを求めるミソンはまるで被害に遭っているようなそぶりをしてガンドの気持ちを高めます。明らかに一人芝居。このあたりから、ミソンが何かの目的でガンドに近づいていることに気づかされます。さて彼女は本当にガンドの母なのか?もしそうでなれば一体彼女は誰なのか?それは観てのお楽しみです。

解説(allcinemaより)

2012年のヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞したサスペンス・ドラマ。監督は「サマリア」「うつせみ」のキム・ギドク、主演はテレビドラマ「ピアノ」のチョ・ミンスと「マルチュク青春通り」のイ・ジョンジン。十字架から降ろされたイエス・キリストを抱く聖母マリア像であり、慈悲深き母の愛の象徴でもある“ピエタ”をモチーフに、心を失った男とその母を名乗る女の姿を描く。

 

メディア 映画
上映時間 104分
製作国 韓国
公開情報 劇場公開(クレストインターナショナル)
初公開年月 2013/06/15
ジャンル ドラマ
映倫

R15+

 

 

見どころはやはりラストでしょうか。ガンドの懺悔が自分の死を持って描かれている非常に印象的なものでした。このあたりはキム・キドクらしいものかもしれません。

 

オフィシャル・サイト
http://nagekinopieta.com/
 
 
 
 
 
 
Comments (2)
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偽りなき者(2012)☆★JAGTEN

2013-07-01 | 映画:ミニシアター

 決して、譲れないものがある――

今晩は☆彡 久しぶり映画鑑賞に出かけました。行先は京都シネマ。気になっていた映画「偽りなき者」を観て来ました。この作品の監督、トマス・ヴィンターベアは以前にも観たことがあります。前作は「光の方へ」でした。今回同様重たい作品でしたね。
日曜日という事と、上映が1回ということでか、ほぼ満席でした。

主演はマッツ・ミケルセン。メジャーな作品からマニアックな作品にと大活躍な役者さん。今回はおひざ元のデンマーク作品だったんですね。

さてお話はマッツ演じるルーカスという男性が離婚と失業を抱えていたのですが、ようやく幼稚園の先生という職業に就いた。子供たちも好感をもたれ良いスタートを切ったわけですが。。。。ある子供の嘘からえらい目に。

それにしても何で幼い子どもの嘘をそのまま信じてしまうまわりの大人の態度も理解出来ない。普通双方の意見を聞いてその上でどちらの意見が正しいかを選択するのが当たり前だと思うんですけどね。


特に幼稚園の園長グレテの判断も何だか一方的で。完全にルーカスを変態呼ばわり。

あ!幼い子どもですが、クララという少女です。何とルーカスの親友テオの娘ときてる。ルーカスに冷たくされたことからそれに恨みを持ってルーカスに性的暴行を受けたなどというのですからたまったものじゃありません。またまわりの大人も小さな子供の意見だけで、すべて鵜呑みにするのですから、何となく空恐ろしいものがあります。

ということでルーカスは完全に犯人いや変質者扱い。ルーカスの意見を聞こうともせず彼に冷たい仕打ちを浴びせるのです。村八分という言葉がありましたが、まさに完全に孤立状態。


買い物に店に出かけても品物を売ろうとせず、殴る・蹴るです。いやあまいります。


そのトバッチリは愛する息子にまで、、、、。

ところで原題は狩りだというこです。冒頭にも鹿を撃つ場面があります。狩猟をしていたルーカスが逆に狩りをされるという意味なのでしょうか?どうもそう言う風に捉えますよね。とにかく周りの仕打ちに遭いながらもあくまでも無実を訴え続ける彼の姿がとても印象的でした。

クララはことの重大さを思い知ります。こんな大きな問題になるとは思わなかったと・・・・。


しかし彼女の意見は取り合われることもなく、、、、、。

ルーカスはクララへの憎しみは持つこともなくあくまでも受け入れる。このあたりは小さい子どもへの配慮なのか?それとも彼の優しさからなのか?う~ん私なら小さい子でも憎んでしまうかもしれませんね。

ルーカスの愛犬ファニーが殺されたり、自宅の窓ガラスを割られたり、、、、。

ネタばれになりますが、最後のシーンでルーカスを撃とうしたあの逆光の人影は誰だったのでしょう?色々疑問は残りますが、、、。

あらすじ(allcinemaより)

 デンマークの小さな町で幼稚園の教師として働くルーカス。離婚の悲しみを乗り越え、仲間たちと狩猟を楽しむ穏やかな日々を送っていた。そんなある日、彼にプレゼントを受け取ってもらえなかった園児クララが、軽い仕返しのつもりで発した嘘が彼の人生を狂わせてしまう。“ルーカスにいたずらされた”というクララの証言を町の大人たちは鵜呑みにし、潔白を訴える彼の言葉に耳を貸すものは誰もいなくなる。町中から白眼視され、様々な嫌がらせや暴力にさらされながらも、己の矜持を貫き静かに耐え忍ぶルーカスだったが…。


クリスマス・イブ、追い詰められたルーカスはある決意を胸に、町の住人たちが集う教会へ向かう……。

解説(allcinemaより)

 少女の何気ない嘘によって人生を破壊された男が、理不尽な迫害を受けながらも、自らの尊厳を守るべく周囲のいわれなき疑惑と憎悪に懸命に立ち向かっていく姿を厳粛に描き出した衝撃のヒューマン・ドラマ。主演は本作の演技でカンヌ国際映画祭主演男優賞に輝いたデンマークの名優マッツ・ミケルセン。監督は「セレブレーション」「光のほうへ」のトマス・ヴィンターベア。

メディア 映画
上映時間 115分
製作国 デンマーク
公開情報 劇場公開(キノフィルムズ)
初公開年月 2013/03/16
ジャンル ドラマ
映倫

R15+

 

オフィシャル・サイト
http://itsuwarinaki-movie.com/
 
 
※久しぶりに記事をアップしました。しばらく書いていないので勘が戻らず、、、、。ぼちぼち鑑賞してゆっくり更新したいと思います。コメント・TBありがとうございます。ゆっくりですが、お返しに上がりたいと思っております。今しばらくお待ち下さい。

 

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