皆さんお元気でしょうか?久しぶりの投稿です。母の病気でばたばたしています。その間をぬって久しぶりに映画を鑑賞してきました。
キム・キドク監督の作品です。そういえばキム監督作品を観るのは、悲夢以来鑑賞です。なんでもこの作品はあのヴェネチア映画祭で金獅子賞に輝いたそうです。そんな事前情報が気になって観に行って来ました。
全体に暗いトーンです。主人公ガンドは借金の取り立て人です。しかも法外な利息をつけ債務者が払えないような状況に陥らせるというのです。結局危害を加え怪我を負わせ、その保険金で返済させるという非情な手口。う~んこれはえぐいですね。機械に手を挟んだり、足を骨折させたりと、、、、。酷い話です。ガンドが血も涙もない人間なのは、生まれてすぐに親に捨てられたせいなんでしょうね。
そんなガンドの前に現れたのがガンドを捨てたという申告する自称母親ミソン。突然現れ、母親だと言われても信じられませんよね。冷たくあしらいますが、執拗以上に捨てた事への詫びや子守唄を唄ったり。自宅上がり、食事を作ったり・・・。ガンドの気持ちを揺さぶります。
そりゃびっくりしますよね。突然現れて母だと名乗られても、、、、。普通母だという証明するのがあれじゃないですか。そのあたりは何かアバウトです。ぐいぐいとガンドの心の中に踏み込み、あれあれという間にガンドの心に変化が起こる。
観ている私には、ミソンの存在が何となく胡散臭い気もしましたが、、、、。これは何か裏があるんじゃないかな?と。でもよく考えるとそんな事はあまりこの作品には関係ないのかなと思ったり。
そうしているうちにガンドにとってミソンの存在はかけがえのないものとなって行きます。そんな時にミソンはガンドの前から姿を消すことに。このタイミングもナイス。ミソンを探しまわるガンドのところにミソンからの助けを求める電話が・・・。
気が狂うように債務者や関係者の元を探しまわるガンドの姿が何とも印象的です。母への思いが深くなったようです。
少しネタばれです。電話して助けを求めるミソンはまるで被害に遭っているようなそぶりをしてガンドの気持ちを高めます。明らかに一人芝居。このあたりから、ミソンが何かの目的でガンドに近づいていることに気づかされます。さて彼女は本当にガンドの母なのか?もしそうでなれば一体彼女は誰なのか?それは観てのお楽しみです。
解説(allcinemaより)
2012年のヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞したサスペンス・ドラマ。監督は「サマリア」「うつせみ」のキム・ギドク、主演はテレビドラマ「ピアノ」のチョ・ミンスと「マルチュク青春通り」のイ・ジョンジン。十字架から降ろされたイエス・キリストを抱く聖母マリア像であり、慈悲深き母の愛の象徴でもある“ピエタ”をモチーフに、心を失った男とその母を名乗る女の姿を描く。
メディア | 映画 |
上映時間 | 104分 |
製作国 | 韓国 |
公開情報 | 劇場公開(クレストインターナショナル) |
初公開年月 | 2013/06/15 |
ジャンル | ドラマ |
映倫 |
R15+ |
見どころはやはりラストでしょうか。ガンドの懺悔が自分の死を持って描かれている非常に印象的なものでした。このあたりはキム・キドクらしいものかもしれません。
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